ブリキの騎士(Feudal Alloy)- プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©2019 Attu Games.
Licensed to and published by Rainy Frog LLC.

 

基本情報

 

タイトル ブリキの騎士
対応機種 Nintendo Switch
販売 レイニーフロッグ
開発 Attu Games
発売日 2023年2月2日
対応言語 日本語,英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,韓国語,ポルトガル語,ロシア語,中国語 (簡体字),中国語 (繁体字)
備考 IARCレーティング:3+
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作品概要

 

「ブリキの騎士」(「Feudal Alloy」)はチェコ・ズノイモのディベロッパーAttu Gamesが開発を手掛けるゲーム作品。Nintendo Switch版ではレイニーフロッグがパブリッシングを担当。

本作はメトロイドヴァニアスタイルの探索型2Dアクションゲーム。プレイヤーは農業ロボットのアッツとなり、村からエネルギー源であるオイルを強奪した「ロボット盗賊団」の足跡を追って冒険へと繰り出していく。

 

“合金達による封建社会”といったニュアンスの原題から、作中の舞台は中世風の装いにして生身の生物が一切登場しない”ロボット達”が主役の世界として描かれているのが特徴。手描きイラスト風の滑らかなゲームグラフィックと牧歌的なBGMが特徴で、ベースは2Dアクションながらも不思議なプレイ感覚を味わうことができる。

 

リンク:Feudal Alloy(公式サイト)

リンク:Attu Games(X(Twitter))

リンク:Rainy Frog(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上ボタン 爆弾の切り替え
下ボタン マップの表示
左ボタン オイルの変更
右ボタン 冷却材の変更
Lスティック 移動
Lボタン オイル使用
ZLボタン カラー切り替え
-ボタン 操作リストの表示

 

JOY-CON(右)
Rスティック (上下)カメラ操作
Aボタン 爆弾使用
Bボタン 戻る
Yボタン 攻撃
Xボタン 特殊攻撃
Rボタン 冷却材使用
ZRボタン ダッシュ
+ボタン ポーズメニュー

 

基本アクション

 

Yボタン:剣攻撃
下入力中:しゃがみ
Bボタン:ジャンプ

操作キャラクターであるアッツの基本アクションは以上の3種類。これに加え、ゲーム内で別途モジュールを入手する毎にアクションが追加されていく。

 

オイルと冷却液

画面左上に表示されるオイル残量、及び体温を示すメーターは、他作品で言うところのライフとスタミナに相当するパラメーターだ。オイル残量は敵から攻撃を受ける毎に減少、ゲージが全て尽きた時点でアトゥの身体は忽ちバラバラになってしまう。

 

一方、温度計は各アクションを使用する毎に減少、緑、黄、赤の3段階で示され、赤いメーターを振り切ると全身から煙を吹き出し始め攻撃を行うことができなくなってしまう。他にも、高熱が常時発生している特定のエリア(画面全体が赤く表示されるエリア)では立っているだけで急激に温度が上昇する関係で、アクションを封じられてしまう。

 

これらの回復を補うアイテムがオイルと冷却液だ。立ち状態且つ各系統アイテムが1つ以上ある状態の時、RボタンでオイルをLボタンで冷却液をそれぞれ使用することができる。

回復量が少量のものと通常のもの、といった具合に同じ系列で効果量が異なるアイテムを持っている場合は、左キーでオイル、右キーで冷却液を瞬時に切り替える事が可能。

 

オイルの回復効果は服用直後からゆっくりと反映されるため、即時の回復には向かない。致死量の大ダメージを負った場合は、効果が行き届く前にそのまま力尽きてしまう場合がある点には注意が必要。

 

冷却液の効果中は上画像のようにゲージが凍り付き、一時的に体温メーターが変動しなくなる。効果が切れるまでの間は体温が上昇する各アクションが使い放題となるので、時間分も余すところなくきっちりと活用していきたいところ。

特に、上述の高熱発生エリアにおいては短い時間ながらも各アクションを使うことができるようになるので、手持ちの各種冷却液に余裕があるなら迷わず使って行こう。

 

レベルアップ

敵を倒す毎に経験値ゲージ(上画像)が上昇し、ゲージが一周する毎にスキルポイントを1ずつ獲得。+ボタンメニューのスキルツリー画面上でポイントの割り振りを行える。

 

スキルツリーは大まかな分類で基礎攻撃力、防御性能、冷却機能の3つのカテゴリ毎に樹の形で描かれており、それぞれ下から上に向かって順に強化することができる。極力1つのカテゴリに絞って育成していけば、早い段階で強力なスキルを覚えることも可能。

ただし、一度割り振ったスキルポイントは元に戻すことができない点には注意が必要だ。

 

装備アイテム

装備用アイテムは剣、頭、胴、腕、脚の計5種類の部位で構成。装着中のオイル、冷却液、爆弾の種類も併せて確認できる。

画面左側のインベントリ欄から装着したいアイテムを選んでAボタンで反映。

 

5タイプの各装備品には「ダメージ」、「オーバーヒート温度」、「冷却スピード」などの中から最大で2種類のオプションが付与されており、それぞれの効果量の大きさは『●』の数によって示される。

オプションの種類についてはプレイスタイルに応じて適したものを自由に選んでOKだが、全体的にタフな敵が多く見られることから筆者的にはダメージに特化した構成をおススメしたいところ。

 

モジュールと追加アクション

モジュールメニューではマザーボード風のインターフェース画面上に、入手済みのモジュールとその効果、各アクションの対応ボタンが一律に表示される。

以下ではモジュールで追加されるアクションの一部を紹介。

 

爆弾の使用と切り替え

Aボタンでは爆弾を使用。短く押すとその場に投下し、Rボタン長押しで構え中にLスティックを操作して投げる角度を調節後、ボタンを離すと投げることができる。

 

オイルや冷却液のように、爆弾にも対象の体温を低下する冷却グラス、炎上ダメージを付与するモロトフ、電気ショックを与えるショック爆弾など異なる効果を持った複数のタイプがあり、それぞれ上キーを押す毎に切り替えることができる。普通の攻撃が通じにくい、と感じた相手にはこれらの爆弾を試してみよう。

 

ダッシュ

ZRボタンで発動。空中使用可。追加モジュールによって攻撃判定が伴うようになる。

一度の発動で温度計が著しく上昇するため、連続使用には向かない。

 

カラーの切り替え

 

Lキーを押すと剣がカラー(特定色のオーラ)を纏った状態となり、同色特定の扉を剣攻撃で破ることが出来るようになる。カラーには赤と黄の2種類が存在するがそれぞれが異なる扱いとなっており、対応モジュールの入手が別途必要。

 

モジュールの入手について

モジュールはいずれもコゲ茶色の箱から入手できることがある。

中には攻撃用のアクションも含まれるが、そのいずれもが冒険における新たな活路を拓くアクションばかり。全エリアをくまなく探してみよう。

 

プレイ後の感想

「ブリキの騎士」は中世と古典的なロボットテクノロジーを組み合わせた独特な世界観で展開する探索型の2Dアクションゲームだ。素朴で落ち着いた色合いの絵本的なグラフィックが特徴で、主人公のアッツをはじめ各NPCや敵キャラクター共々実にイキイキと動きまわる。

 

操作キャラクターに纏わるパラメーター部分では近代的なアクションゲーム要素も観られ、オイル(ライフ)と体温(スタミナ)のリソース管理は非常に大事なポイント。特に体温に関しては危険域に達すると画面上のアッツが全身から煙を吹き始めると同時にコントローラー側の振動機能が働くため、その緊急性が視覚的にも感触的にもダイレクトに伝わり易い。

 

強化要素にはレベルアップ後にポイントを割り振るアップグレードシステムを採用しており、機能面での向上を段階的に図る事が可能。また、冒険中に随時入手できるモジュールを通じて多様なアクションを身に着けていくアッツだが、それらとは別に基礎アクションの1つである空中技「下突き」は攻撃判定が頼りなく、戦闘時においては使い心地が悪いのが少々気になったところ。

サブウェポンである爆弾についても扱いには独特のクセを持ち、”前方に向かって投げたい”と思った場合、例え僅かな距離であっても一旦ボタンをホールドして投擲モードに入る必要がある点には特に注意が必要。

ボタンを短く押した場合は爆弾の種類を問わず、漏れなく”足元にポトリと落とす”といった軌道になってしまうこの仕様に筆者はいつまで経っても慣れず、本編クリア後の現在であっても頻繁に誤操作をやらかしてしまう始末だったりする。

 

また、マップ機能の視認性の酷さも目に付く点だ。その主な要因に、”精確な現在位置を確認できない”、”実際のエリアの構造や繋がりとマップ上の表示が微妙に異なる”、といった点が挙げられる。こうした問題点に関しては、マップに手描き風のデザインを起用した事による”図面形状のアバウトさ”による影響が多分に見られる。

他にも厄介なのが「鍵」と「扉」に関する管理で、作中に登場するその組み合わせは実に十数種類。鍵と扉の区別はカナやアルファベットのような判り易い文字ではなく、”独特なデザイン”の記号による文字列で示され、一度使用した鍵は手元から消えてしまうという仕様だ。

これに対してマップ上には扉のあるエリアだけが漠然と記されるのみで、プレイヤー側で整理出来ていない場合は鍵の入手状況や使用状況の把握が困難となってしまう。これらの点を含めると、プレイ中は地図の見辛さに思わぬ苦労を負う事にもなり兼ねない。

 

一方でアクションゲームとしての難易度は並といったところで、攻略においては序盤が最も厳しく、アクションやパラメーターが充実に向かう後半へと進むにつれて徐々に快適になっていく傾向にある。

道中では剣を駆使した一般的な攻撃が通る敵に加えて、爆弾攻撃やパリィからのカウンター攻撃など”特定の攻撃でのみダメージを与えることができる”敵が混在していたりと少々厭らしい部分も見られる。

 

全体を通してプレイ中は被弾一発分辺りのダメージが高い印象を受けるが、アイテムの所持数上限が比較的高い点を利用した”オイルのがぶ飲み回復”による力押しな突破も可能なので、攻略上の不安がある場合は各種消耗品を買いこんで挑んでみるといいだろう。

クラシカルなデザインのロボットやオーソドックスな探索2Dアクションが好き、という方は本作「ブリキの騎士」を一度お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 6.5

 

良い点

  • 全編フルイラストで作り上げられた滑らかなアニメーションによる触り心地の良いアクション
  • 牧歌的な舞台でありながら、登場キャラクター全てがローテクなロボットという独特の世界観
  • しっかり遊べるゲームボリュームに比べて、低価格でコストパフォーマンスに優れる

 

惜しい点

  • 同じような景観が続くため、ステージの見た目の変化に乏しい
  • 空中で繰り出せる下突き攻撃の判定が弱く、攻撃用途に使うのが難しい
  • 踏破済みエリアの表示の分かり辛さや、マーカーシンボルに関する説明が一切なかったりとマップ機能の使い難さが目立つ

 

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