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※このゲーム内の物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。
基本情報
タイトル | 未解決事件は終わらせないといけないから |
対応機種 | Steam,Nintendo Switch |
販売 | Somi(Steam版),PLAYISM(Switch版) |
開発 | Somi |
発売日 | 2024年1月18日(Steam),2024年9月19日(Switch) |
対応言語 | 日本語, 英語, フランス語, ドイツ語, スペイン語, ポルトガル語, ロシア語, 韓国語, 中国語 (簡体字), 中国語 (繁体字) |
備考 | IARCレーティング:3+ |
作品概要
「未解決事件は終わらせないといけないから」(原題「미제사건은 끝내야 하니까」)は韓国のゲーム開発者SOMI氏製作、販売によるゲーム作品。NintendoSwitch版のパブリッシングはPLAYISMが担当。
今作はテキストベースのパズル式推理ゲーム。プレイヤーは退職した元警察官である清崎蒼(きよさきあおい)をサポートし、作中において2012年に発生し、未解決となったままの”犀華(さいか)ちゃん行方不明事件”に纏わる真相を暴くのが目的となっている。
「Replica」、「Legal Dungeon」、「The Fake」から成る”罪悪感三部作”に続く、SOMI氏渾身の最新作。今回もPLAYISMパブリッシングとアクティブゲーミングメディア協力の下、高精度なローカライズが如何なく発揮されている。
リンク:未解決事件は終わらせないといけないから(PLAYISMサイト内)
操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | カーソルの移動 |
Lスティック | 同上 |
Lボタン | |
ZLボタン | ズームアウト |
-ボタン |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | フリーカメラ |
Aボタン | 決定 |
Bボタン | キャンセル |
Yボタン | |
Xボタン | |
Rボタン | |
ZRボタン | ズームイン |
+ボタン | メニュー |
※携帯モードでのプレイ時は、上記操作に加えてタッチスクリーン操作にも対応
本編の流れとゲームシステム
遊び方
「未解決事件は終わらせないといけないから」は、元警察官である清崎蒼が過去の事件調査で関係者から証言を聞いた際の断片的な記憶達を正しく並び替える、といったパズル的なシステムがベースのゲーム内容となっている。
一つ辺りの証言の記憶は一つの吹き出しで区切られており、冒頭に質問、続いて関係者各位の証言といった構成で出来ている。これらを何時頃、誰が言った証言であるのか正しい配置に並び替えていくのが目的となる。
記憶を並べ替える
記憶の入れ替え方は、現在選択中の吹き出しをAボタンを押してアクティブ状態(外枠が水色の状態)にし、方向ボタンやLスティックを左右に入力して好きな列に当てはめる、といった具合だ。
テキストが長すぎて画面内に収まらず、読みたい箇所が画面外で見えない―、と言った場合にはRスティックを操作して直接スクロールしてみるといい。
また、現時点で完全には明らかになっていない手がかりについては、上画像のように該当箇所が黒地で塗りつぶされた状態で登場することもある。記憶の復元を進めて行く内に明らかとなっていくので、一旦傍に置いて他の方面から調査を進めてみよう。
マップについて
画面右下にうっすら見えるのは清崎の記憶によって構成されたマインドマップで、これは記憶を並び替える毎にそれに沿って形を変えていく。
明らかになっていない手がかりがある場合はロックの色に応じたマーカーで示され、その内両脇に白い枠がぼんやりと明滅するマーカーがある場合は、現時点で明らかにすることができる手がかりであるサインだ。
ロックの開錠条件となる手がかりが十分に揃っているのであれば、上画像のような問いかけが表示される。
回答はプレイヤーの自由なタイミングで行えるので、すぐに答えるのも良し、後回しにして先に他の手がかりを探るのも良いだろう。
話者の変更について
各証言の記憶はいずれも、初期状態では誰の発言であるかが判明していない。
顔アイコンを指定してAボタンを押すと、現在判明している人物候補の中から該当する証言の話者となる対象を選ぶことが可能。
手がかりが集まらない内は誰の証言であるかは分からないままだが、証言の記憶が正しい形に復元されると同時に顔アイコンは選べなくなる。
ハッシュタグについて
事件関係者の証言を元に作られている記憶だが、台詞の中には所々に青字のハッシュタグ(上画像)が混ざっている。
証言ウィンドウがアクティブ状態の際、方向キーまたはLスティックを左右に入力すると、ハッシュタグがクローズアップされる。
検証が終わったハッシュタグには打ち消し線が装飾され、それ以上調べる必要がなくなることで以降は手がかりの対象からは外される。
誰の証言のどの記憶と繋がっているのか、一つ一つ入念にチェックしていく事が重要だ。
人物を指すワードについて
ピンク色の文字で冒頭に”@“が付いた人物を表すワードをチェックすることで、対象となる人物の名前や職業など一部の情報が明らかとなる。
ハッシュタグ同様、一度調べた後は打ち消し線が添えられるので、チェックしていないものとも見比べやすくなっている。
明らかに同じ人物を指しているワードが別の記憶で何度か登場することもあるが、チェックしていくことで新たな情報が追加されることもあるので小まめに調べておきたい。
時系列の確定について
縦列内に並んだ各証言はその順序を変更することができる。
コントローラー操作では少々やり辛いが、各証言ウィンドウがアクティブ状態の際に左方向にスティックや方向ボタンを押すことで、証言ウィンドウ左上の△や▽を示すマークにカーソルを合わせることができる。
ここでAボタンを押し、スティックや方向ボタンを上下に押して1つ隣の証言と入れ替えてみよう。
記憶の入れ替え中、2つ以上の証言が時系列に添って正しい順序で上下に隣接した場合、証言ウィンドウの最上部に黄色い文字で日付と時刻が表示されるようになる。(上画像)これをもって、該当の証言に関する記憶の復元は完了し、何時、誰が行った証言であるかが確定される。
操作としての必要性は薄いが、よりスマートな形に仕上げたいのであれば、確定分の証言を上から古い順に並び変えておくことで、一連の流れが把握し易くなるだろう。
ロックのタイプ
記憶の復元を行う内、追加される記憶の中にロックのかかったものが出現することがある。特定の条件を満たすことで開錠する事が出来るようになるが、色によってその条件も異なっている。
開錠に既定数の手がかりとなる証言を開放していることが条件となっているロック。手がかりが手元にある場合は、画面下にヒントが表示される。 | |
開錠に鍵が1つ必要となるロック。手がかりが手元にある場合は、今すぐ開錠するかどうか画面下に質問が表示される。 | |
開錠に4桁の数字によるパスワードが必要なロック。手がかりが手元にある場合は、画面下にヒントが表示される。 |
赤や紫のロックは例えプレイヤー自身がその根拠を理解していたとしても、ゲーム内で直接手がかりを見つけていない限りは開錠する事が出来ない点に注意。黄色のロックについては下段の「鍵について」の項目を参照。
鍵について
黄色く縁取りされた記憶はロックの開錠に「鍵」が1つ必要となる。
各証言の記憶を正しく並べ替えることで、話者と証言の日時が一致した際に少しずつ鍵の完成度が上昇する仕組みになっている。記憶の復元が4つ程完了した時点で1個完成する。
鍵は複数個のストックが可能となっているが、いくつも確保したままにしている必要性は薄い。出現中の黄色いロックの中で気になる記憶があれば率先してロックを外していき、新たな手掛かりを見つけていこう。
プレイ後の感想
「未解決事件は終わらせないといけないから」では表題通り、数年を経て未だ解決に至っていない少女失踪事件に目を向け、その真相を解き明かすというのが一貫したゲーム内の目的となっている。
モノクロームのゲームビジュアルが目を惹くが、ゲーム内の各種UIやカットイラスト上で観られる「パートカラー*」は本作において特に印象的な演出。”失われた記憶の中に眠る過去の事件”という灰色の世界に一筋の光を照らすようなイメージで、作中の雰囲気ともよくマッチしている。
(*モノクロで描かれた画像、映像の”ある一部分に”鮮やかなカラーを追加して、その箇所を強調させる色彩演出)
ゲームのシステム自体は一度その仕組みを覚えてしまえばかなりシンプル。パズル要素こそあるが基本的には証言組み立てとパスワード探しがほとんどで、難易度としてはそう高いものではない。
ただ、ゲーム開始冒頭で行われるチュートリアルが少々伝わり辛い内容となっているのは気になったポイント。また、このチュートリアルは一度読み進めてしまうと、再び最初から始めない限りは読み返すことができないといった不便さも見られた。
上記のこともあって初回プレイ時ではしばらく触ってみないとシステムの全容を中々掴みにくく、そこに拍車をかけるかのように画面内にビッシリと表示される文字量の多さも相俟って、プレイヤー次第では一段ととっつきにくさを感じさせ兼ねないといった危惧もある。
今作は同製作者の作品「リーガルダンジョン」と共通する部分がある。それは、主要登場人物にあたる清崎蒼(きよさきあおい)の存在だ。
今作の事件発生、及び清崎の記憶として登場する世界の時代設定は2012年となっているが、これは時系列としては「リーガル~」の5年後にあたる。
ただし、両作間に直接的な繋がりがあるという公式からの言及は今のところはない。(このことから、彼女の起用は一種のスターシステムの一環であるという見方もあると筆者は捉えている。)
本作単体でも問題なく楽しむことはできるが、もし「リーガルダンジョン」の方にも関心があると言う方は、併せて触れてみるのも良いだろう。
(ただ、両作間ではゲームジャンルからして作風が全く異なっているため、一方を楽しめたからといってもう一方も存分に楽しめるという保証はない事をここで強調させて頂く事とする)
全体としてはテキストベースの会話劇に推理パズル的ゲーム要素を加えたインタラクティブドラマといった味わいを持つ作品で、物静かな雰囲気に包まれながら終始マイペースに進行可能なのは嬉しいところ。
本編は1~2時間程度で終えられる分ゲームボリューム的には少々短い気もするが、幼い子供の失踪という悲劇的な事件を前に関係者達が抱える様々な想いが作中では繊細に紡がれていく。
内容に関する直接的な言及は避けるが、この事件のパズルを見事解くことができたプレイヤーには、あっと驚く仕掛けが込められた2種類の結末が待っている。
一方を観る事ができたのであれば、もう一方も非常に楽に回収できるようになっているので、本作を手に取った方には是非両方共に観て頂きたい。
刑事ドラマやミステリー作品が好きという方であれば、「未解決事件は終わらせないといけないから」は琴線に触れる一作となるだろう。同ジャンルに関心が強い方は、是非お試しあれ。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 8.0 |
---|
良い点
- テキストベースのドラマにSNS的な要素と組み立て式パズル要素を取り入れた斬新なゲームデザイン
- 極めて精度の高い日本語ローカライズ
- 2種類の結末を揃えたマルチエンド方式
惜しい点
- 全編ボリューム自体はかなり短い(上手く進めば1~2時間前後で終わってしまう)
- (Nintendo Switch版)方向ボタン及びスティックによるスクロールの感触が今一つ
- 進め方次第で新たな手掛かりに辿り着けず詰んでしまう事がある(※その場合は進捗状況を初期化して最初からのプレイが必要)
©2019, 2020 SOMI Inc., Licensed to and published by Active Gaming Media, Inc. ※このゲーム内の物語はフィクションであり、登場する[…]