©Òrói Game Studios
基本情報
タイトル | The Way Home – A Typing Adventure |
対応機種 | Steam |
販売 | Òrói Game Studios |
開発 | 同上 |
発売日 | 2023年5月26日 |
対応言語 | 英語 |
備考 | 日本語非対応(ゲーム内テキストは実質登場せず、プレイ自体には全く影響なし) |
作品概要
「The Way Home – A Typing Adventure」はアイスランドのインディーゲームスタジオÒrói Game Studiosが開発、及び販売を手掛けるゲーム作品。
本作は、Òrói Game Studiosが贈るデビュー作とのことで、内容は2Dプラットフォーマー的な要素を取り入れたタイピングゲームだ。
家路へと着く少女エミリーを導くべく、文字を打ち込んで巨大な湖面に橋を架けていこう。
リンク:The Way Home – A Typing Adventure(Steam ストアページ)
リンク:Òrói Game Studios(Twitter)
難易度選択
起動直後のキー入力画面で、S、T、A、R、Tの順に入力してタイトル画面へと移動。
「New Game」をクリック後、4種類の難易度から1つを選択してゲームスタート。難易度は前回の続きからプレイする場合でも、毎回選択する必要がある。
「Easy」ではS,D,F、H,J,K,Lなど同列内の各キーが1文字ずつ出現するという単純な構成になっているが、返って難易度が高い印象を受ける。
英単語をキーで打ち込むことにある程度慣れている、というプレイヤーは「Normal」、もしくは「Hard」でのゲームプレイがオススメだ。
前回の続きからプレイしたい場合は…
前回の続きをプレイしたい場合、本来であれば「Load Game」をクリックして再開…となるところなのだが、現在、ソフトウェアバージョンVer.1.00では「Load Game」を選んでも反応しない状態となっている。
続きをプレイしたい場合は、まずは「Load Game」をクリック。画面上で特に変化は見られないが、その操作を行った後に「New Game」を選ぶ、といった段階を踏むことで前回保存状態での再開が可能だ。
ただし、これにはあらかじめ前回プレイ時にセーブポイント(後述)を利用した上で、セーブデータを作っていることが前提となるため、その点には注意しよう。
ゲームの進め方
本編は全部で5つのワールドを順に攻略していくスタイルとなっている。
各ワールドはそれぞれ、5つのステージと休憩所(セーブポイント)の6つのエリアで構成。手前から順に攻略することで、次のステージがアンロックされていく。
ただし休憩所は毎回、各ワールドの後半付近に設けられているため、初回のセーブを行う場合は最低でもワールド1の後半まで攻略する必要がある。
左側の縦長のゲージはルーンストーンの回収率で、チャージ時にはバーが青色で表示。ルーンストーンはステージ中で敵を倒したり、クリア時に獲得可能な報酬宝箱から増やすことができる。
ゲージ自体の詳しい効果についてはゲーム内で説明がされていないため詳しくは不明だが、普通にプレイしていれば特に意識せずとも、各ワールドのボスに辿り着く頃にはフル状態になっていると思われるため、あまり気にしなくても大丈夫そうだ。
(※ゲージに関する筆者なりの解釈については下項の「問題点」を参照)
基本ルール
ステージ開始の数秒間、1~7いずれかのキーを押すことでステージ全体の速度調節が可能。
最もスローな速度となる「1」を選んだ場合でも、ステージの後半に差し掛かると急加速を始めるので要注意。
ステージ開始後、自動歩行を行う少女エミリーのため、迅速且つ精確なタイピングで沼に橋を架けていく。橋は1文字につき1タイル分に相当。
各ステージでは5~8種類程度の英単語がランダムで繰り返し登場し、Easyの場合に限りいずれかのアルファベット3~4文字の羅列となる。
特定の文字列の後には1~3タイル分の空白箇所が挿入されるが、この区間の対応キーはSPACEキーを押す必要があるので見逃さないようにしよう。
(例:”C”A”T” “となっている場合は、C→A→T→SPACEキー といった順に押す )
一度もミスをせずに一定数の文字をタイプし続けると、橋が光り輝くようになる。
以降も、この状態を維持することでクリア後の報酬量にも影響するので、是非とも少ないミスを狙っていきたい。
タイプが間に合わず、エミリーが水面に落下した場合はその場でゲームオーバーとなり、マップ画面に戻される。
ただし、ポーション(後述)を所持していた場合は即座に復活が可能だ。
画面上部の道のりを示すUI上で、エミリーのアイコンが★マークに辿り着ければ無事ゴールとなりステージクリア。
報酬の宝箱を「Q」キーを押して開封し、ルーンストーンを頂こう。
ワードの完成
英単語の最後に挿入される空白部分を入力したタイミングで、エミリーの手前に紫色のエフェクトが発動する。
このエフェクトに敵が触れることで、ルーンストーンを1つ回収し、青いゲージがわずかに増加。
エフェクトはエミリーの手前上下高くに発生するが、幅自体はあまり広くないためよく狙う必要がある。敵の動きにタイミングを上手く合わせよう。
また、時々画面上を左から右へと通過するポーションがエフェクトに触れた場合は、そのままポーションを獲得することができる。
ポーションは落下によるミスから1度だけ守ってくれると同時に、少し先の分まで橋を自動で完成してくれるお助けアイテムだ。ただし、所持可能なのは1個までとなっているので要注意。
セーブについて
本作の途中経過を記録したい場合は、各ワールドに1つずつ用意された「セーブポイント」を利用する必要がある。
ワールドマップでオレンジ色のポイントをクリックすると、エミリーがベンチで一休みする演出と共に進捗状況が保存される。
次回再開時は上でも触れた通り、タイトル画面で「Load Game」を一度クリック後、「New Game」を選択しよう。
ボスバトル&チャレンジモード
各ワールドの5ステージ目ではボスとの1vs1のバトルが展開。
基本的には相手が出題する文字タイルを精確なタイプによって撃ち返してダメージを与え、先にライフゲージを全て削りきることで勝利となる。
こちらに向かって放ってくるタイルが変則的な動きを見せたり、タイル1つ辺り2度、3度と打ち込まないと撃ち返すことができない攻撃など、ボス毎に攻撃のバリエーションは多彩に変化。
ゲーム後半のボスともなると、撃破のためにステージ攻略中以上の動体視力や瞬時の判断、キー入力の迅速さが問われるが、繰り返し挑んでみよう。
また、タイトル画面で選択可能な「Challenge Mode」では、難易度を選んでボスバトルを単体で楽しむことができる。
失敗時のペナルティも一切ないので、苦手なボス戦の練習にもってこいのモードだ。
問題点
2023年6月現在、ver.1.00において目につく本作の問題点は以下の通り。
・ウィンドウモードに対応していない
・リタイヤ、再挑戦機能が備わっておらず、一度ステージを開始すると最後まで進めるかゲームオーバーになるしかない
・Escキーを押すとキーボードUIをオフに出来るが、1度消すと元に戻せない(ステージを変えるか再挑戦時に元に戻る)
・SteamページやオフィシャルTwitterで操作やゲームルールに関する説明が一切なく、実際にプレイして感覚的に学んでいくしかない
・ワールド5「Feinweh」のステージ2と3の解放順が逆になっている
特にゲームルールに関しては、ルーンストーンの回収によって増加する「青いゲージ」の用途について言及されておらず、効果がイマイチハッキリとしない。
ゲージのフルチャージ状態でボスバトルに挑んだ際、エミリーが強化状態となっているかのようなエフェクトが発生するのだが、筆者の推察では恐らくこの現象に関係しているものだと思われる。
(本作のプレイ経験者で、この青ゲージの効果の解釈について思うところがあるという方は、ご意見を本記事のコメント欄にてお寄せ頂けると幸いです)
プレイ後の感想
「The Way Home – A Typing Adventure」はゲームジャンルとしては判り易いタイピングゲームで、キーボードに慣れていきたいという初心者は勿論、頭の体操や知育用にと幅広い用途で重宝するゲーム内容となっている。2Dプラットフォーマー的な見た目もコンピューターゲームらしさを窺わせ、素朴ながらも手作り感に溢れた作風が好感触だ。
対応言語は英語のみではあるが、ゲームプレイにあたってその点で困る部分は一切なく、英語が苦手という対象にも”ちょっとした英単語の書き取り(打ち込み)練習”といった趣で楽しめる。
一方で仕様面では、リスタート機能やタイトルメニュー、もしくはマップ画面に戻るといった機能が搭載されていない影響で、一度ステージを開始するとゲームオーバーになるかステージの最後まで進める必要がある、などプレイアブルにおいて少々不便と感じる面も見られる。こういった部分については、今後の改善に期待したいところだ。
今作の開発スタジオであるÒrói Game Studiosは、総人口約35万人の島国アイスランドを拠点とする小規模なディベロッパーであるとのこと。
今のところ製作タイトルに関する話題はTwitterを中心に発信しており、アカウントは今年4月に開設したばかりと本格的な活動はまだこれからといった様子だが、それゆえに今後の活躍が楽しみな新進気鋭のインディースタジオだ。
(担当の方とTwitter上で直接DMにてやり取りを行う機会があったのだが、本作のメイン開発者は大阪で働いており、日本語によるやり取りも可能であるといった興味深いお話を伺えた。)
また、現状ではフォロワー数がまだ少ないこともあり、今後のフィードバックとなる意見を1つでも多く必要としているようだ。
筆者が実際にプレイしてみたところ気になる箇所も少なからず見受けられたが、こういった問題点をSteamやSNS等を通じてしっかり報告していくことで改善していく可能性は高い。
本作を含め、Òrói Game Studiosの今後の動向に興味がある、という諸氏は一度Twitterを覗いてみるのも良いだろう。
普段はNintendo Switchを中心にコンシューマー向けのインディータイトルを扱う筆者だが、今作はSteam配信タイトルの初レビューとなる記念的な一作となった。
また、生まれて間もないインディーゲームスタジオ製作によるデビュー作という意味でも、個人的にはÒrói Game Studiosの今後の動向には注目している。彼らならではの感性によって、今後どのような作品が生まれるのかと非常に楽しみなところだ。
アイスランド発のインディーディベロッパーによる、フレッシュさに満ちたタイピングゲーム「The Way Home – A Typing Adventure」をお試しあれ。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 6.0 |
---|
良い点
- タイピングを中心に据えた、老若男女問わず楽しむことができるゲームシステム
- キーボード打ち込みの超初心者~達人まで、幅広い層に対応した4種類の難易度
- ステージ開始前に、画面のスクロール速度を7段階で調節が可能(※効果が表れるのはステージ前半で、最低に絞っても後半にかけて急加速する)
惜しい点
- 2023年6月現在、ウィンドウモードに対応していない
- リスタートやメニューorマップ画面に戻るといった機能が搭載されておらず、ステージ攻略中に任意でゲーム進行を止める手段がない
- ゲーム内での基本的な説明が用意されていない箇所が多く(敵の倒し方、青いゲージの効果など)、ゲームプレイを通して各自で学んでいく必要がある
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