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基本情報
タイトル | Savior of the Abyss -深淵の救い主- |
対応機種 | Steam/Nintendo Switch |
販売 | AllaughGames/CFK(Switch版) |
開発 | AllaughGames |
発売日 | 2021年8月12日(Steam版),2022年11月24日(Switch版) |
対応言語 | 日本語, 英語, フランス語, 韓国語, 中国語 (繁体字) |
備考 | IARCレーティング:16+(激しい暴力、激しい言葉づかい) |
作品概要
「Savior of the Abyss」(日本版表記:「Savior of the Abyss -深淵の救い主-」)はAllaughGamesが開発、販売を手掛けるゲーム作品。日本におけるNintendoSwitch版の販売は韓国発のパブリッシャーCFKが担当。
本作はトップビュー形式の探索型2Dアドベンチャー。古い病院の収監室で目を覚ました少女ステラが、施設内からの脱出を目指すといった内容になっている。
2000年代初頭に登場した「ゆめにっき」、「青鬼」といった作品に代表される典型的なツクール(RPG MAKER)ベースのゲームシステムで、主な特徴にラヴクラフト大系の作品世界を意識した狂気度の高い演出や、操作キャラクターの近辺のみを仄かに照らす見通しの悪さ、瞬時にゲームオーバーを迎える致死性の高いトラップの頻出などが挙げられる。
リンク:Savior of The Abyss(AllaughGames)(X(Twitter))
リンク:CFK Official JP(X(Twitter))
操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
Lスティック | 移動 |
上下左右ボタン | 移動 |
Lボタン | (長押し中移動で)走る |
ZLボタン | |
-ボタン |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | |
Aボタン | インタラクト/決定 |
Bボタン | メニュー/取消 |
Yボタン | |
Xボタン | |
Rボタン | |
ZRボタン | |
+ボタン |
ゲームの進め方
ゲームの目的(本編)
概要にも記した通り、主人公である少女ステラは古い病院施設内の地下収監室で目を覚ます。プレイヤーは脱出の方法を探るためステラを操作して、出口を求めて施設内の探索を行うのが目的となる。
スタート地点の収監室を一歩外に出れば、そこは危険を孕んだ広大な病院施設内。其処彼処に致死性の高いイベントや罠が待ち受けており、判断を誤れば即ゲームオーバーを迎える羽目になってしまう。生きて脱出するためには、全編において周囲をよく観察した上で慎重な行動を心掛けなくてはならない。
ステラの視覚
移動中、地形を確認できるのはステラを中心としたごくわずかな範囲と照明の付いた周辺程度で、それ以外の範囲は基本的に暗闇となる。このため全編に渡って見通しが悪い場面が続くため、移動時は周囲の危険にもかなり気を配らなければならない。
本作のゲーム画面は思いの外キャラクターが小さく、また、ゲーム内の環境設定項目に明るさの調整項目が用意されていない。インチ数の少ないモニターでプレイする際は特に観辛いと感じやすいので、プレイ時の環境には注意が必要。
メニュー画面について
フィールド画面表示中にBボタンでメニュー画面を展開。Lスティックの操作で「アイテム」、「文書」、「設定」の3項目から選択が可能。
ただし、設定には言語切り替え以外の項目がないので、基本的には使わない。
「アイテム」や「文書」項目では画面左側の所持品リストから各アイテムを選択することで説明文を確認できるが、毎回メニューを開いた直後は何故か説明文フォームが一番下まで引っ張られた状態となっており、そのままでは何も表示されていない。
内容を確認したい場合は、一度Lボタンを長押しして上の方までスクロールする必要があるという点に注意が必要だ。
ゲームオーバーについて
即死性を伴うトラップにハマる、もしくは敵となる対象に接触するとその場でゲームオーバーとなる。本作には直前からのリトライ機能はなく、「LOAD」から任意のセーブデータを選んでのやり直しとなってしまう。
“一寸先は闇”を地で行く本作では、いつ何処でステラが不意な最期を迎えてしまうか分からない。特に初めて訪れるエリアでは唐突なゲームオーバーに備えるためにも、細目にセーブを心掛けることをお忘れなく。
セーブについて
青緑色の光をほんのりと発する燭台はセーブポイントとなっている。隣接した状態からAボタンでインタラクトを行うとセーブメニューが展開。
本作には最大10のセーブFileスロットが用意されている。(セーブ時はスロットのバナー内に、記録を行ったエリア名とデータ保存時の日付と時刻が表示)
セーブポイント自体は作中の様々な場所に用意されているが、手元で手軽に実行することはできない。各セーブデータから再開を行う場合はゲームオーバー画面上の「LOAD」を選ぶか、もしくは一度タイトルメニューに戻って「LOAD」を選択する必要がある。
プレイ後の感想
「Savior of the Abyss」はトップビュー形式のスタンダードなRPGのシステムがベースとなっており、移動、調べる、パズルを解く、逃げる、の4要素をベースとしたゲーム性は以前紹介した「青鬼」に比較的近いものとなっている。描き込まれた2Dグラフィックは同タイプのゲームの中でも高水準の域にある。
いわゆる「初見殺し」となる罠が随所に張り巡らされているのが本作の特徴で、迂闊な行動は容易にゲームオーバーを招いてしまう。プレイヤー側が取れる回避手段は、トライ&エラーによって即死判定となるポイントを覚えて近付かないことだ。
全編の長さはスムーズに進めれば所要時間1~2時間程度とかなり短め。謎解きらしい謎解きは1箇所か2箇所程度で、特に前半に登場するパスワードの解法はゲーム内のヒントがかなり分かり辛く、ここが最難関となるプレイヤーも少なくはないだろう。以降は探索を介してキーアイテムを発見後に必要となる場所で順次使っていくだけとなるが、時々アクション性を試される場面が登場するため苦手なプレイヤーにとっては厳しいシーンとなる。
「研究者が残したメモ」等のゲーム内に登場するアーカイブ類はいずれも、”物語の背景を知る”という目的以外に役割を持っておらず、次にどこに向かうべきかといった攻略上に関わるヒントとなるものが作中では徹底的に不足している。
全編を通じてこういったエリアデザインであることから、パズルの解法やキーアイテムの在処は基本的にプレイヤー自身が発見しなければならず、行く先々で入手したアイテムや施設内の各区画それぞれの特徴から推察していくしか道はない。
移植版に関しては少々操作性に難がある印象で、特にクラシックコントローラーでプレイする場合はLスティックと方向ボタンの両方で同機能を持ちつつも、移動時の感触がそれぞれで全く異なっているのは気になったところ。
取り分け方向ボタンを使った移動時は、任意の方向に長押ししていてもほんの少し指の力を弱めるだけで操作キャラが立ち止まってしまいやすい。敵の追跡を振り切ったり、トラップの回避のために全力で駆け抜ける必要のある場面もしばしば登場する本作において、この操作性の拙さは非常なストレスとなってプレイヤーに負担を及ぼす。
また、操作キャラクターであるステラの移動間隔はタイル単位の移動ではなく、ミリ単位の微調整が可能である点も操作性に悪影響を及ぼしている。特に作中の敵に追われる場面でダッシュを活用した逃走シーンでは上述の操作感が災いして方向転換に失敗、掴まって敢え無くゲームオーバーに… と言ったケースも決して少なくない。
ゲームの動作面においてはフレームレートの変動具合も気になるところ。操作キャラであるステラ自身や照明が灯る場所等、作中の随所で使われている光源演出だが、何かしらの負荷を及ぼしているのか、場面によってカクつきを感じる場面がちらほら見られる。「倉庫」のようなオブジェクト数の多い特定のエリアではfpsが著しく低下しており、快適性を重視するプレイヤーであれば気になってしまう方もいるかもしれない。
生死を賭けたステラの脱出劇は終盤の怒涛の展開を経て、やがて3種類用意されたいずれかのエンディングへと辿り着く。
各エンドルートに入るための条件はほんのわずかな違いとなっているが、その内の1つは必要となるアイテムの入手法が完全ノーヒントのため、全エンドを目指したいというプレイヤーにとっては作中における最難関となるかもしれない。
幸い謎解き自体にランダム性はなく、全編もそう長くない作品なので、一度解法が分かれば全エンディングを迎えるのもそれほど時間はかからない。3通りあるエンディングはいずれも全く異なる結末となっているので、いずれか1つにたどり着けたというプレイヤーは是非残りも見届けてみて欲しいところ。
“危険なポイントは死んで覚える”系のストロングスタイルなゲーム性や操作にまつわる苛々要素が際立つ一方で、雰囲気を徹底した演出や終盤の思わぬ展開など評価ポイントも随所に見られる。短編のアドベンチャーゲームを遊びたいという方にもお手頃なボリュームなのは嬉しいところ。
パブリッシャーであるCFKは本作を始めとした取り扱いタイトルのセールを時々行うという傾向にあり、安価で購入可能な機会は多い。ツクールベースのホラー系探索ゲームに目がないという方は、本作「Savior of the Abyss」を一度お試しあれ。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 6.5 |
---|
良い点
- 探索型2Dアドベンチャーと極めて相性の良い、ツクールベースのごくスタンダードなゲームデザイン
- 比較的高水準な描き込まれたピクセルグラフィック
- ここぞといった場面で効果的に使用される各種サウンドや演出
惜しい点
- (Nintendo Switch版)プレイヤーキャラの移動に関する操作性の拙さが目立つ(特にクラシックコントローラーPROでプレイ時の場合は顕著)
- 比較的前半に行き詰りやすい謎解きが1つ登場しており、ゲーム内に一応ヒントはあるものの解き方が分かり辛い(※個人差あり)
- オプション設定の項目が言語の切り替えのみで、従来のゲーム作品では標準的な搭載機能となる音量や明暗の調節が一切できない
©LiTMUS / noprops / Game Studio Inc. 基本情報 タイトル 青鬼 対応機種 Steam/Nintendo Switch 販[…]