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基本情報
タイトル | SENSEs: Midnight |
対応機種 | Steam,Nintendo Switch,PlayStation 4|5,Xbox Series S|X |
販売 | Eastasiasoft Limited |
開発 | SUZAKU Games |
発売日 | 2022年7月22日(Steam),2023年6月7日,(PS4|5、XSS|X),2023年6月8日(Switch) |
対応言語 | 日本語,フランス語,ドイツ語,スペイン語,中国語 (簡体字),中国語 (繁体字),英語 |
備考 | IARCレーティング:16+(恐怖、激しい暴力) |
作品概要
「SENSEs: Midnight」はアメリカのゲームスタジオSUZAKU Gamesが製作を手掛けるゲーム作品、パブリッシングはeastasiasoft Limitedが担当。
本作は、サードパーソンスタイルの探索型ホラーアドベンチャーゲーム。オカルト研究家のウエスギ カホとして、池袋ウォーキングパーク内に存在する曰く付き物件「真夜中の扉」の秘密を探るのがプレイヤーの目的となる。
ゲームデザインとしては、旧作の「バイオハザード」シリーズを想起させるタンクコントロール(ラジコン操作)スタイルが特徴の1つ。また、海外製作者視点による日本の怪談やオカルトに対する今作ならではの解釈や、”サイバーパンク+和風ホラー”という独自性の高い融合要素なども注目ポイントだ。
リンク:eastasiasoft 日本(X(Twitter))
ストーリー
(※商品ページ内の紹介文、およびゲーム内プロローグより該当部分を引用)
魂は生きている人が信じている間だけ存在すると言う人もいる。 でも、魂は人々が信じることで力を得ているのだろうか? 人々に忘れ去られると、魂は永遠に消え去ってしまうのか? それとも、長い間忘れ去られていた幽霊は、今も暗い街の片隅でわたしたちを待っているのだろうか?
ウエスギ カホは、学校のオカルト研究会に所属する冒険好きな女子大生。 ある日他の部員から、日本に帰国した際に「池袋ウォーキングパークの真夜中の扉」という都市伝説を調査するように言われる。
カホは、都市伝説が真実であることを証明し、超常現象の確かな証拠をつかむために、このチャンスに飛びついた。 しかし、池袋ウォーキングパークに足を踏み入れることは、彼女にとって最悪の選択となるかもしれない。
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操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 【※通常操作モード時】移動(ダイレクト方式)
【※タンクコントロール時】上:前進、下:後退、左:左回転、右:右回転 |
Lスティック | 同上 |
Lボタン | |
ZLボタン | 【移動モード中】(単押しで)カメラを構える
【カメラ使用中】カメラモードを終了 |
-ボタン |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | 【移動モード中】(押し込みで)チャットウィンドウ展開/閉じる
【カメラ使用中】ズームイン/アウト |
Aボタン | インタラクト |
Bボタン | キャンセル |
Yボタン | インベントリ |
Xボタン | (長押し中移動で)ダッシュ |
Rボタン | 伏せる/立ち上がる |
ZRボタン | (カメラ使用中)写真を撮影する |
+ボタン | メニュー |
ゲームの遊び方
基本的な操作
Lスティック、または方向キーを上方向に入力中は向いている方向に向かって前進、下方向に入力すると後退移動を行う。スティック操作中、Xボタンを押したままの場合は走って移動することができる。スタミナ系の要素は一切なく、走る上でのリスクは特に無し。
各フィールドエリアは定点カメラ方式により、画面外や特定のポイントまで歩いていく毎にシーンが切り替わる仕組みになっている。この影響で、画面が切り替わった直後はそれに伴って移動操作の入力方向も変化し易い。各所を歩き回る際は、カホの立ち位置や向いている方向が移動先毎にどういった状態になるのかをよく確認しておこう。
初期設定では移動コントロール方式が「旧典(タンク)」になっているが、特にこだわりがない限りはこのままの設定でのゲームプレイをオススメ。
グループチャット
ゲーム進行中、要所要所で画面左側に表示されるグループチャット上でメンバー同士の会話が行われる。可能な限り目を通しておこう。
ただし、カホ以外の発言は自動的に出力されると共に下方向へと流れていく仕様のため、一つ一つのコメントをじっくり確認したい場合は手動で少し上の方へとスクロールして戻す必要がある。
チャット上でのやり取りは後述の「チャットログ」でも見返すことは可能だが、そちらは文字が一段と小さくなっており見辛く使い勝手が悪い。
チャットではチュートリアル的な内容のコメントやゲームプレイにおけるヒントが流れることもあるので、比較的観易いこちらの画面上でなるべく確認しておこう。
テルロボ・ドローンの状態に注目
カホの傍でフワフワと浮遊する機械は「テルロボ・ドローン」なるガジェット。
普段は青い光を放った状態で自動で追従してくるが、注目すべき場面に近づくと上画像のように発光色が赤くなる。
このような反応を示す場所では、ZLボタンでカメラ(後述)を取り出し、ファインダーをあちこちに合わせてみることで何か発見できるかも…?
インベントリについて
プレイ中、任意のタイミングでYボタンを押すと、インベントリメニューを展開。
「チャットログ」ではグループチャットのバックログを確認することができるが、チャット機能とはUIが異なっている上に文字が小さくて読み辛く全体的に使い勝手が悪い。
重要なテキストはなるべくチャット反映時に見落とさないようにしっかりとチェックしておく方が望ましい。本体のスクリーンショット撮影機能を併用するように心がけておこう。
【使用】:目の前の対象に向かって指定したアイテムを使用する。対応していた場合、該当アイテムは手元から消える。
【組み合わせる】:特定同士のキーアイテムを組み合わせ、新たなアイテムに作り替えることができる。
【ドロップ】:不要なアイテムをその場に捨てることができる。インタラクト可能な対象の近くでドロップを実行した場合、落ちた位置によっては再回収できなくなる場合があるので注意。
「ノート」では探索中に入手したアーカイブのチェックが可能。
「コスプレ」ではカホの着せ替えを行うことが可能。と言っても衣装のバリエーションは最大3種類と少なく、入手条件もある程度やり込む必要があり、機能の使用機会はほとんどない。
「写真」では、カメラで撮影した写真やチェックをすることができる。
ただし、本作のカメラ機能はごく特定の心霊写真、あるいは重要な手がかりを撮影した時にのみカウントされるようになっており、進め方次第では1枚も手元に残さないまま本編クリアしてしまうこともある。
カメラの使い方
移動中、ZLボタンを押すとカメラモードに突入することができる。カメラモード中の操作方法は以下の通り。
Lスティック/方向ボタン:レンズ移動
Rスティック:ズームイン/アウト
ZRボタン:撮影
ZLボタン:終了
ファインダーを覗いている間もゲーム内の状況は常に動いており、霊的存在も徘徊を行う状態下にある。万一、攻撃を受けた場合は強制的にカメラモードが終了してしまう。
撮影したい対象がある場所では霊が周囲にいないかを常に警戒し、襲われる前に手早く済ませてしまいたい。
霊的存在について
ゲームを進めて行くに連れて、公園内に次第に霊的な存在が出現するようになる。
一般的な対象は大まかに分けて地縛霊、怨霊、人魂の3種類。それぞれタイプによって動きが異なるが、いずれも接触することでダメージを受けてしまう。
受けたダメージは時間経過と共に自動的に回復していくが、一定以上のダメージが蓄積するとゲームオーバーとなる。
また、カットシーンを介して登場する一部の特別な霊に限り、掴まった時点で即ゲームオーバーになってしまうので更に注意が必要だ。
霊的存在の対処方法
霊的存在はカホの力では退治することはできないが、一時的な対処方法が2通り存在する。
1.月明かりの蛾
公園内に点在する”月明かりの蛾”(青い蝶が舞っている所が目印)ポイント(上画像)では、カホの気配を消すことで霊的干渉を防ぐことが可能となっている。Aボタンでインタラクトすると専用UIの表示と共にミニゲームが開始。
Lスティック、または方向キーの左右を使って、UI内上部のカーソルをその下で左右へとランダムに往復する”ストレスメーター”と横軸が重なるように合わせ続ける。重なっている時のみメーターゲージは増加していき、ゲージ全体が緑色になれば回避成功だ。
「終了」と表示された後もしばらく画面を追ってると、こちらを追っていた悪霊達がゆっくりと散っていく様子が窺えるので、回避に成功した後の動きをよく見ておくと良いだろう。
2.勾玉
勾玉を所持している場合は、1個につき一度だけ悪霊の攻撃を無効化した上で退ける事が可能。入手の機会はあまり多くないため、基本的に2つ以上所持するのは困難。
ただし、勾玉で追い払った悪霊は時間経過で再出現するため、あくまで一時しのぎの手段でしかない。
基本的には何気ない場所に落ちている勾玉だが、公園内のあちこちに設置されているゴミ箱を漁ってみると時々見つかることも…?
プレイ後の感想
「SENSEs: Midnight」はオカルト研究会サークルのメンバー・ウエハラ カホを操作して、深夜の公園に現れると噂される「真夜中の扉」の検証を行うといった内容になっている。
進行中は連絡用グループチャットを通じて、メンバー達との和気藹々としたやり取りが展開。当のカホは基本的に皆から茶化される役割に回ることが多いものの、ここぞという時には主人公らしくきっちりチームワークを披露してくれる。
架空の施設『池袋ウォーキングパーク』を舞台に展開する作中では、怪談『皿屋敷』の登場人物『お菊』がクローズアップされており、収集アーカイブ要素である「コワ新聞」にもそれに纏わる様々なバックボーンが文献として記載されている。真夜中の扉に纏わる秘密を探っていく内に、お菊との関連性がおぼろげながら判明するかもしれない。
なお、上記とは別に本作では特定種の虫要素(”百足“)が物語中の設定に含まれている。オカルトよりもそちらの方が生理的嫌悪感を抱くという方は、購入前に上記の点についてあらかじめご注意頂きたいところ。
タンクコントロール前提の基本操作デザイン(操作スタイルの切り替え自体は可能)、且つ、「Homebody」でも見られた”定点カメラ方式”が採用されており、エリアの切り替わり毎に遠景や斜め角度からの撮影など多様な画角に展開。
90年代のアドベンチャーゲームでは馴染み深いコントロールスタイルだが、これに不慣れなプレイヤーの場合は序盤から操作にもたつき、公園内を徘徊する各種霊的存在との鬼ごっこ的な攻防時には回避に苦戦する可能性が高い。ロングショットな場面では、オブジェクトの小ささと視界の悪さが相俟って位置関係を掴み辛かったりと移動面ではストレスとなる要素も。
また、グループチャット機能のものより一段と文字が小さく視認性が低いチャットログ、アイテムを最大4つしか持ち歩けない上にその場へのドロップを通じて入れ替えが頻繁に必要となるインベントリなど、使い勝手の悪い部分はゲームシステム面でも目立つ。こういった不便さを受け入れられるかどうかも評価のポイントとなるだろう。
本作は現状、日本においては単発のホラーゲームといった扱いだが、厳密にはシリーズ2作目にあたる作品で、第1作目は同ディベロッパー製作の「SENSE – 不祥的预感: A Cyberpunk Ghost Story」。
こちらのゲーム内容はサイドビュースタイルの探索ADVとなっており、当ブログで取り扱った作品の中では「TOKYO DARK」が最もゲームデザインの雰囲気が近い。日本国内ではSteamプラットフォームでのみプレイが可能だ。(日本語字幕にも対応)
この第1作については筆者自身は未プレイにつき今作との直接的な関連性は不明だが、2083年のネオ・香港が舞台であるなどサイバーパンク然とした世界観は両作間で共通している様子を覗わせている。興味が湧いた方は今作と合わせてプレイしてみるのも一興となるだろう。
また現在、同シリーズの第3作目にあたる「SENSEs – Death Harvest」が開発中とのことで、こちらも続報が待たれるところだ。
PS、SS時代に主流であった”ラジコン操作型アドベンチャー”が好き、といったプレイヤーであればサイバーパンク+和風ホラーといった異色な雰囲気の世界観も含めて、本作は興味深い一作となるだろう。
90年代風ホラーゲームファンは今作「SENSEs: Midnight」を一度お試しあれ。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 7.5 |
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良い点
- タンクコントロール方式のクラシックスタイルな探索型ホラーアドベンチャー
- “サイバーパンク都市日本における深夜の公園”という、かつて類を見ないロケーションを舞台とした独特の世界観
- 高精度な翻訳による安定感のあるローカライズ
惜しい点
- 舞台となる公園内全体を通して視界が暗く、歩行可能なエリアや境界となる箇所が視認し辛い
- 持ち物を最大4種類までしか持ち歩けない仕様により、インベントリの遣り繰りに異常に手間がかかる
- 入手直前に入るグループチャットのやり取り以外では、手に入れたアイテムに関する説明をプレイ中に確認することが一切できない
©Copyright 2022 Rogue Games, Inc. All Rights Reserved. ※このゲームには、暴力、ボディホラーに加え、不安、強迫性障害および鬱病などの心理学的問題に関する[…]