©PrimaryOrbit
Licensed to and published by Clouded Leopard Entertainment Inc.
基本情報
タイトル | メルヘンフォーレスト ~メルンちゃんと森の贈り物~ |
対応機種 | Steam/Nintendo Switch/PlayStation4 |
販売 | Clouded Leopard Entertainment Inc. |
開発 | PrimaryOrbit |
発売日 | 2021年1月28日(Steam版/Switch版/PS4版) |
対応言語 | 日本語,韓国語,中国語 (簡体字),中国語 (繁体字),英語 |
備考 | 家庭用コンソールのパッケージ版では、特製フィギュアなどの付属品がセットになった限定版も同時発売。
スマートフォンで2018年に発売された同名作のリメイク版。 |
作品概要
「メルヘンフォーレスト ~メルンちゃんと森の贈り物~」(「Märchen Forest: Mylne and the Forest Gift」)はゲームデベロッパーPrimaryOrbitによって開発されたゲーム作品。全プラットフォームにおいてClouded Leopard Entertainment Inc.が販売を担当。
オリジナル版は2015年にスマートフォンにて配信された同名作で、後にSteamにてクオリティアップを施したPC版が登場。
本記事で取り上げるリメイク版は、コンソールプラットフォームでのリリース対応に併せたフルリニューアル版で、声優陣を迎えての全編フルボイス対応など豪華な造りとなっている。
ゲーム内容は複数のチャプターで構成された準クォータービュー形式のオーソドックスなロールプレイングゲーム。先の章へと進むごとに新たなシステムが追加され、プレイの幅が広がっていくゲームデザインが作品の大きな特徴だ。
操作方法
(※Nintendo Switch版)(Joy-Con使用時)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 移動/カーソル移動 |
Lスティック | 移動 |
Lボタン | (フィールド時)特殊アクション使用 |
ZLボタン | |
-ボタン | クエストメニュー呼び出し、クエストウィンドウの開閉 |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | |
Aボタン | インタラクト、(釣り時)リールの巻き上げ/(戦闘時)「回避」コマンド |
Bボタン | キャンセル/(戦闘時)「防御」コマンド |
Yボタン | アイテムインベントリ展開/(戦闘時)「攻撃」コマンド |
Xボタン | (フィールド時)メニュー呼び出し/(戦闘時)「戦技」コマンド |
Rボタン | (フィールド時)ランタンのオンオフ |
ZRボタン | |
+ボタン | ポーズメニュー呼び出し |
登場キャラクター
作中でヒロインとして登場する2人の主要キャラクターを以下で簡単に紹介。(※担当声優名は敬称略)
メルン
(CV:竹達彩奈)
本編主人公。作中のシステムメッセージ内では「メルンちゃん」表記。
薬屋志望の好奇心旺盛な女の子。年齢は9歳。
両親とは生き別れており、不思議の森で随一の薬師として知られるおじいさんと一緒に暮らしている。
ロゼッタ
(CV:高尾奏音)
古代遺物の収集を趣味としているゴシック調の黒いドレスを身にまとったウサギ耳の少女。
本人曰く、誰かに付き添っていた従者だったようだが、過去の記憶を失っている。
本編では第2部と第3部に登場。チャプター毎にその役割も異なっている。
本編の構成について
「メルヘンフォーレスト」の本編は全部で3つのチャプターで構成されている。
作品概要の項目でも述べた通り、先の章へと進むごとに新たなゲームシステムが随時追加され、その度に新たな発見と衝撃を味わうことが出来るゲーム構成が本作における最大の魅力ポイント。
もしも「本作を最大限楽しみたい」という方は、なるべくここから先には目を通さず、是非とも前知識を極力入れないままのまっさらな状態でゲームプレイを通じて体感してみて欲しい。
Chapter.1
薬師としてのランクアップを目指す少女メルンが、調合に必要な薬の材料を集めながら不思議の森の住人たちと触れ合っていく。 製薬をフィーチャーしたクラフト要素と、おつかい系クエスト中心のアドベンチャー要素が色濃い内容となっている。 |
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Chapter.2
不思議の森に突如、その姿を現したダンジョン。その奥へと姿を消した旅芸人を追って、メルンは単身迷宮に潜入する。 このチャプターより、本作のダンジョンRPGとしての面が本格的に強調されていく。 |
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Chapter.3
黄昏の語り手レテなる人物の導きにより、メルンは迷宮の奥に更なる層があることを知る。 本作の最終章にあたるチャプターで、ダンジョンの深層を舞台にロゼッタにスポットを当てたストーリーが展開。 第2部のRPGシステムを引き継ぎつつ、新たに追加されるシステムも多数登場。 |
ゲームシステム
上述の通り、計3つのチャプターで構成される「メルヘンフォーレスト」では、先のチャプターで初めて登場となるシステムも多い。
以下では本作の代表的なシステムをチャプター順に解説していこう。
(※”先のチャプターに進むことで随時、新たなシステムが追加されていく”というゲームの構造上、ストーリーに関わる記述こそ避けてはいますが必然的にネタバレを含む内容となっています。読み進まれる際は上記の点を十分にご留意下さい)
Chapter.1で登場するシステム
薬の材料集め
第1部での目的は薬の材料を集めること。薬の材料は、森の住人たちとのコミュニケーションや、随所に用意されたミニゲームを通じて手に入れることができる。
メルンの育ての親にして薬師でもあるおじいちゃんが出す課題(初級、中級、上級と順に出題される)に合格するためには、なるべく多くの薬の材料を見つける必要がある。
何種類の材料を見つけることができるだろうか?
キノコでQ(ミニゲーム)
森の住人・キノコの妖精さんを通して進行する「キノコでQ」は、キノコにまつわる3択方式クイズのミニゲーム。
全部で3つのモードが用意されており、問題数はそれぞれ序盤で3問、ダブルモードが3問、ヘルモードが9問となる。
1問でも間違えればそこで脱落、次回挑戦時はまた最初のモードからとなるが、挑戦失敗によるペナルティは無し。無条件で何度でも挑戦することができる。(※森のエリアへ戻ることができない第3部では利用不可)
解答席のセットや解答ボタンを押すメルンの手の動きなど、伝わる人にはすぐ判る小ネタが効いており、見た目にも楽しめる内容となっている。
各モード共、クリアする毎に商品をもらえるので、第1部を隅から隅まで味わい尽くすならば、目指すは全モード制覇だ。
釣り(ミニゲーム)
(※第1部、第2部のみ。森のエリアへ戻ることができない第3部では利用不可)
第1部で、釣り竿とバケツを手に入れると、以降、桟橋で釣りをすることができるようになる。エサのような消耗品の概念は一切なく、釣りの回数も無制限だ。
釣りでの操作は、竿を投げて釣り糸を垂らした後、画面表示に合わせてタイミングよくボタンを数回押すだけ。
操作の仕組み自体はシンプルながら、対応ボタンの表示からの受付時間はかなり短く、慣れるまでタイミングが掴みにくい。
(ここでボタンを押すタイミング感覚をしっかりと掴んでおくことで、第2部以降に登場する戦闘システムへの応用が利くという側面もある)
無事1匹釣り上げるごとに釣れた魚のサイズが表示され、更に魚拓を取ると同時に釣り上げた対象にちなんだ川柳が一句詠まれるという楽しい要素も。
川柳は釣った魚毎に数パターン用意されているので、釣果とは別に面白い一句に出会うため挑戦するといった楽しみもある。
釣りゲームとしてはシンプルながらも、細かい部分が色々と凝っており、意外と本編そっちのけでハマっちゃう可能性も?
●ワンポイント●
釣った魚は近くのNPC魚神さんを通じて、第1部、第2部で通貨として利用可能などんぐりとの交換が可能。
レアな魚であればより大量のどんぐりと交換してもらえるので、ここでしっかりと集めておけば第2部冒頭の購入資金に充てて、序盤の冒険を有利に進めることができる。
低級の竿でもズツキングのようなレア魚がまれに釣れることがあるので、じっくりと時間をかけて最上位の竿「太公望の竿」を手に入れよう。
製薬
必要分が揃った、と判断したらおじいちゃんのところに集めた材料を持っていくと、いよいよ調合で製薬を行う段階へと入る。
と言っても調合自体はおじいちゃんが行い、幼いメルンは傍で見守るだけ。テキストを読み進めていけば自動的に進むためこちらで別途必要な操作は特にない。
最終目的はおじいちゃんが研究中の秘薬「風華(かざはな)」の完成だ。果たしてメルンは、不思議の森で集めた材料で奇跡を起こすことができるだろうか?
Chapter.2で登場するシステム
ダンジョン
本作は第2部以降、本格的にロールプレイングゲームらしい姿を見せ始める。それがハッキリと伝わるのが、キャラ成長やダンジョン探索要素といった新たなシステムの追加だ。
「メルヘンフォーレスト」第2部のダンジョンは基本的に、下層を目指して進行する一方通行方式となっている。
第2部スタート直後、及びダンジョンから帰還後は「エントランス」と呼ばれる拠点エリアへと移動する。
エントランスは各施設へと枝分かれ式に繋がっており、必殺技の切り替えができる本棚、バトルチュートリアルをチェックできるテントなどの施設を利用可能。
ダンジョン内で発見した遺物の鑑定を行う少女・ロゼッタの部屋にも繋がっており、EXITの方向へと向かえば、第1部の舞台だった森へと戻ることもできる。
バトル
第2部ではダンジョン探索に加え、バトルシステムも新たに登場。
本作のバトルはダンジョン内部にてランダムエンカウントで発生(ボス戦除く)し、システム的にはアクティブタイム方式のオーソドックスなコマンドバトルを採用したものとなっている。
より詳しくは次項「バトルシステム」にて解説。
遺物の鑑定
(※第2部のみ利用可能)
第2部のダンジョンでは、モンスタードロップや宝箱から「未鑑定の遺物(Lv.〇)」という名称のアイテムが手に入ることがある。
手に入れた遺物はロゼッタのところに持っていくと無償で鑑定を行ってくれるが、未鑑定の遺物はメルンがダンジョン内で戦闘不能になることで全て失ってしまう。
鑑定済みの遺物は遺物図鑑にデータとして登録され、ロゼッタの部屋左手の隅にある本棚で確認ができる。
遺物は各Lvごとに10種類ずつ用意されており、その種類は全部で50種類。全て収集できるだろうか?
剣術の稽古(剣術道場)
剣術道場では雀流(すずめりゅう)剣術の使い手、桂士雀(かつら しじゃく)の指導の下、剣術の稽古をつけてもらうことができる。
剣術道場は第2部で初登場となるが、第3部でも引き続き利用可能。
(※メルンが使用する武器アイテムは釣り竿を除くと”棒”で一貫しており、それ以外の得物や刀剣の類は登場しない。作中では、日本刀由来の名称の武器も登場するが、いずれも”棒”という扱いになっている)
新たなコンボアクションを身に着けるためには、各アクション毎に設定された必要レベルに到達していること、そして規定値分の寿司ポイントが必要となる。
ダンジョン内でかっぱ巻きなどの各種寿司ネタを発見したら、師匠の元へと持っていこう。
フリートレーニングでは巻き藁を使って、各コンボアクションの練習が自由に可能。
新たに習得したコンボ技に限らず、全ての攻撃におけるボタン入力のタイミングをしっかりと身に着けておこう。
稽古の合間には時に、縁側でゆったりとお茶を啜って一息入れるのもいい。
憩いのひと時をゆっくりと堪能した後には、「和の心」というバフを一定時間受け取れる。
Chapter.3で登場するシステム
ギン貨
第3部では”ギン貨”という新たな貨幣要素が登場する。
チャプター3ではこのギン貨が取引における通貨の中心となり、それまでのチャプターで役割を果たしていたどんぐりはごく一部を除いて第2部では基本的に出番がない。
また、ギン貨はダンジョン内でメルンが戦闘不能となり開始地点に戻された際に、所持金の大半(9割近く)を失ってしまうという少々厄介なペナルティを負うことになる。
作中、ギン貨で購入できるアイテムに高額なものは登場しないが、気になるようならダンジョンから生還する度になるべく使い切るクセをつけておくと安心だ。
武器の強化
第3部で新たに登場する武器にはいずれも【Lv.〇】という表記が付いており、鍛冶屋のバーラントを通して強化が可能となっている。(最大5段階まで)
強化には各種インゴットなどの段階毎に応じた強化素材が一定数必要となる。
強化の成否は確率で判定が行われるが失敗すると素材が消失してしまう(失敗率はそんなに高くはないが)ので、挑戦の事前にはセーブを忘れずに。
アビリティ(技能)
第3部ではアビリティという能力システムが新たに登場する。
ダンジョン内で発見した「書物の断片」をNPCバァスに持っていくと、1つにつき1ポイントのAP(アビリティポイント)を獲得。
集めたポイントと引き換えに、色々なアビリティを習得することができる。各アビリティは最大3レベルまで強化可能で、オススメはステータス強化系だ。
ダンジョンからの脱出手段
第3部では、一定フロア毎に設置されている「因果の水盆」をチェックしておくと、既にチェック済みの水盆同士で瞬間移動が可能となる。
第2部のチェックポイントに当たるシステムだが、水盆を利用してエントランスへと戻る場合は、望郷の呼び水というアイテムが1回につき1つ必要。
望郷の呼び水は主に宝箱から手に入れることができるが、第3部の中盤に入るまでは入手機会は少な目となっている。
いわゆる”デスルーラ”という手段は避けた上でどうしてもエントランスにすぐに戻りたい、という時のためにインベントリに1個は確実に忍ばせておきたい。
トラップ
第2部ではスイッチ床を踏むと毒ガスが発生、といったトラップ要素が見られるが、第3部のダンジョン内ではフィールド上や宝箱に仕掛けられたトラップが登場。
第3部のトラップはシンプルにダメージを負うものばかりだが、最も怖いのが宝箱に擬態したミミック。メルンがしっかりと成長しているゲーム終盤付近でないと、登場した時点で死を覚悟しなくてはならないほどの圧倒的な強さを持った相手だ。
各トラップに対しては回避するためのアビリティがあるので、必要に応じて習得しておこう。
テントでの野営
第3部のダンジョン内に点在するテントを使って、野営を行うことができる。野営の実行にはアイテムの薪が最低1つ以上必要。まずは薪で火を熾し、野営の準備を整えよう。
キャンプファイアの準備が出来たら、調合、調理、食事の3つのメニューから必要に応じてそれぞれを行っていく。
第3部で調合や調理を実行できるのはこの場面だけ。余った素材があったら惜しみなく投入し、たっぷり作っておくとよい。料理作成には各品目のレシピを発見していることが作成条件となるので、あらかじめ手に入れておく必要がある点に注意。
食べた料理の種類と数に応じてCamp Bonusが加点。
このボーナスは就寝時の体力回復量に影響し、より多くのボーナスを得ていれば回復量が大きく増加する。
「よく食べてよく休む」ことこそが、ダンジョンでの生存率を高く保つ秘訣だ。
以上、どの項目も比較的細かく紹介してきたが、ここで紹介したシステムは本作に登場する内のあくまで一部に過ぎない。
より細かいものも含めると更に色々な要素が登場するので、新たなシステムが出たらしっかりと覚えていこう。
‼取り返しのつかない要素‼
ゲーム進行の都合上、第3部に突入すると、第2部までのエリアへと戻ることはできなくなる。
それに伴って、以下のシステムやミニゲームには挑戦できなくなることに注意しておこう。
通行不可となるエリア
・不思議の森(第1部)エリア全般 ・ダンジョン(第2部)エリア全般 利用できなくなる施設やミニゲーム ・釣り ・キノコでQ ・ロゼッタの遺物鑑定&アイテム購入、遺物図鑑 |
第3部でも引き続き利用可能な施設
・エントランス(第3部)&ダンジョン各所のチェックポイント(セーブポイント) ・ダンジョン各所のテント(第3部では新たに野営システムが追加) ・剣術道場 |
特にコレクション要素の強い”ロゼッタの遺物鑑定”については、各遺物を収集可能なタイミングは第2部のみ。
第3部に入ると同時に”システム自体がなかったこと扱い”となり、収集の続きはおろか図鑑の確認もできなくなる。(そもそも第3部の敵が各種「未鑑定の遺物」をドロップしない)
筆者がプレイしたNintendo Switch版では、収集が不完全だったことによる影響は特に見られなかったが、他プラットフォーム版での本システムは実績に関わっている可能性は高い。
もしも50種類すべてを集めたいのならば、必ず第2部の内に収集を終えておくこと。
なお、第1部や第2部を通して集めたどんぐりは第3部でも一部の施設で引き続き利用可能だが、”メイン通貨はギン貨に変更”となる影響もあり、ほぼ出番がないといった扱いになる。
バトルシステム
第2部から登場するバトルシステム、及び同システムに付随する各要素について解説していく。
中には、第3部で初めて登場するシステムもあり、赤字で別途注釈を行っている。
アクティブタイムバトル方式
「メルヘンフォーレスト」の戦闘システムはアクティブタイムバトルを採用しており、プレイヤーは各コマンドに対応したボタンを押していく方式となっている。
Yボタン:通常攻撃
Bボタン:防御 Aボタン:回避 Xボタン:戦技(※第3部から使用可能) |
パラメーターの素早さはコマンド再入力までの待機時間に影響しており、数値が高ければ高いほどコマンド入力可能な間隔が短くなる。
戦闘開始以降、何もコマンドを入力しないままでいると、敵はどんどん攻撃を加えてくる。コマンド入力可能となったら、状況毎に対応したボタンを押してアクションを取っていこう。
防御と回避
防御系のコマンドには防御と回避の2つのアクションがある。
基本的には防御はダメージを軽減、回避は攻撃そのものを避けてダメージを無効化する効果を持ち、どちらのアクションもそれぞれ入力から1.5~2秒ほど効果時間があるので、必ずしも敵の攻撃モーションギリギリに合わせて発動させる必要はない。
ただし敵の一部の攻撃には、防御でのみ対応が可能(技名が緑色で表示)、回避でのみ対応が可能(技名が赤色で表示)、どちらのアクションでも対応不可(技名が青色で表示)といったものが存在する。
敵が繰り出す各種技のモーション自体は決まったものとなっているので、動きやタイミングを覚えて可能な限り確実に対応できるように心掛けたい。
パリィと奥義
敵の通常攻撃や白地で表示される特殊技は、いずれも”パリィ”を狙うチャンスとなる。
作中のバトルチュートリアルでも解説が行われるが、敵がパリィ対応アクションを放つ際、音と共に発生する光のエフェクトが2回表れた瞬間にB(防御)ボタンを入力してみよう。
パリィが成功すると敵がダウン状態となり、パリィ後に取れるアクション専用のメニューが出現する。
ダウンの隙を付いて大技を放つ奥義、薬や食べ物など、体力や食事ゲージを回復可能な道具を使ったり、技能で補助効果を付与したりと、戦局を大きく変えるアクションを利用することができる。
奥義はあらかじめセットしてあるプライマリ(第1)とセカンダリ(第2)のどちらかを選んで発動が可能。
特に冒険の上で非常に頼りになる奥義が、ダメージのいくらかをこちらの体力へと還元することができるソウルスティール。
どんな相手にも通用し、ゲーム終盤まで非常にお世話になる奥義なので第2部進行時には絶対に習得しておこう。
●ワンポイント●
奥義を使用することでメニューが終了し、再び戦闘続行となるが、逆に言うと、「奥義」を選択するまでの間は「道具」と「特技」の2つのメニューを好きなだけ利用することができる。
体力が大幅に減って大ピンチな状況であっても、全快するまで薬を複数本分重ねて使うことだって可能だ。
戦技
(※第3部で登場)
第3部に登場する武器には強化による武器レベルの要素と同時に、「戦技」という武器固有の専用技が必ず1つ備わっている。
戦技の使用には画面左上に専用ゲージで表示されるTPという特殊なポイントが1回辺り3ポイント分必要となり、TPは通常攻撃を1回行う毎に1ポイントずつチャージ。最大で10ポイントまでのストックが可能。
TPのチャージは各種コンボ技にも対応しているので、ダブルアタックや強撃なら1セット成功で合計2ポイント、トリプルアタックを1セット成功させれば3ポイント一気に貯めることができる。通常攻撃を繰り出す内に勝手にどんどん貯まっていくので、装着中の武器に備わっている戦技を把握した上で必要に応じて活用していこう。
ロゼッタのサポート
(※第3部より登場)
第3部ではゲームの進行に伴い、あるタイミングでロゼッタが仲間として同行するようになる。
ただし、戦闘におけるロゼッタのスタンスはサポート役に徹する形となっており、敵を正面から迎え撃つのはあくまでもメルンの役割。
プレイヤー側はロゼッタ自身に直接コマンドを入力することはできないが、システム的にはゲストNPCという扱いなのか敵から狙われることもない。身の保全について一切気を配る必要がないので、戦闘ではとても頼もしい存在として活躍してくれる。
ロゼッタの行動は一定周期制による完全オート。セットした作戦に応じたアクションによる支援、奥義発動時に発動する追加攻撃など、戦闘において彼女がもたらす恩恵は非常に大きい。
特に奥義後にランダムで繰り出される”遺物を使った追加攻撃”では、魔導砲のような上級遺物で繰り出されるものとなるとその効果も絶大だ。
アビリティの中には支援効果をさらに強力にするものもあるので、ロゼッタの能力を強くしたいプレイヤーは、アビリティポイントをロゼッタの強化に費やしてみよう。
プレイ後の感想
計3部構成から成る「メルヘンフォーレスト」はここまで繰り返し紹介してきたように、チャプター毎に異なるコンテンツやシステムで構成されていることで、本作の様々な側面を覗かせている。
不思議な森でのおつかいがメインとなる第1部、ダンジョンRPGとして本格的な展開を見せる第2部、物語がよりダークメルヘンな方向へと深化を見せていく第3部、といずれのチャプターも物語としての起承転結がハッキリとしており、どの結末を迎えた時点でプレイの手を止めたとしても、綺麗にまとまった構成となっているのは巧いところだ。
また、これは筆者の個人的な印象だが、3頭身ベースのキャラクターモデルとミドルクラスのグラフィックが往年のRPG作品「神機世界エヴォリューション」(’99/スティング)をどことなく彷彿とさせ、プレイ中は”98’~00’年付近にリリースされたRPG作品”を遊んでいるような錯覚に陥った。
これは決してネガティブな意味合いを込めた評価ではなく、他ゲーム作品からのメタフィクショナルなネタを絡めた独特なノリを含め、「なんだか懐かしさを覚える作風」と好意的に捉えられ、ロールプレイングゲームからも久しく離れていたことも手伝ってか、終始新鮮な気持ちで楽しむことができた。
一方で、プレイ中に筆者が難を感じた部分もいくつかあり、特にゲーム後半におけるダンジョンにその多くが集中している。
まずマップについては各エリア共にあまり変化のない景色が続く上に、ゲーム終盤に向かうほど1層辺りが無闇やたらに広い冗長気味な構造が連続しており、探索を目的にしていても次第に歩き回るのが苦痛となってくる。
先制攻撃チャンス以外では一切逃走が不可能な戦闘システムは、半ば必然的にバトルを強制されるため、獲得経験値によってレベルがどんどん上がってしまう。パリィが最重要な戦闘システムではあるが、入力タイミングを大体8割も掴んでしまえば、よほど大っぴらにミスを連発しない限りは負け知らずとなる。
複雑なルールこそないものの、ボタン入力のタイミングが重視される本作のコマンドバトルは半ばリズムゲームに通ずるところもあり、こういったシステムが全般的に苦手なプレイヤーにとっては、少々辛い作品ともなり得る。
ダンジョン内での任意セーブはセーブポイントでないと実行不可能だったりと、手軽にプレイする上では若干の不便さも目立つ。ただ、デスペナルティを負った際でも多少面倒ながら「タイトル画面に戻る」を直近のセーブデータのロードと併せて駆使すれば難なく回避可能といった小技もあり、小まめに手動セーブをするクセがついているプレイヤーにとってはそこまでの緊張感となり得ない。
メインのストーリーから均きりの隠し要素に至るまで全編のボリュームについては、進行ペース次第でかなり前後はするだろうが、隅から隅まで丁寧に遊べばおよそ40~50時間程度といったところ。
買い切り型RPG1本分としては程よいボリュームで、ダンジョンの踏破においては上述の無闇に広い終盤のマップに少しヤキモキもしたが、ミステリアスなストーリー展開に引っ張られ最後までしっかりと楽しむことができた。
主要人物だけでなく、脇を固めるサブキャラクター達も中々に個性豊かでプレイヤーを楽しませてくれる。(中でも個人的に気に入っているのが、土竜飯店の従業員アリス(第1部)や、海賊フリントロック一味(第3部)など) 全編を通してプレイしている内に、各自のお気に入りのキャラクターに出会えるかもしれない。
ダンジョンRPGとしての難易度は低い反面、上述のゲーム後半のダンジョンの冗長さなども相俟って、ゲームのバランス自体は余り良好とは言えず若干クセのある出来となっているが、そういった部分に目を瞑れるRPG好きなプレイヤーは、最後まで楽しめるだろう。
作中随所に楽しい演出やエッセンスが散りばめられており、実際にプレイしてみることで製作者のこだわりを強く感じられるはずだ。
キャラクターの可愛さや本作の世界観や雰囲気に惹かれたという方や、各ヒロインのCVを担当する声優のファンであるという方には一見の価値あり。メルン達と一緒に「メルヘンフォーレスト」の物語を体験してみよう。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 8.5 |
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良い点
- オーソドックスなRPGを軸に、先に進むごとに順次新たなシステムが追加される驚きと発見に満ちたゲーム構成
- ヒロイン枠であるメルン、ロゼッタを始めとした、全編フルボイスで彩られる個性豊かなキャラクター達
- 緑豊かな自然と優しさに溢れる第1部に始まり、次第にシリアスさを増していくダークメルヘンな雰囲気の漂うストーリー
惜しい点
- 先のチャプターに進んでしまうことで、廃止になるシステムや再訪できないエリアがある影響で、取り返しがつかなくなる要素がいくつか見られる
- 普通に戦闘をこなしていれば、特に意識しないでもレベルがすぐに上がるなど、戦闘面でのゲームバランスがあまりとれていない印象
- ゲーム終盤におけるダンジョンのフロアは、全体的に無闇に回り道をさせる構造や、単にだだっ広くしているようなマップが悪い意味で目立っている
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