Maldita Castilla EX – プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©Abylight Studios SA 2019, licensed by Locomalito and Gryzor87

 

基本情報

 

タイトル Maldita Castilla EX
対応機種 Steam,Nintendo Switch,PlayStation4,Nintendo 3DS,iOS,他
販売 Abylight Studios(Steam版、Switch版),フライハイワークス(PS4版,3DS版*
開発 Locomalito,Gryzor87
発売日 2016年10月20日(Steam版),2019年1月24日(Switch版),2016年12月16日(PS4版),2017年7月12日(3DS版),2019年10月24日(iOS版)
対応言語 日本語, 英語, フランス語, ドイツ語, スペイン語, ロシア語, 中国語 (簡体字),中国語 (簡体字),ポルトガル語,イタリア語,韓国語,トルコ語

(※赤字はSteam版及びiOS版のみ対応)

備考 CEROレーティング:B(12歳以上対象)(暴力)
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(*3DS版は2023年3月28日午前9時をもって販売終了。また、北米やヨーロッパ地域ではSteam版よりも先のタイミングとなる2016年7月20日にXbox One版が、2017年にはPlayStation Vita版がそれぞれリリースされている)

 

作品概要

 

「Maldita Castilla EX」(英題「Cursed Castilla」、邦題「マルディタカスティーラ-ドン・ラミロと呪われた大地-」)は、スペインのゲーム開発チームLocomalito制作によるゲーム作品。パブリッシングはAbylight Studios(日本国内の一部プラットフォーム版はフライハイワークスが担当)、サウンドはVGMコンポーザーのGryzor87が担当。

本作のゲーム内容はアーケードスタイルのサイドスクロール式2Dプラットフォーマー。プレイヤーはトロメラ王国の騎士ドン・ラミロとなり、アルフォンス6世の命によって仲間達と共に王国に蔓延る悪の討滅の旅へと向かう。

 

カプコンの名作アーケードアクションゲーム「魔界村」シリーズに大きくインスピレーションを受けたとされる作品で、初代~「超~」までの各要素をピックアップして凝縮したような構成になっており、雰囲気は第2作目にあたる「大魔界村」に最も近い。なお、本作のBGMを手掛けるGryzor87氏は「Super Hydorah」等の同チームの他の開発タイトルや、同じ魔界村リスペクト作品として知られる「Battle Princess Madelyn」などの楽曲も手掛ける。

なお、Steam storeやイーショップでは同じディベロッパーの作品である「Super Hydorah – スーパーハイドラ」とのバンドルセット版「Locomalitoアーケード伝説」(「Locomalito Arcade Legends」)も配信中だ。

 

関連リンク:Locomalito (barely posting here)(X(Twitter))

関連リンク:Gryzor87(X(Twitter))

関連リンク:Abylight Studios(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 同上
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 攻撃
Bボタン ジャンプ
Yボタン 攻撃/デモシーンスキップ
Xボタン ジャンプ
Rボタン
ZRボタン
+ボタン ポーズ

 

アクション

 

ジャンプ

ジャンプはBボタン、或いはXボタンで発動。空中制御はできない。

サブ装備品の「2段ジャンプ」を所持している場合はジャンプ中、頂点付近でもう一度同じボタンを押すことで2段ジャンプを使用することができる。

 

ロープでの移動

ロープのある場所では掴まって昇降による移動が可能。ただし、掴まっている間は攻撃アクションが出せなくなるというデメリットが発生する。

 

武器攻撃

Yボタン、またはAボタンで装備中の武器を発射。しゃがみ中でも利用可能で、性能や軌道は武器毎に大きく異なる。

 

また、地上や空中で方向ボタンを↑に、空中で↓に入力したままボタンを押すことで真上や真下方向に攻撃を発射することが可能だ。

 

アイテムと武器

 

武器

 

登場する武器は以下の6種類。武器アイテムは回収せずにいると、時間経過で順に変化していく。

ソード。一直線に剣を投げ飛ばす。最大2連射
ハンドアックス。両刃の斧を放射状に投げ飛ばす。最大2連射
カマブーメラン。手元に戻ってくる草刈り鎌を投げ飛ばす。最大2連射
ボーラス。両端に鉄球が拵えられた分銅を投げつける。貫通性能あり。最大2連射
ダガーズ。短剣を三方向へ同時に射出する。
ホーリーファイア。聖なる炎を投射する。一定距離を飛んだ後地面に着弾して燃え上がる

 

サブ装備品

 

サブ装備品は以下の7種類。いずれか1つしか持ち歩くことができず、新たに入手するとそれまで装備していたものが上書きされて消えてしまう。

フェアリー。攻撃を行う妖精がドン・ラミロの周りを着いて周るようになる
シールド。一度だけダメージ被弾を防いでくれる
2段ジャンプ。ジャンプ中、頂点付近でもう一度ボタンを押すことで2段ジャンプが可能になる
スコア×2。装着中獲得スコアが2倍になる
カギ。閉ざされた扉を開く。1度使うと消滅する
クリスタル。隠されたものが見えるようになる
インビジブル。一定時間ドン・ラミロがダメージを受けなくなる

 

システム関連

 

ライフについて

本作はライフ制となっている。ライフのストック数はハートのアイコンで示され最大値は3。敵の体当たりや攻撃を被弾することで1つ失われる。

ただし、画面外への落下やトゲ床などの一部トラップに嵌った場合は即死となってしまう。

 

制限時間について

各ステージには制限時間が設けられている。カウントは99スタートで、制限時間を超えるとタイムオーバーとなって残機を1つ失ってしまう。

失われた秒数はタイムエクステンド(砂時計)アイテムの入手によって50秒追加される。宝箱から出現することがあるので、しっかりと手に入れておこう。

 

宝箱と隠しアイテム

道中随所で確認できる宝箱は、武器で破壊することで中から様々なアイテムが出現する。箱自体は一律同じ外観で、アイテムの種類ごとにデザインが分かれているわけではない。

また、ステージ内の一見何も無い箇所に武器を当てることで光のエフェクト(上画像)が発生することがあり、ここにもう一度武器を撃ち込むと隠されたアイテムが出現。

スコアアイテムが中心だが、時には思わぬアイテムが隠されていることもあるので、ハイスコアを狙う上では一度発見した隠れポイントはよく覚えておこう。

 

モーラの涙

道中のどこかには、”モーラの涙”という宝石が隠されている。モーラの涙は全編を通して計5つ存在しており、チャプター7終了時に全て回収できていなかった場合は最後のチャプターに辿り着くことができない。

入手にはカギが必要となる場面が多く、総ステージ数の変化と共にエンディング分岐にも影響するので、入手ポイントを把握している場合は忘れずに回収しておこう。

 

ゲームオーバーとコンティニュー

残機が0になった時点でゲームオーバーとなり、コンティニュー画面へと移行する。コンティニューの回数には特に制限はないが、4回目を超えた時点でゲームクリア後のエンディングがノーマルエンドルートへと強制分岐してしまう点には注意。

 

Interlude(ボーナスステージ)

チャプター2、チャプター4、チャプター6クリア後には「Interlude」(間奏)と題したボーナスステージが展開。岩壁の穴から次々と出現するコオロギを倒すとスコアボーナスアイテムが出現。1体倒す毎に出現アイテムのグレードが上昇していく。

一定時間経過で終了となるのでいかに素早く倒し、アイテムを回収することができるかが高得点のカギだ。より多く倒すことができれば1UPが出ることもある。気合を入れて臨もう。

 

ステージ紹介

 

ChapterⅠ:Tolomera Del Rey(トロメラ王国)

前半は遺構の残る平野、後半はトロメラの市街地が舞台。

ボスのザランプラは下には降りてこず、蛇行しながら延々と空中を漂う。4方向に放たれる弾をかわしつつ、頭部を狙って上方向に武器を放とう。

 

ChapterⅡ:Road of the Harpies(ハーピー街道)

ハーピーが多数棲息する街道から風車の尖塔を舞台にステージが展開。風車の長い羽根に巻き込まれないように。

ボスは天候を操る魔術師ヌベール。攻撃判定が時間差で発生する稲妻攻撃には特に注意。

 

ChapterⅢ:The Alcazar(王宮)

トロメラ城内が舞台。天井や床から突き出す長槍に加え、高台から斜め方向に矢を放ってくるアーチャーなど厄介な組み合わせ多数。

ボスはクレイジーキホーテ。細身から放たれる無数の武器をかわし、全身が黄土色になった時に全力で武器を叩き込もう。

 

ChapterⅣ:Malaventura Swamp(不運の沼)

前半は水面を進む大亀の甲羅の上をジャンプで渡っていく。水面から突如飛び跳ねるセイレーンに体当たりを喰らわないように注意。

ボスはソウルガーディアン。前半フェーズは計6つの台座から放出されるロストソウルズを相手に戦うことになる。こちら目掛けて襲い掛かってくるので1体1体を武器で丁寧に迎撃していく。ガーディアン本体が姿を現したら、蛇行しながら飛んでくる敵弾を上手くかわしつつ攻撃を加えていこう。

 

ChapterⅤ:Catacombs(地下墓所)

チャプター5は地下墓所の奥深くを目指してステージが展開。

ボスはキャタピラー。画面の大半を埋め尽くす程の巨体を持って後方からじわじわと迫ってくる。キャタピラーはステージの端までたどり着いても歩みを止めず、辿り着く前に素早く倒せなければ押し潰されてアウトだ。一定の間隔を保った状態で逃げながら、時々頭部から覗く弱点のコアを狙って攻撃を加えていこう。

 

ChapterⅥ:The Aqueduct(水道橋)

水道橋のステージ。呪われた鎧やアンデッドナイトなど、盾で守りを固めるタイプの敵が多く配置されている。

ボスはドラガルダバズ。弱点である左右の腕をドン・ラミロ目掛けて交互に振り下ろしてくる。振り下ろしの間隔はダメージが深くなるに連れて次第に速くなるため、回避の間隔ペースを狂わされないように。このボスは耐久度が高く、制限時間との戦いにもなる点を併せて踏まえておきたい。

 

ChapterⅦ:Cursed Forest(呪いの森)

前半は樹々が立ち並ぶ呪われた森が舞台。速いテンポで弾を放ってくる呪いの樹が非常に厄介。各区間の突き当たりには上下2つの入り口があり、正しい方をくぐらないとループしてしまう。

通常プレイの場合はここが最終チャプターとなる。ボスはモーラ。人型、半身半蛇の二段階のモードに分かれているので、一戦目で体力を使い果たさないように。

 

プレイ後の感想

「Mardita Castilla EX」は開発スタジオAbylight Studiosのホームであるスペインの騎士道物語的世界観を舞台にした2Dアクションゲームだ。ゲーム性の面で言えば「魔界村」シリーズの作風を強く意識して作られていることは疑いのないところで、上撃ち&下撃ち攻撃、2段ジャンプといった特徴的なアクションをそのまま採用している一方で、ステージ2周制の廃止や「魔法」の代替となる「サブ装備」要素などのオリジナル要素も見せている。

本作では道中における一般敵キャラクターの湧きが各場面毎に規定数の出現に留まっており、本家におけるゾンビのように際限なく敵が出現するといったことはない。その分道中は地形や障害物、トラップ配置に重点を置いた形で難易度のバランスを取ったステージデザインである印象を受ける。

 

本作リリースよりも少し前、2010年代前半のある日、ネットで調べものをしていた際に偶々本作のフリー版に触れる機会があり、「Maldita Castilla」のプロトデモ版を体験したことが本作との出会いだった。完成版のリリースはそこから少しの時を経た2016年。ここ最近の躍進目覚ましいインディーゲーム界隈でも、今となっては若干古株に属するタイトルにあたる。

Abylight Studioが手掛ける作品のユニークなポイントが、”何処かで見たことある”ゲーム要素が散りばめられているといったもの。今作においてはクラシックなゲームファンにとって聴き馴染みのある効果音、リング状のレーザーを吐いてくるとある敵キャラクターなど、開発サイドの嗜好となるポイントが透けて見えて面白い。

 

また、同じAbylight Studio製で筆者が過去に偶然知ったタイトルがもう1つある。「The Curse of Issyos」という作品で、”古代ギリシア風悪魔城”とでも言うべき作風の8bitスタイルアクションゲームだ。

筆者がプレイしたのは当時、PC上のフリーソフトとして配布されていたかなり初期のデモバージョンで、その時点ではコントローラー操作に対応しておらず、キーボードによる覚束ないプレイ感で臨んだものだった。ただ、往年のディスクシステム用コナミ作品の雰囲気を彷彿とさせる作風はノスタルジックを感じさせるには十分で、強烈な印象を持った作品として記憶に残っていたのだ。

2025年現在はiOSのみの配信で残念ながら本作のコンソール版は登場していないが、アクションゲームファンはこちらもお試し頂きたいところ。

 

アーケードゲームライクな歯応えを持ちつつ、決して難し過ぎない絶妙な難度バランスも好印象。エンディング分岐にこそ関わるもののコンティニュー自体は無制限なので、最低でも通常エンド狙いであれば攻略は現実的だ。

と言ってもそれなりに辛口な難易度であるだけに、苦手なステージを重点的に練習できるようステージセレクトがあれば尚良かったところであるが、そういった機能は未搭載である点が少々惜しまれる。

 

リスペクト元とは所々仕様の違いも見えるが、「魔界村」シリーズの一フォロワー作品として申し分ない完成度となっている。”魔界村クローン”的な内容のゲームを模索するアクションゲーム好事家であれば、本作を「Battle Princess Madelyn」と比較する方も多い事と思われる。あるいは2025年以後とあれば、既に両作品ともプレイ済みという方もいるだろう。

この二作品は、片や昔ながらのステージクリア型アクション、片や「極魔界村」のような探索要素を付け足した高難度アクションゲームと双方でゲームの方向性がだいぶ異なっており、実際に手に取ってみたプレイヤー毎にどちらがより好みであるかが大きく分かれる事になりそうだ。昔ながらの魔界村スタイルが好き、という方には圧倒的に本作の方をおススメしたい。

本家シリーズは網羅しているが、本作は未だ触れたことがない、という方は強いリスペクトを感じられるはず。「Mardita Castilla EX」を是非とも一度お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .0

 

良い点

  • 「魔界村」ライクなアーケードスタイルの2Dアクションゲーム
  • グラフィック、サウンド含め80~90年代アーケードゲームのテイストを忠実に演出
  • 本家と比べて2周制の廃止により、手頃なステージボリュームとなっている

 

惜しい点

  • 難易度、残機、ライフ数は据え置きで、一切の調節が不可
  • 同じアイテムのカテゴリに分類される関係で、カギの所持中は他のサブ装備との共用ができない
  • キーアイテムの全回収、コンティニュー制限など複数の条件が絡み、トゥルーエンド到達までのハードルが少々高い

 

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