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基本情報
タイトル | Attack of the Karens |
対応機種 | Steam/Nintendo Switch など |
販売 | Studio Primitive(Steam版)/Flynn’s Atcade(コンソール版) |
開発 | Studio Primitive |
発売日 | 2023年9月25日(Steam版)/2024年3月21日(Switch版) |
対応言語 | 日本語,英語 |
備考 | IARCレーティング:7+(暴力(軽度)) |
作品概要
「Attack of the Karens」(e-shopストア表記は「Attack of the Karens: カレン族の攻撃」*)はアメリカ合衆国のゲームスタジオStudio Primitiveが開発、販売を手掛けるゲーム作品。国内コンソール版においてはFlynn’s Arcadeがパブリッシャーを担当。
本作は横スクロールスタイルのステージクリア型シューティングゲーム。プレイヤーはマネージャーX-15を操縦し、病原体エイリアンの影響によってサイボーグと化した4人のカレン達を撃退する激しい戦いへと赴いていく。
1プレイ毎にステージ&ボスの順序がランダムに入れ替わるローグライク要素や、EXP獲得式のレベル制と機体アップグレードによる自機の強化システム、モディファイアの設定によって大きく変動する難易度などが本作の特徴となっている。
(*ゲーム内での日本語設定時は「カレン族の襲撃」だったりと、翻訳に一貫性がない)
リンク:Flynn’s Arcade(X(Twitter))
操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | 移動 |
Lスティック | 移動 |
Lボタン | ディフレクターの発動(※要アップグレード) |
ZLボタン | |
-ボタン |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | |
Aボタン | ショット(長押しでオート連射) |
Bボタン | |
Yボタン | 会話シーンのスキップ(※場面限定) |
Xボタン | モジュール・キャノンの発射(※要アップグレード) |
Rボタン | ロケット弾の発射(※要アップグレード) |
ZRボタン | |
+ボタン | ポーズメニュー |
(「※」の注釈がある操作アクションは、アップグレードによる各武装のアンロックが必要となる)
なお、プレイ中頻繁に画面左下で流れる通信会話(テキスト&ボイス)は、ボスカレンとの会話シーンに限りYボタンでスキップすることができる。
オプションについて
各項目の効果について簡単に紹介
アイテム | 備考 |
---|---|
CRT FILTER | CRTフィルター(ブラウン管モニター風の画面演出)適用のON/OFFの切り替え |
Sound | 効果音の音量調節 |
Music | BGMの音量調節 |
Dialogue | 会話のON/OFFの切り替え(※OFFに設定時はSubtitleも強制的にOFFになる) |
Subtitles | 字幕(テキストボックス)表示のON/OFFの切り替え |
Screenshake | 画面の揺れ演出の調節 |
「Dialogue」の項目をオフにした場合は、ゲーム中の会話シーンが余すところなくカットされる。
画面の見方
①:エネルギー残量 | ④:自機(マネージャーX-15) |
②:経験値(EXP)と現在レベル値 | ⑤:アマンダとの通信テキストボックス |
③:集めたモジュール | ⑥:エネミー撃破ゲージ(フル状態達成時にボス登場) |
ゲームシステム
出撃前のセットアップ
ステータスメニューでは、各ボスの肖像とステージの組み合わせが一括で表示。出現状況とロケーション、ステージ順が一目で確認可能だ。
ステージは1⃣>2⃣>3⃣>4⃣>5⃣の順で展開し(最終面にあたる5⃣の肖像はシークレット)、1回の出撃毎にランダムで入れ替わる仕様となっている。
即座に戦いを挑む前に、まずは下部メニューから「アップグレード」や「モディファイア」を確認し、必要に応じて機体の強化を行うと良いだろう。(この2つについての詳細は後述)
各種セッティングが終わったら最後に起動(Launch)を選択。いざ、カレン討伐へと出発だ。
ステージの進め方
各ステージでは次々と出現する敵機を撃墜し、画面右側の縦に伸びたゲージを全て満たすことでボスカレンが出現する。
ボスカレンとの対決フェイズでは縦長ゲージはそのままボスのライフゲージへと役割が変わり、ここからは一転、ボスにダメージを与えることで今度はゲージを全て奪うのが目的となる。ゲージを全て消費すれば、無事ボス撃破となりステージクリアだ。
マネージャーX-15の武装紹介
基本武器であるブラスターショット以外の一部のオプション兵器を以下で紹介。
シールドオーブ
アップグレードによって開放。
一般的な敵弾を吸着して無効化するオーブを機体の周囲に展開、自動で回転を続けながら敵の攻撃から守ってくれる防御用の武装アイテム。
破片、レーザー、爆発などは防ぐことができないので要注意。
ディフレクター・シールド
Lボタンで発動。一般的な敵弾を瞬時に消滅させる防御特化の特殊武装。一度発動した後はクールダウンタイムに突入し、再使用に30秒~1分といった時間を要するため多用は出来ない。
避けきれない量の弾が飛んできた際に備え、ここぞというタイミングで活用してピンチを切り抜けよう。
ロケット弾
Rボタンで前方正面に発射するスペシャルウェポン。連射は効かず、単発発射のみ可能。
命中後の爆発で小範囲の敵にダメージを与えるだけでなく、ある程度対象を追尾するといった特徴も持っている。
アップグレードによる所持数の拡張に対応しており、開放後以降は所持状態がHPゲージの右側に常時表示されるようになる。ストックを1つ以上消費している場合は、敵機が偶にドロップする同デザインのストックアイテムを回収することで補充が可能。
目一杯強化しても「同時に持てるのは最大で2つまで」と半ば切り札的な扱いの武器になっているので、中ボスやボスカレンなど”高耐久のターゲット”を相手にする際にこそ、積極的に撃ち込んで行きたい。
モジュール・キャノン
アップグレードによって装着が可能となる。Xボタンで発射。連射は効かず、単発発射のみ有効。
“1発につきモジュールを10消費する”といった特徴を持ち、開放可能となるタイミングも含め位置付け的には最終兵器にあたる特殊な装備。
熾烈を極める最終決戦に置いて、上手に使えば思わぬ切り札となるかも?
アップグレード
敵機を倒した際にドロップすることがあるモジュールは、一定量と引き換えで機体のアップグレードに利用することができる。
本作のアップグレードは項目毎に下位のものから順に開放していくツリー方式で、シールド増加やショットのダメージ増加など計26種類にもわたる。
アップグレード全項目の開放にはかなりの量のモジュールを必要とするが、本作ではデスペナルティによる損害は一切ない。ステージ内でモジュールの出現を確認した際は、積極的に回収して強化に充てていこう。
モディファイアの設定
モディファイア*の設定を行うことで、様々な条件を付加しゲームプレイに変化を付けることが出来る。(※ニューゲームで本編開始後、いずれかのステージを3回挑戦することでアンロック)
組み合わせることでプラス、あるいはマイナスな方向へとゲームバランスに変化を及ぼすだけでなく、モジュールのドロップ量を増減するといった副次的な効果ももたらす。
(*Modifier=変更、修飾要素)
モディファイアの効果一覧
呪い | 緩和* |
---|---|
全ての敵のHPが250% | 2分ごとにHPが自動で1回復 |
レベルアップ時にアップグレード・オーブが出現しなくなる | ゲーム開始時にHPを3追加 |
被ダメージ2倍 | 全ての敵機のHPが25%減少 |
自機の移動速度が50%に低下 | 発射速度15%増加 |
ブラスター弾の精度低下 | HPを1失う毎に、ブラスター弾のダメージが5%増加 |
敵機が撃墜後にカウンターで弾を発射するようになる | カレンのキャッシュメモリが2倍のEXPと回復アイテムを1つ確定でドロップ |
ブラスター弾の速度低下、発射後に消滅するようになる | ディフレクター・シールドのチャージ時間が半分になる(要アップグレード) |
未回収のモジュールが数秒後に爆発するようになる | ロケットの同時発射数が2倍になる(要アップグレード) |
(*日本語設定時はゲーム内の表記が「祝福」となっていますが、上の表ではより適した表現に修正しています。ご了承下さい)
プレイ後の感想
「Attack of the Karens」はオーソドックスな横スクロール方式の2Dシューティングで、まずは何をおいても”カレンを相手に戦闘機を駆って戦う”という個性的な設定に注目が行く。
表題やゲーム内で強調されているこの「Karen=カレン」というワードだが、調べてみたところでは2019年以降にアメリカ国内でSNSを通じて広まったネットミームで、作中ではブラックジョークとして扱いつつゲームの中心的な設定要素として扱っているように見て取れる。(※件のミームについては、当ブログでは一切掘り下げないのでご了承頂きたい)
ボス戦では各カレンとの掛け合いが通信会話によって展開し、敵の大攻撃やフェーズ移行時に特殊セリフが次々とフルボイス(英語のみ)で繰り出される。字幕でも追えるようにカレン達の口調は皆一様に極めて口汚く、対象が繰り出す熾烈な攻撃に同調するかのように好戦的だ。
本作のステージ総数は計5面と少なく、1周プレイであれば15~20分程度もあれば攻略可能と、短時間で手軽にシューター気分を味わいたい際には最適なボリュームとなっている。
ただし、本作の難易度はあくまで機体アップグレード込みである事が前提のバランスになっていると想定され、一切の強化なし(あるいはモディファイアによるマイナス効果を反映した状況下)で挑むのであれば、相応の腕前がなければ苦戦は必至だ。すべての強化を終えている事を条件として織り込んだ場合、結果的に6時間程度からそれ以上といったプレイボリュームに落ち着くだろうか。
プレイ上の難点は自機の形状が他のスプライトに比べてかなりコンパクトである事で、アイテム獲得毎にどんどん追加されていく各種オプション兵装や同時発色数を抑えたグラフィックに混じって、慣れるまでの間は度々見失ってしまい易い。そのため、ゲームプレイ中は自分の機体から目を離さないよう気をつけたいところだ。
カテゴリ的には弾幕要素を含んだシューティングゲームに一応は該当するが決して過剰な難易度ではなく、本来の同ジャンルが持っている「敵機の攻撃をかいくぐりながら弱点に弾を撃ち込む」といった醍醐味を真っ向から味うことができる。
大物インフルエンサーやサッカーマムといった中流階級層のカレン達が繰り出す攻撃アクションは、どれも現代的なテイストを持ったユニークなものばかりで見た目も楽しく一見の価値あり。
そこはかとなくB級テイストやイロモノ感が漂う、世界観が独創的な2Dシューティング「Attack of the Karens」を一度お試しあれ。
(*今回、パブリッシャーであるFlynn’s Arcadesさんのご厚意によりゲームキーを提供頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。)
評価
個人的スコア(10点満点中) | 7.0 |
---|
良い点
- 機体アップグレードによるバラエティ豊かな自機の強化要素
- ユニークな攻撃スタイルを持った個性的なボスカレン達
- 程良いバランスの難易度により、弾幕型シューティングの入門用ゲームとしても最適
惜しい点
- ゲームバランスを大きく変えるモディファイア設定だが、反映時のメリットや利用価値の薄さが目立つ
- ブラックジョーク色の強いミームが題材となる作風につき、万人を対象にはお奨めし辛いといった後ろ向きな印象も抱える
- カラーパレットにバリエーションが無く、ビジュアル面での楽しみや華やかさに乏しい
© Eastasiasoft Limited, Joseph Calabro. All Rights Reserved. 基本情報 タイトル タコタン:星のタコ(Takotan)[…]