©1986 IREM CORP.
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基本情報
タイトル | スクーン |
対応機種 | ファミリーコンピュータ |
販売/開発 | アイレム/ホームデータ |
発売日 | 1986年6月26日 |
備考 | 開発のホームデータは、現在の株式会社魔法。 |
作品概要
「スクーン」は1986年アイレムからリリースされたファミリーコンピュータ用ゲーム作品。アイレム社のファミリーコンピュータ向け作品としては「ジッピーレース」、「10ヤードファイト」、「スペランカー」に続く第4弾タイトルとなる。
世界各地の海底を舞台に潜水艦”スクーン”を操作して、侵略者”オトト星人”によって囚われた捕虜の救助、及び海底に設けられた敵施設の壊滅を目的としたサイドビュースタイルのシューティングゲームだ。
プロローグ
(※オープニングデモより引用)
SOS…SOS…
オトト星人 ノ 侵略 アリ
急速 ニ 海面 上昇 セリ
スクーン 出撃 セヨ
海底 ニ 平和ヲ!
U.S.A. ペンタゴン
タイトル画面でしばらく放置していると、上画像のようなシーンの導入からのデモンストレーションプレイが開始。一連のデモシーンでは終始モールス信号をイメージした環境音が鳴り響き、本作が潜水艦メインのゲームであると想起させるニクい演出を味わえる。
操作方法
以下でスクーンの基本操作を紹介していこう。
十字キー | 移動 |
Aボタン | アイスボール攻撃(対地用) |
Bボタン | ミサイル攻撃(水中用)/捕虜引き渡し(可動島接触中) |
STARTボタン | ポーズ(一時停止) |
SELECTボタン |
アイスボール(Aボタン)
まずAボタンで発射可能なアイスボールは、スクーン本体の斜め下へと投下する機雷攻撃。各面開始直後にのみ出現するナマコや、金塊を隠し持つカニ、各施設のセンサーなどの一部のターゲットにはアイスボールでないとダメージを与えられないため、この武器の重要度は比較的高い。
アイスボールは画面内に1発しか同時射出できないため、不発や空撃ちに要注意だ。
ミサイル(Bボタン)
スクーンの持つもう一つの攻撃はBボタンで繰り出せる各種ミサイル攻撃。こちらはスクーンの正面に射出するショット武器で、初期状態となるホリゾンミサイルを起点に「P」アイテム(上右画像)獲得により、スクーン本体の移動速度向上に加えてバウワウミサイル、アデノイドミサイルへとアップグレードしていく。
ホリゾンミサイル:
単発式のミサイル。3連射まで可能 |
|
バウワウミサイル:
単発式で貫通力が高い。3連射まで可能 |
|
アデノイドミサイル:
3WAY式。連射不可 |
パワーアップ効果はミス時に1段階下がるといった仕組みで、例えばアデノイドミサイル装着時にミスした場合はバウワウミサイルへとダウングレードしてしまうので注意したい。
ナマコの謎
各ステージ冒頭にのみ出現するナマコにアイスボールを何発か当てると…?
システム
捕虜の救出
各ステージ随所に設けられた敵施設。この施設めがけてアイスボールを投下すると破壊することが可能だが、それと同時に囚われていた捕虜が一斉に外へと放出される。
海中へと放出された捕虜たちは自力で水上を目指して浮上していくが、彼らの周りにサメがうろついている状況下では、最悪の場合食べられてしまうことがある。サメが近くでウロウロしている際はそういった事態に陥る前に、急いで回収するようにしよう。
スクーンで回収した捕虜数は、回収の度に表示される。最大数の9人まで収容する、もしくは捕虜を1人でも収容している状態でカニから金塊を回収すると、海上に可動島が出現。
本作におけるもう一つの目的がこの捕虜救助システムで、可動島にスクーンを接触させた状態でBボタンを押すことで捕虜を引き渡すことが可能。捕虜を1人引き渡すごとに200点が加算されるが、引き渡しが終わると可動島から以下のアイテムが投下される。
燃料とパワーアップアイテム
捕虜1人引き渡し時には燃料アイテムを、9人引き渡し時にはPアイテムをそれぞれ受け取ることができる。9人引き渡し時はボタンを連打することで高速引き渡しが可能なので、コントローラー側に連射機能があるとかなり有利だ。捕虜の引き渡し中も水面では容赦なく敵は襲って来るので、なるべく手早く済ませたい。
FUEL(燃料)
スクーンを操る上で気をつけたいことが一つある。それはスクーンの燃料(FUEL)の概念だ。
画面左下に常時表示されているFUELの表記がスクーンの残り燃料を表しており、最大値は60。この数値はプレイ中に常時少しずつ減少していく。
残り20になった時点で警告音と共にスクーン本体が明滅をはじめるが、この状態になると燃料切れが近いという合図なので0になる前に急いで燃料を確保しておきたい。
失った燃料は可動島出現時、救出済みの捕虜を引き渡した際に投下される燃料アイテム、もしくはPアイテムのどちらかを確保することで一気に最大値までの回復が可能だ。可動島は一度呼び出しておくと長く出現させておくことが可能なので、ゲームに慣れてきたらこれを上手く利用して燃料アイテム入手タイミングの調整を意識していきたい。
舞台となる海洋
本作の各ステージはPHASEと言う区切りで分けられており、全8面構成。PHASE 8を最後まで終えると再びPHASE 1へと移り、次周が開始される。
PHASE 1のハワイから始まり、中国、インド、エジプトと各国の海中を舞台にスクーンとオトト星人たちによる戦いが繰り広げられていく。各ステージ冒頭には、各国を象徴するデザインの1UPアイテムが隠れていることがある。背景に溶け込んでいたりするパターンが多く見逃しやすいが、出現していないか目を凝らして探してみよう。
PHASE 7(北極ステージ)を最後まで進めた際、上画像のような画面が表示される。
マイッタ…
降伏 シマス
アンタ ハ エライ
オトト
「アンタハエライ」といった浅薄な語り口が目を惹くオトト星人の降伏声明だがこの画面を拝めたならば、1周目のラストも近い証だ。
プレイ後の感想
ファミリーコンピュータ用のアイレム第4弾タイトルとして撃ち出された本作は、同機の既発タイトルにはなかった”潜水艦による海中を舞台としたシューティングゲーム”という独特の内容がそのまま本作の個性となっている。潜水艦をメインに据えたシューティングゲーム自体希少ではあるが、数ある作品群の中で本作をまっ先に思い浮かべる方もいるのではないだろうか。「スクーン」(=地球を”救う”)という直球気味なそのタイトルもインパクト大にして実にキャッチーだ。
シューティングゲームとして見た場合、やや高めの難易度でありながらコンティニュー機能が備わっていない分、先のステージを見るにはある程度の腕と慣れが必要となってくるが、ファミリーコンピュータ初期のサイドビューシューティング作品としては卒ない造りでクセも少なく遊びやすい。本稿を通して、本作に関心が湧いた方は是非一度触れてみて欲しい。
評価
個人的スコア | 6.0(10点満点中) |
良い点
- 滑らかな操作性とショットの仕様など、86年当時のファミコン向けシューティングゲーム群の中では動作面での良好さが目立つ
- 世界各国の特徴を上手く落とし込んだ色彩豊かな海底ステージの描写
- 人質の救助や隠しアイテムを上手く狙う事で1UPの機会が比較的多く、激しい攻撃が続く中盤以降も残機拡充によって長時間プレイに耐え易い難易度バランス
惜しい点
- 敵機の数がある程度まとまって現れる場面になる毎に、処理落ちが頻繁に見られる
- 画面の後方から突如急速に突進してくる敵が多く、不意打ち接触によるミスに遭い易い
- 後半のステージで画面が赤く光った後、背景が赤くなったまま元に戻らないプログラムミス(?)が稀に発生(ゲーム進行自体への影響は薄い)