Kiai Resonance (キアイレゾナンス) - プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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Absorb Reality

 

基本情報

 

タイトル Kiai Resonance
対応機種 Steam,Nintendo Switch 他
販売 Flying Interactive(Steam版),Timothee Paez(Switch版)
開発 Absorb Reality
発売日 2015年4月21日(Steam版),2019年7月25日(Switch版)
対応言語 日本語,英語

赤字:Switch版のみ)

備考 CEROレーティング:C(15歳以上対象)(暴力)
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作品概要

 

「Kiai Resonance」(キアイレゾナンス)は、ベルギー・ブリュッセルのゲームディベロッパーであるAbsorb Reality開発によるゲーム作品。Steam版のパブリッシングを担当するのはロンドンのFlying Interactive。Nintendo Switch版ではメインデザイナーであるTimothee Paez氏名義による販売となっている。

 

本作のゲーム内容は、1vs1による2Dスタイルの対戦型剣劇アクションゲーム。3種類の構えを駆使して、相手を一刀の下に斃す一撃必殺の美学を持ったゲームシステムが特徴。

CPUを相手に戦う1人用モードの他、ローカル、オンライン対戦の両方にも対応。また、13種類の課題に挑戦するチャレンジモードが搭載されている。

 

リンク:Absorb Reality(X(Twitter))

リンク:Flying Interactive(X(Twitter))

リンク:Timothee Paez(Linkedin)

 

セッティング

セッティング画面で1、2プレイヤー側の容姿を2タイプの中からそれぞれ選択することができる。

「エリア」の項目は対戦の舞台を選ぶステージセレクト。3種類だが、特定の条件を満たすことで出現する隠しエリアが1つ存在する。

「ラッシュ」の項目をONにすると、対戦開始時に互いが助走をつけてぶつかり合うラッシュモードで試合を開始。

「勝数」は試合本数の設定。最小値は1、最大値は100となっている。

「普通」と表記された項目にカーソルを合わせ、左右にすると「簡単」、「難しい」の3段階の難易度を切り替えることができる。

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン (左右)左右移動/回避/ステップ移動
Lスティック 同上
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 構え(中段)
Bボタン 剣を振る
Yボタン 構え(下段)
Xボタン 構え(上段)
Rボタン
ZRボタン
+ボタン ポーズメニュー

 

構えについて

 

基本姿勢

  
上段構え(Xボタン、または上) 中段構え(Yボタン) 下段構え(Aボタン)

各ボタンで上記3タイプの構えを切り替え、Bボタンで各構えに応じた攻撃を繰り出す。

上段構えではBボタン長押しで気合い、ボタンを離すと刀を振り下ろすといったチャージ攻撃仕様となっている。

中段構えは剣術で言うところの『正眼』の構えで、Bボタンでリーチの長い一撃を放つ。

下段構え時は攻撃ではなくカウンターの待機動作となり、敵の攻撃にタイミングを合わせて発動すると相手を一撃で仕留めることができる。

 

プレイヤーの攻撃アクションはこの3種の構えとそれぞれに備わった1種類の攻撃のみ。相手の構えを注視しつつ、最適な攻撃を繰り出そう。

 

ゲームの遊び方

本作にはライフ要素や時間制限はなく、先に一撃を相手に決めた方が勝利となる。勝利本数の設定はモード開始前に指定が可能。

プレイヤー1人/2人各モードでは、指定した本数を先に取った側が勝利となる。本作にストーリー的なゲーム要素はなく、オフ&オン両面による対CPU戦、あるいは対人戦と課題に挑戦するチャレンジ(後述)の2タイプに特化した内容となっている。

 

チャレンジ

「チャレンジ」は全12+αの課題に挑戦するモード。速さ、力、精神の3つのカテゴリにそれぞれ分類されており、各チャレンジは上の項目からクリア毎に順次開放されていく。

 

上画像は数あるチャレンジの内の1つ「回避の達人」。上や横方向から飛んでくる矢を左右移動でかわしたり、剣技で叩き落としたりといったアクションで切り抜けていく。

このようにチャレンジ内容次第では対戦相手の代わりに、他モードには登場しないギミックが登場する場合もある。中にはパズル性の強い課題もあり、思わぬ苦戦に直面することも…。

 

最後に登場するチャレンジでは、シルエット姿で登場する謎の剣士との三連戦が展開。

対戦相手の周囲を回る特殊なオブジェクトは、触れた時点でチャレンジ失敗となってしまう。果たしてこの強敵を相手に、勝機を見出すことはできるのだろうか—?

 

プレイ後の感想

「Kiai Resonance」は古くは「ブシドーブレード」(スクウェア・1997)などの作品にも通じる、『一撃必殺』の美学をコンパクトに纏め上げたゲーム内容となっている。

 

システム自体は、限りなくシンプルに設計された対戦型剣劇アクションといった内容で、3タイプに切り替え可能な構えそれぞれに相手が繰り出す技との相性の良し悪しがある。闇雲に戦っていても安定して勝つことは難しく、間合いの取り方、適切な構えの使い分けが勝敗を分かつ要素となる。

ジャンプ攻撃や飛び道具といった派手なアクションは登場せず、読み合い重視の仕合に特化したストイックな真剣勝負が醍醐味の作品だ。

 

ゲーム内のクレジットでも確認できるが、本作のステージ背景には葛飾北斎、歌川広重ら巨匠達が手掛けた日本画の要素が盛り込まれている。

現代の国内ディベロッパーがまず表現することがないであろう「海外視点の日本観」が十二分に炸裂したインパクトの強いビジュアルは、どこか妖しくもインパクトがある。

 

ゲーム内容以外の面で印象的な要素が作中で使用されているフォントで、アルファベットを示すにあたって漢字をアレンジしたかのような独特な書体が採用されている。

漢字で言う”はね”や”はらい”が多くの文字で見られるかなりクセの強い字体で、形状も相俟って慣れるまではかなり読み辛い。当初は読み方に戸惑いもしたが、よく見ていくと『M』が『爪』、『A』が『升』といった具合に解読が可能。本作用に用意された独自フォントであるのか少し興味深いところではある。

 

デザインの強烈さこそあるものの、対戦型ゲームとしてはコンパクトにまとまっており、一撃で勝負が決まる一試合辺りのテンポの良さも〇。操作、システム、ルール共にシンプルで、ビジュアル的な芸術性の高さも含め、接待用ゲームとしてももってこいだ。

 

読み合い重視の真剣勝負を手軽に体験したい— そんな対戦ゲームを模索しているという方は、本作「Kiai Resonance」をお試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .5

 

良い点

  • 剣技スタイルの切り替えシステムを活用した、”三竦み”に通じるゲームシステム
  • 背景に日本画要素を盛り込んだオリエンタルなゲームビジュアル
  • たったの一撃で勝負が決する緊張感に溢れたバトル

 

惜しい点

  • ゲーム内容は対戦とチャレンジに特化した各モードで構成されており、ストーリー要素は一切含まれない
  • 選択可能な操作キャラクターやステージ数のバリエーションに乏しい
  • 読み合いによる真剣勝負が前面に押し出された作風で、スピーディーさや爽快感に溢れるアクションは見られない

 

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