©2020 HOWLING VILLAGE Production Committee(「犬鳴村」製作委員会)
©Churapps Powered By FLAME Hearts
※本記事内で取り扱うスクリーンショットには、恐怖を引き起こす可能性のある要素が含まれています。閲覧の際はご注意下さい。
基本情報
タイトル | 犬鳴村〜残響〜 |
対応機種 | Nintendo Switch,他 |
販売 | コーラス・ワールドワイド(Switch版) |
開発 | ちゅらっぷす/FLAME Hearts |
発売日 | 2021年10月21日(Steam版)/2020年8月26日(iOS/android版) |
対応言語 | 日本語,英語 |
備考 | IARCレーティング:12+(恐怖) |
作品概要
「犬鳴村~残響~」(「Howling Village: Echoes」)はちゅらっぷす、及びFLAME Heartsが開発を手掛けるゲーム作品。コンソール版においてはコーラス・ワールドワイドがパブリッシングを担当。
本作のゲーム内容はテキストとポイント&クリックスタイルで展開するホラーアドベンチャーゲーム。九州地方に伝わる心霊スポットから派生する都市伝説「犬鳴村伝説」を題材に、6人の登場人物による短編エピソードがオムニバス形式で展開する。
清水崇監督の同名和製ホラー映画「犬鳴村」を原作としたゲーム作品で、本作は映画版公開のおよそ半年後にちゅらっぷすよりiOS,android用ゲームとして配信されたものをNintendo Switch用に移植したタイトルとなる。
リンク:Chorus Worldwide(日本版公式X(Twitter))
操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 各方向の矢印タップ |
Lスティック | カーソル移動 |
Lボタン | 画面の明るさ設定 |
ZLボタン | (長押し中)カーソルの移動速度下降 |
-ボタン |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | リストの上下スクロール |
Aボタン | タップ/「はい」選択 |
Bボタン | 「いいえ」選択 |
Yボタン | バックログ表示/非表示 |
Xボタン | タイトルへ戻る |
Rボタン | 既読スキップのON/OFF |
ZRボタン | (長押し中)カーソルの移動速度上昇 |
+ボタン | ポーズメニュー |
テーブルモードデプレイする場合は、スマホ版同様画面タッチによる操作が可能。
画面の見方
①:「タイトルに戻る」アイコン | ④:「既読スキップ ON/OFF」アイコン |
②:「バックログ」アイコン | ⑤:「明るさ切り替え」アイコン |
③:「チュートリアル」アイコン | ⑥:「所持品」アイコン |
本作の基本的なゲームインターフェースは画面下部にテキストウィンドウが表示される形式で、上画像はポイント&クリック操作を要求されるシーンでの画面写真となる。
物語の選択
各物語を最後まで読み終える毎に同じキャラクターの新たな話や、別の登場人物視点による物語が随時追加されていく。
一度いずれかの物語を最後まで読んだ(BAD ENDでは不可)後であれば、「物語選択」の画面から自由に選ぶことができるようになる。
各物語の結末にはBAD END、NORMAL END、TRUE ENDの3種類があり、次の物語へと繋いでいくためには最低でもNORMAL ENDかTRUE ENDのどちらかを迎える必要がある。
また、誰かのあるエンディングに辿り着くことが、別の人物の新たなエンディングを解放する道筋となることもあるので、一度読み終えた物語であっても、別の事を試しながら再び読み解いてみる事が重要だ。
ミニゲーム
一部のエピソードにおいては、特定のシーンで「あくりょうばらい」等のミニゲームの場面に遭遇することがある。
ミニゲームの攻略に失敗するとBAD ENDとなるがそこまで難しいものでもなく、ペナルティは特に無しで何度でもリトライすることができる。
開始前にそれぞれ簡単なルールと操作説明が入るので、物語の初回進行時にはざっと目を通しておこう。
浸食率について
本作には「浸食率」という特別なパラメーターが設けられている。
これは”やり込み度合いの指標”となるもので、タイトル画面から入る事のできる専用のメニュー上で%表記によって示される。
浸食率はゲームプレイを通して物語を読み進めていったり、様々なエンディングに辿り着く毎に少しずつ蓄積していく仕組みとなっている。
メニュー上では数値の上昇に併せて目に見える形で変化が表れるのだが、100%に達した時には何かが起こるらしい…?
プレイ後の感想
「犬鳴村~残響~」は、昨今の国内ホラーゲームの中ではかなり稀少と言える”映画原作のゲーム化作品”だ。
ゲームの展開はオリジナルのものでありながら、原作の抑えるべきポイントを抑えており、ゲーム、映画、両方を楽しみたいといった層にとっても効果的な造りとなっている形だ。
(なお、タイトルメニュー内で流れるBGMは、映画版に登場する童歌「ふたしちゃろ」のインストアレンジである)
ストーリー、及び設定に関しては映画版のプロットを踏襲したと思われる内容で、ゲームではオリジナルとなる6人の登場人物それぞれの視点でオムニバス形式に展開していく。
真っ当なホラー作品に寄せすぎるのを防ぐためか、明らかにギャグ路線のキャラクターが混じっているのは賛否両論となりそうなところだが、その点はエンタメ作品としての愛嬌といったところだろうか。
今回の感想はゲームプレイに併せて映画版の方も視聴した上でのものとなるが、先に映画の方を視聴しているプレイヤーであれば、ゲーム中の一部の場面で”映画内シーンのカットが何点か応用されている”点に気づくことができるはず。
代表的なところでは、旧犬鳴トンネルや大橋横の電話ボックス、鉄塔など、映画の舞台としてお馴染みの景観がBGとして複数登場。
恐怖を助長する演出においても、映画内の印象的なシーンが少しアレンジして流用されており、これらを探すといった楽しみ方もある。
特定のエピソード内で挿入されるミニゲームも、少なからず映画版のシーンとリンクしているところもあったりと、映画版と併せて体験することでより楽しめる仕組みだ。
ただ、これらのホラー演出は静止画素材を組み合わせた所謂ドッキリ系のものがほとんどで、シチュエーションの種類自体は豊富だが遊んでいる内に次第に慣れてきてしまうのが玉に瑕だ。
また、本作は一部のルートにおいて特別な条件を満たさないと観られないエンドがいくつか存在する。
全部で50弱が用意されているエンディングは基本的に8割がゲームオーバー的なBAD ENDで、これらを回収するためにわざわざ間違った選択をしないと埋めることができない、といった難儀さも持つ。
更に厄介なのが、各物語の開始後にいずれかのエンドに辿り着いた後、同じ物語を再びプレイする際にまた最初からの進行が必要となってしまう点だ。
純粋なテキストパートのみで進行する作風であれば既読箇所はオールスキップで済ませられるところなのだが、本作の場合はテキストパートの合間にポイント&クリックを要する場面が交互に挿入されるため、その都度に操作が必要となってしまう。
未だ観ていないENDへの到達も含めて複数に分かれる物語の繰り返しのプレイを要求される仕様であるため、初回のプレイであればともかく、未回収要素を拾いにいくために同じシナリオをやり直す際にはこの手間が中々の煩わしさとなってプレイヤーに立ち塞がってくる。
物語一篇辺りの所要時間は数十分程度と比較的短めのボリュームに収まっているとはいえ、仕様については上で触れてきたような点で若干の不便さを感じさせるところも見られる。
とはいえ、スマートフォン用ゲームの移植ということで、ホラーアドベンチャーゲーム作品としてはオーソドックスな出来ながらその分遊び易く、同名映画の販促ゲーム作品という意味ではその役割をしっかり果たしていると言えるだろう。
ノベル+ポイント&クリックという、遊び手を選ばないクラシカルなゲームシステムにより、ゲームが苦手という層にも比較的親しみ易い仕上がりとなっている。
とりわけ映画版のファン、和製ホラーADVファンという諸氏は本作「犬鳴村~残響~」を是非お試しあれ。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 7.0 |
---|
良い点
- シンプルな画面構成とテキストウィンドウ+ポイント&クリックによるクラシカルなゲーム性
- 原作の要素がしっかりと押さえられており、映画版のファンにとっては既視感のあるシーンが散りばめられている
- ストレートなホラーからギャグテイストのものまで、バラエティ豊かに展開する各キャラクターのエピソード
惜しい点
- スマートフォン向けのゲームデザインのためか、画面タッチが出来ないTVモードプレイ時の操作感が今一つの印象
- ノベルゲームとして見る場合、ポイント&クリック要素が原因で操作の手軽さが薄れてしまう
- 一部の物語にTRUE END到達が困難なものがあり、作中にヒント要素も見られない
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