バウンシング・ヒーロー(Nintendo Switch版)- プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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©ZPink & zniq.co 2018
licensed to & published by Turtle Cream

 

基本情報

 

タイトル バウンシング・ヒーロー
対応機種 Steam,Nintendo Switch,GooglePlay,iOS
販売 PsychoFlux Entertainment(Steam,GooglePlay版)/Turtle Cream(Switch版)/Sunghoon Lee(iOS版)
開発 ZPink, zniq.co
発売日 2019年9月1日(Steam版),2021年1月21日(Switch版),2018年9月4日(GooglePlay版),2018年9月5日(iOS版)
対応言語 日本語,韓国語,英語
備考 CEROレーティング:B(12歳以上対象)(暴力)
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作品概要

 

「バウンシング・ヒーロー」(「Bouncing Hero」)は、韓国のデベロッパーZPink、及びzniq.coの共同製作によるゲーム作品。Steam版ではPsychoFlux Entertainmentが、Nintendo Switch版ではTurtle Creamがそれぞれパブリッシャーを担当。

2018年にAndroid、及びiOSを中心にスマートフォン向けゲームとして登場した移植タイトルで、本項で紹介するNintendo Switch版は2021年に配信開始となった。

 

本作は2Dスタイルのプラットフォーマーで、プレイヤーキャラである騎士は常時、ポゴスティック(ホッピング)に載ったままでゲームが展開。跳躍を繰り返す騎士を左右移動で上手く導き、トラップの回避、ボスの撃破を達成しながら、城の最上階で待ち受ける魔女の打倒を目指していく。

 

リンク:zniq(開発者Twitter)

リンク:PsychoFlux Ent.(Twitter)

 

画面の仕様について

オリジナル版が縦持ちスタイルの内容だった関係で、今作の基本インターフェースは縦画面設計になっている。コンソール機やPCへの移植に辺り、そのままプレイする場合は画面中央に縦長サイズのプレイフィールドが、両端にはBGが表示されるといった仕様だ。

 

また、ゲーム内の「設定」項目から画面の向きを回転することが可能となっている。90度回転可能なモニタを活用した縦画面プレイや、Switch版携帯モードでの本体縦置きプレイ(※その場合、Joy-Conは基本的に本体から取り外して使用する形となる)など、本作を「縦画面でプレイしたい」という場合には活用してみよう。

 

ゲームモード

本作では、通常難易度となる「Normal mode」と完璧な攻略を目指す「Perfect mode」の2つの難易度が用意されている。

両モードの主な違いはライフの有無で、前者は3つのライフが用意されている一方、後者は1度でもダメージを負えばその場でアウトとなる。プレイヤー毎の腕前に応じて、好きなモードを選択してみよう。

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン (左右)移動
Lスティック 同上
Lボタン 左に移動
ZLボタン 左に移動
-ボタン ポーズメニュー

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 決定
Bボタン キャンセル
Yボタン
Xボタン
Rボタン 右に移動
ZRボタン 右に移動
+ボタン ポーズメニュー

基本的にゲーム中での操作は、LスティックやLR各種ボタンによる移動のみという設計になっている。

 

ゲームシステム

 

プレイヤーキャラの操作

プレイヤーはポゴスティック(ホッピング)に載った騎士を操作する。とは言え、プレイヤーに許される操作は左右横方向への移動のみで、その間も騎士はスティックの反動によって常時跳躍を繰り返す、といった具合だ。

騎士はこのポゴスティックから降りることは一切叶わず、操作の手を止めても跳躍は常時繰り返されるため、静止状態を保つといったことはできない。おまけに、道中では侵入者に対して攻撃を行うトラップが仕掛けられている部屋に遭遇する場合もある。

プレイヤーは等間隔で跳ね続けるこの騎士を”左右横移動という操作1つで”、敵弾やトラップの回避、ボスの撃破といったあらゆる局面をこなしながら、城の上層を目指して攻略していかなければならない。

 

スイッチ

 

次の層へと続く扉を開くためには、緑色に光るスイッチを全てオフにして、各部屋を守る赤いコアの機能を停止しなければならない。

一方、ボス部屋でのスイッチは、1つオフにするごとに一定量のダメージをボスに与える、といった効果へと役割が変化していたりと、ゲーム全編を通して重要な仕掛けになっている。

 

看板

部屋の中には看板が設置されていることがある。操作キャラを接触することで内容を読むことが可能だ。

攻略のヒントが書かれていることはほとんどないが、目を通してみることで部屋に関する注意書きや、城の歴史的背景、といった情報を知ることができる…かも?

 

ステージ構成とボスバトル

城の各フロアは5層の部屋と最深部にボスが待ち受ける部屋の計6層構成。

3の倍数にあたる3層、6層、9層、12層、そして最終13層目はそれぞれ、上方向へと強制スクロールするステージが展開。最後の扉を開くとボス部屋に到達、といった流れになっている。

また、層ごとのボス部屋に続く各部屋は複数の候補から毎回シャッフルされて選出される。そのため、リトライ毎に部屋の構成が変化する点には注意が必要だ。

 

各フロアでは4画面分程度で収まる閉鎖的な空間に、扉を開くためのスイッチと各種トラップが設置されており、次の層へと進むためには、スイッチを全てオフにして扉を開く必要がある。

一度到達した層の範囲内であれば、ゲームデータ選択後に「ステージ選択」から自由に選んで開始可能。目指すは全13層の完全攻略だ。

 

チャレンジモード

チャレンジモードはボスバトルだけで構成されたサバイバル形式の専用モード。3つのライフを持ち越しながら、どこまで辿り着けるかを競っていく。

また、本モードはスコア制にもなっており、様々な加点要素を追及しながらより高いスコアを競うことも醍醐味の1つだ。

ライフを全て失った時点で即終了という非常に厳しいモードではあるが、本編と同じくスイッチに20個接触する毎にライフが1つ回復するので、残りライフが少なくなっても立て直しを図って、1つでも多く触れていくことを目指してみよう。

 

プレイ後の感想

「バウンシング・ヒーロー」は、”ホッピング”という玩具の持つ”跳躍”アクションを前面に活かした、シンプルな操作性が魅力のプラットフォーマーだ。

「プレイヤーキャラの操作」項目でも記した通り、ポゴスティックによる跳躍運動は移動、攻撃、破壊、敵弾の回避など、本作のあらゆるアクションに密接に関わっている。

 

“操作キャラクターはゲーム開始から終始、等間隔で跳ね続ける”というこの特殊な挙動を行う関係上、プレイ初期はその独特の操作感によって、移動一つ取っても戸惑ってしまうことになるのは半ば必定であるとも言える。

 

手に馴染んで久しいゲームコントローラー(Joy-Con)でのプレイを以てしても、常時跳ね続けるキャラクターの制御の難しさは相当なもので、初プレイ時推奨モードにあたる「Normal mode」においても攻略には相当骨が折れる結果となった。

 

Joy-Con操作の場合、基本的にはLスティックで左右移動を行いながら、ぼよんぼよんと跳ね続ける騎士を上手く導いていくことになる。

しかし、それ自体は楽し気な光景である反面、各ステージの攻略突破にあたっては決して気軽なゲームプレイとはいかず、3つ用意されているライフも気を抜けばあっという間に使い切ってしまう。

 

単に左右横方向への移動についてであれば、位置の微調整も含めてある程度イメージ通りに制御可能なのだが、”静止状態でその場に留まる”、といった従来のプラットフォーマーではニュートラルポーズとしてはあるべき姿とも言うべき状態を本作では保つことが出来ない。

更に、ポゴスティックに載った騎士の跳躍力はプレイヤー側の任意による調整が効かず、そのままでは延々と一定のリズムを刻みながら跳躍を続けるばかり。そこに運悪しく敵弾が飛んで来ようものならば、格好の的となることも珍しくはない。

 

トラップや敵弾を回避するにあたってタイミングを合わせるためには、低位置にある天井と床の間に挟まったり、ジャンプ台を利用するなど、ステージ内のものに依存する形で”跳ねる間隔を増減させる”工夫も時には必要となってくる。

このような独特の攻略性が、そのまま本作らしさを足らしめていると同時に、”一筋縄ではいかない”部分となってプレイヤーの前に立ち塞がるのだ。

 

操作感覚からゲームデザインまで、相当に癖の強さを見せつけてくる本作ではあるが、挫けずにリトライを積み重ねた先で、次第に操作や攻略のコツが自ずと掴めるようになり、ついには難関を突破、というアクションゲームにおける上達の実感はしっかりと味わうことができる。

極めてシンプルな操作スタイルと独特のゲーム性、そしてその高い難度に悔し涙を流す程の強烈な歯応えを味わえる、本格エクストリーム・オートジャンプアクションゲーム「バウンシング・ヒーロー」をお試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 6.5

 

良い点

  • 左右横移動オンリーのシンプル操作と、常時ホッピング状態で進行する独特なゲーム性
  • ノスタルジックなFM音源テイストのBGM
  • プラットフォーマーならではの、トライ&エラーによる繰り返し挑戦する楽しさ

 

惜しい点

  • 操作への厳しい制約に追い打ちをかけるかのように、全体的な難易度が高い
  • 地形を利用しない限り、プレイヤー側で跳躍の高度調節ができない
  • 1階層辺りのライフ回復の機会が極めて限られる(1階層につき、実質およそ1回分に相当)

 

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