エリュシオン ~魔王ベールを倒す唯一の武器、聖剣エリュシオンの封印を解け!

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タイトル エリュシオン
対応機種 ファミリーコンピュータ
販売/開発 東京書籍/システムソフト
発売日 1988年10月27日
対応言語 パッケージビジュアル及びキャラクターデザイン担当に魔夜峰央氏を起用

 

 

©1988 TOKYO SHOSEKI

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Presented by System Soft

 

 

 

聖剣を巡るオーソドックスなファンタジーアクションRPG、キャラクターデザインは魔夜峰央氏が担当

 

「エリュシオン」は東京書籍が贈るファミリーコンピュータ用タイトル。オーソドックスな見下ろし型+フィールド&ダンジョン形式のアクションRPGで、キャラクターデザインに「翔んで埼玉」、「パタリロ」等の著者、魔夜峰央氏を起用している点が印象的だ。

 

 

それぞれ性能が異なる4人のキャラクターから、1人を選んで冒険スタート

 

「エリュシオン」では新規でゲームを開始する際、4人のキャラクターから1人を選択する。本作では途中でサポートキャラが参戦することを除くと、基本的に一人旅となる。

各キャラの性能差はレベルアップ時のパラメーターの伸びや、得意な武器などの部分に影響しており、中には魔法が得意なキャラクターもいる。まずは4キャラを一通り触ってみて、戦いやすいと感じたキャラで始めてみると良いだろう。

 

プレイヤーの各能力についてはステータス画面でいつでも確認が可能だ。

攻撃力と守備力については装備品を更新することで上昇。それ以外のパラメーターはレベルアップ毎に少しずつ上昇していく。次のレベルまでの必要経験値が気になった時はエリュシオン城で教えてもらえるので、必要に応じて立ち寄ってみよう。

 

取り分け本作ではアイテムの”重さ”の概念が重要で、各装備品の重量が自キャラの許容数値を上回る場合は装備自体が不可能となる。いかにも軽装といった見た目の装備品は重さも控え目で、戦士タイプのキャラではない場合でも装備品に組み込みやすい。

重量的にどうしても持ち運べないものを拾ってしまった場合は所持アイテムを整理して重さを減らすか、もしくは拾ったアイテムを放棄していくしかない。こういう事態を防ぐためにも重量と所有アイテム数には常に余裕をもたせることを心掛けておきたい。

 

 

 

ほぼ直感で利用できる操作方法と緻密なアクションで構成された8種類のコマンド

 

以下では「エリュシオン」の操作方法を紹介していこう。

 

操作方法

 

十字キー 移動
Aボタン 武器攻撃/決定
Bボタン メニュー呼び出し
STARTボタン
SELECTボタン “そうび”メニュー内項目の選択

 

十字キーでプレイヤーをそれぞれ上下左右へと移動することが可能。

本作の移動と戦闘に関しては準ターン方式がとられており、プレイヤーキャラが移動すると同時にエリア内のモンスターも同じ分移動する。敵を避けて移動したい場合でも、一度操作の手を止めて考える時間を持つことができるのはとても有難い。

 

Aボタンで武器による攻撃を発動。

遠隔攻撃が可能な弓や特殊武器のニードル以外の武器による攻撃はいずれも近接攻撃となり、それぞれリーチはあまり長くはない。そのため、これらの武器で攻撃を行う場合は敵相手にかなり密着する必要がある。

近接戦闘時はプレイヤーと敵、交互にアクションを行う。ひとたび相手に攻撃を仕掛ければこちらも等間隔で攻撃を受ける事になるため、自キャラのHPの管理は重要だ。

 

Bボタンではメニューの呼び出しが行える。以下の8種類のメニューから選びAボタンで決定。それぞれのメニューの効果は以下の通りだ。

 

つよさ ステータスを表示
まほう 所有魔法を表示
そうび 所有アイテムを表示
よむ 装備中の巻物の内容を表示(要まきもの装備)
しらべる 前方のオブジェクトを調べる
のむ 泉の水を飲む(泉に重なる必要有)
あける 前方の扉を開く(要カギ)
はなす 前方の人物と会話(特定のNPC限定)

 

「のむ」というコマンドが目を惹くが、これはダンジョン内で泉を発見した際に、泉にキャラを重ねてから使用することで泉の水を飲むことが出来るコマンド。泉の水には体力回復効果があるので、激戦区においてはオアシスのような存在に感じること必至だ。

 

 

モンスターを倒してもお金が手に入らない?作中の通貨、ゴールドの獲得の手段は―

 

本作での通貨単位はゴールドで、以下の方法で入手が可能となっている。

 

1.宝箱から入手

2.アイテムを換金

3.各宿屋でギャンブルで勝利することで入手

 

一般的なRPGのようにモンスターを倒す事ではお金を手に入れることができないため、所持金を増やすには上記3つのいずれかの手段を経てゴールドを獲得する必要がある。終盤で比較的高額なアイテムを購入する局面が登場するので、レベリングを行いつつ資金を蓄えておきたい。

 

アイテム売却による換金ではポーション類が比較的買い取り額が高いので、見かけたらなるべく回収して換金していくのも一つの手段。上画像のジェムストーンのような換金専用アイテムも存在するので、手に入れたら売却して換金しよう。

「エリュシオン」ではアイテムを持ち歩ける数は最大21個までとあまり多くない上に、ゲーム終盤にもなると回収した重要アイテムが大半を占めてくるため、捨てることもできず逼迫しがち。取り分け作中のヒントを記した”巻物”が曲者で、これらは全部で10巻存在するがそれぞれ1つのアイテム扱いになっており、重要アイテムや装備品などとインベントリを共有することになる。そのため巻数が増えていくほどそれら全てを所有して持ち歩くのは次第に厳しい状況になってくる。

 

巻物はエリュシオン城の王妃の下に持っていくことで預かってもらえる。(※一度預けてしまうと返却は不可) 預けた巻物は王妃を通じて読み返す事が可能なので、所有アイテムがいっぱいになる前に、早い内に献上してしまおう。

 

宿屋各所ではギャンブルをすることが可能で、勝てばゴールドを増やすチャンス。とはいえ基本的には運頼みとなるので、これにばかり頼るのは厳しい。金策に利用するよりは、娯楽要素の一環と割り切る方が楽しむことができるだろう。

 

 

洞窟を通じて他エリアへと移動 聖剣の3つの宝珠と、魔王打倒のヒントを記した10巻の巻物を探し出そう

 

「エリュシオン」本編の旅の主な目的は3つ。1つ目は魔王ベールの打倒。2つ目は聖剣の力を開放するために必要な3つの宝石を探し出すこと。3つ目はエリュシオン1世が書き遺した全10巻の巻物を探し出すことだ。

 

10巻ある巻物については冒頭、王から授かる試練を通じてその内の2巻の巻物を得ることができるため残りの8巻からが収集の本番となるが、強敵を倒して手に入れる場合もあれば平然とお店で売られていたりする場合もあったりと、その入手手段は様々だ。

 

巻物も3つの宝石もその在処については、作中ヒントが少ないため全てを揃えるのは困難を極める。入手したポイントは極力メモを取るようにした方が良いだろう。

 

巻物の行方は宿屋で手がかりを得られることもあるので、小まめに宿泊して店主から話を聞き出してみよう。

 

エリュシオン島の城の前からゲームはスタートするが、この島自体は本作の舞台の一部に過ぎず、各地にある洞窟を通じて別の地域へ繋がっている。広範囲に渡っているので、洞窟同士の繋がりをよく覚えておきたい。

 

 

 

 

妖精や聖獣の登場で、物語のスケールも次第に大きくなってゆく。果たして、魔王ベール打倒の旅の結末は―?

 

 

地味ながら手堅く基本に忠実な造り。マイナータッチなアクションRPGタイトルを楽しみたい方に

 

「エリュシオン」はキャラクターデザインに魔夜峰央氏を起用している、という一点以外は話題性が薄い地味目なタイトルだが、実際にプレイしてみると洗練さにはやや欠けるものの、基本に忠実なアクションRPGだと感じることができる。魔王打倒の武器である聖剣の封印を解く方法を探す という道筋も王道で心地よい。

難点は、基本攻撃アクションに爽快感が薄い点。この手のアクションRPGでは通常攻撃である程度一般モンスターを倒しやすいバランスである方が好ましいが、本作は序盤からごく一部の武器を除いて大きなダメージを与えにくく、このパワーバランスの拙さが戦闘においてのストレスとなり得る場合も。更に、本作の魔法による攻撃は非常に有力である反面ポイントを消費しやすいため多用がし辛く、不要な戦闘を避ける消極的なプレイスタイルに追いやられ易い。

また、スタート地点となるエリュシオン島以外のフィールドでは景色の変化に乏しく、エリア間の繋がりや現在地が少々把握し辛いのも難点となる。方向感覚に自信がないというプレイヤーの方は、ゲーム進行中は簡易でもいいのでマップを作成しながらプレイすることを推奨する。

 

システム面は本作以前に発売されたRPG作品に登場したもののいいとこ取りといった作りで、操作面での複雑さも無い。特に迷うことなく直感操作でプレイすることが出来るだろう。「ゼルダの伝説1」や「聖剣サイコカリバー」のような見下ろし型タイプのアクションRPGを嗜む方は一度手に取ってみて頂きたい。

 

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 6.0

 

良い点

  • キャラデザインに魔夜峰央氏を起用した新鮮味
  • レベルアップのテンポが良く、集中してレベリングすることでサクサク上がる
  • システム面で手堅くまとまった正統派なアクションRPG

惜しい点

  • フィールドの景色の変化に乏しく、エリア間の繋がりが若干複雑で迷いやすい
  • 後半に入ると一部エリアで敵の強さが極端に上昇
  • ステータスと得意武器以外の面で主人公選択の必要性を見出しにくい

 

 

 

 

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