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©1988 BANDAI
基本情報
商品情報 | 仮面ライダーBLACK 対決 シャドームーン |
対応機種 | ファミリーコンピュータ ディスクシステム |
販売 | バンダイ(※開発元不明) |
発売日 | 1988年4月15日 |
作品概要
「仮面ライダーBLACK 対決 シャドームーン」はバンダイから販売されたファミリーコンピュータ ディスクシステム用のアクションゲーム。
石ノ森章太郎原作の特撮ヒーロー作品「仮面ライダー」シリーズ、特に昭和年代に作られたいわゆる「昭和ライダー」系列作品の中でも人気の高い「仮面ライダーBLACK」を原作に据えたタイトルだ。
生態改造手術を受けた経緯から悪と戦う戦士となった青年、南 光太郎(みなみこうたろう)/仮面ライダーBLACKを操作して、暗黒結社ゴルゴムに立ち向かう孤高のヒーローの活躍を描く。
変身ヒーローを主人公にしたゲームでありながら原作のような人間形態/変身形態という区切りはゲームプレイ中にはなく、今作では人間時の南 光太郎の姿が拝めるのは変身シーン演出が盛り込まれたタイトルデモのみ。ゲーム本編では終始BLACKの姿で戦うことになる。
操作方法
十字キー | 左右移動、(上方向キー入力で)キック |
Aボタン | ジャンプ |
Bボタン | (地上時入力)パンチ |
STARTボタン | ポーズ&メニュー呼び出し |
SELECTボタン | 使用しません |
特殊操作
Aボタン(短め)+左or右キー | 前方に跳躍(バッタ飛び) |
Aボタン(長押し) | ライダージャンプ(ハイジャンプ) |
Bボタン(垂直ライダージャンプ中) | ライダーキック |
Bボタン(前方ライダージャンプ中) | ライダーチョップ |
上キー(前方ライダージャンプ中) | ライダーパンチ |
ライダーアクション
通常技(パンチ&キック)
BLACKの攻撃手段は通常技のパンチとキック。これに加えて上記の特殊操作から発動可能な各種必殺アクションがある。
必殺アクションはいずれも準備のために一度ハイジャンプ操作を介する必要があり、ここから十字キーやBボタンなどを入力することで3種類のアクションへと派生、発動させることができる。(※詳しくは後述)
ライダージャンプ
シリーズ第1作「仮面ライダー」をオリジナルとした昭和の一連の同シリーズにおける「とうっ!」の掛け声と共にシリーズごとの主人公が行うジャンプアクション、通称「ライダージャンプ」は、仮面ライダーが各必殺アクションにつなげるために必要なシリーズ伝統とも言える所作。
本作においてもその特徴を忠実に1つのアクションとして再現されているが、前説通りライダージャンプは下記で紹介する3種類のライダーアクションそれぞれへとつなげるための”準備動作”という意味合いを持つ。つまり“必殺技を使う度に、毎回最初に準備動作としてライダージャンプを使う必要がある”のだ。
元来この所作自体は「テレビ番組という媒体で視聴者をかっこいいアクションで惹きつける為の演出」という意味合いも強く、現代の感覚ではシチュエーション次第で「技を繰り出す上ではなんて無意味な動きなのだろう」という意見が仮に出たとしても致し方ない部分はあるだろう。仮に過去作品を視聴する機会があった際に該当アクション使用シーンで違和感を覚えることがあったとしても、「昭和ライダー作品の演出はそういうものなのだ」と割り切って頂く他ない。
ライダーパンチ/ライダーチョップ/ライダーキック
ライダージャンプからは派生アクションとしてジャンプの高度や進入角度とボタンの組み合わせによって、ライダーパンチ、ライダーチョップ、ライダーキックの3種類の技をそれぞれ繰り出す事ができる。
ライダーチョップは技の発生時間とリーチが短い分、敵に狙って当てるのは少々難しい。一方ライダーパンチ、ライダーキックは降下までの間は技の判定が残る分一旦出せば強力だが、ライダージャンプから一度前方ジャンプへと変化させるワンクッション的操作が必要となり、こちらも咄嗟に出すには少しだけ難易度が高い技だ。
身体一丁で戦うBLACKには飛び道具的な技を備えていないため、終始こういった近接攻撃のみでゴルゴムの怪人達と戦うことになる。その上、エリア道中では回復手段も用意されていないのでボス戦に向けてライフを温存するためにも、余計なダメージを喰らわないよう立ち回りながら進めていくことも重要だ。
なお、本作でのライフ回復手段は各エリアボス撃退後に残り時間に応じて一定量回復、もしくはステージボス撃退後に次のステージ突入時に全快の2通りのみだ。
コマンドメニューについて
ライダージャンプから派生可能な各種必殺アクションはポーズ状態のCOMMAND(コマンド)メニューからVITAL CHARGEを選ぶことで、任意のライダーキック、ライダーチョップ、ライダーパンチの3種に、ライフゲージをエネルギーとして注入することが可能。
エネルギー注入直後に放つ必殺アクション一撃分に高い威力を込めることができるが、技がハズレてしまうと完全にエネルギーの無駄遣いとなってしまう。注入後に放つ分は確実に決めていきたい。
プレイ後の感想
本作「仮面ライダーBLACK -対決 シャドームーン-」は同名原作のファングッズとして見るならば貴重な作品であることには変わりはなく、光太郎の変身シーンを盛り込んだタイトルデモや原作オープニングを忠実に意識したデザインのタイトル画面は一見の価値はある。
一本の2Dアクションゲームとして見ると当時としては近接アクションを積極的に取り上げている点も含めて比較的真っ当な出来だが、エリアボスとして大神官が三度立ち塞がるSTAGE5は苦戦必至となるだろう。 ゴルゴム達を相手にBLACKになりきって、是非”ライダージャンプからの各種必殺技”を駆使しながら挑んでみて欲しい。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 5.0 |
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良い点
- 原作を忠実に再現した変身シーンを堪能できるオープニングデモ
- 道中に比べキャラサイズが一回り大きく、特撮の1vs1のバトルシーンを意識したボス戦
- コンティニュー&セーブ機能により、ゲームオーバーになっても何度でも再挑戦が可能
惜しい点
- 必殺技は一度出れば強力だが、いずれもハイジャンプからでないと繰り出せず発動方法のクセが強い
- 淡々としたステージ進行のため、ストーリー描写は弱い
- 次のステージに進む以外にライフゲージの回復手段が一切ない
ステージ紹介
本作では3エリアで構成された各ステージを順に攻略していくスタイルで、ステージ開始前には各エリアボス怪人のビジュアルが映し出される。
ステージ6は最終ボスとの一騎打ちステージとなり、1周エンドの計16面構成。本稿の最後に、各ステージをスクリーンショットと簡単な解説をまじえて紹介していこう。
各ステージのエリアの最後にはクモ怪人、ヒョウ怪人、クワゴ怪人など原作にも登場した怪人達がエリアボスとして待ち受ける。
彼らとの対決に専念するためにも、道中でのダメージは可能な限り抑えたい。
またステージボスとの戦闘ではキャラサイズが一回り大きくなり、必殺技が使用可能となる。
ステージ1のステージボス、ノミ怪人。
ステージボス初戦の相手ということで必殺技を駆使せずとも通常技のパンチキックでも十分に渡り合える相手なので、まずは自由に戦ってみるのも良いだろう。
ステージ2以降では愛車バトルホッパーに載って駆け抜けるステージも登場。
道中随所に点在する隆起した岩を飛び越えるには、ジャンプの際にあらかじめバトルホッパーを助走状態に持っていく必要がある。
飛び越えるのに失敗すると少量のダメージを負ってしまうので慎重に対処したい。
ステージ4。
海中を抜けて地下深くへと続く秘密基地。この奥にゴルゴムの本拠地が?
ステージ5のボス戦ではゴルゴム3人の大神官ビシュム、ダロム、バラオムが待ち受ける。特に2番手のダロムは必殺技を駆使しないと一方的にやられがちで、苦戦は必至。
彼らとの決戦前には各種必殺技の使い方を習熟しておきたい。
そして待ち受ける最大の敵。
あれがシャドームーンなのだろうか?
STAGE6ではシャドームーン…とされる謎のライダーとの一騎打ちの対決が展開。
適当に立ち回るだけでは競り負けてしまいやすいが一応動きのパターンはあり、ライダージャンプの隙を狙って立ちキック中心で攻めていけば勝利し易い。
逆に画面端に追い込まれると、そこから地上技の連打でハメられやすい状態となるので要注意。万一追い込まれた時はしゃがみパンチで牽正すればジャンプで逃げて距離を取ろうとするので、そこから反撃に転じよう。
エンディング
最終局面となるシャドームーンとの対決では勝っても負けてもその時点でゲームが終了してしまう。
その結果により、下記で紹介する2通りのエンディングへと分岐していく。
敗北時(バッドエンド)
地球はゴルゴムの手に落ちてしまった…
勝利時(エンディング)
ライダーは戦いに勝利した。だが、果たしてあれは本当にシャドームーンだったのだろうか…
つづく
本作の副題にも名前が記されているシャドームーン。「仮面ライダーBLACK」におけるライダー最大のライバルだが原作本編に登場するシャドームーンは銀色のボディをしており、現代においてはあらかじめ原作を知っていれば本作のラスボスは一目で紛い物のそれだと分かる。
ゲーム内で実際にシャドームーンと戦えることを期待してしまうとこの点に関してはマイナスポイントと言うほかないが、商品販売当時においては少々事情も異なり、本作の発売日を考慮に入れた場合は当時放映中だった本編にまだシャドームーンが正式には登場していなかったという事情もあるのだろう。
(※シャドームーンの本編での正式登場は、第35話「対決!2人の王子」(1988年6月12日放映))より。本作発売日の2ヶ月後となる。)
本作プレイを通して改めて原作版を振り返ったり、制作の事情や背景を調べてみることもまた、現代の楽しみ方の1つとしなりうるだろう。