かいぞくポップ - プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©2016-2018 dadako. Licensed by 13AM Shipping Solutions Inc.
Licensed to and published by Rainy Frog LLC.

 

基本情報

 

タイトル かいぞくポップ(Pirate Pop Plus)
対応機種 Steam,Nintendo Switch 他
販売 13AM Games Inc.(Steam版),レイニーフロッグ(Switch版)
開発 dadako
発売日 2016年11月4日(Steam版),2018年8月9日(Switch版)
対応言語 日本語,英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語

赤字:Switch版のみ)

備考 CEROレーティング:A(全年齢対象)

 

作品概要

 

「かいぞくポップ」(「Pirate Pop Plus」)はDadako開発、カナダ・トロントのゲームスタジオ13AM Games Inc.販売によるゲーム作品。Nintendo Switch版ではレイニーフロッグがパブリッシングを担当。

本作のゲーム内容は、固定画面スタイルのプラットフォーマー。敵対する”バブル海賊”が次々に放り投げてくる泡に錨を撃ち込んで破壊し、如何に長く生き延びつつ得点を多く稼げるかを競うスコアアタックの要素が色濃い作品だ。

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往年のモノクロ液晶型携帯ゲーム機を想起させるインターフェースが特徴の1つで、ゲーム内で条件を満たす毎にスキンカスタムの幅が広がっていく。日本での初リリースは2017年のWiiU版で、任天堂ハードウェアにおいては、過去にNEWニンテンドー3DSでもダウンロード専用タイトルとして販売されていた。

 

リンク:Dadako(X(Twitter))

リンク:13AM Games(X(Twitter))

リンク:Rainy Frog(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動(移動可能な方向は、ステージ内の加重力状態毎に変化)
Lスティック 同上
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 錨/水中銃を撃ち込む
Bボタン
Yボタン
Xボタン
Rボタン
ZRボタン
+ボタン ポーズメニュー

 

ゲームの遊び方

 

ライフストックについて

本作ではライフシステムが起用されており、ハート形状のゲージで示される。

初期のライフストック数は3(一部キャラクターのみ4)。ただし、ハイパーモード(後述)ではキャラクターを問わず一律1で固定となっている。

画面内の泡に触れるとライフストックを1つ失い、全て失った状態で更に接触した場合はゲームオーバーとなる。

 

錨の使い方

操作キャラクターはAボタンで錨を射出。撃ち出せる角度は、操作キャラから見た真上一方向のみ。

錨の主な用途は泡の破壊やバブル海賊の妨害で、一旦射出すれば天井まで届く勢いで伸びていく。ただし、途中で泡やバブル海賊に命中した場合はその場で手元へと戻って来る。

モーションに隙はそれほどないので連発する事が可能だが、錨による泡の破壊にはコンボ要素(下項目参照)が絡む関係でハイスコアを狙う場合は無駄撃ちは厳禁だ。

 

コンボについて

錨を使って泡を連続で破壊する毎にチェーンコンボが発生。一度でも撃ち漏らすとそこでチェーンは終了となる。

ただし、コンボの受付時間に制限は設けられていないので、混戦的な状況でなければ1発1発をじっくりと狙う余裕は比較的生まれ易い。

 

重力の変化

敵の海賊は一定間隔で重力の働く方向を変化させてくる。重力方向は変化直前、画面上に方向を示す予測マーカー(上画像の上部参照)が点灯するので、これを目印にすることでその後の動き方の判断に役立てられる。

重力変化後は、画面の向きはそのままに天井や地面が丸ごと入れ替わるような形となり、それに伴って移動操作も上下キーが(壁を床にした場合の)左右への移動のものに、天地が逆さまになった場合は左右が逆操作といったものへと切り替わってしまう。

この重力変化はバブル海賊が1回のプレイ中に定期的に放ってくる。加えて画面内に泡が残っている場合はそれらへの対処にも追われるため、慣れない内は混乱しがちだ。

その都度移動操作を瞬時に切り替えられるよう身体で覚えていかなくてはならず、本作の攻略が一筋縄ではいかない要因の1つとなっている。

 

重力変化を使ったテクニック

 

重力が変わった際、落下状態となった時に操作キャラの下方に泡があった場合、体重で押し潰して消滅させることができる。

この仕様を利用して重力が変化する予測マーカーを見た上で、事前に自キャラや泡の位置を計算してその後の状況を整えておくのも生存における重要な戦略要素となる。

 

ハイスコアについて

ゲームオーバー後、到達レベルと共に獲得スコアが表示されるランキング画面へと移動。5位圏内に入るとネームエントリーと共に、順位に応じたボーナスコインを追加で獲得することができる。

各順位が自己スコアで更新されるに連れて上位に入るのも次第に厳しくなっていくが、ボーナスコインの獲得額は一律固定。自身の実力を試したいというプレイヤーは、どこまで自己記録を更新できるかチャレンジしてみよう。

 

アイテム

 

アイテムの種類(一例)

 

泡を破壊した際にアイテムが出現することがある。操作キャラにマイナス効果を及ぼすドクロ以外のアイテムは、いずれも有用な効果を持ったものばかり。

入手機会が比較的多いフルーツ各種はまとまった額のスコアを獲得できるので、こちらもなるべく見逃したくないところ。

 

BONUS

アイコンが文字で示された5種類のアイテム「B」「O」「N」「U」「S」をそれぞれ1つずつ揃えると、ボーナスタイムへと突入。

効果発生中は大量のコインが画面内にばら撒かれるスコアアップの好機だ。飛び跳ねる泡に気を付けながら、一つ残らず回収しよう。

 

ショップ

タイトルメニューから選択可能なショップでは、ゲームプレイを通じて集めたコインを介して様々な商品を購入することができる。

取り扱いアイテムはバックライト、ステッカー、ボタンカラーなどゲーム画面をデコレーションするものが大半で、追加分の操作キャラクターを除くとゲームプレイに影響を及ぼす商品はほとんどない。

 

また、実績の項目では未開放の実績の獲得条件をコイン25枚と引き換えに知る事ができる。

これら商品の中にもしも欲しいものがあれば、繰り返しゲームをプレイしてコインを集めてみよう。

 

ハイパーモード

ゲームスタート前のモード選択メニューで右の「ハイパー!」を選んでスタートすると、コイン25枚と引き換えにハイパーモードでプレイすることができる。(※初回プレイ時は選択不可)

ハイパーモードは獲得スコアが常時2倍になる代わりに、ライフストックが1つしか与えられず、泡を被弾してダメージを免れるのは1回のみといった制約が課される高難度モード。

失ったライフストックはハートアイテムの入手で一応回復が可能だが、被弾は極力抑えるのが課題となってくる。非常にリスキーなゲームモードだが、ハイスコアアタックに活用してみると良いだろう。

 

プレイ後の感想

「かいぞくポップ」はインターフェースから伝わる通り、ゲームボーイやワンダースワンといった往年のモノクロ液晶型携帯ゲーム機用タイトルを彷彿とさせる手軽なアクションゲームだ。

方向キーとボタン1つという操作のシンプルさながら、中身はかなり歯応えを感じられるゲーム内容になっており、プレイ中は破壊対象となる泡の動きに常時翻弄させられること必至。

 

高低差を付けながら縦横無尽に画面内を跳ね回る泡は大中小の3つのサイズに分かれ、錨を撃ち込む毎に2つに分裂して1段階小さくなる。とりわけ、ごま粒ほどに小さくなった最小単位の泡を錨で狙うのは困難で、無理に破壊を狙ってうっかり触れてしまうといった事も少なくない。

 

そこに複雑さを加えてくるのが敵のバブル海賊が定期的に発動してくる重力変化のギミックシステムだ。

ステージ上の天地をただ丸ごとひっくり返すだけでなく、操作キャラの移動方向や泡の跳ねる方向にも影響を及ぼすという非常に厄介なもので、これがゲーム展開を単調なままに留めない巧みなエッセンスとなっている。

 

ゲーム内ショップでの購入を通じて、画面上に装飾を加える各種デコレーション要素もゲームプレイを彩る要素の一つ。スキンやボタンカラーに加え、ステッカーといった他ゲームではあまり見られない装飾要素は筆者的に面白いアイデアであると感じられた。

種類はそこまで多くはないが一部の商品には価格が高めに設定されているものもあり、全て買い揃えるのであればかなりのコイン総額となる。1回のゲームプレイでコインを大量に稼ぐのは比較的難しく、コレクター気質のあるプレイヤーはこれらを揃えるために、繰り返し遊ぶ覚悟が必要となるだろう。

 

ゲームモードが実質難易度の違いのみによる2種類しかないのが少々寂しいところではあるが、スコアアタック特化のクラシカルなゲームが好きなプレイヤーにはもってこいな内容となっている。

モノクロ液晶風の一風変わったアクションゲームファンの方は、本作「かいぞくポップ」を是非お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .5

 

良い点

  • ハイスコアアタックに重点を置いた、80年代的でクラシカルなゲームシステム
  • ゲームプレイを通じて稼いだコインと引き換えに、インターフェースをカスタムして楽しめる
  • ワンプレイの所要時間が数分~数十分とお手軽で、ワンコインで購入可能なロープライス設定

 

惜しい点

  • 最小単位の泡の形状が極めて小さく、ある程度精緻な操作が出来ないとコンボが狙いにくい
  • 2024年現在のインディーゲーム視点で見た場合、憂慮する点も無い一方で本作ならではの特筆した要素も見られない
  • デコレーション要素は多い反面、操作キャラクターの追加という一点を除くとプレイヤーの性能を強化するようなシステムが不在

 

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