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基本情報
タイトル | ヴァイオレットフジ子 |
対応機種 | Steam,Nintendo Switch 他 |
販売 | KaniPro Games(Steam版),eastasiasoft(Switch版) |
開発 | KaniPro Games |
発売日 | 2023年2月9日(Steam版),2024年3月14日(Switch版) |
対応言語 | 日本語, 英語, フランス語, スペイン語, ポルトガル語 |
備考 | IARCレーティング:7+(暴力(軽度)) |
作品概要
「ヴァイオレットフジ子」(「Vaioret Wisteria」)は日本を拠点に活動するゲームスタジオKaniPro gamesが開発、販売を行うゲーム作品。NintendoSwitch版はeastasiasoftが販売を担当。
本作は90年代スタイルの2Dアクションゲーム。プレイヤーは天界の統括者にして戦士である少女麻桐フジ子となり、地上への進行を始めた魔導士マスカンデスの軍勢を食い止める2Dアクションゲームだ。
B級感溢れる邦題に反し、実際のゲーム画面からは美少女ゲームの祖として根強い人気を持つ、PC発の80年代アクションゲーム「ヴァリス」シリーズのリスペクトであることに、往年のファンであれば一目で気づくところ。一見ベースは同じようでありながらも、独特のバトルシステムの追加といった今作ならではのオリジナリティとなる要素も見せている。
リンク:eastasiasoft 日本(X(Twitter))
ストーリー
(※ゲーム内オープニングデモより要約)
西暦200X年 地球生まれのごく普通の女の子、麻桐フジ子は天界の王妃セシアの召喚を受け、下界の反乱を抑えるために戦う使命が下された。
自分の世界から切り離された事にショックを受けるフジ子だったが、やがて立ち直り、ヴァイオレットの剣を手に下界を率いる魔物ロムスティードの排除に成功した。 フジ子が自分の世界に戻ることは結局叶わなかったが、この勝利が称られたことで、天界の首都ハレシオンの王座へと就くことが決まった。 こうして、下界の魔物軍は散り散りになり、数千年の平和が訪れた。
だが、悪の手下はそう長く休むことはない。 平和な日々が続きちょうどフジ子が女王に昇格する記念日の前夜、突然時空の扉が未知の魔物の軍勢によって破られた。 この新たなる敵は一体何者であろうか?
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操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 移動 |
Lスティック | 同上 |
Lボタン | |
ZLボタン | 魔法の切り替え |
-ボタン |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | |
Aボタン | 攻撃(属性:赤) |
Bボタン | ジャンプ |
Yボタン | 攻撃(属性:青) |
Xボタン | 攻撃(属性:白) |
Rボタン | 魔法の使用 |
ZRボタン | 魔法の切り替え |
+ボタン | ポーズメニュー、(デモシーン中長押し)シーンスキップ |
ソフトリセット
本編プレイ中、ポーズ状態からL+R+ZL+ZRを同時に押すと、ソフトリセットを行い、タイトルメニューに戻ることができる。
難易度について
タイトルメニューの「オプション」>「難易度」から変更が可能。以下の3種類。
practice | 残機:99 ライフストック:8 コンティニュー回数:無制限
スタート時にステージセレクトが利用可能(※到達済みのステージの内、1~7までの範囲で可能) |
---|---|
hypereasy | 残機:5 ライフストック:5 コンティニュー回数:6 |
ultrahard | 残機:3 ライフストック:5 コンティニュー回数:2 |
難易度毎の違いは上記表の通り。敵の耐久力や配置、被ダメージ量などに関しては大きな違いはない。
ゲームシステム
3種類の攻撃と魔法
本作では3つのボタンに通常攻撃が割り当てられている。
初期設定であるボタン設定Aの場合、Y=青、X=白、A=赤の色属性を伴った剣攻撃を繰り出すことが可能。
各色は敵1体毎が固有する色属性との相関関係を持ち、それぞれ異なる効果が発生。詳しくは下記項目の「色について」にて解説。
なお、今作における地上時の攻撃は立ち状態からの発動のみで、しゃがみ中の攻撃アクションは存在しない。しゃがみ中に繰り出した場合は、強制的に立ち攻撃が発動するようになっている。
魔法攻撃を使用したい場合は、ZL、あるいはZRボタンで使用したい色属性を選んだ後、立ち状態からRボタンを押すことで発動が可能。(空中での使用は不可)
切り替えを行うことで現在選択中の色属性は、上画像の黄色枠内のように点灯するようになっている。
魔法攻撃に回数制限はなく、道中、ボス戦を問わず好きなタイミングで使用できるが、一度使用する毎に15秒の残り時間を失ってしまう。よく考えて使っていこう。
色について
作中で登場するすべての敵は赤、白、青の3つの内、いずれかの色属性要素を持ち、外見上は各キャラクターの体色に反映される形となっている。
これは、フジ子が使用するヴァイオレットの剣攻撃や魔法の相性とも関連しており、攻撃を加えた際に使用したボタン毎に対応した効果が表れる。
「オプション」で「色ヒント」を「有」に設定している場合は、敵の頭上に弱点となる色の剣アイコンが常時表示されるようになる。(上画像)
この色に対応した攻撃を加えることで、敵にダメージを負わせることが可能だ。(ただし、「有」設定中でもステージボスに関しては剣アイコンは一切表示されない)
色属性の特性を活用したテクニック
青、白、赤の三色の属性はお互いにじゃんけんのような三すくみの関係を持っている。弱点属性であればダメージを加えることができる反面、同じ色属性(より厳密には敵の身体と同じ色)で攻撃した場合は反作用が発生し、フジ子の体が大きく跳ね返されるといった影響が発生する。
上画像のような足場が登場する場面では、この特性を活用して、より高いジャンプを行うことが可能となっている。やり方は、足場に接地する直前にジャンプボタンを押したままの状態で、タイミング良く同色の攻撃ボタンを押す、といった具合だ。
また、同じ要領で敵に対して正面から攻撃を加えることで、反動で前方、あるいは後方へと大きく空中移動することが可能となっている。これは比較的、ゲーム前半から重要度の高いテクニックとなっているので覚えておこう。
アイテム
アイテムボックス(上画像)を破壊することで、以下のいずれかのアイテムが出現する。出現アイテムは基本的にポイント毎に固定。
ライフストックを1つ回復、大は2つ回復 | |
残り時間が20秒回復 | |
スコアアップ(小:100ポイント、大:500ポイント) | |
一定時間、属性が無効化状態となり、色属性を無視してあらゆる敵に攻撃が通るようになる
(ただし、効果中は同色で攻撃を加えた際に起こる”反発効果”も発生しなくなる) |
特に気を付けたいのが剣アイコンのアイテムで、入手後の効果発生中はフジ子の周囲を覆うように星のエフェクトが出現する。一見は無敵状態のような見た目となるが、そういった効果は一切発生しないので勘違いを起こさないように注意。
また、注釈にもあるが、全ての敵に無条件で攻撃が通るということは、同時に反発効果も発生しないことになる。このテクニックを利用しないと先に進めないような状況では、残り時間を踏まえた上でよく考えてから入手しよう。
プレイ後の感想
「ヴァイオレットフジ子」では、主人公である”麻桐フジ子”という名称から、剣のアクション、ジャンプ、スライディングなどあらゆるモーションに至るまで、往年のPCゲーム「夢幻戦士ヴァリス」をオリジナルに持つ、通称「ヴァリス」シリーズファンであれば一目で影響を受けていると感じるのは言うまでもない。
後半のとあるステージでは、背景にRI〇Tやレー〇ーソフトのようなそれっぽいブランドロゴが堂々と登場していたりと、少々悪ノリが過ぎる程のリスペクトが窺える。
当の「ヴァリス」シリーズについては、90年代当時にPCエンジンやメガドライブ移植版を幾度か遊んだ経験を持つ筆者だが、シリーズを通してかなり難しいアクションゲームであるという印象を抱いていた。(上記リンク動画は最古の作品となる、シャープX1でリリースされたシリーズ第1作)
「ヴァイオレットフジ子」は上記シリーズ作品に忠実なクローン的内容というわけではなく、そこに本作ならではのオリジナリティを持たせようといった試みが見られる。それこそが色属性による三すくみのバトルシステムだ。ただし、このシステムが「ヴァリス」系アクションのゲーム性と上手く嚙み合っているかとなるとその評価は分かれるところ。
プレイ中は余裕が生まれる場面の少ない2Dアクションというゲームジャンルに”一定の戦略性を含む”ちょっとしたパズル要素を追加したことにより、今作は必要以上に難易度が跳ね上がってしまっている。hypernormalやultrahardといった難度に挑む場合は、さらにコンティニュー回数にも制限が加わるという念の入れようだ。
加えて今作はステージデザインもまた厭らしく、全編を通して足場が少ない場面が多いことから落下死の招き易さが際立っている。うっかり敵と同じ色属性の攻撃を加えてしまったりすれば、跳ね返った反動で敢え無く崖下へと落ちていきワンミス― といった事態が当たり前に起こる。
個人的に印象的だったのが、ステージ6に登場する迫り来る壁で、後方から猛スピードで追随してくるだけでなく、触れれば即死という一切の容赦ない圧殺系ギミックだ。これに限らず、ある程度の敵配置や難所となる地形の突破方法などは、とにかく繰り返し挑むことで身体に覚え込んでいくしかない。
本作の問題点は上述のような全編難所続きとも言えるエクストリームな難度を持ちながら、最低難易度でのプレイであっても残機数の仕様以外は一切優しくないという容赦の無さだ。筆者は当初hypernormalで挑戦していたのだが、苛烈なステージギミックによるあまりの難しさに途中でコンティニューが尽きてしまい、2度目の挑戦には残機の心配が比較的少ない最低難易度のpracticeを選択。
道中で何度ミスをしたか数えられないほどには残機を失いつつどうにか最終ステージ踏破は果たせたものの、その先に待っていたのは「さらに上の難度でクリアせよ」といった旨の無情なメッセージだった。悔しくも、筆者はこの時点でリタイアを決断。見事なまでに、心を折られてしまった瞬間となった。
というわけで本作はクセの強いバトル要素も相俟って、屈指の2Dアクションファンであっても初見では思わず唸ってしまうほどのシビアな難度となっている。
バトル中に一切のライフ回復手段が発生しないボス戦は特にじり貧に陥りやすく、各攻撃パターンに対して限りなく完璧に近い立ち回りを求められるので、挑む際は相応の覚悟で臨んで頂きたいところ。
色属性が重要な要素となる2Dアクション「ヴァイオレットフジ子」。
「ヴァリス」シリーズへの並々ならぬリスペクトに溢れた作風を直接感じてみたい、というディープなファンや手ごわいアクションゲームに挑戦したいという方は、怖いもの見たさに一度お試しあれ。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 6.5 |
---|
良い点
- 16bitスタイルのノスタルジックなゲームデザイン
- 9801世代のPCゲームを彷彿とさせる美麗なビジュアルカット
- サイドアクションをベースに属性相性による戦略性とパズル要素を取り入れた異色なシステム
惜しい点
- 独特のゲームルールが絡まることで、あまりにも凶悪な難易度となっている
- 最も遊び易いPRACTICE難易度では、真エンドに辿り着けない
- 落下死を誘発しやすいステージデザインや敵配置、ギミックなど厭らしい要素が非常に多い
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