Massi(Nintendo Switch版)- プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©2024 Ratalaika Games S.L.
©2024 Farid Iberraken

 

基本情報

 

タイトル Massi
対応機種 Nintendo Switch,PlayStation4|5,Xbox Series S|X,Steam,他
販売 ラタライカゲームス(Switch版/PS4|5版)
開発 Farid Iberraken(※基本的にSwitch版、PS4|5版以外では販売も兼任)
発売日 2022年12月4日(Steam版)、2024年10月8日(各コンソール版)
対応言語 英語,フランス語
備考 IARCレーティング:7+(暴力(軽度))

※日本語非対応(アクションゲーム面では影響低)

 

作品概要

 

「Massi」はFarid Iberraken氏の製作によるゲーム作品。一部の国内コンソール版においては、ラタライカゲームスがパブリッシングを担当。

本作はフリースクロールスタイルの2Dアクションゲーム。プレイヤーは国を追われた英雄マッシとなり、生き残った仲間達と共に現支配者であるシュファクスから王国を取り戻す作戦に出る。

 

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主人公マッシのモデルとなったのは、紀元前のアフリカ北部に実在した王国ヌミディアの王マシニッサで、同時に敵対するキャラクターであるシュファクスも、当時共和制ローマとの戦いにおいてマサエシュリ王として実在した同名人物であったりと、基本となる設定は歴史に忠実なものとなっている。

今作の物語はマシニッサの父であるガイアの没後、及びシュファクスにヌミディアの統治を奪われているという導入で始まることから、背景設定は第二次ポエニ戦争勃発中の紀元前206年以後の事であるものと推測される。ただし、ゲーム内容的には凡そ歴史に忠実であるものとは思えず、単に上述の各人物をモデルにしたアクションゲーム作品として見た方が良いだろう。

 

リンク:Massi the games(X(Twitter))

リンク:ラタライカゲームス(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 同上
Lボタン 弓攻撃(※入手後)
ZLボタン 同上
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン テキストを進める/決定
Bボタン ジャンプ/キャンセル
Yボタン 攻撃
Xボタン ポーションの使用
Rボタン (素手時)ガード/パリィ(※習得後)
ZRボタン 同上
+ボタン ポーズメニュー

 

プレイヤーのアクション

 

移動/ジャンプ

 

難易度カジュアルでは空中時の軌道修正を比較的行い易く、任意のタイミングでもう一度ボタンを押すことで2段ジャンプも可能。

半面、クラシカルではジャンプ中の軌道修正や2段ジャンプが使用不可となる。この少しの差がステージ全体の攻略上、大きく響いてくることになる。

 

ぶら下がりアクションの開放後は、ジャンプ先や足場にギリギリ届く状況で壁方向に方向キーを入力し続けると、ぶら下がることができる。

ただしごく一部、掴まる事が出来ない足場も存在する(一見では見分けは付かない)ので注意。

 

壁ジャンプ

 

三角跳びの要領で壁を蹴りながら高く上昇することができる。同時に壁側に方向ボタンを入力し続けることで壁滑りが可能。

習得可能となるタイミングはゲーム後半で、特定のエリアへ入る上で必須となるアクションでもある。

 

 

攻撃

Yボタンで装着中の武器による攻撃を繰り出す。(チュートリアルステージのみ素手のため、パンチ攻撃となる)

装備武器毎にマッシのアクションが大幅に変わる仕様になっており、基本的に高威力且つ値の張るものほど振りが重く扱い辛い傾向にある。

軽々と使える武器を好むのであれば、一撃の威力面では最低となるが初期装備だけで突き進むのもいいだろう。

 

ステルス攻撃

小麦畑や岩壁など特定の背景オブジェクトに重なるように立つことで瞬時に、物陰に隠れた(ステルス)状態となる。隠れている間は敵に気配を悟られることがない。

隠れている状態でYボタンを押すと、剣を横凪ぎ一閃。隠れ場所に利用していた背景オブジェクトの破壊と引き換えに、一定範囲内に敵がいた場合は一撃でまとめて葬る事ができる。

例え敵に見つかっている状況でも物陰に隠れることで一瞬で敵はこちらを見失うので、困った際には遠慮なく物陰に飛び込んで戦況の立て直しに活用しよう。

 

ロールアクション(※要習得)

 

Aボタンで発動。ノーコストで発動可能。

横転しながら前方正面へ一定距離移動、敵の身体や攻撃を回避しながら反対側へ回り込むことができる。

なお、足場がつり橋の上だった場合、ロールアクションを行うと橋の下へ降りる事ができる。ステージによっては、この特性が先に進む際に重要となるので覚えておこう。

 

パリィ(※要習得)

 

R、もしくはZRボタンで発動。ノーコストで発動可能。

ボタンを押した直後からおよそ2秒間受け流し体制を取り、この間に敵の攻撃を喰らうと相手の体制を崩し、一定時間隙を作ることができる。

パリィに成功する毎に20のEXPが手に入るので、タイミングを狙うのに自信があるという方は少量ながら経験値稼ぎに利用することも可能だ。

 

パリィ習得後のボスバトルではライフゲージの下にディフェンス値状態を示す専用ゲージが設定されるようになる。

このゲージはボスの攻撃に対してパリィを成功させることで少しずつチャージされていき、ゲージがフルになるとガードブレイクが発生、大きな隙を生み出すことができるといったものだ。

攻略上は無理に狙う必要はないものだが、もしも戦いに余裕があるようなら狙ってみるといいだろう。

 

なお、導入部パート限定となるが、マッシが素手状態の際は同じボタンを長押し中、ガードを使用することができる。

こちらは相手の攻撃にタイミングを合わせる必要はなく使い易いが、本編が始まる頃には使えなくなるのが少々惜しいところだ。

 

弓攻撃(※要入手)

Lボタンで前方正面に矢を発射。無制限に発射出来る上に射出速度が速く、連射も可能とその性能は離れた敵に対しては圧倒的。

手に入るのがゲーム終盤のためストーリー上での活躍の機会はあまり多くないが、間合いさえしっかりキープできれば敵に対して大きなアドバンテージを取る事ができる。

空中で撃つことも一応は可能となっているが、地上で使用する際に比べて狙いにくく実用性は大きく劣る。

 

武器について

登場武器の中でも取り分け投げナイフは対象と中距離くらいを維持している際、敵のいる座標へある程度発射角度を自動的に補正してくれるといった特性を持っており、クセはあるが戦略的に使えるため武器として中々面白い。

最も前方直線上に真っすぐ飛んでいく、という特性についてはゲーム終盤付近で手に入るサブ武器の弓矢とかぶっており、威力も下回るため入手後には完全にお株を奪われるところもあるが、上記の特性はその点を補って余りある。

ただし、スイッチを作動させる際、近距離で放っても何故か反応しなかったりと使い勝手が悪い面も見られる。

 

ゲームシステム

 

経験値システムについて

敵を倒したり、パリィに成功する毎に一定量の経験値(XP)を獲得できる。XPの数値がNextに到達するとマッシがレベルアップ。

レベル上昇時にはライフ全快と共に、ライフゲージの増量や能力に繋がる4種のパラメーターが上昇するので、どんどん稼いでいこう。

 

松明とセーブについて

各レベルや村(Village)の各地に点在する松明(上画像)に接触すると、現在のセーブスロット上に進捗状況の保存がその場で実行される。

 

保存記録は最大5つまで履歴に残され、同じセーブスロットを使用して前回の続きから再開する際に任意で選択する事が可能。上から古い順で並べられるので、最も新しいものを選んで再開したい際は一番下の5番目を選ぼう。

 

ポーズメニューの使い方

プレイ中、+ボタンを押すことでゲームメニューが展開。一番上の「RESUME」を選択することでプレイ再開。

 

「EQUIPMENT」を選ぶと、現在装備中のアイテムを4タイプの項目毎に確認することができる。武器であれば「WEAPONS」、鎧であれば「ARMORS」を選択することでそれぞれ装備変更が可能だ。

一方、「BOOTS」と「ITEMS」の項目はゲーム内で対応アイテムを一切確認できないことから、事実上機能していないに等しい扱いとなっている。(※現在追跡調査中)

 

冒険中、村に戻りたいという時には「VILLAGE」を選んで決定すると、何処にいようとも一瞬で村まで戻る事が出来る。(※ただし本編導入部分は終わらせておく必要がある)

ゲームを終了したい時には「QUIT」を選択しよう。ただし、終了直前には最寄りの松明からセーブすることを忘れずに。

 

各レベルの宝箱について

各レベルに隠された宝箱にはポーションや宝石など、比較的値打ちのあるものが入っている確率が高い。

画面上部にはレベル毎に収集率が表示されていることから、ゲーム内における収集要素的な役割も果たしている。全て回収したところでこれといって特典はないが、なるべく逃さず回収しておこう。

 

スキルの巻物について

各レベルボスを倒すことで、巻物を入手することができる。これは新たなアクションスキルについて書かれた巻物で、内容を知るには解読が必要だ。

 

巻物を手に入れたらボスの背後にある通路を潜って村に戻り、Warmaksan(ワーマクサン)の家で解読(有料)を通じて内容を教わることで新たなスキルを習得。

新たなアクションは次のレベルへと進むための鍵となっている場合もあるので、入手後は速やかに解読を行うのがおススメ。

 

アイテム

 

一般的なアイテム

 

各ステージ内で観られるツボなどのオブジェクトを攻撃で破壊することでアイテムが出現する。以下でそれぞれの効果を紹介。

金貨や宝石。種類によって入手額が異なる。
HPを回復するポーション。Xボタンで使用する。計3種類。
青りんご。ライフゲージを1つ分をその場で回復。

アイテムの種類自体は少なく必ずしも毎度拾う必要はないが、入手額が非常に高い宝石やポーション以外で貴重な回復アイテムとなる青りんごは見かけたら特に優先的に手に入れておきたい。

 

鍵について

特定のレベル内で発見、もしくは特定のタイミングでNPCから受け取ることで「鍵」を入手することがある。

先のエリアに進むための扉を開くために必須となるアイテムなっており、出番自体は少ないが貴重品だ。見かけたら手に入れておこう。

 

プレイ後の感想

「Massi」は基本武器(主には剣)とジャンプ、途中で習得可能な多彩なアクションスキルを中心に進行する探索型2Dアクションゲームで、当ブログで過去に紹介してきたタイトルで言えば、「Apple Knight」「ゴブリンソード」に近いゲームデザインとなっている。

ストアページの紹介文にはパズルという記載が見られるが、本編を最後までざっと遊んでみた感じでは作中にパズルらしい要素は見当たらなかった。壁に隠された通路や扉を開くための仕掛けは比較的登場するものの、これらをパズル要素と定義できるかと言うと少々疑問が残る。

 

特徴として全編を通して一般、ボスを含む敵キャラクター達の攻撃アクションの隙が異様に少ない反面、プレイヤー側に関しては高威力な武器に持ち替えるほどモーションが大きく使い勝手が悪くなるという傾向が強い。

それもあってか、装備武器次第では戦闘時にテクニカルに立ち回るのが難しく、いっその事ダメージ覚悟&威力任せで強引に突破する方が上手く行き易い場面も多く見られ、プレイ中は「こんな突破方法でいいのだろうか」と自問する事もあった。

 

3種類ある回復ポーションはプレイ中どんなタイミングでもXボタン一つでノーモーションで即座に効果が反映される優れもの。これもあって、例え手強いボス戦でも力押しの攻略が可能であることに一役買っているといっても過言ではない。

ただし、連続使用受付時間のようなものも一切なく、意味もなく連打してしまうと一気に消費してしまう。また、Nintendo Switchでのプレイでは、Xボタン自体がAやYを押す際に何気なく指が触れてしまいやすく、筆者の場合は意図した場合以上に誤っての使用という結果が目立った。

 

各ステージは比較的広大で探索し甲斐がある一方、ボスの行動パターンは全編通して単調で、基本的にどのボス戦も間合いを計りつつ敵の攻撃をロール、もしくはパリィで回避して直後に攻撃を叩き込む、を繰り返しているだけであっさりと完封できてしまう。

また、レベルアップによるライフゲージや各種パラメーターの増加と上位の鎧への乗り換えに伴う防御能力の著しい向上の組み合わせにより、ゲームが後半へと向かうに連れて敵やトラップから受けるダメージが軽微なものとなっていく。

このため、被弾し易い難所こそ随処で観られるものの、終盤付近であっても緊張感が薄い辺り、難易度調整に失敗しているように思えてならない。死亡時にペナルティ無しで直近のセーブポイントから即座に再開可能であるという仕様も、この点に一役買ってるようにも思えた。

 

全編に渡ってテキストが日本語に一切対応していない点は惜しまれるところだが、作中のゲームシステムに複雑なものはなく実際のプレイにおいてはそれほど迷うところはない。

アクションの挙動などで僅かにクセが見られるものの、最低限の探索要素や成長要素が組み込まれており、1本のアクションゲームとしてオーソドックスにまとまっている。2Dアクション初心者~中級者であれば値段相応には楽しめるだろう。

 

歴史上の人物が主人公のモデルとなっている作品につき、世界史ファンであったり元ネタが気になるという方であれば自動翻訳などを駆使して調べてみるのも一興となるだろう。

気楽にプレイ可能でお手頃な探索式2Dアクションゲームをお探しの方は、本作「Massi」を一度お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .0

 

良い点

  • レベル(ステージ)デザインや育成要素といった各要素をコンパクトにまとめたゲームシステム
  • 程良く探しにくいところに隠された各種宝箱
  • 初心者~中級者向けに抑え目の難易度で、4~5時間程度で攻略可能な程良いゲームボリューム

 

惜しい点

  • ストーリーに関するテキスト量が比較的多い一方、日本語には非対応
  • ボスの攻撃パターンが単調気味
  • より高額で威力の高い武器ほどモーションが大振りでスマートな使い方が困難な傾向にある

 

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