©1988 SETA
©THINKING RABBIT
基本情報
タイトル | 8 EYE’S(エイトアイズ) |
対応機種 | ファミリーコンピュータ |
販売/開発 | セタ/シンキングラビット |
発売日 | 1988年9月27日 |
備考 | 2人同時プレイ可能(※2P側は鷹のカットラスを操作) |
作品概要
「8 EYE’S(エイトアイズ)」はセタ販売、シンキングラビットが開発を担当するファミリーコンピュータ用ゲーム作品。
内容は19世紀大英帝国が舞台のサイドビュー形式2Dアクションゲームで、準男爵ボンド卿が鍛え抜かれた剣技と愛鷹カットラスを武器に西欧諸国を渡り歩き、ルース盗賊団を相手に全8ステージを攻略していくのが本作の目的となる。
ストーリー
(※説明書より要約)
舞台は19世紀、保護領であるオスマン・トルコの治安回復に力を尽くさんとする大英帝国。
発見されたばかりの遺跡発掘に派遣された大英博物館の学術調査隊が、盗賊団の急襲を受け全滅。出土品の一切を強奪される事件が発生した。
同じ頃、ロンドンの王立紋章院においても出土品、発掘日誌などが持ち去られており、この一連の事件は悪魔崇拝の女盗賊で知られるルース・グランディエ率いる一団の仕業であると判明。彼らの邪法の阻止を目的に一人の人物が派遣された。
剣技に長けた紋章付武官にして第十七近衛連隊少佐、準男爵ジュリアン・ジェイムス・ボンド卿―
任務を受け、卿は佩刀マザーグースと愛鷹カットラスを武器に、単身バルカン半島へと潜入を開始する―。
ゲームルール
本作では2人同時協力プレイが可能で、1人用モードではボンド卿とカットラスの両方を操作、2人用モードでは1プレイヤー側がボンド卿を、2プレイヤー側は鷹のカットラスを操作する方式だ。
カットラスのアイコンを操作してプレイ人数を選択後、アクションゲームではあまり聞きなれない英単語だが「INITIATE」(開始)を選ぶことでゲームをスタートすることができる。
ゲーム序盤では7つの国のステージから1つを選び、順次攻略していく仕組みになっている。
中心に表示されているルース館を除いてどの国からでも自由な順番で攻略が可能だが、プレイに慣れない内はステージ毎に体感の難易度がかなり変わるので、比較的難易度が低いインドから攻略するのをオススメしておきたい。
ステージ選択画面中、SELECTボタンを押すとこれまでに入手した巻物(後述)の内容と現在使用中の剣が表示される。巻物はゲーム終盤の謎を解くためのヒントとなっている。必ずしも全部を集める必要はないが、より正確な解法を得るためには可能な限り回収しておきたい。
挑戦するステージを決定後、攻略対象となる建造物の正門前へと切り替わる。脇にあるレバーを操作して扉を開き、屋内へと潜入。ここからいよいよ本格的にゲームスタートとなる。
操作方法
(※以下は1人用モードにおけるボンド卿の操作方法)
十字キー | 移動/(上キー)階段上り、扉に入る/(下キー)階段下り、しゃがむ |
Aボタン | ジャンプ/(Aと上を同時押し)サブウェポン使用 |
Bボタン | 剣攻撃/(Bと上を同時押し)カットラスの飛翔/帰巣指示 |
STARTボタン | アイテムメニュー |
SELECTボタン | (ステージセレクト画面時)集めたヒントを表示 |
アクション
ジャンプ:Aボタン
Aボタンでジャンプアクションを繰り出せる。ボンド卿のジャンプは多少の空中制御が効く反面、高度はあまり高い方ではないためこれ一つで攻撃を回避するのは中々にシビア。それを踏まえてもなお重要なアクションだ。
剣攻撃(突き):Bボタン
Bボタンで愛刀マザーグースによる突き攻撃を行う。攻撃判定は小さめで、このアクション一本であらゆる局面を乗り切るにはやや心許ない性能。そのため戦闘においては剣攻撃を基軸に、他のアクションを上手く絡めながら立ち回る事が何よりも重要となってくる。
サブウェポン
十字キーを上に入れながらAボタンを押す事で、選択中のサブウェポンを放つことができる(要Itemゲージ)。短剣、ブーメランなど全部で6種類あるサブウェポン各種は道中の特定の敵を倒す事で手に入れることが可能。
本作ではサブウェポンも単体では若干心許ない性能のものばかりで、そんな中でかろうじて使い勝手がいいのが上画像の白いオーブ。ゲージ消費が大きく利用コストは高めだが、命中した敵の動きをわずかの間止めておくことができる強力な効果を持ったアイテムだ。作中、大半のボス戦においてこれを利用した剣攻撃連打によるゴリ押し戦法が比較的有効となるので、毎回率先して入手しておきたい。
鷹(カットラス)を使ったアクション
ボンド卿自慢の剣技や一部の敵から入手できるサブウェポンの利用に加え、本作でもう1つ重要となるのが相棒の鷹カットラスの使い方だ。
十字キー上とBボタンを同時に押すと、カットラスを飛び立たせることができる。この状態から十字キー下とBボタンを同時に入力することで、斜め下前方へと急降下させて攻撃することが可能だ。カットラスの飛翔/帰巣指示は地上だけでなく空中でも可能で、入力した高度次第ではより高い場所で飛行状態にすることもできる。
高度があり過ぎる場所のレバー操作や、壁に覆われている場所に隠されたアイテムなど、ボンド卿の剣アクションではどうやっても届かないようなシチュエーションに遭遇した時は、カットラスを上手く飛ばせて急降下アタックを試みてみよう。
飛行を止めさせてカットラスを肩の上に待機させたい時は、もう一度Bと上キーの同時押しをすることで戻らせることが出来る。特に理由もなく飛んだままにしておくと、徘徊する敵と衝突して余計なダメージを負わせがちなので、極力必要な時だけ飛び立たせるようにしたい。
ライフメーターについて
カットラスは主人のボンドとは個別にライフメーターが設定されていて、鷹本体に敵の攻撃が命中すると待機中でも飛行命令中でもダメージを負ってしまう。カットラスはライフメーターが空になった時点で利用できなくなってしまうが、ボンド卿のライフメーターが空になるまではゲームオーバーにはならずプレイ続行自体は可能だ。
ボンド卿、カットラス共に負ったダメージについては敵が一定確率で落とす赤十字架や壁に隠されたビン(後述)で回復が可能だが、入手機会が極めて少ないので無駄なダメージを負う事は極力避けたい。
アイテム
世界中を舞台に続いていくルース盗賊団との戦いにおいて、ボンド卿を助けてくれるのが各ステージに隠されたアイテムの数々。それらはいずれもステージのどこかに隠されている。
壁の中に隠されたアイテム
道中、一見何もなさそうな外壁に攻撃を当てることで変色する箇所があり、この箇所に続けて攻撃を当て続けると中から様々な強化アイテムが出現する。各ステージ内、特定のエリアの何処かの壁1箇所にそれぞれ隠されているが、カットラスでないと回収不可能な場所に隠れている場合もあるので、上手く駆使して探し当ててみよう。
一つでも多く回収しておきたいのがライフゲージが増加する上画像のアイテム。各ステージに2~3つ隠されているので最優先で捜しておきたい。
壁に隠されたライフ回復可能なアイテムで注意したいのが”C“表記の青いビンと”S“表記の赤いビンの2種類で、前者が全ゲージの半分を回復、後者が全快の効果を持つ。ただしこの2つは“ボンド卿が攻撃を加えるとボンド卿の、カットラスが攻撃を加えるとカットラスのライフが回復する”といった”早い者勝ち”仕様になっている。入手の際は戦況に応じてどちらのライフを回復させるか決めてから攻撃を加えよう。
前半の7ステージには1つずつ巻物が隠されており、これにはゲーム終盤の謎解きにおけるヒントが記されている。
巻物入手直後に画面が切り替わりヒントが表示されるが、一度入手した巻物の内容はステージセレクト画面でSELECTボタンを押すことで再確認が可能。ただし、本作の仕様として一度クリアしたステージは再チャレンジができないため、巻物を未入手のままクリアしたステージ分は回収できなくなってしまう。この点には要注意だ。
ステージボスとティータイム
ボスとの戦い
そして各ステージの最奥部ではルース盗賊団の一味がボスとして待ち構えている。いずれのボスもそれぞれ異なった特徴の攻撃を持っており手強いが、ひとまずは前述の”白いオーブで動きを止めながらの剣攻撃”による戦法でラッシュをかけてみよう。どうしても倒せないと判断した場合は、別のステージに挑んでみるといった切り替えも時には必要となるだろう。
ティータイム
無事ステージボスを倒すと宝石が手に入り、直後にステージボスとのティータイムシーンへと突入。
ティータイムシーンではここまでの途中経過を記すパスワードと新たな剣が手に入る。ここで受け取った剣が弱点となるボスが何処かのステージに潜んでいるので、新たな剣を受け取る度に残ったステージをあちこち挑戦して最適な攻略ルートを探ってみよう。
最後の謎解き
盗賊ルースを追いつめ、そして終盤の謎解きに挑むボンド卿。集めた宝石をヒント通りに扱う事で何かが起こる―?
プレイ後の感想
「エイトアイズ」はプレイヤーキャラとなるボンド卿以上に、相棒の鷹カットラスを正しく駆使することで本来の面白さが見えてくるアクションゲームであると言える。しかし飛翔、帰巣、急降下と鳥ならではのアクションをきっちり管理しながら戦う必要があり、主人と鷹それぞれで個別の操作が要求される本作のシステムは少々慣れが必要となってくるだろう。
道中では手強いボス戦に備えて余計なダメージを負うのは一切避けたいところで、その分全体的にライフゲージの温存を意識した慎重なプレイに陥りがちになり、アクションゲームとしては爽快感に欠けるゲームバランスに感じてしまう。ボス戦はライフ全快で挑んでも戦術やサブウェポンのチョイスが誤っていれば競り負けるか、なんとか勝利しても紙一重といった場合も決して少なくない。それだけに、各ボスの弱点となる剣で挑む攻略ルート探りは一層重要となる。
本稿では殊更に難易度の高さを強調してしまったが、システム面においては当時のファミリーコンピュータ用アクションゲームとして見ても比較的高い水準に仕上がっており、やりこむことで難所を1つ1つ攻略していく楽しみと、各ステージを踏破する手応えはキッチリ伝わってくる造りであると感じられた。剣技と鷹を駆使する、といった渋みを帯びたアクションや本作の物語、世界観に惹かれたプレイヤーは是非この「エイトアイズ」にチャレンジしてみて欲しい。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 5.5 |
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良い点
- 剣技、サブウェポン、鷹の3種類の攻撃を駆使する高度なアクション要素
- 世界観や時代背景などの面から醸し出されるストイックな魅力
- ボンド卿&鷹とによる、性質の異なるキャラクターでの2人同時プレイが可能
惜しい点
- 比較的進めやすい攻略順こそあるが全体的に道中、ボス戦共に難易度が高く、プレイ中は終始精確な操作を要求される
- 中間ポイントという概念がないため、ゲームオーバーからの再開後は攻略中のステージをもう一度最初から進めることになる
- 一度クリアしたステージをやり直すことができない仕様のため、取り逃したヒントは回収不能となってしまう