©Serkan Bakar ©Dolores Entertainment S.L. Published in JAPAN and Asia by COSEN
基本情報
タイトル | BEHOLGAR |
対応機種 | Steam,Nintendo Switch,PlayStation4|5 |
販売 | Serkhan Bakar(Steam版),賈船(各種コンソール版) |
開発 | Serkhan Bakar |
発売日 | 2022年2月5日(Steam版),2024年4月25日(Switch版、PS4|5版) |
対応言語 | 日本語, 英語, フランス語, ドイツ語, スペイン語, ロシア語, 韓国語, 中国語 (簡体字), 中国語 (繁体字) |
備考 | CEROレーティング:B(12歳以上対象)(暴力)
パッケージ版販売有 |
作品概要
「BEHOLGAR」(国内版商品ページ表記「ベホルガー」)はゲーム製作者Serkhan Bakar*氏が開発、販売を行うゲーム作品。NintendoSwitchを始めとするコンソール移植版ではCOSENが販売を担当。
本作はメトロイドヴァニア方式の2Dクラシックスタイルアクションゲーム。プレイヤーは旅帰りの戦士ベホルガーとして、世界崩壊を企む闇の魔法使いの野望を食い止めるべく冒険へと駆り出していく。
(*steam商品ページ内の開発及び販売、他プラットフォームの著作表記には”Serkan Bakar”と誤記載によるブレが見られる)
開発者の手による西洋劇画テイストの緻密なピクセルアートで描かれたダークファンタジーな世界観、コンポーザーAndrea Baroni氏が手掛ける世界観に添った楽曲群がアピールポイントとなっている。また、本作はダウンロード版と同時にパッケージ版もリリース。通常版、限定版の2種類のバージョンが販売された。
リンク:BEHOLGAR(ベホルガー)(COSENオフィシャルサイト内商品ページ)
ストーリー
(※ゲーム内オープニングデモより要約)
暗夜の中、深い湖の上を進む一艘の船の姿があった。 船の漕ぎ手は一人の戦士。月明りを帯びた彼の剣は、鈍い輝きを放っていた。
戦士が向かうのは古の地。 20年前の冬のある日、彼がこの地を離れて以来の帰還である。 懐かしの故郷へと戻ることが出来る喜びから、彼は昂る気持ちを抑えられずにいた。
やがて辺りを覆っていた霧が晴れ、視界が開けた時 戦士は、空に向かって突き刺すように立つ不気味な塔を眼前に捉えた。
「なんだ、あれは―?」 その異様な光景を目の当たりにして、戦士は訝しむ。 古の地で、一体何が起こっているのか― それは陸に上がることで全ては明らかとなるだろう。
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操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 移動 |
Lスティック | 同上 |
Lボタン | |
ZLボタン | 魔法の切り替え |
-ボタン | インベントリメニュー |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | |
Aボタン | 近接攻撃 |
Bボタン | ジャンプ |
Yボタン | サブウェポン使用 |
Xボタン | 気合攻撃発動 |
Rボタン | 魔法の使用(ボタン押し二度目で破裂) |
ZRボタン | ローリング |
+ボタン | ポーズメニュー |
画面の見方
①:ヘルスメーター | ④:マナポーション所持数 |
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②:怒りメーター | ⑤:使用中のメイン武器 |
③:所持金 | ⑥:選択中のサブウェポン |
※怒りメーターはアビリティ「混沌の炎」入手後より表示されるようになる。
ゲームシステム
基本アクション
近接攻撃(Aボタン) | ジャンプ(Bボタン) |
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しゃがみ(↓長押し) | ローリング(ZRボタン) |
サブウェポン(Yボタン) | ロープの昇降(↑or↓) |
段差降り(↓+Bボタン) |
近接攻撃のモーションは装備中の武器種毎に異なり、それに伴って攻撃の速度や範囲も変化。
ジャベリンなどの一部のサブウェポンは、方向ボタンを↑に入力しながら繰り出すことで上方向に投げることも可能となっている。
宝箱
宝箱や壺を武器で破壊することで、中からアイテムが出現。
主な中身は所持金が増加する金貨や宝石、サブウェポンでごく稀に回復系ポーションが出現することも。
セーブ方法について
道中随所に点在するかまどの近くで↑ボタンを押すことで専用メニューが展開。進捗状況のセーブやロードを実行可能だ。
また、この専用メニューを通じて既往ステージ間のファストトラベル(Fast Travel)を利用することができる。
移動が可能なかまどの設置ポイントは各ステージ毎に規定の1箇所のみとなっており、細かい指定はできない。
死亡時のペナルティについて
ベホルガーの死亡時には、再開地点は最後に立ち寄ったかまどからとなる。
この際、同時に所持金の内の一定額を失うというペナルティを負ってしまう。所持額が多いほど失う量も多くなるので注意。
特殊アクション
スパイク付き手袋
ジャンプや落下中、足場の縁に手が付きそうな際、両手をかけてしがみ付くことができるようになる。
ただし、掴まっている間は通常攻撃、サブウェポン、特殊アクション共に発動不可な無防備な状態となってしまう。特に敵の攻撃やトラップが近くにある場合は警戒が必要。
マジックブーツ
ジャンプの最中、及び落下中に任意のタイミングでBボタンを押す事でダブルジャンプが可能となる。
二段目の跳躍は多少の滞空時間はあるものの、ほぼ全くと言っていいほど高度を稼げない。
高所への飛び移りを考える場合は、後述の古代の氷魔法との併用が望ましい。
アビリティ
冒険中、特定の場面でアビリティを獲得することができる。全3種類。
混沌の炎
正面前方に巨大な炎の波動を放つ。特定の壁を破壊可能。
一度使う毎に、怒りのゲージ(青いメーター)を全て消費してしまう。失われた怒りのゲージは敵を倒すごとに少しずつ溜まっていくが、フルチャージ状態でないと使うことが出来ない点に注意。
古代の氷魔法
放物線を描く軌道で飛ぶ氷の魔法弾を発射。効果中にもう一度ボタンを押すことで足場を作ることができる。
空中で生成された足場は、上に乗ったりしがみ付きが可能と一般的な床と同じ役割を伴うが、時間経過と共に消滅してしまう。
狙ったところに足場を作る上では操作のタイミングが少し難しいが、使いこなすことができれば高所にある足場へと移りたい時に有用なアクションだ。
怒りの鉄槌
空中で剣を真下に突き立てた状態での垂直落下で下方に攻撃を加える。特定の床を破壊可能。
通路の解放用途といった使い方がメインで、攻撃用アクションとしての出番はどちらかと言うと控えめ。入手可能なのが終盤なためか、活躍の場はごく限定的。
武器の種類
作中に登場するメイン武器は以下の計5種類。
剣(初期装備)
ダメージ:35 スピード:速い |
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槍
ダメージ:50 スピード:普通 |
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クルドゥルの剣
ダメージ:65 スピード:速い |
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戦斧
ダメージ:45 スピード:速い |
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竜の剣
ダメージ:65 スピード:普通 |
初期装備の剣は威力、攻撃範囲、リーチ、全てにおいて心許なさを覚える性能であるため、なるべく早い段階で違う武器に乗り換えたいところ。
作中前半~後半にかけて手に入る武器の中では、比較的早い段階で入手可能な戦斧が使いやすくおススメ。最終武器候補となるクルドゥルの剣や竜の剣を入手するまでの間はこれ一択でも十分な性能となっている。
(というよりも、それ以外の武器の選択肢自体がないに等しい)
アクセサリ
リングやネックレスといったアクセサリ系の各アイテムは、入手することでベホルガーの身体能力やアクションに有用な効果をもたらす。
ゲーム内では計7種類の存在を確認しており、一部はNPCを通じて購入することが可能。
インパクトリング | 敵の攻撃弾を迎撃可能になる |
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シュブラのネックレス | ローリング中、敵からのダメージを防ぐ |
マグネットリング | ドロップした金貨系のアイテムを自動的に引き寄せる |
ゴールドリング | 死亡時に失うゴールドの額が減少する |
ユダックリング | 飛距離が延長される |
コルカットリング | 怒りのゲージがより速く溜まるようになる |
ウィッチリング | 毒状態から早く立ち直ることができるようになる |
いずれも購入、あるいは入手直後から効果を発揮する仕様で、任意で装着を行う必要はなし。
パラメーター増加系アイテム
シャマランの血
シャマランの血を入手することでヘルスレベルが上昇。体力メーターの最大値を拡張することができる。
生存率を高める上では、ひとつ残らず入手しておきたい。
銅の護符
銅の護符はサブウェポンの最大所持数を5ずつ追加する効果を持つ。
サブウェポンを多用したいというプレイヤーにとっては非常に有難い貴重品だ。
プレイ中気になった点(不具合を含む)など
作中において軽微な不具合、もしくは不可解な挙動が見られる。これらに関しては2025年1月現状、修正は行われていない模様。
ロープ使用時の挙動
ロープを伝って上昇移動を行う際、天井に着いた状態から更に方向ボタンを↑に押し続けることで、何故かベホルガーが横方向へと滑るように移動し続けていく、といった挙動に纏わる現象を確認している。(動画を参照)
検証してみたところ、ロープに飛びつく直前までの挙動が反映されているらしく、右側から飛びついた場合は左方向へ、左側からの場合は右方向へと移動するといった具合だ。上方向へと押し続けている間は、ロープ進入時の加速度に伴って横滑りを繰り返し続け、とおかしな動きとなる。
下方向に押すことで何事もなかったかのようにカメラリセットと共に自然と元の位置へと戻っていくため、一応座標自体は正常に反映されている模様。
インベントリの仕様周り
本作にはメイン武器、サブウェポン、アビリティ等の多様なカテゴリのアイテムが登場するが、一部のアイテムは入手してもインベントリ内で所持状況を確認することができない。
中でも8種類程度と数も多い指輪系アイテムについては専用のスロットが用意されておらず、NPC販売されているものを除くと入手直後にただ一度だけ登場する”ポップアップウィンドウの説明文を通してのみ効果の確認が可能“、といった不便な仕様となっている。
クエストアイテムに至っては、入手後こそ同カテゴリのスロットに一度は入るものの、ゲームを進める内にどのタイミングで使用フラグが立ったのか分からないままいつの間にかスロットから消えている、といった不可解な現象が見られる。
上記どちらのカテゴリのアイテムとも全体的に重要度の高いアイテムであるにも拘らず、こういった仕様のためか少々雑な扱いとなっている印象が強い。冒険中、どんなアイテムを入手して所有しているのか覚えていない、と不安な場合は、スクリーンショット機能で入手直後の状況をその都度手元に残しておくクセを付けておくといいだろう。
その他
ゲームクリア後、進捗状況がエンディングシーンが始まる直前の段階で自動的に保存され、以後、同じセーブデータをロードすると最後にセーブを行ったかまどからではなく、必ずエンディングシーンからの再開となる。
データを残している限り、該当のセーブスロットのデータは「いつでもエンディングを視聴可能なセーブデータ」でしかなくなってしまうので、本ゲームで冒険を続けたい場合は新たにセーブデータを作成して始めるか、他のセーブデータを使用するしかない。
プレイ後の感想
「BEHOLGER」はジャンルで言うとスタンダードな探索型2Dアクションゲームで、特徴はきめ細やかなピクセルアートとAndrea Baroni氏提供によるBGM楽曲群。そのどちらもが魅力的な要素だ。
メイン武器とサブウェポン、道中で随時追加されていくアビリティや能力に特殊効果をもたらすアクセサリ各種― と造りは極めて正統派なメトロイドヴァニアで、ダークファンタジーテイストのハードな世界観やゲーム全体の雰囲気も含め、作風としてはJoymasher開発の「Odallus」にやや近くもある。
と、ビジュアルやサウンド面で期待感を高めてくれる本作ではあるのだが、ゲームそのものの完成度という点においてはしっかりと遊べる一方で、少々粗削りな箇所が垣間見える。主には軽微な不具合が目立っており、内容についてはぺージ内で取り上げてきた通り。
ソフトウェアのバージョン表記からも、これまでに幾度かのアップデートを経て修正は行われてきたようだが、不完全であるのか未だその名残は見られるままだ。
ゲーム自体が進行不可となるような致命的な現象にこそ遭遇はしなかったが、プレイ中は予測のつかないタイミングで思わぬ形の不具合に見舞われる― といった体験を何度もしてきたことから、本編自体の難易度とは違う方面で翻弄されてしまった。今後プレイされる予定という諸氏においては、筆者が未だ遭遇していない思わぬ不具合がプレイ中に発生する、という可能性も否めない。
なお、本作はSteam版とコンソール移植版、二種類のプラットフォーム間においての価格差が激しいという点も見逃せないところ。
パブリッシングが付く関係なのか、コンソール版の標準価格はsteam版の実に3倍という強気な設定となっており、セール時との価格差も著しい(※同時期発売となった各種パッケージ版は上記の価格をさらに上回る)。現状での仕上がり具合や内容を考慮しても、少々割高感を覚えさせる。
これから本作に触れてみようという方においては、色々な点を踏まえてもコンソール版の定価での購入は少しお勧めしがたいことをここで伝えさせて頂こう。
およそ7時間程度のプレイ時間の末、どうにかゲームクリアを迎えることはできたが、振り返ってみると道中の激しさに比べてボス戦は終盤を除いてどれもパターンが単調気味で、歯応えの無さを感じてしまった。
一見の雰囲気が好みであった事から筆者の期待値は割と高かったのだが、実際に遊んでみると想像をやや下回る完成度であった事から、「素材がいいだけに色々と惜しい箇所が多い」といった感想に落ち着いてしまう。
本作を遊んでみようという方は、プレイ中思わぬ不具合に不意打ちを食らうこともあると思われるが、最低限最後まできちんとプレイは出来るようになっているので、是非実際に触れて判断してみて頂きたい。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 7.0 |
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良い点
- 西洋テイスト&クラシックスタイルの精緻なピクセルアートによって彩られるダークファンタジーな世界観
- Andrea Baroni氏が手掛けるBGM楽曲群
- 探索を通じて能力強化やキーアイテムを発見することで進行していく、極めてスタンダードなメトロイドヴァニア
惜しい点
- (各種コンソール移植版)先行のSteam版に比べ、標準価格が3倍と高額(であるにも拘らず、これといった豪華な追加要素も無し)
- 致死性の高い地形ギミックが連続するステージが多く見られ、序盤から難易度が高い
- 操作キャラの挙動や一部インターフェース上の仕様において動作が不安定な箇所や不具合が複数見られる
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