Fluffy Horde(もふもふ大群) – プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©RedDeerGames / ©Turtle Juice

 

基本情報

 

タイトル Fluffy Horde(もふもふ大群)
対応機種 Steam,Nintendo Switch 他
販売 RedDeerGames(Switch版)
開発 Turtle Juice
発売日 2023年2月2日(Switch版)
対応言語 英語
備考 日本語非対応
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作品概要

 

「Fluffy Horde」(もふもふ大群)はTurtle Juice開発によるゲーム作品。Nintendo Switch版においてはRedDeerGamesがパブリッシャーを担当。

本作はタワーディフェンスとパズル要素を組み合わせた、サイドスクロール方式のリアルタイムストラテジー。

細胞分裂のように増殖を繰り返しながら大量に押し寄せてくるウサギを相手に、様々な条件を達成して全100ステージをクリアしていこう。

 

リンク:Turtle Juice(Twitter)

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン カーソルの移動
Lスティック カーソルの移動
Lボタン
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 決定,(押しっ放し&移動操作で)カーソルドラッグ&範囲指定
Bボタン キャンセル
Yボタン (ステージ開始前の画面で)メダルの獲得条件を表示
Xボタン (対応ステージで)エリアの切り替え
Rボタン
ZRボタン
+ボタン ポーズメニュー

※携帯モードプレイ時は、Joy-Con操作に加えて画面タッチ操作も可能となっている。

 

ゲームの進め方

ワールドとステージを選択し、Aボタンを押してゲームスタート。

最初に選択可能な「FarmLand」はチュートリアルステージとなっているので、ここで基本的な操作とゲームシステムを習っていこう。

 

今作は、マウスカーソルを使って様々な対象をインタラクトしつつ、各ステージのクリア条件を満たすように進めていく形となっている。

ただし、各ステージでは画面下部の”ウサギ生息数のメーター”が、右方向に振り切らないように、ステージ内のウサギの頭数を増減して調節する必要がある。

 

中には、単にウサギを全滅させるだけでは攻略できないステージもあるので、マップ内にどんなNPCやギミックがあるかもよく確認した上で、攻略方法を考えていこう。

また、メーター下のミニマップでは、ウサギの生息数を含む全域の状況を確認できる(赤い光点がウサギを示している)ので、こちらも活用していきたいところだ。

 

ステージのクリア条件

 

クリア条件はステージによって異なるが、基本的には“エリア全域に出現するウサギを全て倒す”のが目標となる。

また、これ以外のクリア条件として

・プリンセスを友人の元まで警護する

・既定の数の巨大生物、もしくはボスを倒す

といったものがある。

 

Goldを稼ぐ

ステージによっては、金貨(Gold)を稼ぐことが非常に重要となる。

Goldの主な用途としては「傭兵の派遣及び強化」、「特定のギミックの動作」の2つが挙げられる。

 

金貨の主な獲得手段は、農夫や金の卵を産む鳥を雇って収穫を得る、ギミックを利用してウサギを金貨に変える、などがあり、前者はコストとして少量のGoldが必要となる。

 

ユニット

 

以下では、本作に登場する代表的なユニットを紹介。

 

剣士

剣でウサギを撃退する、スタンダードな近接戦闘の駆逐係。

旗を中心に一定の範囲のウサギを自動で蹴散らしていく。

 

弓士

ウサギに向かって少し離れた場所から矢を射続ける、遠隔戦闘の駆逐係。

旗を中心に一定の範囲のウサギを自動で蹴散らしていく。

 

剣士や弓士ら傭兵は何体でも購入でき、最大で3段階の強化が可能。

ウサギたちは傭兵の方向を追随して来るが、ウサギからは攻撃をもらうことはなく、一度呼び出してしまえばやられてしまうことはない。

雇えば雇うほど、強化すれば強化するほどウサギの殲滅力が一段と増す頼もしいユニット達だ。

 

ニンジン

ウサギ達の大好物のニンジン。

ニンジンではあるが傭兵たちと同様、幟の設置ポイントを指定することで、そこに向かって自立歩行で移動することができる。

ウサギに対する強い誘引力を持っており、この効果はGoldを払うことで3段階までの強化が可能。

ウサギの群れを特定の方向へ惹き付けたい時には、必需となるユニットだ。

 

プリンセス

特定のステージでは、バニースタイルファッション(何故?)のプリンセスが登場する。

目印となる幟の頂点部には、王冠の装飾が施されているので一目瞭然だ。

他ユニット同様、移動ポイント指定による自動歩行が可能だが、強化ができないため移動速度は据え置きとなる。

 

プリンセスが登場するステージでは、彼女を傭兵達でエスコートを行いながら”パーティー参加客”(上画像)の元へと向かわせる必要がある。

 

ニンジンやプリンセスは無抵抗

剣士や弓兵と違って、ニンジンやプリンセスは対抗手段を持たない為、ウサギに囲まれると無抵抗のままあっさりと散ってしまう。

特にプリンセスはやられた時点でミッション失敗となるので、ウサギに囲まれないよう攻略を進めていく必要がある。

上記2つのユニットをウサギの群れを押し退けて遠くへ向かわせたい時は、必ず2体以上の剣士や弓兵を護衛として付けるようにしておこう。

ユニットの強化

プリンセスを除く各ユニットは、Goldを追加で払うことにより能力を強化することが可能。

上画像のように、幟の頂点部に示されている「↑」のアイコンにカーソルを合わせて、ボタンを押せば瞬時に強化が完了。

強化は最大3段階まで可能で、戦士や弓兵の場合は1段階アップ毎に攻撃力と移動速度が上昇する。

(強化コストは1段階:25Gold、2段階:45Gold 3段階:60Gold)

 

エネミー

 

以下では、本作に登場する代表的なエネミーをピックアップして紹介。

 

ウサギ

恐るべし増殖力で王国に危機をもたらすウサギたち。放置していると、風車の破壊、穀物の食い荒らしなどの致命的な獣害を被る。

彼らは最恐の敵にして、時にはステージ攻略の鍵にもなる、本作においての”要”とも言えるエネミーだ。

頭数が増えすぎるとステージ攻略失敗となってしまうので、ステージ内のあらゆるものを利用して上手く制御しよう。

 

クイーンマザー

大量のウサギを産み出すと同時に、高い耐久力を持つウサギの女王。

体力ゲージの概念が無く、普通のやり方では倒すことができない。

彼女が生み出すウサギの大群と、地形を利用することで打開策が生まれるかも…。

 

アイススクリーム

アイスクリームのような姿をした巨人。歩行速度はゆっくりだが、風車や公園などの施設への接近を許してしまうと、その巨体が繰り出さすプレスで容赦なく破壊していく。

倒す方法は大量のウサギに身体を齧らせ、溶かしてしまうこと。しかし、ウサギがまとわりついてもご自慢のプレスで一瞬にして葬ってしまう。

これに対抗するには、巨人に向けてけしかけるウサギの増殖を絶やさずに数で圧していくしかない。増殖率がステージ上限をオーバーしないよう、頭数の調節を上手く行おう。

 

カレンドラ

キャンディーツリーの上に拠点を構えて、アイススクリームを召喚し続けるエルフ、カレンドラ。

倒し方はアイススクリームと同じく、大量のウサギを利用して家を食べてもらうことだ。

カレンドラによって召喚し続けられる、アイススクリームの隙間に上手くウサギを誘導して潜り込ませたいところ。

 

利用可能なNPCなど

 

憲兵所

30Gold払うとアイコンに応じて剣士、または弓兵を1体雇うことができる。

購入後にユニットの移動範囲の中央に立つ幟をドラッグし、任意のポイントでボタンを離すと幟がそこに移り、ユニットを設置箇所まで移動することができる。

 

農夫

25Gold払うと、以降Goldを少量ずつ自動で増やしてくれるようになる。

農夫の周囲にウサギが寄ってくるとたちまち穀物を食い荒らされ、機能が一時的に停止してしまうので絶対に近付かせないように。

 

ギミックの数々

 

以下では、ゲーム内に登場するギミックをピックアップして紹介していく。

(※正式名称が公式で特に触れられていないため、ギミックの名称はいずれも仮のものとなります。ご了承下さい)

 

跳ね橋

足場と崖を瞬時に切り替えることができる起死回生の地形型ギミック。歯車アイコンをクリックごとに開閉を繰り返す。

足止めや分断に加え、てこの原理を利用して上に載っているウサギを反動で遠くに飛ばす、といった使い方も可能だ。

また、上記の跳ね橋のように「歯車」のアイコンを持つ各種ギミックは、カーソルを合わせてボタンを押すと、一定のGoldと引き換えにギミック起動の解放を行うことができる。(解放後は自由に利用可能となる)

 

ワームホール

周囲にサークル状の矢印がある場合、付近にカーソルを置いてドラッグすると、矢印の方向へと回転して角度を調節することができる。

波打っている面に向かってウサギが飛び込むと、もう一つのワームホールへと瞬時に移動する効果がある。

 

謎の光

パステルグリーンに輝く不思議な光の筋。この光にウサギが触れると瞬時に増殖してしまう。

こう書くと、一見危険なだけの代物に見えるが、アイススクリームやボス戦などの大量のウサギが切り札となるステージでは、重要なギミックの1つだ。

 

防衛対象となる施設

 

風車

風車にウサギが近寄ると、足元に表示されているゲージが減少。

ゲージが全て失われると風車が破壊され、その場でミッション失敗となってしまう。

減少率は周辺にいるウサギの数に比例するので、傭兵やニンジンを使って近寄らせないように。

 

広場

噴水、滑り台、ベンチの3点セットが特徴的な市民たちの憩いの場。

アイススクリームがこの付近にやってくると足を止め、プレスで集中的な破壊を試み始める。

下に表示されているゲージが全て失われるとミッション失敗となってしまうので、近付かせないようにウサギで足止めしよう。

 

アチーブメント

普通のクリアとは別に、特定の条件を満たしてクリアするとアチーブメントを達成し、メダルを獲得できる。

アチーブメントは”既定の時間内にクリア”、”特定のユニットの使用を〇体までに抑えてクリア”、など様々な内容でステージ毎にそれぞれ3種類ずつ設けられている。

ゲームクリア自体には特に影響を及ぼさないものだが、ステージをやり込んでみたいというプレイヤーは挑んでみよう。

 

プレイ後の感想

「Fluffy Horde」は、急速に増殖を繰り返す大量のウサギを相手に、時には駆逐、時には強敵を倒す武器として利用する、正しくウサギ尽くしのゲーム作品だ。

邦題も直訳ズバリの「もふもふ大群」というゆるいタイトルの本作ではあるが、名前からは想像もつかない苛烈さを持つRTS(リアルタイムストラテジー)ゲーム、といった内容になっている。

 

ストラテジーとは言っても、本作はどちらかと言えばステージ攻略型パズルゲームの色合いが強く、そのステージ数も全100面と相当なボリュームっぷり。

ゲーム自体の内容も、上手く立ち回ることができれば大群を一層出来る、といったカタルシスを得られるゲームデザインも手伝って、中毒性が高い。

 

その上、各ステージには一定の条件でクリアした際に獲得可能な、3種類のアチーブメントが用意されていたりとやり込み要素も充実。

大半のステージにおいては、「〇分〇秒以内でクリア」といったスピードクリア系のアチーブメントが見られるが、本作はその有無に関わらず、普段より素早いカーソル操作とエリア全体の把握が要求されるステージが多いため、プレイそのものはかなり忙しない印象だ。

 

本作の難点としては、解像度の関係か、全体的にキャラクターが小さい印象を受ける点がまず1つ。

特にマウスカーソル、及びオプションメニューや吹き出し上に表示されるテキストは異様に小さく、小型のモニターや携帯モードでのプレイ時には、目を凝らさないと見落とし易い。

 

また、一部のステージではウサギが増殖をし続けて、他のオブジェクト全体が規定値を超えた出現数になった場合、ハングアップしてゲームが動作しなくなるといった現象も確認している。

開発側でNintendo Switch向けに最適化を行うか、もしくは該当ステージで、ウサギが過剰な頭数に到達する前にミッション失敗となるよう、ゲームオーバー判定のバランスの見直しを行うなど、なんらかの形による対応に期待したいところだ。

 

惜しまれるのが対応言語が英語のみで、日本語には対応していない点だ。

ゲームプレイ自体は言語に関わらずに割となんとなくでも進行可能だが、しっかりと楽しみたい場合は、各ステージのルールを知る上で最低限の解読は必要となる。

全面英文で展開する本編のテキストについては、ストーリー要素が一応用意されているので、自前で翻訳可能というプレイヤーは、プレイしながら追いかけてみるのも一興となるだろう。

 

さながら、対戦パズルゲーム「ぷよぷよ」における”お邪魔ぷよ”のように増殖を繰り返し、まるで洪水のように画面中を埋め尽くすウサギ達の光景は、トラウマになり兼ねない程の強烈な印象を与えてくる。

恐ろしくもキュートなウサギ達とたっぷり戯れることが出来る、独特なノリと世界観を持つパズル型ストラテジー「Fluffy Horde – もふもふ大群」を是非お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .0

 

良い点

  • “増殖するウサギ”という強烈な特徴をフルに活用したゲームデザイン
  • 全部で100面から成る大ボリュームなステージ数
  • クリア条件やギミックが多彩で、ゲーム内容も中毒性が高い

 

惜しい点

  • 日本語に対応していない(ゲームプレイ自体には大きな支障はなし)
  • マウスカーソルやテキストフォントのサイズが小さく、小型のモニターや携帯モードでのプレイ時は見落とし易い。
  • ステージによってはウサギの出現数が一定数を超えると、ハングアップして進行不能となる

 

 

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