誘惑:ある僧の物語 - プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©Eastasiasoft Limited, KOEX Studio. All Rights Reserved.

 

基本情報

 

タイトル 誘惑:ある僧の物語
対応機種 Steam,Nintendo Switch,PlayStation4|5,Xbox Series S|X
販売 eastasiasoft Ltd.(各種コンソール版)
開発 KOEX Studio(※Steamでは販売も兼任)
発売日 2021年10月9日(Steam版)、2022年7月21日(Switch版)、2022年7月20日(PS4|5版/XBS|X版)
対応言語 日本語, 英語, フランス語, ドイツ語, スペイン語, 中国語 (簡体字), 中国語 (繁体字)
備考 CEROレーティング:C(15歳以上対象)(暴力、犯罪)
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作品概要

 

「誘惑*:ある僧の物語」(Seduction: A Monk’s Fate)はシンガポールの個人ディベロッパーKOEX Studio製作によるゲーム作品。コンソール版の国内パブリッシングをeastasiasoftが担当。

本作はサイド2Dスタイルの探索&パズルアドベンチャーゲーム。プレイヤーは一南寺で修道に励む僧・李として、院内での生活を続けていたある日、迷い込んでしまった不思議な世界を散策していく。

登場人物=東洋人のみ、という徹底したオリエンタルな世界観が魅力の一つで、妖しくも美麗なゲームビジュアルや背筋の凍る恐怖的演出も作中の注目の要素だ。

 

(*诱惑 (yòuhuò):1.たぶらかす、欺く、だます、たぶらかして(悪事を)させる I 2. 魅惑する、引きつける) 《参考:Weblio日中・中日辞典より》

 

リンク:Seduction(KOEX Studio official page内)

リンク:KOEX Studio(X(Twitter))

リンク:eastasiasoft 日本(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 同上
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 決定/特殊アクション
Bボタン
Yボタン 日記の確認
Xボタン 所持品の確認
Rボタン 回避アクション
ZRボタン
+ボタン

 

難易度について

本作ではゲーム開始前、およびゲーム進行中に難易度を2種類の中から自由に切り替えることができる。

(進行中での切り替えは+ボタンメニュー>から可能)

 

ノーマルモード 本編内で全てのヒントを入手可能
ハードモード 本編内で一部のヒントが出現しない

違いは特定のポイントで入手可能な各種ヒントの有無のみで、それ以外に異なる点は見られない。スムーズに攻略を進めたいのであれば、ノーマルでのゲームプレイがおススメだ。

 

ゲームシステムと遊び方

 

調べる

頭上に「?」マークが表示されるポイントでAボタンを押すと、対象を調べることができる。かなり小さいので、見落とさないように注意が必要だ。

 

また、アイテムが必要な場面だった場合は画面左側にアイテムメニューが自動で表示されるようになる。

方向ボタン、またはLスティックを上下に操作して使用アイテムを選び、Lボタンで決定。各アイテムは必要となる場面以外で間違って使ってしまうことはないので安心だ。

 

祈り

Bボタン長押しで、祈りアクションが発動。祈りには幻惑を打ち消す力があり、様々な場面で李の助けとなる。

困った時にはとりあえず使ってみることで、道が拓けるという場面も多い。

 

回避

李が探索を行う各ステージでは、不意に異形の存在に襲われる事がある。

画面が灰色に変わり、動きがスローモーションとなる演出が挿入された場合は、危険が間近に迫っている証だ。

 

こういった場面では、回避アクションが一時的に使用可能となる。避けたい方向にLスティックを入力しながらRボタンでアクションが発動。序盤であれば、画面内に操作方法が表示されるので、これを参考にすると良いだろう。

ただし、今作の回避アクションには無敵時間といった効果は一切付いていない。各危機を安全に回避するコツは無理に正面へ突破しようとせず、必ず後方に下がることだ。

 

今作ではライフゲージといった要素は一切無く、罠となる対象や怪異的存在に接触するだけで即リトライとなるので、回避アクションが必要な場面では確実に決めていこう。タイミングを見極めて、上手く危険を脱しよう。

 

アイテムの使用/確認

所持品を任意で確認したい際は、Yボタンを押すことで画面左側にアイテムメニューが展開する。

機能的には、調べるアクション使用時に自動的に表示されるものと全く同一のもの。

 

ヒントを確認する

ゲーム進行中、随所の地面でノートを発見することがある。Aボタンで調べることで回収し、内容がヒント機能の項目に追加される。

ヒント機能はXボタンで閲覧が可能。いずれも謎解きの手がかりが記されたものとなっているので、行き詰まって先に進めない、という時には迷わず確認してみよう。

本機能は、難易度ノーマルでのプレイ時のみ利用が可能である点に注意。

 

セーブについて

各シーンの特定ポイントに設置された提灯がチェックポイントであると同時にセーブポイントとなっている。セーブはこの近くに立つだけで自動で保存が行われるので、こまめに接触しておこう。

ゲームのリトライ時や一時中断後の再開は、最後に接触した提灯のポイントからとなるので、同じ箇所で頻繁にゲームオーバーを迎えるようであれば限りなく直前の状況をセーブしておくと再挑戦時に便利だ。

 

プレイ後の感想

「誘惑:ある僧の物語」の内容を端的に表すとすれば、御伽噺的なストーリーに謎解き要素を少し交えたオーソドックスなサイドスタイルの2Dアドベンチャーゲームといったところだ。

作風的にはストーリー性重視で、登場人物による会話劇と悪夢の中での探索パートが交互に展開。ホラー要素を含む作品ということで、恐怖的な演出が登場するシーンが一部に存在するので、購入前にはその点に要注意だ。

 

タイトル画面においても巨大な文字で強く主張された「誘惑」の二文字。今作においては極めて印象的な言葉だが、これは何も副題に表記された”僧”(=主人公である李)一人にかかるものとは限っていない。

作中では複数キャラクター一人一人にとっての「誘惑」の切っ掛けとなる人物や事象が次々と登場。物語を紐解く内に過去の出来事も絡み合い、李自身の生い立ちなど、様々な思惑が明るみとなり次第に複雑な様相を呈していく。

 

本作ではノーマルとハード2種類の難易度が用意されているが、影響するのはゲーム内に登場するヒントの総数のみとなっている。ほぼ「初見の謎解き」に関わる難易度という意味合いしか持っていないため、あらかじめ解法を知っている場合はどちらの難易度を選んだところで一切違いはない。

動作に関しては挙動がおかしな場面がごく一部で見られたものの基本的に安定しており、不具合が理由でゲーム進行が行き詰まるといった現象は確認できなかった。

 

クリアまでのプレイ時間は謎解きで詰まるか否かによるところが多く、早ければ2時間程度でのクリアも十分可能。実績については、収集系の内容となっているただ1つを除けば本編進行に伴って順繰りで開放されていくため、回収自体は概ね1周のプレイで比較的容易に埋めることができる。

各パズル要素は一部難しいものもあるが、決してプレイヤーを一方的に突き放したような内容ではなく、最小限の手がかりを作中に散りばめた上で解法を各自で探って欲しいといったバランスのものばかり。初見プレイ時にはぜひ、本編内随所で手に入るヒントを手掛かりに、自力での謎解きを楽しんでいただければ幸いだ。

 

僧の男の意識に不意に現われる何者かの過去の記憶の映像、不連続な内容の悪夢の世界を舞台に、数々のパズルが展開。その中で、李は次第に自身が失った過去の記憶や、南一寺に秘められた物語へと触れていく。

果たして李は、彼を悩ませる悪夢の真相へと迫ることができるのか?

 

正統派な探索型アドベンチャーゲームがお好みという方は、本作「誘惑:ある僧の物語」を一度お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .0

 

良い点

  • オリエンタルな雰囲気漂う各ステージの映像美
  • ホラー描写とドラマ性の強いストーリー
  • 謎解きがスムーズに進めば、2時間程度でクリア可能

 

惜しい点

  • 回避アクションの発動タイミングなど、ヘルプの説明が一部分かり辛い
  • 怪異系の襲撃はいずれも事前に準備しないと避けられない
  • 元居たエリアに戻れない仕様につき、実績に関わるアイテムを取り逃した場合、最初からプレイしないと回収が不可能になってしまう

 

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おまけ:ヒント集

 

以下では本編内で特に難解なポイントを解説。ゲームプレイ中にどうしても進め方が分からない、といった際の手引き書となれば幸いである。

 

(※謎解きに関するネタバレを含む内容となっています。閲覧にはご注意下さい)

 

 

 

 

 

 

 

井戸の怪物

井戸の中の怪物は、対象が低姿勢で屈伸動作(食事)を行っている時のみ左右への移動が可能となる。

タイミングが少しでも違えば動き出してこちらに向かってくると共に、相手の間合いに入った時点で切り裂かれてゲームオーバーが確定してしまう。

大まかなパターンは、屈伸動作を3回行った後に少し移動する、といったもの。動きをよく見て手早く移動しよう。

 

ロウソクの仕掛け

4×4の配列で並んだ16本のロウソクの内、特定の12本に火を点けることで下の引き出しが開き、中のものを入手可能となるパズル。

ゲーム内で手に入るヒントを見ても手がかりに乏しく、一見は最も難解と映ってしまいがちな問題だが、ボードをよく見ると…?

 

サソリの入手場所

実績の1つである「静寂」は、本編内に隠されたサソリをすべて集めるとアンロックされる。

ただし、チャプター完了後は元のステージに戻れないゲームの仕様上、進め方次第ではゲームクリア後に取りこぼしてしまってアンロック出来ない可能性がある。

サソリは全部で5箇所で入手可能。以下に入手可能なポイントを公開。

 

池の中、赤い服の女性霊の間の岩壁

巨大蜘蛛の追跡から脱出後、すぐ東に行った木の幹

迷路

巨大な像が設置された部屋。吸い込む怪物手前の壁

水中

巨大な人魚像があるステージ左下方向

(※直近の洞穴から一度陸上に出て、息継ぎを活用する必要あり)

地獄

チャプター開始直後、すぐ左側にある柱

 

 

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