Copyright ©Matt Makes Games Inc. 2018
基本情報
タイトル | Celeste |
対応機種 | Steam,Nintendo Switch,PlayStation4,Xbox ONE他 |
販売 | Maddy Makes Games |
開発 | 同上 |
発売日 | 2018年1月25日(Steam版),2018年5月10日(Switch版) |
対応言語 | 日本語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,韓国語,ポルトガル語,ロシア語,中国語 (簡体字),英語 |
備考 | CEROレーティング:A(全年齢対象) |
作品概要
「Celeste」はバンクーバーのゲームスタジオMaddy Makes Gamesが開発及び販売を手掛けるゲーム作品。
本作は、ジャンプ&ランスタイルのサイド2Dプラットフォーマー。プレイヤーは女性キャラクター・マデリンを操作して、険しい山の頂上を目指していく。
作中の舞台となるセレステ山は、標高3,000Mのとても険しい雪山。天候毎に様々な表情を覗かせるこの山を舞台に、確固たる意志で山頂を目指すマデリンの奮闘をプレイヤーの手で味わおう。
「Celeste」はプラットフォーマー作品としての高い実績を誇り、2018年の公開後、同年度に行われた海外における各種ゲーム関連の授賞式で複数のプライズを受けている。
また、幅広いプラットフォームでの展開を見せる人気タイトルでもある。今回紹介するのはNintendo Switch版だが、PlayStationやXboxシリーズなどの各種ゲームコンソール、Steam、EPIC Games、itch.ioなど、多様な環境でプレイが可能だ。
リンク:Maddy Thorson(X(Twitter))(※Celeste開発者)
操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 移動 |
Lスティック | 移動 |
Lボタン | つかむ |
ZLボタン | つかむ、ジャーナル表示 |
-ボタン |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | |
Aボタン | ダッシュ、話す/OK |
Bボタン | ジャンプ、キャンセル |
Yボタン | ダッシュ、キャンセル |
Xボタン | ジャンプ |
Rボタン | つかむ |
ZRボタン | つかむ |
+ボタン | ポーズ |
ゲームの遊び方
開始の準備
タイトルメニューから「のぼる」が緑色文字になった状態でAボタンで決定、セーブスロット選択画面へ。
本作では最大3つまでのセーブデータが作成可能。データ作成時には主人公マデリンの名前の変更も行える(変更によるゲーム本編への影響はなし)。
ゲームプレイ中に補助機能が必要な場合は、ここで「アシストモード」の項目をONに切り替えておこう。(アシストモードについては後述)
入力が完了したら該当データを(既に複数のデータがある場合は、その内から読み込ませたいものを)選んでゲームスタートだ。
チャプターセレクト
「Celeste」のステージは複数のチャプターで構成されており、開始チャプターの選択はチュートリアルステージを終えた直後に利用が可能となる。
ZLボタンを押すとマデリンの手帳を開き、各チャプターのリトライ数や、B面テープ(後述)の入手状況などの様々なデータが閲覧できる。
ベリーの回収数やミスの回数もゲームプレイ毎に記録されるが、これらについては累積といった扱いになっており、遊べば遊ぶほど数値は増えていく。
プレイヤーの奮闘振りは、良い結果も悪い結果もまとめてここにしっかりと保存されていくので、好きな時にチェックしてみよう。
基本アクション
ジャンプ
ジャンプはBボタンで発動。
普通に使う分には飛距離も高度もごく平凡なジャンプだが、踏切り台や移動式リフトといった反動作用を及ぼす仕掛けを活用することで、より勢いのついた跳躍が可能となる。
つかむ
壁に隣接している際にZL(またはL/ZR/Rのいずれかの)ボタンを長押しすることで、壁面にしがみ付くことが出来る。
長押し中は状態を保てるがずっと掴まってはいられず、スタミナがなくなった時点で落下してしまう。また、減少したスタミナは一度着地するまで一切初期化されない。
赤く点滅し始めたらスタミナ枯渇の合図なので、落下してしまう前に安全を確保したいところ。
スタミナは切れても、ジャンプ&壁蹴りは可能であるという点は攻略上のポイントとなるので覚えておこう。
エアダッシュ
地上、または空中でY、Aボタンのどちらかを押すとその場でダッシュを発動。ボタンを押す際にLスティックまたは方向ボタンを組み合わせておくことで、任意の方向へ短距離間を素早く移動することができる。
着地するまでの間は「使用回数」上限の設定分のみ利用が可能で、特に設定していない場合は基本的には一度のみ。アシストモードの「エアダッシュ」項目を変更している場合は、それに応じた回数分利用できる。
アイテム
ベリー
「Celeste」における収集要素の1つ。各チャプター内に複数個配置されており、隠し部屋などの目に見えない場所に隠されている場合もある。
全回収によるゲーム内特典は特になく、やり込み要素の1つとして数えられる。
ベリーの中には時々翼が生えたものが登場するが、このタイプはエリア内で一度でもエアダッシュを使用すると逃げてしまうといった習性を持っている。
対策として、まずはエアダッシュを使わずに近づけるルートが周辺にないか確認することだ。特に、壁蹴りを駆使して登ることが可能なポイントがないか、チェックしてみると良い。
なお、翼付きのベリーが逃げる際は必ず”真上方向へと上昇する”といった特徴があり、この際に接触することでも回収は可能となっている。近づく際は、なるべく上部から接触するように心がけてみよう。
B面テープ
各チャプター内の何処かに必ず1つ、カセットテープの形状をしたアイテムが隠されており、これを入手することで現在チャプターのB面ステージを遊ぶことが出来るようになる。
B面ステージへの入り方は、チャプターセレクトメニュー上の各チャプター説明に表示される右側の付箋を選ぶだけ。各中間ポイントに辿り着いていれば、開始地点を選んでスタートすることも可能。
B面ではステージの構造が更に凶悪になり、チャプター1でさえ本編を上回る悶絶必至の難易度へと変貌する。
まともに挑む分には超上級者向けのバランスとなっているので、なんとか先が見たいというのであれば無理せずアシストモードを活用して進めていこう。
アシストモード
「Celeste」は非常に難易度の高いプラットフォーマーゲームとなっている。
各チャプターには一区画毎にトゲや断崖などの”即死ポイント”がたくさん設けられており、僅かなミスが命取りになるといった過酷なゲームバランスで、そのまま進める場合、踏破までの道のりはとても険しい。
「クリアは目指してみたいけど、そもそもステージが難しすぎる…」といったプレイヤーのために、本作には各自で項目を選んでカスタムが可能な補助機能「アシストモード」が搭載されている。
アシストモードはセーブデータ選択時に、アシストモード機能をオンにするとポーズメニューから選択が可能となる。
アシストモードの各機能
機能名 | 効果 |
---|---|
進行速度 | ゲーム全体の速度を変化させる。(50%~100%) |
スタミナ制限なし | 壁にいくら捕まってもスタミナが減らなくなる。(OFF/ON) |
エアダッシュ | 着地するまでの間のエアダッシュ使用回数(デフォルト/2/無限) |
ダッシュアシスト | エアダッシュボタン長押し中、移動方向を自由に指定できる(OFF/ON) |
無敵モード | トゲ、敵の攻撃などに接触してもミスにならない(OFF/ON) |
これらの機能の組み合わせ次第で本作の難易度を著しく抑えられる事はもちろん、ゲームプレイにおける快適度をもガラッと変えることができる。
本機能を使うことに関しては、あくまでもプレイヤー各自の判断に委ねられるものであり、使用に即してゲーム攻略上での不利益は一切発生しない。チャプター1で本作の感触を確かめた上で、「これはちょっと自分には厳しいかも」と感じたのであれば、ゲーム序盤からいきなり解禁しても良い。
(※ただし、他機種版では本機能を使用したゲームプレイにより、一部の実績の獲得に関わる可能性はあるので、別途確認の事)
手離しのプレイでは要所にとんでもなく難易度が高い場面も見られる本作。特定箇所の攻略に行き詰まった際には上記機能を思い切って活用してみると道が拓けるかも—?
PICO-8版 Celeste
特定の条件を満たすことで、メインメニューに「PICO-8」の項目が追加される。これを選ぶことで、ミニゲームの「Celeste(PICO-8 ver.)」がプレイ可能となる。
このPICO-8バージョンの「Celeste」は、本作の開発者Maddy ThorsonとNoel Berryの両氏が過去に製作した「Celeste CLASSIC」が元になっており、現代版「Celeste」の源流となるタイトルであるとのこと。
オリジナル版については、開発者のサイトから各種PCプラットフォーム用ソフトウェアが無償でDL可能な他、インターネットブラウザ上でのプレイが可能なWeb版も公開されている。
新版と比べてステージ自体は一画面固定式で、ピクセルスタイルだったグラフィックは更にクラシック的なものになっているが、ゲームシステム自体は本作時点で完成されていることは実際に遊んでみると実感できるはずだ。
本編同様、目指すは3,000Mのセレステ山頂。お馴染みのアクションを駆使して、てっぺんを目指してみよう。
プレイ後の感想
「Celeste」のゲームジャンルを端的に言語化するのであれば、”雪山クライミング型高難度プラットフォーマー”といった感じだろうか。本作はアスレチック要素が満載なステージ構成で、記事内でも触れてきた通り全編を通して高難易度であることが特徴の1つとなっている。
本編開始直後に挿入されるチュートリアルパートはコンパクトに収まっている一方、高難度の傾向はチャプター1から既に顕著で、一度本ステージに入ってみれば序盤から高難度の洗礼を受けることとなる。「それなりに2Dアクションはプレイしている」、といった手慣れたプレイヤーであっても初見であれば苦戦することは必至だ。
特に筆者の場合は、ベリーやB面テープといった『回収可能なものは初回プレイの段階で一通り集めておこう』といったやや回り道なプレイスタイルを”アシスト一切無し”で強行したこともあり、チャプター1の時点で100回弱ものリトライを重ねており、散々な手応えでの開幕となった。
1本のアクションゲームとして見た感想としては、操作性の良さやアクションのシンプルさもあってマデリンの操作自体は楽しいと感じられる反面、壁掴まりアクション上で重要な”スタミナ切れ”の演出が少々視認し辛いのは気になったポイント。
一応作中ではこの事態を示す表現としてマデリン本体が赤く点滅を始めるといった演出が入るのだが、ゲーム進行中は基本的にキャラグラフィックが小さく映される関係で、ステージの色合いによってはこの演出が目立ちにくくなっている。画面上からゲージ要素を一切廃したUIも、僅かながら影響する形となっているとも言えるだろうか。
高難易度がウリの1つである作風とはいえ、ただそれだけでは一般的なプレイヤーは置いてけぼりとなるのみ。そこで頼りになるのが「アシストモード」だ。
記事内の同名項目にて解説した通り、厳しい難易度を緩和する目的を兼ねた補助機能で、中にはゲームスピードを最小で1/2へと変化させるものや、崖下に落ちようがギミックに押し潰されようが一切のミスを免除される「無敵モード」など、”ゲームバランスが大幅に覆る”ようなチート機能と相違ないものまで実に様々。
挑戦的な難易度を持つ一方でこういった機能を搭載するのは一見相反する行為にも思えるが、難しさを理由に投げ出さずに隅々まで楽しんでみてほしいという開発者ならではのこだわりと気配りをも同時に感じさせる。
もしも本作をプレイするのであればあまり拘りを持ちすぎずに、一度はアシストモードを使ってみて欲しい。本作の印象がガラッと変わると共に、ミスの連発で上手く進めないといった道中のフラストレーションから一気に開放されることだろう。
本作が各種プラットフォームにて配信を開始したのは2018年と、リリースから既に5年以上もの年月が経っているが、「難易度が高いらしい」という噂は筆者も兼ねてから耳にしていた。
個人的な話となり恐縮だが「Celeste」初プレイに臨むに辺り、今作を”年越し用兼新年一発目に遊ぶタイトル”にしようと勝手に認定し、昨年の大晦日にプレイ開始へと至った次第である。休み休みのプレイを経て、難航はしたものの翌年元日に無事エンディングを迎えることが出来た(※)。
(※エンディング到達後もステージ自体は更に続いていくのだが、物語的にはこの時点で一応の区切りとなる)
およそ10時間弱ものトータルプレイ時間を経てセレステ山頂に到達することは叶ったが、「エンディング到達まではアシストモードは解禁しない」と強く拘った結果、実に3,000回近くものミスを出すこととなった。ただ、攻略に行き詰まっては中断を繰り返し…といった具合で、途中、何度も折れかけた苦心の末の到達ではあったが、それこそ山登りの如き達成感を味わえたことは僥倖であったと言える。
勿論、これは筆者がプレイスタイルを曲げなかったゆえの結果であり、同様の遊び方を推奨するものではないことをここで強調させて頂く。当記事をご覧の諸氏で本作に挑んでみよう、といった想いを抱いた方におかれては過度なストレスを避けるためにも、アシストモードの各機能を一度確認した上で、各自のプレイスタイルにあった設定に合わせてお楽しみ頂きたいと願うところだ。
「Celeste」は、RTA*競技用タイトルとしても各国で人気の様子を窺わせている。世界中のプレイヤーを対象にしたタイムアタック専門のコミュニティサイト「speedrun.com」にも登録されており、2024年1月現在、累計38,000もの走行による見事な記録を確認できる。
筆者は本編挑戦中に特定の場面で行き詰まってしまい、攻略の参考用にとYoutubeやTwitchなどの各種動画サイトにてとある走者のゲームプレイをチェックしてみたのだが、熟練者の手による想像を絶する各ステージの進行スピードや精緻な挙動には、思わず絶句してしまった次第だ。
(*Real Time Attack(リアルタイムアタック):ゲームスタート時点から”ゲームクリアまでの実時間”を競うプレイスタイルの一種。ゲームシステム内で計測されるプレイタイムとは異なり、ロード時間など1度のゲームプレイのあらゆる過程で発生する所要時間を計測に含むのが異なる点。)
また、上記に加えてネット上には日本語で綴られた本作の攻略用wikiも存在している。有志の手による編集と見られるが、チャプター毎の各種アイテムの場所などのお役立ち情報は元より、攻略に重要なアクションが動画付きで紹介されていたりと丁寧にまとめられているので、本作を挑む上での頼もしい一助となるだろう。
強い意志で山の頂を目指すマデリンだが、道中では彼女が登場人物達との交流を経て、更には自身の内面とも向き合う「心」を中心としたストーリーが展開していく。難易度ばかりに目がいきがちな本作だが、1周目のプレイでは是非とも物語の方にも注目して欲しいところだ。
セレステ山登頂への道のりは途轍もなく険しい。その上で、なんとしても頂上を目指すというマデリンの固い決意は、その道中に遭遇する様々な苦難を前にしながらも決して揺らぐことはない。
「諦めない」という姿勢を一途に貫き通す— そんな彼女の雄姿と覚悟を「Celeste」のゲームプレイを通じて、最後まで見届けてみよう。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 8.0 |
---|
良い点
- 2Dアクションファンに対する挑戦状といった気概を見せる高難度のステージデザイン
- マデリンを中心とした作中登場人物達による「心」を題材にしたストーリー
- ゲームバランスを180°変える規模の各種アシスト機能を搭載
惜しい点
- 全編を通して初見殺しポイントが多く、アシストモードを使用しない場合は難易度が極めて高い
- チュートリアルでは紹介されない派生アクションを駆使しないと突破できない箇所がメインルート上に存在する
- 操作キャラクターであるマデリンのグラフィックが小柄なため、スタミナ切れを示す本体の点滅が色味も相俟って視認し辛い
© RedDeerGames ©EinzelartigGames 基本情報 タイトル Inukari -Chase of Deception-(イヌカリ - […]