Warlock’s Tower – プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©Ratalaika Games SL, Midipixel. Licensed to and published by Eastasiasoft Limited. All Rights Reserved.

 

基本情報

 

タイトル Warlock’s Tower
対応機種 Steam/Nintendo Switch/PS4 他
販売/開発 eastasiasoft(Steam版はWhipperingが担当)/Midipixel,Ratalaika Games SL
発売日 2017年1月31日(Steam版)/2019年7月11日(Switch版)/2020年8月7日(PS4版)
対応言語 日本語,英語,フランス語,ドイツ語,スペイン語,韓国語,ポルトガル語,ロシア語,中国語 (繁体字)
備考 海外ではX-box ONE版、PS Vita版、Nintendo 3DS版などもリリースされている
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作品概要

 

「Warlock’s Tower」(「ウォーロックタワー」)はブラジル、リオデジャネイロのゲーム開発チームMidipixelとRatalaika Games SL(ラタライカゲームズ)の協力で開発が手掛けられたゲーム作品。国内コンソール版においてはeastasiasoftがパブリッシャーを担当。

内容は完全ターン制のクラシカルなパズルゲーム。プレイヤーは勇敢な郵便配達人ティムとなって、塔を棲み処とする闇の魔術師ウォーロックの元へと書状を届けるため、様々な仕掛けが施された各部屋を攻略しながら上層を目指していく。

本作はSteam版での初リリースを軸に各種ゲームコンソール、GooglePlayなど多数のプラットフォームでリリースされている。

 

ストーリー

 

(本編イントロより該当部を引用)

 

闇の魔術の達人、邪悪なウォーロックは、世界を滅亡させようとしている。

 

その住処である命を吸い尽くす塔の頂から、彼は自然の力をすべて吸い上げ、かつて彼を忌み嫌った人類を滅ぼしつくそうとしているのである。

れに対し、世界の盟主たちは、彼を愛する者も存在するということを証明するため、連名で平和の書状を送ることにした。

 

もし彼が、自分は憎まれているばかりではないと理解できたら…

しかし、いったいだれが、その書状を届けるという過酷な任務に挑めるというのだろうか?

 

名乗り出たのはティム、最も勇敢な郵便配達人である。

彼は呪われた塔の最上階までたどりつき、手紙を届け、全世界を救うことができるだろうか?

 

 

 

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 移動
Lボタン (マップ画面)1フロア戻る
ZLボタン (マップ画面)1フロア戻る
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック カメラ移動、(押し込みで)カメラ固定
Aボタン キャラクター交代(※パートナーがいるステージのみ利用可能)
Bボタン
Yボタン マップ画面へ戻る
Xボタン やり直し(リトライポイント設置時はポイントからリトライ)
Rボタン (マップ画面)1フロア進む
ZRボタン (マップ画面)1フロア進む
+ボタン メニュー呼び出し

「Warlock’s Tower」は操作要素が少ないこともあり、それに伴って使用するボタンの数も少なめ。各レベル攻略中は移動とカメラ操作の2つを覚えておけばひとまず進めることはできる。

行き詰った時にはXボタンを押せばリトライが可能。もしくはYボタンでマップ画面へと一度戻って気分転換を行うのも良いだろう。タイトル画面に戻りたい時は+ボタンでメニューを呼び出そう。

 

ゲームシステム

 

プレイヤーのライフとジェム

ティムは塔の中で1歩踏み出すたびに画面左上に表示されているライフ残量を1つずつ失っていく。ライフが0になる前に、各部屋の出口の扉を開くのがステージクリアの目標だ。

 

ライフは各部屋に設置されているジェムやスーパージェムを取得時に残量を変化させることができるのだが、ここで注意点が1つある。ジェムの取得によって起こる効果は「ライフの数値を取得したジェムの効果値へと変換する」というもので、”現在残量への加算ではない”という点だ。

 

例えば、ジェムを取得(ジェムの上へとティムが重なった)時の効果は「ライフ残量が3になる」といったものだが、取得時のライフが残り1だった場合は、残り1のところに3を「加算する」のではなく、ジェムの効果値である3にライフ残量が「変化する」ということになる。この特徴から、スーパージェムとジェムが隣接して並んでいるような状況で両方を連続で取った場合、後で取った方の数値のみが反映されることになる(後でジェムを取った場合は「3」がライフ残量に反映される)。

足りないライフを補う方法はジェム取得にはないので常に一手前のアクションを見越しつつ、ジェムを取得する順番にはくれぐれも注意しよう。

 

カギ付の扉

 

錠前がかかった扉は、同じ部屋の中にあるカギを取得していないと開くことができない。まずはステージ開始時に扉に錠前がついていないかをチェックしておこう。

 

フラッグを立てる(フラッグポイント設置)

(※特定のレベルまで進めないと利用できない)

各部屋の攻略中”地面の空いている場所”でXボタンを押すと、その場にフラッグを立てることができる。こうしてフラッグが設置された「フラッグポイント」は以降、手を間違えた時に再びXボタンを押すと設置した時点の状態まで戻ることが可能となる。

一手ずつ戻す、というアクションとは効果が異なるため少々使いづらいが、先の手に自信が持てないときは「ここまでは間違えてない」と思うタイミングで事前にとりあえず設置しておいてみよう。

 

 

キャラクター切り替え(ステージ限定)

(※特定のレベルでないと利用できない)

タッグキャラがいる部屋ではAボタンを押すごとにティムとパートナー間で操作するキャラを切り替えることができる(タッグキャラ対応ステージでは画面左側のティムのアイコンが上画像のように2人組のアイコンに変化)。

ライフ残量については個別ではなく、2人で1つのライフ残量を共有する仕様のため、2人を交互に動かすような状況では0にならないように特に気を付けなくてはならない。

 

ギミック、妨害キャラ

 

「Warlock’s Tower」に登場する代表的なギミックや妨害キャラについて下記で紹介していこう。

 

コンベアベルト

上に乗るとベルトの回転先まで自動で移動する。ベルトの流れる方向は常に一定だが移動中に限ってはライフが減らないので、この特徴を計算に入れてライフ運用に上手く活用しよう。

 

ハッチとスイッチ

 

部屋の床面に仕掛けられたハッチは対になっている床面のスイッチを押した状態を保っている時は閉じたままになるが、ひとたびその支えがなくなると再び開いた状態となる。開いたハッチの上を通ろうとすれば落下してミスとなってしまうが、同時に歩行型のほとんどの妨害キャラも上を通ると落下させることが可能。使い方次第で部屋の安全を確保できる切り札ともなり得るギミックなので、賢く利用しよう。

 

暗闇

部屋によっては灯りが灯らず、視界が非常に狭いステージも登場する。1~2歩先が微かに見える程度となるので、何度かトライすることでジェム及び妨害キャラの位置や部屋の構造をしっかりと把握しておきたい。

 

レバーとゲート

 

閉ざされたゲートは、部屋のどこかの壁面に設置されたレバーを倒す(レバーのある壁の方に向かって方向キーを倒す)と開くことができる。この2つはセットなので、どちらか1つがあるステージでは必ずもう1つも登場する。

 

ゾンビ

脳みそが大好きなゾンビはティム、もしくはタッグキャラが合計3歩歩くたびに1歩こちらへと歩み寄ってくる。他の妨害キャラに比べて特殊な能力は持っていないが、重なると一発でアウトとなってしまうので、うまく回避しよう。

 

スライム

スライムは移動後、自分のいた場所に酸の水たまりをまき散らす。

ティム、及びタッグキャラはスライム本体だけでなくこれら”酸溜まり”の上に載ってもミスとなる上に、酸溜まりは一度まき散らされると同じ挑戦回の間、延々と残り続けるため非常に厄介。こちらの行動可能なエリアを狭められないためにも、スライムを広範囲に移動させるような動きは絶対に回避したい。

 

フラァイ

両翼がついた目玉の怪物フラァイは外壁やゲートのような背の高い物体以外の地形を無視してティム、もしくはタッグキャラ目掛けて少しずつ近寄ってくる。勿論キャラ同士が重なった時点で即アウトだ。

(フラァイという響きは少々独特だが、「”Fly”(飛行する)+”Eye”(目)を掛け合わせたことから生まれたのではないか」というのが筆者の推察だが、ひとまず作中でウォーロックが”比較的高めのテンションでそう呼んでいた”ことに倣って、当記事でも便宜上その名で記させて頂いている)

 

隠し要素

 

ワープゾーンとシークレットフロア

塔の特定のフロアではワープゾーンが存在する。ただし、このワープゾーンは塔全体の攻略率(マップ画面右上に表示されている%数値)が一定以上の数値に達していないとアンロックされない。

各ワープゾーンの先は3~4つの部屋で構成されたシークレットフロアへとつながっている。ステージの内容自体は普通のフロアにあるものと同じだが、100%クリアを目指すならばこちらの踏破も欠かせない。ワープゾーン開放の条件を達成しているかどうか、マップ画面を開いた際には定期的に攻略率を確認してみよう。

 

隠しキャラクター

塔の中ではラケットボーイ(同開発チームのゲームタイトル「Sky Racket」の登場キャラクター)などの他作品からのゲストキャラが何処かの部屋で待ち受けている。お楽しみ要素の一環といったところで登頂においては直接は関係ないが、果たして全員と出会うことができるだろうか?

 

プレイ後の感想

「Warlock’s Tower」はこれまで紹介してきたように、8bit風な画面写真を一目見るだけでもクラシカルな雰囲気がしっかり伝わるコンパクトな内容のパズルゲームだ。登頂を狙うだけならばパズルゲームとしての難易度は比較的易しめ(といっても中盤までに比べると後半は少し難易度が上がる)で、次第に増えていくギミックやルールについても随時チュートリアルが入るため段階を追って学ぶことができるので非常にとっつきやすい。

 

そんなチュートリアルの説明役をも兼ねる人物が、本作の渦中の張本人でもある闇の魔術師ウォーロック。彼はフロアを登るに連れて次々に登場する新たなギミックの紹介役として毎回登場するのだが、その都度ジョーク交じりのコミカルな発言が展開する。吹き出しを追っていると、プレイヤーキャラであるティムはウォーロックの発言に対して何も反応を返さないため、”毎回ウォーロックが一人でしゃべってる”というような流れに見えてしまうが、セリフの端々に時々ツンデレな態度を覗かせている傾向がみられる辺り、きっと根は悪人じゃないんだろうなあという彼の人柄がほんのり窺えたりでなかなか面白いキャラクターとなっている。(この辺りはローカライズ担当の方の手によって醸し出されている”妙味”でもあると言えるやも)

 

肝心のゲーム本編の完成度については、シンプルなゲームシステムやルールから逸脱しすぎるようなこともなくしっかりまとまっていて特に難点もないのだが、しいて挙げるとすればとかくゲーム内容が地味なところが少々惜しまれる部分。クラシカルな完全ターンベースのパズルゲームなので取り立ててアクション性もなく、常に一手先の展開を読むソリティアや詰め将棋などのテーブルゲーム的なものに近いタイプの作品だ。塔の上層を目指す上ではパズルの合間にたびたび登場し、回を重ねるごとに少しずつその態度を軟化させていくウォーロックのツンデレ具合を楽しむのも本作の楽しみ方の1つ(?)かもしれない。

 

eastasiasoftがパブリッシャーを務める作品は頻繁にセールを行っている対象となるタイトルも少なくないが、本作についても各種コンソール版は比較的よくワンコインで買えるセール対象となっている作品で、レトロデザインなゲーム愛好者にとってはコストパフォーマンスに優れている作品の1つ。コンピューターゲームならではのクラシカルなパズルゲームを嗜む諸氏においては本作をコレクションの1つに加えてみるのも一興となるだろう。

 

評価

 

個人的スコア 6.0(10点満点中)

 

良い点

  • 8bit風のグラフィックとパレットが様々なパターンに変化するゲームボーイライクなモノクロ液晶風カラーリング
  • パズルゲームとしては難易度は抑え目で、適度な頭の体操にも効果的
  • テキストローカライズの精度自体は良好

 

惜しい点

  • ゲーム内容自体は地味で緩急に乏しく、盛り上がりに欠ける
  • (Nintendo Switch版)日本語設定でプレイ中は一部の吹き出しが出る場面でテキストが入りきらず、文章が途中で途切れている箇所が見られる
  • 隠し部屋を除くおまけがないため、全クリア後のリプレイに向けての要素に乏しい

 

 

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