Odallus:The Dark Call ~魔族への復讐に燃える男ハギスの孤独な戦いの旅

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基本情報

 

タイトル Odallus:The Dark Call(オダラス 闇の呼び声)
対応機種 Steam/PlayStation4/Nintendo Switch
販売 eastasiasoft(※国内コンソール版)
開発 JoyMasher
発売日 2015年10月11日(Steam版)(※日本語非サポート)/2020年2月8日(PS4版/Switch版)
対応言語 日本語,韓国語,中国語 (繁体字),英語
備考 CEROレーティング:B(12歳以上)(暴力,犯罪)
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作品概要

硬派な8bitサイドアクション「ONIKEN」の開発で知られるデベロッパーJoyMasherが手掛けたアクションゲーム「Odallus~The Dark Call」はゴシック調の世界観が魅力的なダークファンタジーアクション。

ONIKENと同じく8bitタッチなビジュアルで迫るこのOdallusも強い80年代ゲームのリスペクトを漂わせる一作だ。

 

本作「Odallus」の歴史としては2015年度には既にSteam版が登場しており、およそ5年の歳月を経て2020年に各種コンソール版が配信開始となった。

筆者としてはSteam版正式発表以前に公式ページにて体験版を触れて以降、正規版の登場が長らく気になっていた一作でもあった。

 

リンク:JoyMasher(Twitter)

リンク:eastasiasoft JP(Twitter)

 

プロローグ

 

ハギスはかつては恐れを知らない戦士であったが、戦いの終わった世界ではもはや不要な存在である。

愛する者を失った彼に残された唯一のもの、それは息子だった。息子を養うため、ハギスはしばしば、村を出て一人、狩りに向かった。

 

狩りを終えて、これまでに幾夜となくしてきたように焚火の傍らに腰を下ろした彼だったが今夜は何か気配が違っていた。炎が彼に語りかけてきたのである。

彼は自らの魂が抜かれたかのような空虚さを感じた。まるで世界にはもはや彼しかいないかのようだった。

目の前の温かい光だけが唯一の現実であり、それが彼の名を呼んでいるのである。

ふと、物音が、そんな夢想から彼を呼び戻した。

 

何かが起きている! 何か恐ろしいことが!!

 

 

プレイヤーは魔族の手によって故郷グレンフィナンを焼かれ、子を奪われた悲劇の男ハギスとなり、奪いし者達への報復を目的に各ステージを攻略。

各ステージボスが持つ、赤い輝きを放つ石「オダラス」のシャード(SHARD/欠片)を集める事が目的の1つとなっている。

 

ゲームシステム

 

「Odallus -The Dark Call-」のゲームシステムは出発前のセッティングとステージセレクトを行うワールドマップと、選んだステージを進行するアクションパートの2つのパートから成り立っている。

 

ワールドマップ(冒険の前にセッティングを)

ゲームスタート後、まずは画像のワールドマップ画面から各セッティングを行える。

冒険開始したい時はステージ(LOCATION)を選択しよう。スタート直後に選択可能なのはグレンフィナンの町のみで、ゲーム進行に応じてステージが順次追加されてゆく。

 

「SKIN」の項目では各テーマに沿った4種類の衣装の内から一つを選ぶことができる。衣装毎の性能の違いは一切なくあくまでファッションに限定したシステムで、ハギスの姿を変えて一風変わった気持ちでプレイしたい時に選んでみるのも一興。

ワールドマップ画面では、各ステージに隠されたコンテンツの発見率やボスの討伐状況も確認できるので達成度の到達に役立てていこう。

 

アクションパート

「Odallus -The Dark Call-」のメインパートとも言えるアクションパートはフリースクロールエリア型のサイドアクション方式を取っており、プレイヤーのアクションは大型の剣とサブウェポン(WEAPON)を駆使しながら戦う悪魔城ドラキュラシリーズに近いスタイル。

グラフィックは8bit風ながらハギスのモーションは比較的なめらかで、ジャンプ中の空中制御の振れ幅も大きめであることから操作感はやや軽め。

 

画面両脇にキャラクター情報枠を大胆に配置することで、疑似的に4:3風の画面サイズを作り上げているといったやや独特なインターフェースになっている。

通貨(ORBS)は敵撃破時のドロップや宝箱から入手が可能。ステージ各地に点在する商人を通してアイテム購入に充てることができる。

 

道中に点在しているリスタートポイントをアクティブにすることで、ミス時にはその場所から再スタートすることができる。

本作はライフ+残機制になっており、残数が心許なくなってきた時でもコインと交換で各ステージに点在している商人からの購入が可能。

各種アイテムは購入回数に応じて単価が少しずつ上昇していく(※上限あり)ので、常に懐には余裕を持たせておきたい。

 

探索中に残りライフがもう僅かでなるべく残機を減らしたくない、といった時にはOPTIONボタン→メニューから現在状況をセーブしてワールドマップに戻る事で、次に同じステージを挑戦する際、ライフ全快状態で入り口から再挑戦可能、という小技を使う事ができる。

 

CRT(疑似ブラウン管)モードについて

本作の初回起動時、丸い歪みとスキャンラインが挿入された独特な画面構成に圧倒されることと思われるが、これは本作が備えるフィルター機能「CRT(ブラウン管風)モード」によるもの。

 

「往年のテレビモニターの映像方式をゲームプログラム側で疑似的に再現する」という名目で搭載されている機能でJoyMasherの各作品をはじめ、8bit、16bit風インディーゲーム作品では開発者のこだわり要素として、比較的実装率が高い機能でもある。

 

必要に応じてOPTIONで切り替えて普通の映像モードでプレイすることが可能だが、ブラウン管の雰囲気でプレイしたい方は一度はこの機能をONにした状態で遊んでみよう。

 

操作方法

 

(※PlayStation4版)

DUALSHOCK4
十字キー/Lスティック 移動
ボタン 剣攻撃
×ボタン ジャンプ
ボタン サブウェポン使用
L1/R1ボタン サブウェポン切り替え
OPTIONボタン メニュー呼び出し

 

メイン武器となる剣の攻撃については特別なバリエーションはなく、立ち、しゃがみ、空中それぞれのシチュエーションで□ボタンを押すことで前方に向かって振るう攻撃方法のみというシンプルさ。

サブウェポンはL1もしくはR1で切り替えを行い、△ボタンで発射。所持可能な個数上限が設けられており、購入での補充時は上限を超えて持つことはできない。

最大所有値を増やすためにはステージに隠された装備カバン(BAG)を入手する必要がある。くまなく探してみよう。

 

各ステージのシークレット(隠し要素)

 

それぞれのステージにはシークレットとして、色々なタイプのコンテンツが隠されている。

主なものとしてはハギスの能力を強化する各種レリック、古い伝承が記されたルーンストーン、本道とは別のステージに繋がっている裏口などが挙げられるだろうか。

 

上画像でも取り上げているルーンストーンには主にオダラスに纏わる伝承が綴られており、ストーリーの背景に迫るファクターの一つとなっている。

画面右上に表示されるレリックはハギスの身体能力を強化する秘宝で全部で5種類。いずれも先のステージを攻略する上では有力な効果を備えているので優先的に入手していきたい。

こういったステージ内のシークレットを全て発見して、100%の完全クリアを目指したい。

 

プレイ後の感想

「Odallus」の特徴の1つはなんといっても8bitテイストのゲームビジュアルだ。

動くキャラクターに関しては3~4色パレットを使用、という制約にこだわったカラーリングや、古いゲームファンには馴染み深いアタリ風の独特なフォントなど、80年代コンソールゲームへのリスペクトが詰まったデザインは、興味をそそられる大きなポイントの1つ。

肝心のゲーム性については、地味目な攻撃手段を駆使しながらコツコツ進めていくデザインのためかアクションゲームとしては爽快感に欠けるが、レリック入手→能力強化といった探索&成長要素を含めた楽しさはきっちり味わえる。

 

一方でプレイ時に気になったのがエラーに纏わる問題。これはゲーム進行においてはやや致命的な内容で、筆者が確認したのはPS4版。

プレイ中、なんでもないタイミングで唐突にエラー画面へ移ると同時にプログラムが強制終了するといったケースが何度も見受けられた。

 

このエラーはPS4初期モデル本体でのプレイ時に確認しており、筆者は同作のNintendo Switch版も併せてプレイしているがこちらについては同じ現象は一切見られなかった。

そのため該当モデル特有の不具合の可能性が高いものと思われる。万一筆者と同じ環境で本作をプレイする場合はそういった可能性を考慮しておいて頂きたい。

 

プラットフォーム次第では上記のような若干の不安点はあるものの、額面通りのアクションゲームとして最後まで楽しむことができる作りになっているので、本作の雰囲気やビジュアルで関心が湧いた方には是非遊んでみて欲しい一作だ。

なお、上位難易度となるベテランモードでは隠し要素に繋がるルートや敵の配置がガラッと変わっており、既に通常難易度でゲームをクリアしたという方ももう一度新鮮な気持ちでプレイする事が出来る。

本作をプレイしてより強い刺激を求める方はチャレンジしてみよう。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 7.0

 

良い点

  • 80年代ダークファンタジー&8bit風サイドアクションという硬派且つストイックなゲームデザイン
  • 性能の変化は見られないが、衣装チェンジで気分を変えながらプレイできる
  • 数時間程度で全編クリア可能な冗長過ぎないボリューム

惜しい点

  • 良くも悪くもゲーム自体のレトロなデザインに対し、軽い操作感がやや浮いて感じられる
  • 剣での攻撃、サブウェポンの両方を含めハギスの攻撃アクションのいずれも効果が地味で、攻撃をする上での爽快感が薄い
  • 初期型PS4版のプレイにおいて、強制終了が発生しやすい問題を確認している(同機他モデル、及び他機種版は未検証)

 

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ステージ紹介

 

「Odallus ~The Dark Call」では全部で9つのステージが登場する。

最終ステージを除いた8つのステージ内にはそれぞれいくつかのシークレットが存在しており、これらを一つ一つ探し当てるのも本作の楽しみの1つだ。

 

中には1箇所で2つのステージへと通じているステージもあり、両方のルートを発見後には探索開始時にどちらの入り口からスタートするかを選択できるようになる。

本稿の最後に、以下で作中で登場する代表的な5つのステージを簡単に紹介していこう。

 

 

(※本編のネタバレを含む内容となっています。読み進める際はご注意下さい)

 

 

Town of Glenfinnan(グレンフィナンの町)

ハギスの生まれ故郷グレンフィナンが、敵の襲撃によって炎に包まれてしまう。

彼が捜す息子の姿はこの町にはないのだろうか?

 

息子の行方を族長に尋ねてみたが、どうも様子がおかしい。

その直後、族長は怪物へと姿を変えハギスに襲い掛かる…! どうやら戦うしか道はないようだ。

 

Dark Forest(闇の森)

前半は木が鬱蒼と生い茂る森のステージ、後半は森の中に佇む遺跡が舞台となっている。

全編に渡って茨が敷き詰められたダメージゾーンがちらほら見られ、うっかり落ちないように注意を払いたい。

 

ステージボスのアマルゲイン。村長との戦いを経てハギスが手にした赤い欠片”オダラス”を狙う。

獣に乗って戦う第一段階、外套を脱ぎ捨て本体で戦う第二段階の連戦となる。

 

Aqueducts(水路)

緻密なドットグラフィックが美しいエリアだが、ステージが長く難所も多い。

特に後半に登場するボートに乗っての強制スクロールパートでは、建造物とその下を潜るボートを交互に飛び移っていく忙しないエリアが登場。

一度着水すればそのまま水底へ沈んで、ボート発進前地点からのリスタートとなる。

 

ステージボスのアルベイ。

二刀流での斬り付け、上段&下段に撃ち分ける衝撃波、瞬間移動を駆使しての素早い攻撃を得意とする。

 

Devil’s Peak(悪魔の頂)

悪天候で、常に猛吹雪が展開する豪雪地帯。向かい風と追い風が交互に吹き、ジャンプ制御が困難。

特に要注意となるのが上画像の敵で、丘の頂から遥か画面外のハギスに向けて巨大な岩塊を投げつけてくる。

 

滑る足場を舞台に、突進と氷柱を降らせる攻撃のコンビネーションが危険なステージボス。

サブウェポンを駆使して素早く倒したい。

 

Gael’s Castle(ガエルの城)

いよいよ最終ステージ。先にここまでの8つのステージボスを倒していないと門前払いを喰らってしまう。

内部のステージ構成は短いが、耐久力、攻撃力共に高い敵が多く、上位の防具がないと道中も辛い。

 

Gael’s Castleでは最終ボスの前哨戦として2体の中ボスが登場。その内の1人はMystic Forestでも登場したアマルゲインだ。

前回登場時とはアクションが全く異なるので、まずは行動パターンを掴むことから始めよう。

 

ガエル城の奥で待ち受けるのは最終ボス、プリスカス。彼が狙うのは件の赤い欠片”オダラス”のようだ。

ライフを持ち越しながら3つの段階を戦い抜く連戦を強いられ、非常に手強い相手となる。

第1段階では動きこそ少ないが、手に持った剣による防御でこちらの攻撃を受け流してしまう。連続斬りの一瞬の隙を狙おう。

 

セドルク人達への復讐を経て、オダラスを手に入れ神になろうと企むプリスカス。

彼の野望をハギスは果たして止めることができるのか?

 

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