Christoph Minnameier
基本情報
タイトル | Dungeons of Dreadrock 2 – The Dead King’s Secret |
対応機種 | Steam,Nintendo Switch,iOS,Android 他 |
販売 | Pig Knight Games |
開発 | 同上 |
発売日 | 2024年12月6日(Steam版),2024年11月28日(Switch版),後日発表(iOS版,Android版) |
対応言語 | 日本語, 英語, フランス語, イタリア語, ドイツ語, スペイン語, ポルトガル語, ロシア語, 韓国語, 中国語 (簡体字),アラビア語,ギリシャ語,インドネシア語,ポーランド語,トルコ語,ウクライナ語
(※赤文字はSwitch版のみ、青文字はSteam版のみ) |
備考 | IARCレーティング:7+(暴力(軽度)) |
作品概要
「Dungeons of Dreadrock 2 – The Dead King’s Secret」(訳題:ドレッドロックのダンジョン2 – 死王の秘密)は、Christoph Minnameier氏主導によって製作されたゲーム作品。今作はFabian、Dmytroの両氏を迎えたチーム”Pig Knight Games”のプロジェクトタイトルとなった。
ゲーム内容はダンジョンが舞台のクォータービュー方式パズルゲーム。プレイヤーは炎の教団員の1人となり、ドレッドロック山奥深くにある全100層から成る地下迷宮の調査へと向かう。
メインクリエイターであるChristoph Minnameier氏の発言から、「Dungeons of Dreadrock」は3部作構成であることが明かされた。今作はそのシリーズ第2作にあたる。ストーリー面でも前作と密接な繋がりがあり、物語を追う上では事前に第一作を遊んでいる事が推奨される。
なお、スマートフォン先行での展開だった第1作とは異なり、今作ではファーストリリースがNintendo Switch版となっている。また、対応言語についてはアップデートによる追加ではなく、最初から日本語にも対応済みだ。
リンク:Dungeons of Dreadrock(Official Site)
リンク:Christoph Minnameier(X(Twitter))
ストーリー
(※商品ページ、及びゲーム内プロローグ部分から要約)
地下深くに100層にも及ぶ迷宮が広がる、ドレッドロック山。 そこは死の王の本拠地である、と伝えられていた。
今回、炎の教団の巫女として、あなたはドレッドロック渓谷へと遣わされることになった。 山の奥深くに眠る古代の洞窟を発見し、知恵の冠を手に入れるための冒険が始まろうとしている。
だが、その旅の途中、自身の本当の姿と運命を見つけ出すことになるだろう。 その時、あなたは聖母に忠誠を誓い続けるのか、 それともその手を頼る子供たちを救うべく、教団の使命を断ち切るのか?
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操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 移動 |
Lスティック | 同上 |
Lボタン | (長押しで)現在フロアをリトライ |
ZLボタン | |
-ボタン |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | |
Aボタン | アイテムを使用2 |
Bボタン | アイテムを使用1、(長押し中)テキストスキップ |
Yボタン | アイテムを使用3 |
Xボタン | アイテムを使用4 |
Rボタン | (長押しで)ヒントの呼び出し |
ZRボタン | |
+ボタン | メニュー呼び出し |
前作同様、Nintendo Switch版はJoy-Conでの操作に加えて、携帯モードでのプレイ時にはタッチ操作にも対応しており、スマートフォンやタブレットのような直感的な操作が可能となっている。
本項は、主にJoy-Conでの操作時を前提とした記述となっているので、あらかじめご了承頂きたい。
前作と比べて、対応操作の大幅な変更が見られるので、コントローラーでプレイに臨む場合は特に注意が必要。
メニュー画面
+ボタンで呼び出せるメニュー項目では、以下のような項目を選ぶことができる。
言語 | ゲーム内テキストを18種類の言語から選択可能 |
進捗状況 | ゲームをロード、すべて削除、ステージワープの3つの項目が選択可能 |
操作方法 | 操作方法の確認 |
前作に搭載されていたオプションやキーコンフィグ機能は今作には備わっていない。
なお、進捗状況のセーブに関しては常に自動で行われるので、Nintendo Switch版で本体の電源を切ったり別のソフトを起動したい場合は、HOMEボタンからそのままゲームを終了すればOK。
プレイヤーのアクション
移動について
プレイヤーの移動操作は上下左右の4方向に対応。各方向ボタンやLスティック操作(携帯モード時は、任意の方向付近を画面タッチ)によって任意の方向に移動することができる。
フロア内に追跡型モンスターがいる場合、こちらが近づくと気配に反応して追ってくるようになる。敵を始末しないまま下の階に降りる際、そのまま追ってくる場合があるので十分気を付けよう。
(※時には、この特徴を攻略に利用するステージも…?)
インタラクト/攻撃
棚や瓦礫など、一部のオブジェクトに向かって方向キーを倒した際にインタラクトが発生し、目の前の対象に関するテキストが表示される。
また、杖を所持していて正面にモンスターが隣接している場合は、斬りつけて攻撃することが可能。ただし、入力タイミングが遅かった場合は逆に敵の攻撃を喰らってしまう。
本作では一度でも敵の攻撃やトラップにかかるとアウトとなり、現在いるフロアを最初からやり直しとなってしまうので、攻撃を行う場合は慎重に行動しよう。
アイテムを投げる
石ころ、投げ槍などの一部のアイテムは、対象アイテムのスロットに対応したボタンを押すことで、正面前方へ投げることができる。
投げたアイテムは壁にぶつかるとその場へと落下するが、進行方向に阻むものがなかった場合はそのままエリア外へと消えてしまう。
こういったアイテムは各フロアで登場した際、その一度だけでは出番が終わらず、次のフロアにまで持ち越して再利用、といったパターンが時々見られる。
魔法の力が宿った杖
プレイヤーの分身となる炎の教団員の少女は、魔力を扱う杖を常用している。
本編開始当初、この杖には”雷の力”が宿った状態(上画像)となっているが、冒険を経てその力を失うこともあれば、特定のレリックの入手によって全く異なる力を授かることもある。
雷は主に扉の破壊や敵を倒す事に特化しているが、比較的序盤でその力は一度失われることになる。
魔力を失った杖は性能的には心許なく、殴打用の近接武器といった使い方がメインとなるが、武器としてではない意外な使い道があったりと本作のパズルを解く上では欠かせないアイテムとなっている。
次のフロアへ進む場合は、必ず手に持った状態で移動するように心がけよう。
ダンジョンの仕掛け
ダンジョンに備えられた様々な仕掛けの内、以下では代表的なものをピックアップ。
前作に登場したものも再掲しているので、体験済みの方に向けてもおさらいも含めてもう一度紹介していこう。
レバー
壁に備え付けられたレバーは、主に鉄格子を開く効果を持っている。
基本的には一度操作すれば開くのだが、時間経過と共に再び閉まってしまうタイプのものもあるので注意。
スイッチ床
スイッチ式の床は上に重石となるものを載せることで機能する仕組みになっている。対象となるものはプレイヤー自身やモンスター(生死問わず)、投げ槍や石ころ等ある程度重量のあるものであればなんでもOK。
ただしレバー同様、一度動作させてから上に載せているものを取り除くと、即座に仕掛けが元に戻ってしまうといったパターンも登場する。仕掛けをONの状態で保っておきたい場合は、上に何かが載っている状態を維持する必要があることを覚えておこう。
木製の扉
木製の大扉は一般的な鉄格子拵えの扉とは異なり、鍵穴と鍵を使うことで開くことはできない。これを開くためには、扉本体に何らかの大きい力を加えて壊す必要がある。
魔力を伴った杖であれば破壊も視野に入るが、力を失った状態の杖では殴ることしかできず壊すことも叶わない。木製であることそのものがヒントになっている場合も…?
ワープゾーン
桃色に輝く靄は、2つの区間を繋ぐワープゾーンの役割を持っており、キャラクターが重なることで別の靄へと瞬時に移動する。
プレイヤー自身のみでなく、モンスターや放り投げたアイテム等もワープの対象となるので、攻略時には上手く活用しよう。
血糊の足跡
魔物を倒した際、亡骸の上にすぐに載って移動することで、歩いた場所に血糊の足跡を残すことができる。
ただし血は遺体から流れ出した後、数秒と経たないうちに乾いてしまうため、1体の死骸から足跡をより多いタイルに残したいのであればスピーディーに動く必要がある。
これ単体のみでは意味は薄いのだが、今作では血糊に対して特殊な反応をするモンスター(次項で解説)や、このモンスターの特性を利用した謎解きが登場する。
なお、炎を利用して倒した場合は燃えて灰になってしまい、遺骸も血も残らなくなってしまう点には注意が必要だ。
モンスター
以下では作中に登場する代表的なモンスターを紹介。
コウモリ
耐久力は極めて低いが、飛行属性を持つモンスターで外壁以外の場所を自由に動き回る。
杖の殴打や投げ槍で倒した際、その場に死骸が残り、血糊を遺していく。
ゾンビ
一定範囲内まで近づくと、こちらを追従して徘徊するようになる。動きは遅い。
コウモリ同様、杖や投げ槍で倒すとその場に死骸が残ると共に、血糊を遺す。
スケルトン
視界内に入るとこちらを執拗に追ってくるようになる。動きが速い反面、杖の殴打一撃で簡単にバラバラになるが、しばらくすると復活する。
ただしアンデッドモンスターらしく、炎を加えることであっけなく灰にすることが可能。
ブラッドサッカー
血痕がある場所を徘徊する血吸いの魔物ブラッドサッカー。
この魔物は新たに血の跡が発生した途端に急激な反応を見せ、以後その範囲内を徘徊するようになるといった特徴を持つ。
近くにゾンビやゴブリンのような魔物がいれば、倒した後に遺骸から流れ出た血を上手く利用して、歩かせたい場所に血の足跡を付けることで上手くマーキングしてみよう。
カニ
固い甲羅に身を宿したカニ。その見た目通り、正面から攻撃を加えても一切通ることはない。
背中から覗く黄色いコアが唯一の弱点だが、相手もその部分をこちらに悟らせように動くため狙うのは一苦労だ。
もしも好機を見つけたら、遠距離攻撃が可能な手段で一気に仕留めよう。
ゴーレムとトレント
ゴーレムは攻撃を加える毎に両手で殴りつけ攻撃を行った後に一歩前進。一方、トレントは密接時に両手で攻撃を加えた後に一歩後退を行うといった特徴を持つ。
どちらも自発的には動かないため、こちらから近寄らない限りは無害な存在。どちらも高い耐久性を持っているがゴーレムの方が若干タフで、ちょっとやそっとの攻撃では生命活動を停止しない。
火の悪魔
だるまさんが転んだの要領で、プレイヤーや他のモンスターの何者からも視線が合っていない時(正確には視線上の合間に壁の有無を問わず判定される)のみ移動し、こちらへと近寄ってくる。
視線が合っている間は魔法陣の状態で本体は潜伏状態となるが、魔法陣に接触するとミスとなってしまう。
基本的に主人公の力のみで倒す事は難しく、対処法はゴーレムのようなその場から動かない対象に監視させ続けるか、通り道を塞ぐのが基本となる。
ドラゴン
高速で移動。プレイヤーが直線上に立った場合、こちらに向かってファイアブレスを吐いてくる。
この炎の息はワープゾーンをくぐることでその効果が反映されて、変則的な軌道と驚異的な射程でこちらに襲い掛かってくる。2つが同時に登場するフロアでは翻弄されないように注意が必要だ。
今作の魔物は単なる敵役として登場することは稀で、多くの場合はそのいずれもが何らかの形で各フロアの謎解きに関わっていることがほとんど。ヒントも参考にしながら、敵の動きをよく読み、巧く利用していこう。
ステージワープについて
「Dungeons of Dreadrock 2」では「ステージワープ」機能を使うことで、一度到達した各フロアを開始地点として自由に選んでプレイすることができる。
選び方はまず、+ボタンでメニューを呼び出し、進捗状況>ステージワープと選び、「XX」にカーソルが合わさっているのを確認後、Aボタンを押して行きたいステージの数値を入力。
数値は3桁まで対応しているが、当然ながら一度でも辿り着いた事がある範囲内でなければ入力しても無効と判定されるので注意。
最後に「行く」にカーソルを合わせてAボタンで決定すると一度タイトル画面へと戻されるが、その際に画面下部に先ほど入力した数字のステージとステージ名が表示されていればOK。その状態でゲームを開始すると、指定のステージからゲームが開始される。
(※ちなみに「000」と入力した場合は最初からのスタートとなる)
攻略に詰まった時は?
リトライ
Lボタンの長押しで即座に同じフロアからのリトライが可能。
なお、前の階層からアイテムを持ち込んでいる場合はそのまま引き継いだ状態でのリトライとなる。
ヒント機能
Rボタンを長押しするとヒント機能を呼び出すことができる。
各フロアのヒントは複数のページに分かれており、1ページ辺りに記されている内容はごく短い。そのため、ヒントの全容を知るにはすべてのページに目を通す必要がある。
なお、前作にあった”5分に1回利用可能”などのヒントに関する制限のオプションは今作では排除され、自由に確認可能となった。徹底的に目を通して、活路を見出そう。
シーンの早送り
階層間を移動する演出やステージ開始直後に会話パートが挿入されるシーンでは、Bボタンを長押ししている間高速早送りを行うことが可能だ。
リトライの度に同じやり取りを何度も観たくない、という場合は有効的に活用しよう。
不具合について
レリック「ドラゴンの心臓」の活性化中に、壁に掛けられたシンボル入りの赤旗(上画像)に向けて杖を使うと燃やすことができる。
この時、杖を使う直前に旗に向かってインタラクトを行い、即座に燃やすアクションを行うと、そのまま操作が受け付けなくなり詰まってしまう。
この現象が発生して動けなくなった場合は、HOMEボタンを押してゲームを再起動するしかない。同じ手順を起こす度に確定で発生するので、旗を燃やす必要がある場合は特に気を付けよう。
プレイ後の感想
タイル式のマップ上を自在に動き、各フロア毎の仕掛けを解きながら下層に続く階段を目指して1部屋ずつ順に進んでいく。
正統派パズルゲームとして好評を博した「Dungeons of Dreadrock」の続編として登場した「Dungeons of Dreadrock 2 – The Dead King’s Secret」では、基本的なゲームシステムは第1作そのままに主人公の変更によって新たなアクションが追加された。
当初、対応言語が英語のみだった前作から一転、今回は日本語が標準搭載となり、十数種類もの言語に対応。その幅広さからも、本シリーズの人気のほどが伺える。
肝心のローカライズ具合については、プレイ中頻繁に登場する文献パートこそ特に大きな問題はない一方で、登場人物同士による会話の訳文に関しては少々ぎこちない印象だ。
インディーゲーム全般におけるこうしたテキストの不安定さは日本語ローカライズにおける問題として現在も根深く残っているが、より流暢な口語的やり取りへと改善に向かうか否かは、自動翻訳ツールやローカライズを担当する人材の確保も含め、今後の業界全体の進化次第といったところだろうか。
適度にヒントを活用しつつ、100以上にものぼるレベルの攻略を終えてエンディングに到達するまでには、筆者の場合およそ6~7時間を要する結果となった。パズルの難易度は前作からそう大きく変化はないものの、ボス戦パートが増えたのが印象的だった。
と言っても、敵の攻撃やトラップをかいくぐったり、剣を使って道を塞ぐ対象を排除したり、といった一手ごとのタイミングが重要となるステージはいくつか登場するものの、高度なアクションが要求されるようなことはないので安心して欲しい。
また、作中では随所で演出面でのパワーアップも少なからず見られる。特に、文献を開くたびにフルボイスによる音読が入るところはちょっとした感動を覚えたポイントだ。
おおのゆりか氏(※ゲーム内クレジットより確認)が担当する日本語設定時のメインナレーションは大変に聞き取りやすく、作中の雰囲気をグッと引き締めてくれる効果を持っているので、本作のプレイ時はこちらも要注目。
前作からそのまま応用が利く仕掛けは多い中、新しいギミックも登場していたりと決して単なる二番煎じの続編といった印象は抱かせない。
やや攻略難度が高く、思わずヒントを見てしまったチャプターも数か所あったが、最後までしっかり楽しむことができた。これも本シリーズがパズルゲームとしての完成度が高い何よりの証左だ。
そしてパズル色の強いゲーム内容に加えて、ステージ進行に応じて展開していくストーリー部分も本作の見所の1つ。三部構成であることが開発者から公表されたこともあり、早くも次作の登場が待ち遠しいところだ。
というわけで、今回ご紹介してきた「Dungeons of Dreadrock 2」。良質なパズルゲームをお探しの方は、是非とも前作と併せてお試しあれ。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 8.0 |
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良い点
- タッチ操作ベースの簡単操作で楽しめるアクションパズル(※TVモード、及びJoy-Con操作にも対応)
- きめ細やかなピクセルアートと、ストーリー性の強いファンタジー色溢れる世界観
- 第1作に比べ、フルボイスによる文献パートの音読や挿入歌の起用など演出面での強化が見られる
惜しい点
- ローカライズにおいて、会話のやり取りが不自然な部分がある
- ゲーム序盤からヒント無しでは少々難易度の高いチャプターが数か所登場する
- 一定の条件を満たした際に、操作を受け付けなくなる不具合が見られる
©Prof. Dr. Christoph Minnameier 基本情報 タイトル Dungeons of Dreadrock 対応機種 Steam,Nintendo[…]