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基本情報
タイトル | The Legend of Gwen |
対応機種 | Steam,Nintendo Switch 他 |
販売 | Flynn’s Arcade |
開発 | WiwiGameStudio |
発売日 | 2023年2月16日 |
対応言語 | 日本語,フランス語,ドイツ語,スペイン語,ポルトガル語,中国語 (簡体字),英語 |
備考 | IARCレーティング:7+(暴力(軽度)) |
作品概要
「The Legend of Gwen」(日本版Nintendo e-shop表記は「ザー・レジェンド・オブ・グウェン」)はスペインの開発チームWiwiGameStudioによるゲーム作品。全プラットフォーム版においてFlynn’s Arcadeがパブリッシャーを担当。
ゲーム内容はステージ攻略型のプラットフォーマー。360°方向に展開する立体的な箱庭型のステージを魔法とジャンプを駆使して攻略していく、ファンシーな世界観が魅力的な辛口のアクションゲームだ。
本作では、世界一の魔女を目指す女の子グウェンが、邪悪な存在によって闇の世界に飲み込まれた魔法学校を救うため、孤軍奮闘していく姿が描かれる。
リンク:Flynn’s Arcade(パブリッシャーTwitter)
操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 移動 |
Lスティック | 同上 |
Lボタン | カメラを左方向に90°回転 |
ZLボタン | |
-ボタン |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | |
Aボタン | 決定 |
Bボタン | ジャンプ/キャンセル |
Yボタン | 魔法を発射 |
Xボタン | |
Rボタン | カメラを右方向に90°回転 |
ZRボタン | |
+ボタン | ポーズメニュー |
ゲームシステム
✨各ステージのクリア条件
ステージ内に散らばる星を5つ回収後、制限時間内にゴール地点に到達することでステージクリアとなる。
クリアにおける最低条件は上記の星の回収だが、ステージ毎に規定数の敵を退治、宝箱(種)の回収といった他の収集要素も存在する。
完全クリアを目指す上では、これら全ての回収を目的として各ステージをプレイしていこう。
✨ジャンプ
空中でもう一度押すことで、2段ジャンプが可能。
空中の制御も比較的自由に行えるが、効きが良い分、空中制御や着地点の微調整が非常に難しい。
X、Y軸の調節には常に注意が必要だ。
✨魔法を使う
バタフライ、ロック、炎など、ステージ開始前に選んだワンドによって使用できる魔法が変化(ワンドはステージ進行中に変えることはできない)。
立ち状態では正面前方に一直線で飛来する単発弾だが発射されるが、空中で使用する場合は魔法毎に効果がそれぞれ大きく変質する。
ワンドはそれぞれ、ワールドの入り口でNPCが販売しているので、新たなワールドに入る前に買っておくと良いだろう。
✨宝石
ステージ内のあちこちに落ちている宝石は一定個数と引き換えに特定のNPCと色々なものと交換することができる。
宝石1つにつき青色は1個、緑色は3個増加。所持上限は999で、上限に達している際に入手した分は切り捨てとなる点には注意。
✨種
ステージ内にはボスエリアを含め、必ず1つ宝箱が設置されており、中には”種”が封入されている。
上記でも触れた通り、種は各ステージ収集要素の1つとなっているが、箱はロックされていてそのままでは中身を回収できない。
開けるためには、ステージのどこかにある対応スイッチを全て押す、といった特定の行程を経る必要がある。
✨相棒コルキ
各ワールドの「E」ステージでは、木人形のコルキが登場。
自由なタイミングでXボタンを押して、操作側をグウェンとコルキで交互に切り替えることができる。
コルキが登場するステージでは、基本的に2キャラクターのスタート地点を含めた位置関係が遠く離れた構造になっており、一方がスイッチを作動させることでもう一方の道が拓ける、といった相互作用によって攻略するギミックが特徴となっている。
コルキの基本的な操作やアクションはグウェンと全く同じだが、武器が腕から発射する砲弾に代わる関係上、魔法を使うことができない。
ボスバトル
各ワールドの最終ステージ(「💀」のマークのステージ)では、ワールドボスとの一騎打ちが展開。
道中のこれまでのステージ同様、制限時間内にボスを倒して星を入手し、ステージ奥のゴールまで到達することがクリア条件だ。
ボスの動きやギミックをきっちりと把握して、各個撃破していこう。
拠点エリア
拠点エリアでは実際に歩き回って、ワールド間を自由に行き来したり、各地に点在するNPCから集めた宝石と引き換えに買い物を行うことができる。
なお、拠点エリアにいる間は一時的にジャンプ、及び魔法は使用できなくなる。
チェックポイントマジック | 500 | 一部ステージ内の特定箇所に、チェックポイントが生成されるようになる |
ボスディフィーター | 400 | |
ストーンワンド | 300 | 「ロック」の魔法を使用可能になる |
ファイアーワンド | 350 | 「炎」の魔法を使用可能になる |
グラス/プラントワンド | 400 | 「植物」の魔法を使用可能になる |
アイス/ウォーターワンド | 450 | 「氷」の魔法を使用可能になる |
集めた種について
拠点フィールドの一角には、上画像のような宝箱がずらりと並んだエリアが存在する。
箱の色と数から見て、箱はどうやら各ステージに対応しており、種を入手済みのステージの箱には植物が顔を覗かせるようだ。
全てのステージの種を集めることで、何かが起こる―?
現在確認されている不具合について
以下の不具合は2023年3月に実施されたver.1.02アップデートにて修正されました。
ソフトウェア更新を行っていない方は、アップデートを実施しておくことをお勧め致します。
2023年2月現在、Nintendo Switch日本版 ver.1.01(2023年2月14日更新分)において、以下の不具合が確認されている。
(※下記の内容は筆者の実プレイに基づいたもので、全プレイヤーの環境で等しく再現性を確認できるものとは限りません)
・DarkMoon(6-4)にて、宝箱から種を回収してクリアしても、回収済みと反映されない ・DarkMoon(6-B)にて、各面に合計5つある星が4つしか確認できず、ステージをクリアできない
奇しくも先日、同作のプレイ経験がある方とTwitter上でやり取りを行っている際にこの話が挙がり、両者お互いが全く同じ体験をしていることが分かった。 上記の2点について、パブリッシャーであるFlynn’s Arcadeの担当の方に報告を行ったところ、パブリッシャー側もこれを認識しているとのことで、現在公式側からの新たなアップデートの告知はないが、更新による修正が待たれるところだ。
6-4、6-B共にどちらも本編においては終盤付近となるステージだが、既にここまで進めているプレイヤーは、上記の現象に遭遇する可能性があるため、ご注意頂きたい。 |
プレイ後の感想
ここからは、ひとまずのエンディング到達直後となるタイミングでの、「The legend of Gwen」の実プレイに基づく感想を記していこう。
なお、プロモーションの一環か、今回パブリッシャー担当であるFlynn’s Arcadeが今作のレビュアーの募集をしていたようで、筆者がこれに応募。ご厚意によりプロダクトキーを発行して頂き、発売より1週間早い形でプレイできることとなった。
辛辣な箇所も含め、しっかりとプレイした上での忌憚のない意見となる点をご了承願いたい。
本作はジャンプと魔法をメインに据えた、スタンダードなアスレチック型プラットフォーマーで、ファンシーなキャラクターにはそぐわない非常に高い難易度が特徴となっている。
テキストが登場する場面はそう多くはないが日本語に対応しており(※日本版では初期設定)、「すごーい!」、「またねー!」といった一言タイプのものばかりではあるが、NPC達の前を通るたびに実際に音声を発してくれるのは印象的だ。
割り当てられた一言の中には「この場面でその台詞が?」といった少々ズレたものも一部確認できるが、そういったところも含めてローカライズならではの味わいと愛嬌を感じられる。
一方、本作は高難度プラットフォームとしてあるべく意図的に設計されたものなのか、操作にまつわる仕様には少しばかり理不尽と映る部分が目立つ。
特にグウェンが手前や奥側へと移動した際に起こる空間認識の難しさは、本作難易度を一層引き上げている厄介なポイントだ。
本作のカメラ操作はボタンを1度押す毎に右、または左方向に90°回転する、といったもので、3Dタイプのゲームでよく見られるフリーカメラのように、自由な角度で視点を固定したままステージを確認することができない。
また、キャラクターが向いている角度の調整も難しく、合わせ方が甘いと魔法を撃った際に狙ったところへと飛んでいかないことも。
狭い足場に載っている際には、微調節のつもりで方向キーやスティックを迂闊に軽く押したりするだけで、勢い余って落下、といったミスも頻発し易くなっている。
グウェン本体の足元から伸びる影は、特定の角度へとリアリティのある伸び方をする影響で、キャラの足元に余り目立つ形では影が表示されず、ジャンプで足場を飛び移る際に着地点を確認し辛い。
どれだけ操作に慣れたところで、足場から足場へと飛び移る場面は毎回緊張が走る一瞬となり、これは序盤のステージにおいても例外ではない。
各ステージには時間制限があるため、視点調節を丁寧にやりながら悠長に進めていては、いつの間にかゴールに辿り着くための時間が足りない、といったケースも多い。
さらにステージ毎に最大3種類の収集要素が用意されているため、全て回収してクリアする場合はいずれのステージであっても時間設定はよりシビアなものとなっている。
中にはカメラ操作が一切効かない視点固定のまま進行を強いられるステージもちらほら混じっており、積極的に視点操作を使うプレイヤーほどこういった場面では途端に攻略に苦労する派目になるだろう。
手前と奥側の認識については、プレイを続ける内に自然と自分の感覚を保つことを重要視するようになり、次第に必要以上にカメラをじっくりと触ることもなくなってくる。
シンプルな落下死や、ミリ単位での立ち位置調節の失敗による障害物への接触など、プレイ中は些細なことが要因となってミスを頻繁に招き易く、1ステージの完全攻略には1時間前後の時間を要するようなことも珍しくはない。
しかし、ステージクリアの度にグウェンが披露する可愛いダンス(ツイスト?)を見ていると、そんなステージの苦労も吹き飛び、なんとなく許せてしまう気持ちになってくる。
プレイミス要因としてはダントツで落下死が多くなる傾向にあり、その度にメニューのリトライに思わず手をかける―
といったことを1つのステージで何十回と繰り返すことになり、エンディング(※全面コンプリートクリアではない)を迎える頃には、実に数十時間プレイというかなりのプレイボリュームとなってしまった。
ゲーム序盤からこのような調子で進行してきたため、後半へと進む頃には数えるのを躊躇われる位にはミスを積み重ねていた―
という決して芳しくない結果にこそなったが、この難しさが返って「その先を観てみたい」という気持ちを強く奮い立たせ、エンディングに到達した際には大きな達成感を感じることが出来た。
ファンシーな見た目からは想像もつかないような高難易度で迫る、プラットフォーマー「The Legend of Gwen」。
ひとたびのめり込めば、「想定通りに進めない」”もどかしさ”を味わうこと必至だが、それゆえに各ステージクリア後に感じるカタルシスはひとしお大きい。
「高い壁には挑み甲斐を感じる」という辛口アクションゲームファンの方は、是非とも本作の完全攻略に挑戦して見て欲しい。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 7.5 |
---|
良い点
- ファンシー&ダークテイストのステージデザインとキャラクター
- 全44面+αの豊富なゲームボリューム
- プラットフォームとしての歯応えを感じられる激辛気味の難易度
惜しい点
- カメラ切り替えを駆使しても、手前と奥の空間認識が困難
- 一部の夜間のステージにおいて、足場が景色と同化して見えない程に色味が暗い足場のオブジェクトが登場する
2023年2月現在、終盤の一部のステージで進行不可となる不具合が2,3確認されている(※ver.1.02にて修正済み)
©2022 Pikii / Flynn's Arcade / Radin Games (※記事内で使用しているスクリーンショットには、ゲーム内機能の"疑似スキャンライン"をオンにした状態で撮影したものとオフ[…]