基本情報
タイトル | Hellblade Senua’s Sacrifice(ヘルブレイド セヌアズ サクリファイス) |
ジャンル | アクション・アドベンチャー・ゲーム |
プラットフォーム | Windows |
メーカー | Ninja Theory |
公式サイト | Hellblade: Senua’s Sacrifice 公式サイト(英語) |
ゲームについて
北欧神話の死者の国ヘルヘイムを舞台としたサードパーソン形式のアクション・アドベンチャー・ゲーム。
主人公の名前は『セヌア』(Senua)。
亡くなった恋人『ディロン』の魂を救うべく死者の国ヘルヘイムを旅することになる。
ヘルヘイムでの旅路で『セヌア』はつらい過去(恋人との死別、狂信的な父親からの抑圧的、闇から逃れるため焼死した母親)と対峙し、狂気にむしばまれる。
孤立無援の『セヌア』だが、『ディロン』と過ごした幸せな記憶が彼女に勇気と希望を与え、試練に立ち向かう。
『セヌア』は迫りくる闇を退け、『ディロン』の魂を救うことができるのか?
システムについて
ゲームの操作・システムについての説明。
ボタン操作の表記はXBOXコントローラー(PS4コントローラー)とする。
基本操作
プレイヤーはサードパーソン形式の画面で主人公セヌアを操作し、マップに仕掛けられた謎を解きながら死者の国ヘルヘイムを探索する。
スタミナなどのパラメータは存在しないため、ダッシュによるペナルティは存在しない。
多少の段差や障害物は自動的によじ登ったり、かがんだりして避けるため行動の邪魔にならない。
細い木の足場を渡る時は右ステックでバランスを取ることで墜落死を防ぐことができる。
移動 | 左ステック | 前後左右に移動する。 |
ダッシュ | LBボタン(L1ボタン) | ダッシュで前後左右に移動する。 操作メニューの「ダッシュの切り替え」よりトグル式とホールド式の切り替えが可能。 |
視点移動 | 右ステック | その場に立ち止まり、周囲を見渡す。 細い木の足場を渡るとき、バランスを崩して墜落死することがあるので、左右に入力してバランスを取ることができる。 |
接触 | Aボタン(×ボタン) | 扉を開ける、梯子を上り下りするなどのアクションを行う。 |
フォーカス | RTボタン(R2ボタン) | 対象に意識を集中させる。 トラップを解除したり、Lorestones(ロアストーン)からのメッセージを受け取ることができる。 |
メニュー | メニューボタン(OPTIONSボタン) | メニュー画面を呼び出す。 各種コンフィグやゲームの中断などが行える。 |
戦闘操作
マップの探索中、敵と遭遇するとセヌアが剣を抜き戦闘モードに入る。
戦闘では3種類の攻撃と2種類の防御を使い分けて戦う。
本作には飛び道具による攻撃は存在しないため、戦闘の基本は接近して高速攻撃から強攻撃のコンボで敵の体力を削る。または接近後、敵の攻撃を回避 or ブロック後に反撃となる。
盾を構えた敵には高速攻撃や強攻撃は通用しないため、格闘攻撃で防御を崩す、または攻撃を弾いてから反撃を行う。
敵の強攻撃(エフェクト付の攻撃)や体当たりはブロックすると体勢を崩されるので、回避 or 弾きで避ける必要がある。
投げナイフなどの飛び道具を使用してくる敵もいる。飛び道具を弾くと相手に跳ね返り無防備な状態になるので、ダッシュで接近して攻撃するとよい。
戦闘中はカメラの位置がセヌアのすぐ後ろに位置するため、背後の状況を把握できない。
後から敵が近づくと「気をつけて!後ろ!」などのアナウンスが入るので、横に連続回避を行って敵との間合いを取るなどの対策が必要となる。
HPゲージは存在せず、セヌアの負傷状況は画面端のぼかし効果と赤いエフェクトで把握する。
負傷状況は時間経過で回復するため、回避やブロックで回復を図るのも手である。
敵のHPゲージも見えないが、負傷した敵は左手で腹部を抑え、足を引きずるように歩くなどモーションから弱っていると判断できる。
ゲームの途中から戦闘中にフォーカスが使用できるようになる。
フォーカスは攻撃や弾きなど積極的な行動で使用できるようになり、発動可能な状態になると画面左側にフォーカスのマークが表示され、セヌアの腰に付けた飾りが光りだす。
フォーカスの効果は体力回復やスロー効果が基本となるが、ボスキャラや演出による雑魚キャラの特殊能力を解除する効果もある。
高速攻撃 | Xボタン(□ボタン) | 威力は低いが攻撃速度が速い剣による攻撃。 先制攻撃や回避やブロック後の反撃に向いている。 |
強攻撃 | Yボタン(△ボタン) | 威力は高いが攻撃速度が遅い剣による攻撃。 高速攻撃からのコンボ、大振りの攻撃の回避後、ブロックで攻撃を弾いた直後などの攻撃に向いている。 |
格闘攻撃 | Bボタン(○ボタン) | 正面の敵を蹴ってバランスを体勢を崩し隙を作る攻撃。 盾を構えた敵の防御を崩すのに使用する。 |
回避 | Aボタン(×ボタン) | 左右、または後方に素早く移動して敵の攻撃を避ける。 体当たりや強攻撃などブロックすると体勢を崩す攻撃の対処に使用する。 背後から攻撃された時の回避や、敵との距離を取りたい時にも利用する。 |
ブロック | RBボタン(R1ボタン) | 前方の攻撃を防御する。 体当たりや強攻撃など防御すると体勢を崩してしまう。 敵の攻撃に合わせてタイミングよくブロック・ボタンを押すと敵の攻撃を弾き、敵の体勢を崩すことができる。 |
フォーカス | RTボタン(R2ボタン) | ゲームの途中から戦闘中にフォーカスが利用できるようになる。 体力回復や敵へのスロー効果・特殊能力解除など、戦闘を優位にするめることができる。 |
システム
Lorestones(ロアストーン)
マップに配置されている石碑。
1つのエリアに4~6基(一部のエリアを除く)のロアストーンが配置されている。
チャプターの選択画面から発見したロアストーンの数と配置数を確認できるので、未発見のロアストーンの数を確認することが可能だ。
ロアストーンに対してフォーカスを使用すると、ロアストーンが旅の指針や北欧神話について語りかけてくる。
全てのロアストーンを発見しなくてもゲームクリアは可能だが、ゲームの終盤の結果に影響があるようなので、ロアストーンを全て発見したクリアを目指して欲しい。
ルーンによる封印の解除
ルーンで封印された扉は開くことができない。
扉に対してフォーカスを使用するとルーンを解除するためのルーン文字が浮かび上がる。
マップ上に隠されたルーン文字を全て探し出すとルーンが解除され扉を開くことができるようになる。
ルーン文字は巧妙に隠されており、柱や影などいろいろな形で隠されている。
隠されたルーン文字に近づくと空間にルーン文字が浮かび上がるので、ルーン文字と思われる形に対してフォーカスを使用する。
正しい対象にフォーカスが当たるとルーンが解除される。
序盤は簡単に発見できるが終盤になると発見するのが難しくなってくる。
フォーカスによる経路の修復
マップ上の不自然に壊れた階段や橋などはフォーカスを利用することで通行可能となる。
フォーカスで橋などを修復する場合、決まった位置からフォーカスを使用しないと修復できないので注意が必要だ。
ルーン文字の探索と異なりヒントが表示されないので地道に立ち位置を探すことになる。
正しい位置に立ち、フォーカスを使用するとで壊れた階段などが修復され通行可能となる。
後半のステージでは修復可能な対象に気が付きにくいため、行き詰ったときはフォーカスによる経路の修復を試みると道が開けることもある。
敗北ペナルティ
戦闘やトラップにより死亡すると少し直前に戻される。
敗北しても能力低下などの出番は発生せず、アイテムも存在しないので敗北前と同じ条件でリトライできる。
ただし敗北を重ねるとセヌアの右腕が黒く変色してくる。変色は手首辺りから始まり、肘、肩と変色が進む。
ゲーム序盤に変色が進みすぎるとセーブが破棄されると解釈できるメッセージが表示されるが、肩まで変色した状態でクリアしたため未確認である。
ゲームを遊んだ感想
高品質で実写と見間違うようなグラフィックと北欧神話をモチーフにしたストーリーのアクション・アドベンチャー・ゲームである。
インディーゲームでありながら大手のAAA(トリプルエー)タイトル並みのグラフィックを目指した作品であり、実際にゲームをプレイしてみるとクオリティの高いグラフィックに驚かされる。
ムービーシーンの『セヌア』のクオリティは非常に高く、海外の実写ドラマと勘違いするレベルだ。
ストーリーは北欧神話をモチーフにケルト人の女戦士『セヌア』が亡き恋人『ディロン』の魂を救うべく、死者の国ヘルヘイムの支配者『ヘル』を訪ねて旅をする物語である。
神々の滅亡を運命づけられた北欧神話がベースとなっているため、全体的に暗いストーリーで、『セヌア』が過去の悲劇に押しつぶされる様は見ていて気が滅入る内容だった。
特に過去の戦化粧をしていない『セヌア』は普通の表情の女性だが、戦士となった『セヌア』の顔つきは狂気を感じさせるものがあり、その落差も不安感を掻き立てる。
ストーリーは人を選ぶ内容で万人受けしないが、ホラーやオカルトが好きなら先が気になってしまうストーリーだ。
戦闘シーンはカメラが『セヌア』の背中近くにあるため視野が狭めで正面の敵以外を見失いやすいが、キャラクターが大きく表示されるため迫力はある。
弾きを成功させた時のエフェクト、ダメージを受けた敵が傷口を抑えたり、足を引きずって歩くなど演出も凝っており、見た目からも楽しめる内容となっている。
欠点は敵キャラの種類が少ないため終盤の雑魚戦でダレてしまう。ボス戦が楽しかったためもったいない所だ。
ステージごとの仕掛けも凝っており、本作では戦闘より謎解きによるアドベンチャー要素がメインとなっている。
特に松明をともして灯りを確保しながら闇の魔物からの襲撃を避けながら進むステージと、暗闇の中に浮かび上がるシルエットとかすかな物音を頼りに進むステージは非常にドキドキしたが楽しかった。
逆にルーンで封印された扉をフォーカスで解除する仕掛けは全エリアに出てくるが、途中から面倒な作業と感じるようになり、あまり楽しくなかった。
グラフィックや手頃な戦闘難易度、凝ったステージの仕掛けなどプレイして楽しい要素もあったが、面倒なところも多く、繰り返しプレイしたいと思えないのが残念なところだ。
繰り返し遊ぶには不向きだが長所も多いゲームなので、Steamのセールで見かけたら購入して遊んでもらいたいタイトルである。
評価
個人的スコア | 6.5 |
良い点
・実写ドラマと見間違うような高品質のグラフィック。特にムービーシーンでの『セヌア』は役者が演技しているのかと見間違うレベルである。
・攻撃・ブロック・弾き・回避と人気のあるシステムは一通り備えており、程よい難易度ともあいまって戦闘シーンは楽しくプレイできた。
・ステージごとの仕掛けが凝っており、謎解きに頭を悩ませたり、素早い動作と判断が必要で手に握る仕掛けなど、プレイが単調にならないステージ構成となっている。
悪い点
・ルーンで封印された扉をフォーカスで解除する仕掛けは序盤から終盤まで何度も出てくるため、だんだん面倒になってくる。
・グラフィックがリアルすぎるため、『セヌア』の狂気に捕らわれた目つきをみると不安に感じ、プレイ意欲を削がれる。
・敵の種類が少ない。戦闘は楽しく遊べるので、敵の種類(特にボスキャラ)がもっと多いとよかった。
・『ディロン』の姿が現代人っぽく、スタッフの写真でも使っているようでゲームの雰囲気に合わない。