Ganryu 2 : Hakuma Kojiro(武蔵巌流記2)- 感想と作品解説【レビュー】

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©2022. Developed by Story Bird Studio. Published by Just For Games. All rights reserved.

 

基本情報

 

タイトル Ganryu 2 : Hakuma Kojiro
対応機種 Steam/Nintendo Switch
販売 Maximum Entertainment,PixelHeart
開発 Story Bird Studio
発売日 2022年4月22日(Steam版)/2022年4月21日(Switch版)
対応言語 日本語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,韓国語,ポルトガル語,ロシア語,中国語 (簡体字),中国語 (繁体字),英語

(※Switch版ではゲーム内に言語設定項目が見当たらず、切り替えの可否を確認できていない)

備考 IARCレーティング:7+(暴力(軽度))
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作品概要

 

「Ganryu 2 : Hakuma Kojiro」(「武蔵巌流記2」*)はフランスのStory Bird Studio製作によるゲーム作品。国内ではMaximum Entertainment、及びPixelHeartがそれぞれパブリッシングを担当。

(また、国内PlayStation Storeには本作のストアページが設けられているが、2024年現在は配信されておらず、リリース続報もなし。パブリッシング担当表記はJust For games SASとなっている。)

(*本体ソフトインストール後の表記は「武蔵巌流記2」となる)

 

かつてVISCOがネオジオ/MVS用ゲームとして海外向けにリリースしたアクションゲーム「武蔵巌流記」の続編にあたり、この前作については2020年に非ライセンスタイトル版のカートリッジソフトが販売されたという経緯を持つ。日本国内では長らく未発売タイトルという扱いだったが、2024年現在、QUByte InteractiveとPixelHeartの共同販売で配信中のDLソフト「VISCO COLLECTION」に収録されており、こちらで遊ぶことができる。

Story Bird Studioが提携を結ぶゲームパブリッシャーPixelHeartの公式サイトでは、欧州圏ユーザー向けに本作を始めとした各種パッケージ版の通信販売が展開中。そこまで数は多くないものの、VISCO系列作品の販売権という強みを活かしたラインナップ揃いで、「Breakers Revenge」、「Andro Dunos 2」などコアなファンには見逃せない。

 

リンク:Story Bird Studio(X(Twitter))

リンク:PixelHeart(X(Twitter))

リンク:Maximum Entertainment(X(Twitter))

 

ストーリー

 

(※ストーリー原文を元に再解釈)

 

佐々木小次郎との戦いに勝利した宮本武蔵。

決着の後に彼は北海道へと渡り、瞑想を通じて芸術に挑むことを決心する。

 

その瞑想の最中、何者かの意志が呼びかけてきた。

 

「武蔵よ、我らの戦いは未だ終わってはいない。

 次こそがお前との、決着の時だ!

 私が受けたこの屈辱は、日本全土に差し向けた刺客が払ってくれることだろう。

 待っているぞ、宮本武蔵!」

 

声の主が小次郎であった事は、武蔵にとっては疑いの余地もなかった。

肉体は滅んだがその精神は残されたまま、彼の意思は依然として破壊的だ。

 

その後、武蔵は日本列島を南下し、初めて小次郎を倒した地、巌流島へと赴く。

今一度彼と剣を交え、その精神を永遠に解き放たなければならないことを悟ったのだった。

 

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
Lスティック 移動、(押し込みで)走る
上下左右ボタン 移動、(左右どちらかに素早く2回押した後長押し中)走る
Lボタン 神力を切り替える
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 雷攻撃
Bボタン ジャンプ
Yボタン 苦無を投げる
Xボタン 刀攻撃
Rボタン 神力を切り替える
ZRボタン
+ボタン ポーズメニュー

 

 

アクション

 

ジャンプ【Bボタン】

壁蹴り可能。空中でもう一度押すとダブルジャンプ

剣攻撃(地上)【Xボタン】

最大で三連斬りに派生


走り斬り(地上)【ラン中にXボタン】

押しっ放し状態で斬り続ける

苦無投げ【Yボタン】

方向ボタン入力で、8方向に撃ち分けが可能

雷攻撃(体当たり)【Aボタン】

 

壁蹴りは壁を蹴る直前にしっかりと方向入力が出来ていないと反応しないことがあるので、操作はできるだけ正確に。

刀攻撃は敵を近接攻撃するだけでなく、飛び道具を弾き落とす効果がある。余裕があったら、タイミングを合わせて狙ってみよう。

苦無投げは残り弾数が0になると使えなくなってしまう。使い切ってしまう前にストックアイテムを入手し、定期的に確保しておくこと。

Aボタンで繰り出せる雷攻撃はダブルジャンプと併用したり空中でも使用可能な他、一定距離を体当たりダッシュで進む効果に加えて”ガード崩し”の効果も併せ持つ。防御姿勢を中々崩さない相手がいたら、積極的に狙ってみるといいだろう。

 

ゲームシステム

 

ゲージの見方

①:残機 ④:アクティブ中の神力属性
②:ライフゲージ ⑤:苦無の所持数
③:神力ゲージ

 

アイテム

燈篭や行灯など、明かりの灯ったオブジェクトを攻撃で破壊するとアイテムが出現することがある。以下はその一例。

 

各種置物。スコアアップ
苦無。苦無の所持数増加

神聖な苦無。苦無が貫通性能を持った強化苦無に入れ替わる&所持数増加
食べ物。ライフゲージ回復
魂。神力ゲージ増加
1UP。残機が1つ増える

 

神力の使用

ステージ進行中、道中の敵がドロップする「魂」を取得する毎に『神力ゲージ』が僅かに増加。

魂を集めてゲージがフル状態になることで神力アイコン(上画像の「火」が該当)がアクティブになり、ゲージ下部に「神発動!」の表示が点灯を始める。

この状態の時に、Rスティックを押し込むことで一度だけ発動が可能だ。(使用後はゲージが初期化される)

計4種類ある神力は初期状態では「火」に設定された状態となっており、プレイ中にLボタン、Rボタンを押す毎に他の種類に切り替えることができる。

 

火力( 画面内の敵全体にダメージ
太陽の再生( ライフゲージが全快する
雷の力(雷) 全身に雷を纏い、一定時間攻撃力が強化される
風の無敵( 一定時間武蔵が無敵状態になる

 

使用直後から力の発動が終わるまで敵は一時的に静止状態となるが、ごく一部のステージギミックはそのまま動き続ける事があるので油断は禁物。

 

花札

ステージ進行中、花札が設置されているポイントがある。これを回収した状態でステージをクリアすると、リザルト時に特別ボーナスがスコアに反映される。

アイテムに混じって壁の中に隠されている事が多いので、怪しい場所は刀や苦無で攻撃してみよう。

 

ステージ紹介

全部で5つのSTAGEが待ち受ける本作の舞台。

各STAGEは前半部のACT1、後半部のACT2の2部構成となっており、実質10面相当のステージボリュームとなる。

 

STAGE 1

HOKKAIDO

STAGE 2

EDO

STAGE 3

KYOTO

STAGE 4

SHIKOKU

STAGE 5

GANRYU-JIMA

 

プレイ後の感想

「Ganryu」こと「武蔵巌流記」は本来であればネオジオ/MVSの正規ライセンスタイトルとしてリリース予定だった。

その昔、ゲーム情報誌におけるゲームソフト発売予定リストの内、NEO GEOのソフトラインナップの中に本作のタイトル表記が長らく残っていたことをうっすらと覚えている方もいるかもしれない。当時であれば、唯一の専門誌として刊行中だった「ネオジオフリーク」が特に顕著であろうか。

ところが当時、日本国内では発売が叶わぬまま市場から名を消してしまい、後年になって海外にて権利元のVISCOの許諾を得た上での外部による移植が実現。2016年にはネオジオカートリッジなどいくつかのプラットフォームを通じて、”非ライセンス輸入版”といった変則的な形によるリリースが行われた。(上動画リンクは2017年に発売されたMIL-CDドリームキャスト版)

作品概要でも記した通り、現在では「VISCO COLLECTION」を通じて前作をプレイ可能な環境が整い、あくまでも海外版という形ながら日本国内でも比較的触れることが容易となった。

 

前作MVS版の海外リリースが1999年とのことで本作「Ganryu 2: Hakuma Kojiro」は実に20余年ぶりの続編となる。とはいえタイトル画面にはVISCOのライセンス表記こそあれど、リリースメーカー、製作スタッフ共に一切異なり、グラフィックも含めてゲームの雰囲気的にはかなり別物となっている。

ゲームデザイン的にはセガの「SHINOBI -忍-」シリーズの内、90年代にリリースされた「シャドウダンサー」や「ザ・スーパー忍Ⅱ」らの作風に近く、この手の和風アクションゲームが好きであれば申し分なく楽しむことができるだろう。

 

ゲーム内容としてはサイドスクロールアクション一本調子という展開には留まらず、ステージ次第でゲーム展開は柔軟に変化。トロッコに載っての機上戦が繰り広げられたり、大空を駆るサイドシューティング風になったりと意欲的で飽きさせない。

 

ただし、アーケードタイトルの続編という事を意識してか敵配置やステージギミックの構成など全体的に初見殺しポイントが多く見られることから、パターンを記憶した上での攻略要素が強いため一見での難易度はかなり高い。

取り分けSTAGE2や4は面内の大半を強制スクロールパートが占めており、いずれも画面外に落下=即死というシビアさに苦しめられる事は必至。スムーズに突破できなければ、残機をあっという間に失ってしまい兼ねない。

 

一方、致命的とまではいかないまでも懸念点がいくつかある。目立つところではローカライズの残念さが挙げられ、特にステージボス戦前の武蔵と敵勢力の会話シーンに顕著。唐突に敬語が混じったりと口調が安定しない傾向がみられる。

(余談ながら、STAGE 1では”小津”という女性の姿を借りた鬼がボスとして登場する(上画像)がこれは翻訳ミスと思われ、武蔵との関係性からすると小説版を中心とした創作物での登場人物「お通」のことかと思われる。)

 

また、連続稼働時間が長くなるに連れて次第にフレームレートが著しく低下し、挙動がカク付くようになるといった現象を確認している。これについては、ステージ内の木の葉や雪が舞うといった背景演出の動作度合いに顕著なので兆候となる基準の一つとして見ておくとよいだろう。遭遇した場合は無理にそのままプレイ続行せず、一度再起動を行うのがおススメだ。

 

走りながらの連続斬りで敵を蹴散らしながら高速に移動できたりと、全体的にスピーディーで気持ちいいアクション性が本作のウリの1つ。

更に巨大絡繰り装甲のようなユニークなボスも登場したりと、いずれのステージもスリリングでバラエティに溢れており攻略のし甲斐を感じられるはずだ。

ガシガシ動ける和風2Dアクションが好きなプレイヤーは、本作「Ganryu 2 : Hakuma Kojiro」を是非お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 8.0

 

良い点

  • 機動力、爽快感を持ったプレイヤーキャラ武蔵の各種アクション
  • 90年代風2Dアクションテイストに溢れたゲームデザイン
  • クリア済みの範囲内であれば自由にステージセレクトが可能

 

惜しい点

  • ゲームを起動する際に毎回40秒間の長いロードが入る
  • リトライ時は再開地点が現在ステージのACT1の最初からとなってしまう
  • 連続稼働時間が長くなる事で、恒常的な処理落ちが発生する場合がある(ゲームを再起動するまで解消されない)

 

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