探光エスパシオ(Nintendo Switch版)- プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©jellyjelly 2020

 

 

基本情報

 

タイトル 探光エスパシオ(Espacio Cosmic Light-Seeker)
対応機種 Nintendo Switch、他
販売 PLiCy
開発 ジェリーゼリー
発売日 2020年12月10日(Switch版)
対応言語 日本語 / 英語(※北米版)
備考 IARCレーティング:3+(※日本版)

ESRBレーティング:10+(Mild Language,Viorent References,Crud Humor)(※北米版)

 

作品概要

 

「探光エスパシオ」(Espacio Cosmic Light-Seeker)は個人サイト「ジェリーゼリー」管理人である、”かりこ”氏の個人製作によるゲーム作品。Nintendo Switch版パブリッシングをPLiCyが担当。

本作は会話とコマンドベースの探索型アドベンチャーゲーム。入場の度に形が変わるヘンテコな宇宙を相棒のセルラと探索し、光を見つけて脱出しよう。

 

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元々は2019年より個人サイトにて公開されたWindows、及びandroid用のフリーソフトが原作であり、Nintendo Switch版は新規追加要素を含めた移植版となる。

PLiCyの公式サイトではブラウザ版がプレイ可能なので、「とりあえずどんな内容か気になる」と言う方はお試し感覚でプレイしてみるのも良いだろう。

 

リンク:探光エスパシオ(「ジェリーゼリー」内)

リンク:<かりこ>の更新情報(X(Twitter))

リンク:PLiCy(X(Twitter))

 

操作方法

 

(Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 項目選択
Lスティック
Lボタン 会話ログ表示
ZLボタン
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 決定
Bボタン キャンセル
Yボタン マップを見る
Xボタン アイテム欄を開く
Rボタン テキスト早送り
ZRボタン
+ボタン ゲーム開始、メニュー呼び出し

 

 

準備をする

ゲーム開始前に、まずは「準備をする」を選んで、相棒のセルラの外見をカスタマイズしてみよう。

タイプではヒト、ケモノ、ロボ、ヤサイ、ブッタイの5種類の中から種族的な外見を選択することができる。ブッタイ以外はパーツが比較的豊富なので、キャラメイクが好きなプレイヤーであれば触り甲斐が生まれるだろう。

 

それ以下の項目は上から順に各部位のカスタム項目となっているが、いずれも初期状態のものを除けば、冒険を通じて獲得できる「お金」がないと購入することができない。

新たにゲームを始めるという段階でここを覗いた場合は、ひとまずどんなパーツがあるのか一通りチェックして、優先的に欲しいものをあらかじめ確認しておくと良いだろう。

 

冒険を始める前に

名前を入力後、「銀河選択」で開始ステージを選択。新規ゲームでは1つ目の「ハジメテ銀河」のみを選ぶことができる。

選択可能な内、最新のステージをクリアする毎に次のステージが—、といった具合に数字順に開放されていくので、どんどん攻略していこう。

 

続いて、出発前に「今の気分に当てはまる言葉」を25種類の中から3つ選んで+ボタンで決定。

ここで選んだ組み合わせは、なんでもダンジョン生成に影響するのだとか?

 

ゲームシステム

 

プレイヤーの目的

プレイヤーの目的は、宇宙のステージ内の何処かにある「光」(=出口)を求めて散策することだ。

各宇宙は15×15マスの碁盤状の構造になっており、1マス進むごとに一定量の「体力」を失う。

ステージ毎に一歩毎の体力減少値は定められており、0になるとゲームオーバーだ。

ただし、所持金の半分を支払うと、体力が100の状態でその場で復活することができる。

 

マップを確認する

入場直後には、まずXボタンで表示される「マップ」機能(下記参照)を利用して、周囲の状況を確認してみよう。

マップでは現在地と既に歩いた部分、ヒントがありそうな場所がそれぞれ示される。

マップ上の「」以外のエリアは通れない場所や、マイナス効果が発生するイベントが多く見られるので、なるべく✧をなぞるようにして歩いていくのが危険も少ない。

同じステージでも入場毎に構成要素が変化する”ランダムマップ仕様”により、闇雲に歩き回ると様々なトラブルに巻き込まれる可能性があるので、おススメはし難い。

 

セルラに相談する

冒険で困った状況に陥ってしまった— そんな時はBボタンを押して、セルラに相談してみよう。

 

セルラとの相談で利用できる機能は「回復」「会話」の2つ。「回復」を選んだ場合は、セルラの魔法で体力を回復してもらうことができる。(最大3回まで)

初期状態での回復量はわずかだが、「準備をする」メニューの「ショップ」を介してお金と引き換えに効果量を強化することができる(強化段階毎に価格は上昇)ので、必要であれば強化しておこう。

 

「会話」を選んだ場合は、項目名通りにセルラが話しかけてくれる。

特に役立つことを言ってくれるわけではないが、セルラの言葉は不確定要素だらけの各宇宙を探索するプレイヤーにとって、不安を紛らわせる何よりの励ましとなるだろう。

 

宇宙の生命体との会話

ステージ内の各マスでは、移動毎に様々なキャラクターや事象に遭遇するといったイベントが発生する。

✧のあるマス目のイベントでは光がある場所にまつわるヒントが与えられたり、対象が商売を行うキャラと遭遇した場合は交流や買い物をする、といったことが可能だ。

また、本編プレイ中は確認できないが、各キャラクターには「好感度」のパラメーターが存在しており、「買い物をする」、「何かあげる」、「何か話す」などの好意的なアクションを積極的に起こすことで。少しずつ上昇させることができる。

 

ゲーム内に登場するキャラクターは数十種類。一度でも遭遇したキャラに関しては「キャラクター図鑑」で確認できる。

図鑑では、各キャラの簡単な紹介と好物が記されており、上記で触れている「好感度」もここでのみ確認が可能。

また、キャラクター毎の「好感度」が一定値以上に到達することで、外見をA、B、Cの中から切り変えることができるようになる。(基本スタイルはA)

 

アイテムを使用する

特定のマスで突然発生するイベント場面では、NPCとの交渉や危険回避のために、アイテムを使うことが許される。

ただし、アイテムの所持数には上限があり、合計で12個までしか持つことができない。同じアイテムはスタックすることはできず、1個につき1枠といった扱いになるため注意。

回復効果のあるアイテムは1つでも多く温存したいところではあるが、上限が近い場合は持ちきれなくなる前に早めに使ってしまおう。

 

中には、こんなミニゲームを遊ぶことができる変わり種アイテムも。

上画像は「おモチたたき」というミニゲームで、ルールはもぐら叩きそのまま。良いスコアを出すと、何かいいことがあるかもしれない?

 

 

脱出~ステージクリア

無事光の下へと辿り着き、セルラに見送られることでステージクリアだ。クリアに伴いリザルトが表示され、経過ターン数や残り体力などの成果に応じたスコアが加算される。

また、1度も力尽きずにクリアすると、クリアボーナスとして追加でお金を獲得。ノーミスクリアの場合は、ステージ選択画面でのクリアマークが☆から★へと変化する。

全ステージパーフェクトクリアを目指すのであれば、常に堅実な攻略に努めよう。

 

探索のコツ

 

以下では、探索の途中で力尽きないようにするためのコツをいくつか紹介。

 

攻略情報に目を通しておく

一度体験したイベントの内、体力の減少に関わるものについては、タイトルメニューの「準備をする」から、「攻略情報」を確認できるようになる。

各攻略情報には、イベント毎に対策のアドバイスや有効なアイテムが一覧で表示されるなど、要点だけが短いテキストで簡潔にまとめられている。

内容をいつでも確認できるようにメモしておくと共に、必要なアイテムをあらかじめ備えるようにしておくことで、同じイベントに遭遇した際に有効的に立ち回れるようになるだろう。

 

体力が一定値より高い状態を保つ

体力回復のイベントや、回復効果があるアイテムの種類は比較的多いので、これらの機会に遭遇した際は出し惜しみせず回復を行っておこう。

「体力ならまだ十分ある」と気を抜いていると、唐突にマイナス効果のイベントの遭遇によって体力を著しく消耗し、一気に風向きが変わってしまった— なんてことも十分にありえることだ。

非常事態時でも対応できるように、体力は少なくとも60以上キープを普段の目安にしておきたい。

 

既に歩いた部分を活用する

一つの宇宙を探索中に、一度発生したイベントはプラス系、マイナス系を問わず二度と起こることはない。

この特徴を利用して、元来た道を引き返す必要がある状況に陥った際は、一度通った道を歩いていくようにすることで、必要以上に体力を減らさずに安全に戻ることが可能だ。

 

プレイ後の感想

ここまで紹介してきた通り、「探光エスパシオ」はテキスト&コマンドベースの探索アドベンチャーで、古くは80年代のPCアドベンチャーゲームの様式に倣ったシンプルなシステムとなっている。

モノトーンを基調としたゲーム画面やアンビエントなBGMにより、全編に渡って落ち着いた雰囲気を醸し出しており、ワンプレイは僅か数分と手軽に遊び易い点が好印象なゲームデザインだ。

 

本作で各宇宙を共に探索する相棒のセルラは、常にプレイヤーの傍にいてヒントをくれたり、時には回復役として助け船を出してくれたりと、精神的支柱とも言うべき存在だ。

例え様のないヘンテコな宇宙を彷徨う中、ようやく発見した光(出口)を前に別れ際まで優しく話しかけてくれるセルラの献身は、実に胸に来るものがある。

次第に不穏さを増していく本編内での展開も含め、先のステージに進めば進む程、その気持ちはより強くなるだろう。

 

ヘンテコな宇宙と紹介文に記載するだけのことはあり、探索の途中、地上での概念がまるで通じなさそうな不思議な存在や現象が多数登場する。

筆者のお気に入りは上画像のシーンに登場する「野生のうどん」で、初遭遇時では丼に盛られたうどんと、それをごく自然と紹介するセルラによる”えも言われぬ”不思議なやり取り(?)が展開。

 

また、各宇宙で登場する生命体たちは何らかの形でコミュニケーションを図ろうとするところからも、各々がパーソナリティを持ち、少なからず知性も有しているであろう、といった点でも侮れない。

見た目からして”明らかに生物的ではない”者も中にはおり、「一体その外見のどこに口があるんだ?」というプレイヤーの疑問を他所に、登場する存在のほとんどが言葉を用いたコミュニケーションを平然と交わす様はどこかシュールでさえある。(最もプレイヤーに対して、というよりは会話の相手は専らセルラであるようにも思える)

 

ヘンテコな宇宙を光を求めて、相棒と一緒に散策するおさんぽアドベンチャー「探光エスパシオ」。

それぞれが意思を持った、”どこかふしぎでゆるい感じ”のキャラクターがたくさん登場するのも本作の見所の一つ。

かわいいキャラや世界観が好きな方は、是非お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 7.0

 

良い点

  • ブラウザベースのシンプルなゲームデザイン
  • かりこ氏のテイストが盛り込まれた、ヘンテコ宇宙に棲む独特なキャラクター群
  • 最初から最後までサポート役として、プレイヤーを献身的に支え続ける相棒セルラの存在感

 

惜しい点

  • 新規となる追加要素こそあるが、内容面では完全フリーのブラウザゲーム版と大差はない
  • セルラの外形カスタマイズにあたり、他4種に比べてブッタイのパーツバリエーションが少な目
  • そのままプレイしているだけでは同じNPCに何度も会うことが難しく、各キャラの好感度上昇には異様に手間がかかる(アイテムによる救済はあるが、購入費用が嵩む)

 

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