道 -TAO- ~終末目前の世界で、様々な形の”教え”に触れるロールプレイングゲーム

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©1989 VAP

 

基本情報

 

タイトル 道 -TAO-
対応機種 ファミリーコンピュータ
販売/開発 バップ/パックスソフトニカ
発売日 1989年12月1日
備考
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作品概要

 

「道 -TAO-」はバップから販売されたファミリーコンピュータ用タイトル。見下ろし型のフィールド移動モードと全部で12種類のコマンドを駆使するアドベンチャーモードを組み合わせた独特なインターフェースを持ったロールプレイングゲームだ。開発はファミリーコンピュータ用RPG「MOTHER」を手掛けたパックスソフトニカ。

物語はこの世に生を授かったある一人の少年の視点で展開。カダルカジャマ寺院に至宝として安置されていた経典マハーマラ・スートラが魔物に盗まれてしまった事態を受け、この行方を求めて少年が訪れる各国にて様々な人々や教えと出会い、やがて数奇な運命を辿っていく―。

 

操作

以下では本作の操作方法について紹介していこう。

 

操作方法

十字キー キャラクターの移動/(コマンド入力画面で)各項目の選択
Aボタン 決定/(コマンド入力画面にて”闘”選択中、連打で)敵に攻撃する
Bボタン 正面の対象を調べる/(何もないところで押すと)コマンド入力画面呼び出し
STARTボタン ポーズ(一時停止)
SELECTボタン (タイトルメニューにて)モード選択

 

「道 -TAO-」の操作方式はスタンダードな見下ろし型RPGの操作スタイルとなっているが、戦闘システムに関してはやや独特。こちらについては下記項目にて別途解説していこう。

 

システム

 

コマンド

 

コマンド画面で利用できるコマンドは全部で12種類。(ゲーム開始時点では最下段2つを除いた10種類のみ利用可能)

それぞれのコマンド効果は以下の通り。

目の前の人物の話を聞く 目の前のものを観察する
手元の持ち物を選んで使用する 目の前のものを取る
手持ちの武器を選んで使用する コマンド画面から離脱する
戦闘時、一定確率で敵から逃げることができる(逃亡不可の対象もいる) 戦闘時、敵に攻撃する(使用中の武器の攻撃力が反映)
プレイヤー(”ぼく”)のステータスを確認する パスワードを表示する(戦闘中などでは利用不可)
手持ちの御神体(ぶちぞう)を選んで使用する 手持ちの護摩符(ごまふ)を選んで使用する

 

コマンド選択パートではほとんどの場面で「言」と「観」の2つのコマンドが最も多用され、戦闘パートでは「闘」コマンドを選んでひたすらAボタンを連打、といった具合で、それ以外のコマンドは利用頻度は比較的低い。

 

「武」コマンドでは武器となるアイテムを、「物」コマンドでは所持アイテムを確認可能。1ページ辺り横2×縦6の最大12種類まで表示され、獲得アイテムが13種類を上回った場合は2ページ目に表示される。

 

「吾」コマンドでは少年(ぼく)のステータスを確認できる。次項目では各パラメーターについて簡単に紹介していこう。

 

ステータス

ほんしょう 本性。敵を倒すことで成長していく。
たいりょく 敵を倒すことで最大値が成長。治療院などで回復可能(有料)
サイキック・パワー 敵を倒すことで成長していく。
にんたい 忍耐。敵を倒すことで成長していく。上限は65535
ざいさん 所持金。敵を倒すことで増加するが、ゲームオーバー時は所持金が半分になる
しゃっきん 借金。作中ローン会社でお金を借りることができるが、負債を抱えてる場合のみ増加
チャンス 戦闘でゲージが0になった時、再挑戦できる回数
はっけ 集めた八卦の種類

 

基本的には一部を除くほとんどのパラメーターは敵を倒したり、修行を行ったりすることでどんどん増加していくが、”チャンス”に関しては残り回数に気を配っておきたいところだ。

 

戦闘

本作の戦闘システムは少し独特で、「闘」コマンドにカーソルを合わせた状態でAボタンを連打する、といったものになっている。基本的に連打力が高ければ、ある程度格上の相手でもない限りはほとんど一方的にダメージを与えて圧勝することができる。

といっても全戦においてただ連打力が高ければいいというわけでもなく、一部のボスキャラクター相手には特別なアイテムを使う、といった方法でないと完勝できない者も存在する。ストーリー中に意味ありげなアイテムを授かった時は、受け取る際に使うべきポイントを教えてくれることが多いので相手の会話をよく聞いておこう。

(※各アイテムの説明が受け取る際のタイミングでしか得られず、万一聞き逃してしまうと最悪何に使うアイテムなのか分からなくなってしまう危惧がある)

 

乗り物(鉄道/ヘリポート

各地域には鉄道、あるいはヘリポートといった公共の乗り物が整備されており、その行き先はストーリー進行に応じて少しずつ開通されていく。

ヘリポートはアンゴルモア、クロスデン、カナーバル、トウキヨ、ビシャマンダの5地域のみで、鉄道は全地域に整備されている。どちらの乗り物も隣接するエリアにしか区間移動できないが、全区間が開通すれば2つの乗り物を駆使して行き来が可能となる。

 

近代的な交通手段が提供されているのに、演出シーンで実際に主人公が乗っているのは恐竜だったり翼竜だったりとどこかシュールな装い。(こうした部分も”終末的なテイスト”というジョークを含めたものなのかは定かではないが) NPCや敵キャラクターの掛け合いも時代相応に少々ダサいと感じるセンスのものが多く、珍妙、あるいは悪ノリ、といった具合に自由に解釈してこのノリと付き合っていくのが本作の正しい楽しみ方となるのかもしれない。

 

プレイ後の感想

「道 -TAO-」は作品のコンセプトからも一目でクセの強さが尋常じゃない作品であるのはハッキリと感じられる。

肝心のゲーム内容についても調整不足な敵のバランス、延々と続くお遣い系クエストの作業感に始まり、仏教、キリスト教、天道などの様々な宗教観を絡めたストーリー、各登場人物達のゆるいノリのキャラクター性など、あらゆる要素において筆舌に尽くしがたい内容であるとプレイ中に感じることは疑いない。

上記の部分に目を瞑れるならば、ファミリーコンピュータ産ロールプレイングゲームとしてのボリュームは長すぎず短かすぎないちょうどよさで、カルトゲームとして楽しむことができる。奇しくも本記事に目を通した事で本作が気になってしまった、という物好きな方はチャレンジしてみて欲しい。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 6.0

 

良い点

  • 複数の宗教観、終末思想などを作中の素材とした独特の世界設定
  • 80年代作品でよく観られるどこかゆるいノリに反して、後半のシリアスハードな展開は一見の価値あり
  • ゲームシステム的にはコマンド選択型アドベンチャーと見下ろし型RPGの両方が相性良く組み合ってる好例

惜しい点

  • 敵の強さのバランスが後半に向けてインフレ傾向にある。特に終盤は四天王との一挙連戦など厳しい局面も
  • NPC1人と会話の度にコマンド画面⇔移動画面と切り替わるため、若干プレイのテンポが悪い
  • アイテムの用途に関する補足が弱く、中には用途不明のまま一切使わずにゲームクリアできてしまうものも

 

 

舞台紹介

「道 -TAO-」では様々な国が物語の舞台となる。最後に、各地域の外観をスクリーンショットと共に紹介していこう。

 

(※以降はネタバレを含む記述となっています。読み進める場合はその点についてご留意下さい)

 

 

 

アンゴルモア

 

モスコフ

 

カリバトス

 

クロスデン

 

カナーバル

 

トキヨウ

 

ビシャマンダ

 

そして物語は終末(クライマックス)へと向かう―

 

 

 

 

 

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