Verdict Guilty(バーディクト・ギルティ)- プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©RETRO ARMY LIMITED, Verdict Guilty™.
©2022 PIXELHEART Corporation

 

 

基本情報

 

タイトル Verdict Guilty – 유죄 평결(バーディクト・ギルティ – 有罪判決)
対応機種 Steam/Nintendo Switch
販売 Paul Stephen Davis(Steam版)、PixelHeart(Switch版)
開発 Retro Army Limited
発売日 2016年6月13日(Steam版)/2023年2月16日(Switch版)
対応言語 英語
備考 IARCレーティング判定:16+(アルコール/タバコの使用)

※日本語非対応

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作品概要

 

「Verdict Guilty – 유죄 평결」(「バーディクト・ギルティ – 有罪判決」)はRetro Army Limitedが開発を手掛けるゲーム作品。日本においてのNintendo Switch版パブリッシャーはPixel Heartが担当。

本作は対戦型の2D格闘アクションゲーム。警察サイド、及び犯罪者サイドの計8人+αの使用キャラクターから一人を選び、2本先取制のストリートファイトを勝ち抜いていく。

作中のテキストは一貫して英語だが、表題にハングルが見えることからも伝わるように、韓国をモデルとした架空都市「ネオソウル」が本作の舞台だ。

 

今回紹介するNintendo Switch版は、2016年6月よりSteamで配信中の同名作移植版である。

なお、開発元のRetro Army Limitedは2019年に事業を停止しており、以降現在まで休眠状態を継続中。

 

リンク:Retro Army Limited(運営停止中)

リンク:PixelHeart(NintendoSwitch版パブリッシャーTwitter)

 

基本操作

 

(Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動、(上入力時)ジャンプ、(下入力中)しゃがみ
Lスティック 同上
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 強キック攻撃
Bボタン 弱キック攻撃
Yボタン 弱パンチ攻撃
Xボタン 強パンチ攻撃
Rボタン (密着状態で)投げアクション
ZRボタン
+ボタン メニュー呼び出し

各キャラクターの特殊技、及び必殺技はコマンド入力方式につき、詳しくはページ内の項目「キャラクター別技コマンドリスト」を参照。

 

ゲームモード

 

「Verdict Guilty」には1人用のスタンダードなゲームモードであるARCADE、各キャラクターの物語を中心に据えたSTORY、ローカル2人プレイによる対人戦が可能なVERSUS、技の練習に最適なTRAININGといった各種モードが搭載。

この内、ARCADEは更に最大4種類のモードに分かれており、それぞれで一部仕様やルールが若干異なっている。

STANDARD 13人の対戦相手を順に倒すスタンダードなゲームモード。

各キャラプレイ時に特定の条件を満たしてクリアすると、追加キャラクターを順次アンロックすることができる。

DUELLING 残り時間と体力値が異常に少ないサドンデス形式のゲームモード。

STANDARDをクリアするとアンロック。

TURBO DUELLINGをクリアするとアンロック。
MASTER TURBOをクリアするとアンロック。

最初はSTANDARDのみが選択可能で、それ以下の3項目は「?????」表記になっていて選ぶことができない。上から順に各モードを1度クリアすることで、直下の項目がアンロックする仕組みだ。

明確にSTANDARDモードとのゲームルールに違いが見えるのはDEULLINGのみで、他はSTANDARDとの違いが分かりにくく、最後のMASTERモードをクリアしても特典はこれといってない。

 

ゲームシステム

 

基本ルール

「Verdict Guilty」では、2本先取制のスタンダードな対戦格闘ゲームのシステムを踏襲している。ゲーム内の試合本数は最大3ラウンド制固定で、オプションによる変更は不可。

両者顔アイコンの下の弾薬マークは遠距離技の弾数を表すストックゲージ、手錠やドクロマークはキャラクターが正義側か犯罪者側であるかの属性を表している。後者はあくまで作中におけるキャラクターの属性を表すものであり、ゲーム上で大きく作用するような効果はない。

 

通常技

本作の通常技は、ガード成功時であっても一定量の体力が失われる。こちらが攻める場合は、相手の攻撃に対して防戦一方でいるといつの間にか体力を大きく奪われていた、ということにもなり兼ねない。

 

遠距離技

各キャラクターには弾数を消費して使用可能な遠距離技を1種類所有している。基本的には銃器であることが多いが、キャラによっては携行型スタンガンや薬品瓶など特殊な場合もある。

残弾数がなくなった際には、同様のコマンドを入力することでリロードアクションに入り、完了後に再び利用可能となる。1ラウンド辺りの使用制限はなく、これらのアクションを多用して戦う場合は各キャラ共に「2~3発撃つ毎にリロード」と言ったローテーションになる。

上段と下段に打ち分けられるキャラが多いが、コマンドは同じでボタンが違う、という特徴が多い。

 

投げ技(手錠、爆弾など)

本作の投げ技は、Rボタンを押すだけで手軽に発動できる。投げ成功時は、数秒間必殺技の発動を封じたり、入力操作が左右上下逆になるなどの状態異常を起こせるので有利に戦うチャンスとなる.

成立条件は、相手が地上にいる上でほぼ密着状態であることだが、こちらから近付く際は相手の技によって潰されやすい。突進系の技を防御した瞬間、リロードアクション時の隙などが狙いどころ。

また、アーケードのSTANDARDモードにおいては別の形で重要な意味を持つアクションとなっている。各キャラでプレイする際、特定の対戦相手の2本目を投げ技でフィニッシュしてエンディングに辿り着くと…?

 

2P側専用キャラクターについて

STORYモードの対戦相手として登場する一部のキャラクターは、8人の操作キャラクターのコンパチブルキャラという扱いで、VERSUSモードではそれぞれ、同キャラ対戦時の2P側キャラクターとして使用可能となっている。

(※上画像の対戦相手は、Minsoの2P側キャラクターにあたるMia)

これらのキャラクター達を”STORYモード以外の各モードプレイ時に1P側で使用する”方法がある。流れとしては以下の通り。

 

1.STANDARDでいずれかのキャラクターを選んで開始。

2.特定のCPU対戦相手を2本目を投げ技でフィニッシュしてエンディングを迎えると、使用キャラに対応した2P側キャラがアンロック。

3.キャラクター選択画面でエンディングを見たキャラにカーソルを合わせると、下段に「R:ALTER」という表記が追加されるので、この状態でRボタンを押してキャラを切り替えた後に決定。

 

例として、Minsoでプレイする際は、Jaeとの対戦時に2本目を投げ技(手錠)でフィニッシュ、その後エンディングに辿り着くことで条件達成となる。

これを全キャラ分行うことで、プレイアブルキャラクターは正味16人となり、計8人でSTANDARDモードをプレイして上記の条件を1度ずつ達成する必要がある。

ただし、STANDARDではクレジット数が3しかないため、なるべく負けずに勝ち抜く必要がある。

 

基本的に本作のCPU戦は、遠距離技で牽制しているだけで簡単に相手の体力を奪うことができるが、残りライフが少なくなると急に技を多用し始めて守りが固くなる傾向にある。

そんな中で近距離投げを確実に狙っていくのは容易ではない。止めに狙いたい時は、相手の突進技を防御した直後や、リロードの隙などを狙っていこう。

 

キャラクター別技コマンドリスト

 

(※キャラ名称の「/」から右側は同性能の2P側キャラクターの名称)

Geyong/Toyun 魚雷(Torpedo):→→+A
拳銃(Pistol):↓↙←+Y
しゃがみ拳銃(Pistol low):↓↙←+X
コンボ1(Combo1):XXY
手錠(Handcuffs):Press R
アッパー(Uppercut):↓↙←+B
Si’U/Dae-Su 拳銃(Pistol):↓↙←+Y
しゃがみ拳銃(Pistol low):↓↙←+X
ハト(Pigeon):B長押し
コンボ1(Combo1):BBBB
手錠(Handcuffs):Press R
足掛け(Trip):↓↘→+A
Minso/Mia 上段テイザー銃(Tazer High):↓↙←+Y
下段テイザー銃(Tazer low):↓↙←+X
警察犬(Charlie/Max):X長押し
コンボ1(Combo1):XXA
手錠(Handcuffs):Press R
パンティーショット(Panty Shot):↗+B長押し
Reese/Bob 腕伸ばし(Stretch):↓↘→+Y
下段腕伸ばし(Stretch low):↓↘→+X
電撃(Electric):A長押し
コンボ1(Combo1):BBY
手錠(Handcuffs):Press R
パワーオーブ(Power Ore):↓↙←+Y
Yohan/Sung-Ki 酸入り瓶(Acid Vial):↓↘→+Y
下段酸入り瓶(Acid low):↓↘→+X
爆弾投げ(Bomb drop):↓↙←+B
コンボ1(Combo1):XXY
投げ(Throw):Press R
自滅(Suicide):Y長押し
Jae/Sapporo 反らし(Deflect):←←or→→
マシンガン(Machinegun):X
ブレイクダンス(Breakdance):↓↙←+A
コンボ1(Combo1):XXA
投げ(Throw):Press R
暴走(Mad Dash):↓↘→+B
Gun/Konu スライディング(Slide):↓↘→+Y
肉弾アタック(Cannonball):↓↘→+X
ダブルラリアット(Clothesline):B長押し
コンボ1(Combo1):YYYY
投げ(Throw):Press R
鞭攻撃(Whiplash):↓↙←+B
Hyuk/Ye-Jun ライフル攻撃(Rifle):Y長押し
下段ライフル攻撃(Rifle low):X長押し
グレネード弾(Greneade):↓↙←+B
コンボ1(Combo1):AAB
投げ(Throw):Press R
ライフルで殴る(Rifle Butt):↓↘→+A

 

 

プレイ後の感想

「Verdict Guilty – 유죄 평결」は異色な作風のインディー対戦格闘ゲーム作品で、主な特徴としてクセが強めなキャラクタービジュアル、荒くれ者が半数を占めるプレイアブルキャラクター達といった点が挙げられる。

“犯罪都市が舞台”という治安の悪さが前面に押し出された世界観も含め、華やかさといった要素は本作には縁遠いもので、『90年代テイストのコマンド式対戦型格闘ゲーム』というジャンル自体、”現代では一般受けし辛い”といった印象もある。

 

本作を象徴する特殊技システムが、相手の両手を拘束し、一定時間必殺技の発動を封じ込めるといった、独特の効果を持つ「近接投げ」だ。

警察サイドと犯罪者サイドでそれぞれキャラクター毎にアクションが異なっており、手錠、爆弾/グレネードの取り付け、強制飲酒など、キャラクター毎にムーブバリエーションも多彩。

また、アーケードモードプレイ時においては、追加キャラクターの獲得条件にも関わっていたりと、戦術面とは異なる形でも重要な意味を併せ持つアクションでもある。

 

CPU戦となるアーケード各種モードの後半では、作中に登場する各対戦相手に混じって「ブレイカーズ」シリーズの神威翔、ティア・ラングレー、飛影才蔵の3名と、実在のプロレスラーをゲームキャラに落とし込んだケン・アンダーソン等、計4名のキャラクターが参戦。「ストリートファイターⅡ」で言うところの四天王にあたるポジションで登場している。

 

各キャラ共にドットグラフィックこそ本作用に打ち込まれたものと思われるが、外見も該当タイトルへの登場時そのままで公式なクロスオーバー要素であるかについては不明だ。

(※本作のパブリッシャーを務めるPixelHeartは、上記シリーズの開発元であるVISCOがかつて手掛けていた各ゲーム作品移植タイトルに関する欧州地域パッケージ版の販売権を現在所有しているようで、オフィシャルホームページでは各商品の販売も行われている。少なくとも「ブレイカーズ」からの登場キャラクター分については、この繋がりからのクロスオーバー出演である可能性は高い)

 

生憎とローカルの対人戦環境が整っていないため、今回感想を書くにあたって筆者がプレイしたのは1人用モード各種となるが、完成度の面では手離しで喜べない部分が見られる。

中でも致命的なのがゲームのフリーズ問題で、これは起動中、前触れもなく偶発的に発生するという厄介さを持つ。

 

この問題は、TVモード、携帯モード問わず1時間以上プレイしている際に起こり易く、発生タイミングやシチュエーションは特に決まっていない。

症状としては、CPUとの対戦中に突如画面が停止&HOMEボタン以外操作を受け付けなくなる、といったもので、場合によってはスリープからの復帰時にもフリーズ状態で再開、といったケースも確認している。

 

上記の問題以外にも、日本語には一切対応していないなどいくつかの懸念点は見られるが、ゲーム内容自体はスタンダードな対戦格闘アクションである分、この辺りは上述のフリーズ問題に比べれば影響の少ない問題として映るだろう。

開発スタジオの活動休止により実質的にソフトウェアの更新が止まったままで、今後の修正も半ば絶望的と見て間違いはないことから、突発的に発生するフリーズ現象についてはこういうものであると受け入れた上でゲームプレイに臨むしかなさそうなのは惜しまれる点だ。

 

様々な懸念点に加えてヒット音やアニメーションの迫力不足など演出の爽快さに欠ける部分もあるが、対戦型格闘ゲームとしても最低限のクオリティには仕上げられている。

昔ながらのシンプルなコマンド技入力操作システムや、非コンボ重視の粗削りなゲームバランスは、この手のゲームに慣れ親しんだ者には勿論のこと、格闘ゲーム初心者にとっても入り易さを感じられるだろう。

 

何より本作は90年代当時、「ストリートファイターⅡ」や「餓狼伝説」人気に続かんとばかりに、様々なメーカーが続々と同ジャンル作品をアーケードにコンシューマーにとリリースしていた、”あの頃の格闘ゲーム”らしい独特の雰囲気を持っており、何とも言えないノスタルジーと味わい深さを窺わせる。

カルトな対戦型2D格闘アクションゲームに関心があるという方は、本作「Verdict Guilty – 유죄 평결」を一度お試しあれ。

 

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評価

 

個人的スコア(10点満点中) 6.5

 

良い点

  • コマンド入力式スタイルの必殺技システムを採用しているが、簡単な操作でまとめられていてとっつき易い
  • 相手の技を一定時間封じる「手錠」アクションの採用など、本作ならではの斬新なシステムが見られる
  • 難易度設定は設けられていないが、CPU戦の難易度は全体的に低く、ゲームをクリアするだけなら比較的容易に達成可能

 

惜しい点

  • (※Nintendo Switch版)ver.1.01現在、ゲーム起動中、唐突にフリーズする現象を確認している(※発生頻度が高い)。
  • コンボ要素がほとんど見られなかったり、ヒット音や演出が弱いなど、格闘ゲームとしての爽快感には乏しい
  • 1P操作時に2P用キャラクター(同性能の別キャラという仕様)を選ぶために

 

 

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