The Creepy Syndrome - プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©Boomfire Games, Jandusoft SL. Licensed to and published by Eastasiasoft Limited. All Rights Reserved.

 

基本情報

 

タイトル The Creepy Syndrome
対応機種 Steam,Nintendo Switch|Nintendo Switch 2, PlayStation4|5,Xbox Series S|X
販売 JanduSoft(steam版,XBS|X版),eastasiasoft(Switch|2,PS4|5版)
開発 Boomfire Games
発売日 2023年4月28日(Steam版),2023年7月20日(Switch|2、PS4|5版),2023年4月27日(XBS|X版)
対応言語 日本語, 英語, フランス語, イタリア語, スペイン語, オランダ語, ポルトガル語, 中国語 (簡体字), 中国語 (繁体字),カタルーニャ語,ウクライナ語,トルコ語

※Nintendo Switch 2(日本語・国内専用)では日本語以外の言語で遊べない場合あり

備考 IARCレーティング:16+(激しい言葉づかい)
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作品概要

 

「The Creepy Syndrome」はスペイン・コルドバの開発チームBoomfire Games製作によるゲーム作品。Steamではスペインのゲーム会社であるJanduSoft、各種コンソール版ではeastasiasoftがそれぞれパブリッシングを担当。

本作の内容はホラー要素を伴う短編アドベンチャーのオムニバス作品集。プレイヤーは精神科医を訪れたとある受診者の視点となり、診察と称して用意された4種類の不気味な内容のビデオゲームを体験していく。

 

各国の基本的な公用語に加え、カタルーニャ語やウクライナ語といった局地的なものも含めて合計12もの言語に幅広く対応している。日本語にも対応しており、ストーリー把握が十分可能なローカライズに仕上がっているので、安心してゲームプレイに臨むことができる。

 

関連リンク:Boomfire Games(X(Twitter))

関連リンク:JanduSoft(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン カーソルの移動
Lスティック カーソルの移動
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン インタラクト
Bボタン キャンセル、戻る
Yボタン
Xボタン
Rボタン
ZRボタン
+ボタン

(※4つのエピソード毎に若干異なる場合があり、上記表では共通操作のみに留めています)

 

ゲームの進め方

ゲーム起動直後や各エピソードプレイ前には精神科医との対話シーンが挿まり、ここから物語を選んでスタートする仕組みとなっている。

結末に関わらず一度でも最後まで体験したエピソードは、表題の左側のマス目にノーマルエンドの場合は緑色、バッドエンドの場合は赤色のチェックマークが表示されるようになる。自身が迎えたエンディングがどういった判定となっているのかの判断材料として活用すると良いだろう。

 

シナリオ紹介

 

「The Creepy Syndrome」では4つの短編アドベンチャーゲームを楽しむことができる。各ゲームは物語や舞台はもとより、ゲームデザインも大きく異なっている。以下で各シナリオのさわりとなる部分を簡潔に紹介。

(※各あらすじ(黒枠内)については基本的にゲーム内冒頭シーンより引用したものを用いていますが、筆者側での要約による記述も一部含まれています。ご了承下さい)

 

監視

この悪夢に何日悩まされたことか。目を閉じようとすると、彼しか見えない。冷たく、憎しみに満ちた視線。彼の顔は歪み始め、完全に私を飲み込んでしまう。彼が徐々に近づいてくる。感じるのだ。

あの悪夢を見ないために、睡眠時間を減らすことにした。しばらくは心からリラックスして、何も考えないで済むように、一人で山奥に引っ越した。だが、さらに悪化してしまった。

ここ数日間は、起きているときにも彼の姿が見えるようになった。

3D視点の一本道進行となっており、プレイヤーが実行可能な操作は基本的には上方向へのキー入力による前進のみ。ただし、画面上に指示が表示された時だけ一時的にインタラクトが可能で、目の形をしたカーソルを操作して調べたい対象をAボタンで調べることができるようになる。

画面左上のハートアイコンは体力ゲージストックで、特定の場面で判断を間違った際に1つ減少。結末に辿り着く前に全てのハートが失われるとバッドエンドとなってしまうので気を付けよう。

 

常道の主

1990年、コルドバ州近郊で、「道の子供たち」教団による複数の殺人事件が発生した。

2000年10月31日、教団員全員が集団自殺を図り、全員の死亡が確認された。

ロドリゲス警部は、夜間に現場付近で奇妙な活動があったとの通報を受けて、捜査に乗り出した。

トップビュー形式の探索型アドベンチャースタイルで展開。プレイヤーはロドリゲス警部の視点で、教団の足跡を調査していく。

インタラクトとキーアイテムを駆使しながら進行する典型的な2Dフィールド形式で、この手のゲームジャンルの経験者であれば比較的取っつき易い作りになっている。

 

赤いボタン

目の前には一台のコンピューターと電話。そして、淹れ立てのコーヒーが一人分。

その人物は席に着いたまま、何時来るとも知れぬ通信基地からの連絡を待っていた。

やがて室内に鳴り響いた呼び出し音。受話器を上げ、備え付けのペンを片手に通話内容をメモに書き取っていく

電話を通して下された命令。それは世界の運命をも変えてしまう非情な選択だった―

ゲームシステムは典型的なポイント&クリック方式。「観察」「インタラクト」「使う」の3種類のコマンドと進行に応じて手に入るキーアイテムを活用し、基地から受けた命令の実行へと移していく。

なお、プレイ中に+ボタンからポーズメニューを呼び出すことで、カーソル速度を0.5~2.5倍速の範囲内で調節することができる。必要に応じて最も快適な設定へと変更しておこう。

 

ノクターン

2010年、ミネソタ州ロゾー郡のとある民家。

少女サラは長期に渡って家を離れている母と姉から留守を任され、自宅で一人暮らしの日々を送っていた。

ある夜、彼女はネットフォーラムで発見したという”魔法の儀式”を完成させるべく、その手順を実行へと移すのだが…。

ゲームシステムはサイドビュー方式の探索型で、少女のサラを左右移動で導きつつAボタンによるインタラクトを活用して”魔法の儀式”の完成を達成することが目的となる。画面左上には進行条件が常時表示されるので、その通りに動いていけば迷うことはないだろう。

ただし物語の都合上夜間での行動となるため、移動可能なエリアは全編を通して薄暗く見通しが悪くなっている。各部屋内に室内灯のスイッチを点灯させた場合も、大幅に明るくなるといったことはない。自分が現在どの部屋にいるのかをしっかりと把握しておこう。

 

プレイ後の感想

「The Creepy Syndrome」は、往年の海外ホラー番組「ミステリーゾーン」(原題「Twilight Zone」)のような短編サイコスリラー作品を詰め合わせた試験的な作りのオムニバス集となっている。一編辺りの所要時間は10~20分程度で1本のゲームとして見るとこの上なく短いボリュームではあるが、通算で”1~2時間枠のテレビ番組一本分”程度と考えるとそれなりに納得の行く長さと捉えられなくもない。

一方で、内容面では反射神経を要するゲーム的アプローチが特に前振りもなく突如登場する場面が随所で見られる事から、シンプルな読み物や非アクション型のゲームデザインを期待している方にとってはこれらのゲーム要素に意表を突かれる事になるかもしれない。

 

ゲームジャンル=ホラーアドベンチャーであるという点はどのエピソードにおいても一貫しているが、4つの物語それぞれでゲームデザインが全く異なる作りになっているというのは中々意欲的な試み。プレイヤーの置かれている状況が重い立場にあることから肝心の各エピソードはおちゃらけた空気感の漂うものは一つもなく、前振りからも陰鬱な話が多いため大いに人を選ぶ作風であると感じられた。

怖さの感じ方はプレイヤー次第なところはあるが、収録されている4編を体験後に感じたのは”人の狂気”というテーマが共通項として挙げられる点だ。取り分け「常道の主」はひときわ凄惨な内容で見た目こそビデオゲーム黎明期を彷彿とさせる簡素なピクセルアートスタイルだが、猟奇的な描写が苦手という方はプレイを控えることをおススメしておこう。

 

全てのビデオゲームを体験し終えることで、プレイヤーの視点である患者男性の診察は一旦の終了を迎える。エンディングのオチが弱く、クリア後の追加要素も特になしと少々物足りなさを覚えるのは惜しまれるところながら、色々な物語を楽しめるといったお得感も含め、短編オムニバス収録という本作の手法に関しては筆者は比較的好意的に捉えている。今後、今作に関する新たな展開があるかは開発者次第ではあるが、DLCのような形で是非とも追加エピソードを見てみたいと願うばかりだ。

“複数の短編エピソードを楽しめるオムニバス作品集”という今作の構成に関しては、過去に紹介した「Stories Untold」に比較的近いものとなっている。両作品間で映像面のスケールやアプローチは大きく異なるが、同ジャンルを好むという方であればこちらも楽しめることだろう。ホラーゲームファンの方は本作、「The Creepy Syndrome」を是非お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .0

 

良い点

  • 内容の異なる4つの短編サイコスリラーを楽しめる
  • プレイヤーの取った行動によって、各エピソード毎に2種類の結末へと分岐するマルチエンド方式
  • 日本語ローカライズに対応

 

惜しい点

  • 良くも悪くも全編が短い(全てのエピソードを合算してもオールクリアまでの所要時間は1~2時間程度)
  • 条件反射を要求されるミニゲーム要素が散見され、苦手な人にとっては突破自体が辛い場合も
  • オールクリア後に見られる顛末のオチが弱い

 

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