Homebody(恐怖の監禁ハウス)- プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©Copyright 2022 Rogue Games, Inc. All Rights Reserved.

 

※このゲームには、暴力、ボディホラーに加え、不安、強迫性障害および鬱病などの心理学的問題に関する描写が含まれます。

 

基本情報

 

タイトル Homebody
対応機種 Steam,Nintendo Switch,PlayStation4|5,X-box Series S|X,EPIC Store
販売 Rogue Games Inc.
開発 Game Grumps
発売日 2023年6月1日(全プラットフォーム)
対応言語  日本語,フランス語,イタリア語,スペイン語,英語,ドイツ語

青字:Steam版のみ)

備考 IARCレーティング:16+(激しい暴力、激しい言葉づかい)

 

作品概要

 

「Homebody」(ニンテンドーe-shopでの日本語タイトル名表記は「恐怖の監禁ハウス」)はゲームスタジオGame Grumpsが製作を手掛けるゲーム作品、パブリッシングをカリフォルニアのRogue Games が販売を担当。

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本作のゲーム内容は、サードパーソンスタイルの探索型ホラーアドベンチャーゲーム。貸別荘に宿泊する人物の1人エミリーの視点を通し、閉じ込められた別荘内で様々な仕掛けを解き脱出を図る事が目的だ。

「バイオハザード」(第1作)や「クロックタワー2」といった90年代風のローポリライクなゲームグラフィックが魅力ポイントの1つで、執拗に追ってくる殺人鬼との逃走劇も緊張感を高める要素となっている。

 

なお、記事冒頭の注意書きにもあるように作中では暴力描写に加えてボディ・ホラー*要素が取り入れられているので、こういった演出が苦手な人はプレイ前に注意が必要だ。

(*ホラー映画における、肉体の変容や破壊表現(異形化、複雑骨折など)を含んだジャンルカテゴリを指す)

 

リンク:Game Grumps(X(Twitter))

リンク:Rogue Games(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 【通常操作モード時】移動

【※タンクコントロール時】上:前進、下:後退、左:左回転、右:右回転

Lスティック 移動
Lボタン
ZLボタン
-ボタン ポーズメニュー展開

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 決定、(調査対象選択中)調べる
Bボタン キャンセル
Yボタン (長押ししながら移動中)走る
Xボタン
Rボタン
ZRボタン
+ボタン メモリーログメニューを展開

※タイトルのゲームメニュー上で『タンクコントロール』のチェックをオンにした場合、方向キーでの操作方式がラジコンスタイルのものへと変更される。(Lスティックでの操作はそのまま)

 

ゲームの遊び方

 

チュートリアル~冒頭シーンを経て別荘へと入場。そこから、本格的なゲーム進行の開始となる。

PM7:00時点のロビーを起点とし、エミリーを操作して別荘内を自由に探索、謎を解き明かしながら脱出する方法を探すのがゲーム内での目的だ。

 

基本的な操作

Lスティックをまたは方向キーを各方向に入力で歩行移動。スティック操作中、Yボタンを押したままの場合は走って移動することができる。今作ではスタミナ系の要素は一切ないため、走る上でのリスクは皆無。

各フィールドエリアは定点カメラ方式により、画面外や特定のポイントまで歩いていく毎にシーンが切り替わる仕組みになっている。この影響で、画面が切り替わった直後はそれに伴って移動操作の入力方向も変化し易い。各所を歩き回る際は、エミリーの立ち位置や向いている方向が移動先毎にどういった状態になるのかをよく確認しておこう。

 

ゲーム内の時間について

本作では時刻の概念が存在しており、現実時間での3秒毎にゲーム内時間が1分進む仕組みとなっている。

活動可能な時間自体に制限はないが、ゲーム内時間は夜間の特定の時間帯をループする仕組みとなっており、カウンターが計測するのはAM4:00まで。そこを超えた場合、以降はAM12:00が点滅した状態のままカウンターが停止する。この状態は、一度エミリーが死亡して新たな周回に入るまでの間継続することになる。

ロビーに設置されている柱時計が1時間おきに時刻を音で知らせてくれるが、この音は2Fにいても僅かに聴こえる程度には響き渡るので活動時間の目安とする上で活用しよう。

 

メモリーログについて

プレイ中、任意のタイミングで+ボタンを押すと、メモリーログ画面を展開。ここでは、別荘内の探索中に発見した謎解きのヒントを確認することができる。

同じ周回内で新たに発見したもの、或いは情報が更新されたものには「!」マークが点灯するので、

メニュー展開中はゲーム内の時間経過が止まる仕様になっているので、しっかりと活用しよう。

 

殺人鬼に遭遇した際の対処法

探索中、特定の時間帯になるとどこからともなく殺人鬼が出現し、別荘内を徘徊し始める。一度エミリーが殺人鬼の視界内に入ると執拗に追いかけまわすようになり、本体に接触、あるいはナイフ攻撃にエミリーの身体が触れた時点で死亡判定となってしまう。

エミリー側から相手を攻撃する事は一切できないため、対処法は全力で走って逃げるか退避可能な場所に隠れるかの2つのみ。

 

代表的な隠れ場所としては1Fキッチン奥や2F寝室右側の折れ戸が挙げられるが、この扉は開閉を行う度に少しずつ破損していき、最終的には丸見え状態になって隠れ場所としての機能を失ってしまう。

また、隠れる瞬間を殺人鬼に見られていたり、明らかに行き止まりになっているような場所に逃げ込んだ場合はあっさり見つかってしまうので注意が必要だ。

 

死亡してしまった場合は…

事故や殺人鬼の攻撃を喰らってエミリーが命を落としてしまった、という場合もゲームはそのまま続行し、PM7:00時点のロビーから新たに仕切り直す形で再び探索を再開することになる。

時間が巻き戻ってしまうことで、前回プレイ中に屋敷内で動作した仕掛けなどは一部の場合を除き、全てPM7:00時点の状態まで戻ってしまうことになる。

ただし前回の死亡ポイント以前の時点で既に回収が済んでいる、あるいは更新が行われたメモリーログの各項目は次のプレイにそのまま受け継がれ、手元の同名メニュー上から自由なタイミングで確認することができるようになる。

これらの点を踏まえ、所謂”デスループ”を繰り返しながら、少しずつ謎解きのヒントと別荘内に隠された秘密を集めて行くのが本作の進め方だ。

 

プレイ後の感想

『Homebody』は古典ホラーアドベンチャーの名作『クロックタワー2』のテイストをそこかしこに感じさせるホラーアドベンチャーで、ローポリデザインのゲームビジュアルがとても印象的。

同じ夜を繰り返すというゲーム内の時間設定により、プレイ中に夜が明けるといったことは決して起こらない。更にPM10:00前後には堰を切ったように殺人鬼が徘徊を始め、”謎解きに加えて逃走も意識した探索”といったスリリングな展開へと切り替わる。

じわじわと迫る殺人鬼に対して、エミリーから反撃を行うことは一切できず、そのまま手をこまねいているとエミリーを待つのは凄惨な死のみ。唯一の解決策は、謎を解き明かした上で閉じ込められた別荘内から方法を見つけて脱出することだ。

 

本編内におけるプレイヤーの操作対象は一貫してエミリーだが、貸別荘内では彼女と一夜を共にする友人達の存在も見逃せない。”旧友同士でペルセウス流星群を観る”、という名目で一件の別荘へと集った彼らは、エミリー同様に各々の背景に心のわだかまりを抱えた者達ばかり。

デスループという作中の特性上、プレイ中は決まった時間の流れの中で彼らとも同じやり取りを繰り返すといった不自然な関係性が続く。更にはゲームデザイン上、彼らもエミリーのように殺人鬼によって何度も儚く命を散らす存在となってしまっている。話しかけるチャンス自体はいくらでもあり、基本的には同じことしか言わないが、時々ヒントをくれる場合もあるので聴き逃さないようにしたい。また、会話を通じて各々のバックボーンやどういった性格であるかも次第に見えてくるはずだ。

 

作品概要の項でも記しているが、日本版e-shop内では『恐怖の監禁ハウス』という邦題で販売されている本作。ストア内のサムネイル画像では、邦題化に伴ってタイトルロゴが少々面白味のないデザインフォントに差し替えられており、目立ちにくい印象となっているのが残念なところ。(Steam版についてはこの限りではない)

時間の流れが閉じられた夜という1プレイ辺りのサイクルが短い仕様も相俟って、進め方や解法を理解していない内はどう遊んでいても死んで覚えるゲームになってしまう。とりあえずこっちの謎は解けたけど、まだあっちの謎が残ったまま…、となりつつもこのような展開が繰り返し続くため、プレイヤーによってはエミリーが何度もやられてしまうことに抵抗が生まれるといった危惧もあるだろう。

しかしながら、内容面では90年代ホラーゲームの雰囲気がしっかりと出ており、こういったテイストが好みというプレイヤーにとっては見逃せない一作となっている。是非お試しあれ。

 

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .5

 

良い点

  • “心理的な恐怖”と”追われる恐怖”の両方を前面に押し出したホラーADV
  • ゲーム内パズルに関するヒントを次回以降の探索に持ち越しできる「メモリーログ」機能
  • 90年代テイストを感じさせるローポリゴンのビジュアルグラフィック

 

惜しい点

  • 日本語設定時も一部箇所が原文のままだったり、発言対象と台詞の内容が一致していない箇所があるなどローカライズがやや不完全
  • フィールドが定点カメラ仕様になっている関係で、移動中場面が切り替わった際に方向入力で一瞬混乱に陥り易い
  • “何度も死にながら各パズルの解法に辿り着いていく”というゲームの仕様上、ノーヒントではスマートなゲーム攻略が難しい

 

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