©2022 Assemble Entertainment GmbH. All rights reserved.
※このゲーム内の物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。
基本情報
タイトル | Jessika |
対応機種 | Steam,Nintendo Switch |
販売 | Assemble Entertainment |
開発 | TriTrie Games |
発売日 | 2020年8月25日(Steam),2022年7月21日(Switch) |
対応言語 | 日本語, 英語, ドイツ語, 中国語 (簡体字) |
備考 | IARCレーティング:16+(激しい言葉づかい) |
作品概要
「Jessika」はドイツ、ケルンのゲーム開発チームTriTrie Gamesが製作を手掛けるゲーム作品。販売担当はAssemble Entertainment。
本作のゲームジャンルはFMV(フルモーションビデオ)ミステリーアドベンチャー。プレイヤーはデジタルデータの解析を得意とするチームメンバーの一人となり、担当依頼者の亡き娘ジェシカが遺したPCのデータベースにアクセス。ビデオクリップや画像などの暗号化されたファイル群を閲覧することで、彼女の秘められた物語を解き明かしていく、といった内容になっている。
ジャンル名に”フルモーションビデオ”とある様に、作中ではジェシカなる女性が生前遺したとされるファイルの内、動画形式となっているものの中にビデオメッセージという形で度々本人が登場を果たしている。
演出的には90年代前期のCD-ROM作品においてよく見られた実写ショートムービー形式に近く、フルCGアニメーションやリアルタイムレンダリングによるムービーパートが当たり前のように起用されている2020年代となった現代では、こういった表現はかえって新鮮に映るかもしれない。
リンク:Assemble Entertainment(X(Twitter))
操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 各種ショートカット(上:Wizzapp、右:Decrypterツール、下:Eメール、右:マイファイル) |
Lスティック | ナビゲート(カーソル操作) |
Lボタン | 【Eメール】「受信箱」タブに切り替え |
ZLボタン | ウィンドウ切り替え |
-ボタン |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | スクロール/【音量調節オプション表示中】音量を上げる・下げる |
Aボタン | 確認/ファイルを開く/【入力フォーム表示中】入力内容の編集 |
Bボタン | 閉じる/取消 |
Yボタン | コピー |
Xボタン | 【Yボタンの”コピー”使用直後】即時貼り付け/ペースト |
Rボタン | 【Eメール】「スパム」タブに切り替え |
ZRボタン | ウィンドウ切り替え |
+ボタン | メニュー |
※アクティブ状態にあるアプリ毎にスティックや各ボタンの機能が異なる。詳しくはゲームプレイ中、画面上の下部に表示される操作ヘルプを随時参照の事。
本編の流れとゲームシステム
遊び方
プレイヤーが所有するPCを通じ、通話ツールや暗号解読ツールなど計4種類のアプリを切り替え、使い分けながら、ジェシカという女性に纏わるキーワード検索によって表示されるデジタルデータ群の解析を行っていく。
ただし、最序盤はジェシカのデータベースにアクセスするという過程からゲームが展開するため、躓きやすい。詳しい進め方については、後述の「序盤の進め方」を併せて参照。
検索タグについて
decrypterで動画ファイルの再生中、スクリプト内で青字で表示されたワード(上画像)をチェックすることで、以降、該当ワードが検索用のタグとして登録される。(下画像)
このタグを同アプリ内で直接指定することで、動画ファイルを一々再生しなくても同様の検索結果を手軽に呼び出すことができるという仕組みだ。
ファイルのタイプ
検索の結果、ファイルが発見された際にまだ中身を確認していないものは上画像のようなアイコン状態で表示される。
グレー、青、緑、黄、赤の順に施された暗号化が強固なものとなっており、グレー以外は特定のキーワード類を発見していない間は解析、閲覧が不可能。
ファイルに亀裂の入ったアイコンのものについては、データベースの調査を進める内に自動的に復元が試みられ、完了した際に通知が届く仕組みになっている。
アプリについて
「Jessika」でのゲームプレイは、疑似的なPCデスクトップメニュー上で行う暗号化データの解析がメインとなっている。
といっても、解析に関する専門的な知識や操作といったものは一切必要なく、プレイヤーが行うのは任意の文字列によるキーワード検索と、検索結果で表示されたファイルを1つ1つチェックしていくだけの手軽なものだけ。
解析においてメインで使用することになるのは、以下の4種類のアプリ。下記で順に紹介していこう。
Decrypter
プレイヤーが属するチーム謹製の暗号化ファイル解析ツール。機能の利用のためには、使用者データベースへのログインを経てアクセスする必要がある。
確認したい箇所に添って、ZLまたはZRボタンで「動画ファイル」「スクリプト」「ターミナル」「検索結果」「タグ」の5つのタブに切り替え。また、「検索結果」のタブを選択中はLまたはRボタンで「検索結果」「回避」「★」「🕒」のタブの切り替えを行う。
詳しい使い方は後述の「序盤の進め方」にて解説。
Wizzapp
Wizzappは個人同士、あるいはグループ内でのリアルタイム通話を行うことができる作中の通話用アプリ。
ファイル解析の調査を進めていると、通知音と共にアイコン上に通話メッセージの受信を知らせるランプが点灯することがある。受信内容の確認や返信をしたい場合は、登録アカウントの中から通知があるものを探して当人に連絡してみよう。
また、調査を進める内にIDを発見した際は検索フォームに直接打ち込んでみることで、連絡先が新たに追加されることもある。
Eメール
Wizzappと同じ要領で、調査を進める内にメールを受信する場合がある。中身を確認したい場合はEメールアイコンを選んでAボタンで開いてみよう。
送られてくるEメールの中には、添付ファイルが添えられている事もある。現実のEメール同様の流れでファイルを開封することも可能だ。
なお、本作で利用可能なEメール機能は受信と内容の確認のみで、こちらから送信することは一切できない。
マイファイル
主人公のPC上に保存されている私物ファイル。調査に直接関わりのあるファイルは含まれていないが、拡張子に”.mp3″とあるファイルについてはAボタンで開いてみると音楽を再生することができる。
また、再生状態のミニプレイヤーウィンドウを最小化することで、音楽を流しながら他の作業に移ることもできる。
ただし、再生一度辺りの操作で聴くことができるのはファイル単独に留まっており、自動で別の音楽ファイルには移らないため手放しでの再生時間が短くなってしまうのが玉に瑕だ。
序盤の進め方
疑似的なPCデスクトップに触れているかのようなゲーム体験が「Jessika」の特徴の1つ。
しかしながら、本編に入るまでの冒頭の下りではシステムから操作に至るまで説明が最小限なため、問題となるジェシカのデータベースに辿り着く前に行き詰りやすい。
以下ではゲーム序盤の進め方を順に流れを追って解説していこう。
まずは自身のPCにIDとパスワードを入力してログイン。
IDはプレイヤー毎に自由な名前を入力、パスワードは画面下部にある「作成者」アイコン内の説明文に記載されたものを”そのままの形”で入力すること。
なお、ここで入力作成したIDはセーブデータ名に相当する扱いとなる。セーブデータ自体は複数作成可能だが、同じID名でのセーブデータは2つ以上作成することはできないので要注意。
起動直後に表示されるヘルプに一通り目を通した後、デスクトップメニュー画面へと移行。
画面下部のタスクバーに該当する箇所では各ボタンの機能が常時表示されるので、操作がよくわからない内は参考にしよう。
Wizzappアプリのアイコン上に通知を知らせるランプが点灯している事に気が付くはず。
方向上ボタンを押して同アプリをアクティブにしてみると、グループメンバーの一人であるチャドからのメッセージだと判明。早速通話してみよう。
チャドからは新しい仕事の依頼が入っていることを告げられ、大まかだがその内容を説明してくれる。話を聞いたところ依頼主の家族の間で喧嘩が発生、その後に娘が亡くなるという悲劇が起こったらしい。
この会話の最中に随時登場する選択肢は、返答のニュアンスこそ異なるもののどれも結果に大きな変わりはないので、好みで選んでOK。
チャドとの通話の中で、詳しくはグラビッシュという人物に連絡を取るようにとの指示を受ける。それに伴い、投稿の中に当該人物のIDを検索するためのワード(上画像)が登場。
このように、検索可能なワードは”アンダーライン”が添えられた青字で表示されるので、Lスティック操作で該当する箇所を選んだ状態のままAボタンで”コピー”して、検索に活用していく。
Wizzappの検索フォームにXボタンで貼り付け&検索を実行することで、連絡先の項目上にグラビッシュという人物の名前が登録された。連絡を取ってみることにしよう。
通話でのやり取りから、グラビッシュ氏はどうやらジェシカの父親であるとのことが判明。彼は経緯を説明した後、娘が使用していたというIP、ユーザーネーム、パスワードの3つの情報を彼女の形跡辿る手掛かりとして伝えてくれた。
通話を終えた後、方向右ボタンでdecrypterをアクティブにし、ZLボタンでタブを「ターミナル」に切り替え、XボタンでIPの”貼り付け&検索”を実行。すると、認証用の入力フォーム(上画像)がポップアップ型ウィンドウで表示される。
ユーザーネームとパスワードの入力を促されるので、各フォーム内に直接実行するかWizzappの該当箇所からコピー&ペーストのどちらかの方法で入力を試みよう。
成功後、ターミナルタブが上画像のような状態になったら、同タブ上で文字入力してジェシカという人物に纏わるファイル検索を行っていく。
試しに、ここではそのまま彼女の名前で検索してみることに。カナで「ジェシカ」と直接入力。英字の場合は「Jessika」となる。後者の形式で入力する場合は、上述のWizzapp通話ログにある投稿の内、ユーザーネームの箇所から同文字列をAボタンでコピーして、Xボタンで貼り付け&検索でもOK。
検索の結果、何かしらのファイルが見つかった場合は「検索結果」タブ上に関連ファイルがずらりと並べられる。暗号化された各ファイルを1つずつ確認して、どういったファイルであるかを解析していく。
(強固に暗号化されたファイルを除き、解析自体はファイルをチェックした際に自動的に完了する)
基本的に、これ以降の検索ワードは発見した各動画ファイルの再生時に、「スクリプト」タブ上に表示されるテキスト内で青字で表示されるので、Lスティックで選択してAボタンでコピー、ターミナルタブ上で貼り付けて検索を行うことで新たな検索結果を得ていく。この一連の流れを繰り返すことになる。
「検索結果」タブで利用可能な「お気に入り」、「後で見る」機能や登録された「タグ」各種を上手く駆使しながら、片っ端からファイルの中身を暴いていってしまおう。
プレイ後の感想
PCデスクトップを模したUIや、暗号化データの解析を目的とするその特異なゲームデザインが「Jessika」にとっての注目点だ。
上段の項目でも紹介した通り、最序盤こそ進め方も複雑で躓きがちだが、一度その仕組みが分かれば、以降はタグワードの検索とファイルの確認を繰り返すといった半ば作業的なゲーム展開となっていく。
本作はPCとNintendoSwitchの2つのプラットフォームで配信されているが、見逃せない重要な点がある。後者版の商品ページに掲載されているスクリーンショットと、実際のゲーム画面とでUIにかなり差が見られるのだ。
PC版では「キーボードで任意の検索希望用語を直接入力する」といった従来の検索方法がそのまま使用可能であったのに対し、移植版ではソフトキーボード機能による直接入力も可能な一方で、検索キーワード自体があらかじめ”ハッシュタグ+該当用語”という形で強調されており、直接指定することですぐに関連ファイルの検索結果が表示される、といった仕様が追加されている。
即時検索が可能という意味では一見楽にはなっているのだが、操作方式が完全コントローラー依存になっている影響で、肝心のUIを中心とした各機能の使い勝手が悪く、結果的に操作面での煩わしさにもつながってしまっている。
携帯モードでのプレイ時にはタッチスクリーンスタイルの操作を導入しても良さそうなものだがそういった対応もなく、方向ボタンに割り当てられた各アプリへのアクセスショートカット操作も画面下部にヘルプは表示されているものの、どの方向がどのアプリに対応しているのか中々覚え辛くただただやりにくい。
また、ゲームの動作自体も不安定気味で、閲覧ファイルの内、動画ファイルの映像や音声がカクつくという現象が頻繁に発生するのも観ていてストレスが溜まる一因となっている。
オリジナル版によれば、作中の動画ファイルには映像が乱れるという演出が入ることがあるとのことだが、Switch版で確認できる症状はこれが仕様によるものであるのかどうかは素人目では見分けがつきにくい。
暗号解読ツールである「Decrypter」をはじめ、グループ用のSNSアプリ「Wizzapp」やメールボックスなど、PC上のあらゆるアプリにゲームを進めるためのヒントが眠っている。
なお、本作では明確なエンディングというものはなく、物語の一区切りともいえるとあるイベントが発生した後も、ゲームはそのまま続いていく。早ければ2~3時間程度で問題のイベントへと到達できるだろう。
(作中に存在する検索キーワードを全て発見し終わった時― その瞬間こそが本作のゴールであると言えるだろうか)
故人が生前、大切な人へと伝えきれなかった想い。一度は閉ざされたその痕跡を残された者のために、詳らかにする事―
そんな崇高な使命を持つチームに属するプレイヤーはある日、ジェシカなる女性が遺したとされるデータ群の解析調査依頼を担う。
最初こそ順調かと思われた解析調査だったが、進行度が高まるに連れて次第に雲行きが怪しくなり、やがて事態は思いがけない方向へと発展していく―
表題が示しているように、本作はジェシカのPCデータベースを解析することで、当人の実像へと迫っていく内容となっているが、キーワード検索によって発見される数々の映像ファイルは全て彼女の独白で構成されている。
なお、詳細は伏せるが、作中に登場するスクリプト上にはかなり過激な内容の表現が含まれており、遊び手によっては嫌な気分に陥る可能性がある。
予めレーティング表記でも示唆されているが、この点については十分に気を付けて頂きたいところ。
プレイヤーによっては、実際に終盤まで遊んでみた結果、「思っていたような展開とは違った」といった印象を抱く方も中にはいる事だろう。
とはいえ検索キーワードを探し当てて、秘密のファイルを少しずつ読み解いていくといったワクワク感を味わえるのもまた本作ならではの魅力となる点だ。
Switch版はセールの機会も多く、タイミング次第ではかなり安価で購入することも可能となっているが、操作面での相性など諸々を考慮するのであれば、圧倒的にPC版をおススメしたいところ。
自ら命を絶ったという一人の女性。ジェシカの身に一体何が起こったのか?
その秘密を探りたい方は、本作「Jessika」を実際にプレイして、衝撃的な展開をその目で確かめてみて欲しい。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 6.5 |
---|
良い点
- PCデスクトップメニューモチーフのユニークなUI
- 暗号化された数々のファイル解読を経て物語の真相へと至る、新鮮なアドベンチャーゲーム体験
- 通話アプリやEメールといった近代的なガジェットを含む臨場感に溢れた作中演出
惜しい点
- (Nintendo Switch版)原作からUIや操作方式の仕様が大きく変更されており、ストア内に掲載されたスクリーンショット内容とも齟齬が目立つ
- (Nintendo Switch版)携帯モードプレイ時でもタッチスクリーン操作に非対応など操作性の面での遊び辛さが目立つ
- (Nintendo Switch版)再生動画の動作が頻繁に不安定になる、タグ欄のスクロールが上手く機能しないなど不具合が多い
©2024 SOMI Inc. Licensed to and published by Active Gaming Media Inc. ※このゲーム内の物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの[…]