©WEST SUN
基本情報
タイトル | UNDEMON |
対応機種 | Steam,Nintendo Switch |
販売 | WEST SUN |
開発 | 同上 |
発売日 | 2021年11月20日(Steam版),2024年5月16日(Switch版) |
対応言語 | 日本語, 英語, 韓国語, 中国語 (簡体字) |
備考 | IARCレーティング:7+(恐怖を引き起こすコンテンツ) |
作品概要
「UNDEMON」(「アンデーモン」)はゲームディベロッパーWEST SUNが開発、販売を行うゲーム作品。
本作のゲーム内容はステージクリア型の90年代風2Dプラットフォーマー。生前の記憶が無い幽霊の少女・ルナを冒険へと導き、険しい道のりの最中で彼女の落命の原因となった背景を探っていく。
システム的にはサイドビュー方式のアーケードライクなアクションゲームだが、操作キャラクター・ルナが持つ幽霊としての特性を活かした”透明化アクション”や、正しい形状の鍵探しが必要となる各ステージの攻略条件が特徴。また、残機制であるにも関わらず作中ではセーブ機能も搭載されており、ステージ攻略の進捗状況を保存する事が可能となっている。
操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 移動、(↓長押しで)下を見る |
Lスティック | 同上 |
Lボタン | インベントリ(左) |
ZLボタン | |
-ボタン |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | |
Aボタン | (長押しで)不可視状態になる(※要ゲージ) |
Bボタン | ジャンプ |
Yボタン | 攻撃 |
Xボタン | ステータス情報を開く |
Rボタン | インベントリ(右) |
ZRボタン | |
+ボタン |
(※上記表のボタン割り当ては操作がType 1の場合となります)
ゲーム開始前のセッティング
難易度について
新規でゲームを開始する際に、難易度を3種類の中から選択する。各難易度毎の特徴は以下の通り。
ノーマル | 道中の1UPアイテムが多め |
---|---|
オリジナル | アビリティ構成がノーマルとは異なる |
ヒドゥン | デフォルトの残機数が1。アビリティ構成はHPと1UPの2つのみ。道中の配置アイテムが少ない |
よほどこだわりがない限りは、初回は「ノーマル」でのプレイがおススメ。難易度「ヒドゥン」は初期状態では項目が「???」となっており、1回目のプレイでは選ぶことができない。あらかじめ他2つのどちらかの難易度をクリアすることでアンロックする。
(Switch版)TVモード/携帯モードの違いについて
当記事ではNintendo Switch版「UNDEMON」、取り分けTVモードプレイ時のスクリーンショットを掲載しているが、本作を携帯モードでプレイする場合は、上画像のように特別なフレームが誂えられた画面でプレイすることができる。
この画面フレームは携帯モードプレイ中は強制表示となっており、オプション設定で表示のオンオフを切り替えるといったことができない。そのため、体感でのプレイフィールドが若干狭くなるといったデメリットもあるが、見た目の華やかさはこちらの方が上。本作をSwitchでプレイしてみようという方には、一度は携帯モードでプレイしてみることをおススメ。
ゲームの進め方
本作は全7面構成で、各ステージ毎に1~5のエリアに分かれている。複数のエリアが存在するステージでは特定の扉が各エリアの入り口になっており、エリアの攻略順は基本的には自由。
各エリアでの目的は”黄色の鍵”(場合によっては”赤色の鍵”も入手する必要アリ)を1つずつ入手して、閉じられた出口の扉を開いて脱出すること。ただし鍵は一度に1つしか持てない、黄色の鍵にはニセモノが混在していることもある、など攻略上の障害も多く見られる。
また、道中で入手が可能な”魂”を活用することで、各種アビリティの強化が可能となっている。全ステージ攻略のためには是非とも活かしたい。
アクション
ジャンプ/空中浮遊
Bボタンでジャンプ。ボタンを押す強弱によって高度の調節がある程度可能となっている。
また、空中でBボタンを長押しすることで一時的に浮遊状態となる。浮遊はボタンを離すか、画面左下の青ゲージがなくなることで強制的に解除されてしまう。
難易度「ノーマル」でプレイ中にアビリティ項目「ハイジャンプ」のLvがMAXになると、通常ジャンプより高度が一回り上なハイジャンプが利用可能となる。発動方法は方向ボタンを↑に入力しながらBボタンと操作面の違いがあるので、アビリティ習得後は場面によって上手く使い分けよう。
攻撃
Yボタンでショット攻撃を放つことができる。今作ではボタン連打によって、多数の弾を同時発射可能となっている。
小動物系のエネミーや投擲物はこの攻撃のみで排除することが可能だが、人間型エネミー相手の場合はショットだけをいくら撃ち込んだところでダメージは一切ない。人間型エネミーの倒し方は以下の別項目で改めて紹介。
ステージボスだけは例外で、相手の隙を作るのもライフゲージを削るのもこのショット攻撃だけが唯一のダメージソースとなる。攻撃をかわしながらガンガン撃ち込んでいこう。
なお、アビリティの「こうげき力」がLv MAXに到達するとショットの見た目と威力がパワーアップする(難易度「ヒドゥン」でのプレイ時は、Lvアップ版のショットを最初から撃てるようになっている)。
最も簡単な「ノーマル」難易度でプレイする場合でも最終的にはこの段階に到達しておかないとゲームクリアは厳しいので、早い内に強化を済ませておきたいところ。
不可視アクション/体当たり
Yボタンの長押し中、ルナは不可視の状態となる。状態維持中は画面左下の青ゲージを急速に消耗し、ゲージが全てなくなった時点で状態が解除される。
人間タイプのエネミーを相手にする場合、まず不可視状態からの体当たりで相手を怯ませない限りは、Yボタンによるショット攻撃が一切通じなくなっている。体当たりは基本的に正面から相手の身体をすり抜ける要領で近づくだけで成立するが、体術、もしくは武器による直接攻撃や飛び道具を放ってくる敵にあっさりと迎撃されてしまい易く、無闇に突っ込んでいくのはオススメできない。
体当たりはジャンプを活用して、空中で不可視状態を発生させながら頭上から迫るのが比較的成功し易い。ただし、このやり方は放物線状に飛び道具を投げつけてくる敵の場合はかえって危険となる。相手の攻撃方法に併せて、最適な体当たりスタイルで臨んでいくのが良いだろう。
なお、道中の敵は必ずしも全部を相手にする必要はない。スルーは必要と判断した場合は、無理に戦わない事も重要だ。
ステータス情報
アビリティについて
道中で手に入る「魂」を集めることで、アビリティの強化に充てることができる。アビリティの確認や設定は、ゲームプレイ中にXボタンで表示されるステータスメニュー(上画像)から行う。
各アビリティの成長度合いはゲージによって表され、魂を注ぎ込むことでゲージが上昇。最大値まで注ぐことで該当のアビリティがレベルアップ(※1つの項目につき、最大チャージにはおよそ140程度の魂が必要)。なおアビリティのLvはいずれも一段階分のみで、一度ゲージを最大値まで注いだアビリティはその時点でLv MAXとなる。
アビリティ構成(難易度別)
ノーマル | オリジナル | ヒドゥン |
---|---|---|
こうげき力
視界 浮遊持続時間 浮遊回復 耐火 ハイジャンプ HP* |
こうげき力
視界 まさつ力 不可視持続時間 不可視回復 浮遊/浮遊持続時間 浮遊回復 HP* |
HP
1UP |
(*各難易度でのアビリティ項目を全てMAXまで強化すると出現)
いずれの項目も重要だが、序盤から特に優先度が高いのは「こうげき力」と「視界」。難易度「ノーマル」でのプレイ時はそれに次いで「ハイジャンプ」も早めに抑えておきたい。
なお上記の内「HP」だけは唯一例外で、魂1つ注ぐ毎に効果(HP回復)がすぐに適用される。開放の仕方は上記のオレンジ文字で示された括弧内の注釈通りとなっているが条件上、利用可能となるタイミングはゲームの後半~終盤になる。先ずはしっかり魂を集めて他のアビリティを鍛えることに注力しよう。
「記憶」について
本作の重要な要素に”記憶”というものがある。これには2種類あり、各ステージで確認した”黄色の鍵の形状”に関する「記憶」、そしてコレクションアイテムとしての「記憶」だ。
黄色の鍵の形状の記憶
各ステージのエリア冒頭では”黄色の鍵”の”形状”を確認できるポイントが存在しており、これはステージ進行時に一度だけ見る事ができる。
確認後は以降、ステータス情報の「記憶」タブにある鍵のアイコンを選択することで鍵の形を思い出すことができるようになっている。ただし、この記憶は少しずつ薄れていくようになっており、最終的には映像が消滅してしまう。(確認する毎に鍵の”形状”が少しずつ崩れていく演出となっている)
コレクションアイテムとしての記憶
特定のステージでは、丸テーブルに乗った写真立てを発見できることがある。これはコレクションアイテムになっており、全編を通して計7種類が存在。
入手した記憶は黄色の鍵同様、ステータス情報の「記憶」タブで確認が可能だ。広大なエリアの片隅や、時には隠し通路の先に隠されていることもあるので、攻略の傍らで隅から隅まで探してみよう。
アイテム
道中で回収可能なアイテムを以下で紹介。
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魂が1つ増加。道中に配置されている他、人間型の敵を倒すことでも出現 |
---|---|
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魂が5つ増加 |
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生命値を少量回復 |
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生命値をゲージの約1/3回復 |
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1UP。ルナの残機が1つ増える |
1UPは難易度「ノーマル」でのプレイ時は比較的色々な場所に配置されている。難易度「ヒドゥン」ではアイテムに代わって、アビリティをLvアップする事で残機の増加が可能。
システム関連
黄色の鍵は1つ以外は全てニセモノ
黄色の鍵は一部のステージ冒頭で正解の映像を確認する事が可能。ただし、ここでの映像は一度しか確認することができず、以降のヒントはステータス画面の鍵の記憶映像に頼る事になる。
このヒントは記憶喪失状態にあるルナの朧気な記憶力に依存しているため、使用するたびに映像が少しずつ崩れていき最後には消えてしまう。少し反則気味ではあるが、一番有用なのは本体のスクリーンショット機能で撮影しておくことだ。
ニセモノの鍵も露骨に形が違うものから本物にかなり近いものまで様々で、一度拾った鍵は捨てることができない。このため、うっかり間違った鍵を拾ってしまった場合でも先に鍵穴までたどり着く必要がある。
鍵穴は正しい鍵でのみ開くことができ、ニセモノを挿した場合はルナがダメージを喰らってしまう。更に正しい鍵を回収するために再びステージに戻らないといけなかったりと余計な手間がかかってしまう。ステージ毎に正解の鍵をその都度確実にはっきりと暗記しておくのは中々に困難だが、可能な限り一度で引き当てたいところ。
赤色の鍵は迷わず回収しよう
挑戦エリアによっては赤色の鍵が存在している場合がある。その場合、出口を開く扉に必要な鍵は赤色の鍵となる。
赤色の鍵の特徴はエリア内に1つのみ存在するという点で、黄色のようにニセモノが混在しているといったことはない。そのため、見かけた際は迷いなく回収してしまってOK。
赤色の鍵の有無は画面右下のマスを確認することで一目瞭然。☒となっている場合、そのエリアに赤色の鍵は存在しないことを示す。2色の鍵は別枠という扱いであることから、赤の鍵が出現するエリアでは”1つしかない”赤の鍵と”本物の”黄色の鍵の両方を回収して脱出する必要がある。
プレイ後の感想
90年代風の2Dアクションゲームというコンセプトで作られたという「UNDEMON」。取り分け32bit系列のハードが出る以前、90年代前期辺りの雰囲気を意識したものと思われる作風となっている。
難易度は高めに寄っているが全体的な作りは手堅く、幽体状態からの体当たりアクションやキーアイテムの正誤を”幽かな”存在である主人公ルナの記憶力に依存させるといった本作ならではのアイデアもユニーク。道中で回収した魂で強化が可能なアビリティシステムも、ステージ攻略においての戦略に幅を持たせる事に一役買っている。
道中に頻繁に登場する人間型エネミーを1体相手取るには、幽体化からの体当たり→怯ませたところにショット攻撃を複数発叩き込む、といった具合で思いの外労力がかかる。これが原因で、一般的なモブを倒す際にスムーズ且つ気持ちよく倒す、といった感覚には乏しい。
一方でボス戦での戦い方は”とにかくショットを撃ち込むだけ”という解り易いシンプルさで、目いっぱいのショットを叩き込むことでボスを怯ませ、その状態から1ミリでも多くライフゲージを削るために更に素早くショットを叩き込む― と、”ほぼ連打勝負”の様相を呈している。
ボスは瀕死へと近づけば近づくほど立ち直りが高速化していき、気絶後も安全に攻撃を加えられる状況でないとダメージを与えるチャンスを簡単に崩されてしまったりと最後の最後まで油断ならない。スムーズに突破できなければ”繰り返される大量のショット撃ち込み作業”により、指や腕が連打で疲労してしまう事だろう。
「視界」アビリティにちなんだ”見通しの悪さ”の関係上常に1つ先の画面に対する危険予測も重要で、じっくりと進めないと落下やトラップによる不意の即死を招き兼ねない。そういった点を踏まえた上で、筆者の「ノーマル」難度における初回クリアまでの総プレイ時間は4時間という結果となった。
全部で7つのステージから成る本編だが後半に進むに連れてエリア数の多い面が連続したり、複数のフェーズを持つボスが登場するようになったりと少し冗長とも取れる雰囲気が漂い始める。
全編の半分辺りまで進んだ時点で、正直なところ「ステージ4くらいで終わりかな」と勝手に思っていただけに、上述の”連打に次ぐ連打のボス戦”でヘトヘトになり始めたタイミングから畳みかけるように続いていくステージやボス戦に「まだ続くのか…」、とダレを感じ始めるほどだった。
1ステージ辺りの攻略にそこそこ手間がかかる事もあって気楽に臨めるような作品ではないが、昔ながらのアーケードプラットフォーマーが好き、というプレイヤーであれば挑み甲斐のある作品となっている。
高難度な2Dアクションゲームに挑み甲斐を感じる、という方は本作「UNDEMON」を一度お試しあれ。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 7.0 |
---|
良い点
- アーケードライクでオーソドックスなステージクリア型2Dアクション
- 敵の撃退手段として不可視状態を導入した、一風変わったアクション操作と戦略性
- 進捗状況を保存可能なセーブ機能を搭載(セーブスロットは4つ)
惜しい点
- ボス戦はショット連打の機会がひたすらに多いため、とにかく指や腕が疲れがちになる
- カットシーンがテキスト無しで展開するため、背景ストーリーについてはある程度想像で補う必要がある
- 1回辺りのゲームボリュームは長く、特に後半はステージやボス戦が何度も展開したりと冗長気味
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