狼男アメリカン(Switch版) ― プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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Aurita Games S.L. 2022

 

基本情報

 

タイトル 狼男アメリカン
対応機種 Nintendo Switch,GooglePlay,他
販売 Aurita Games(Switch版)、PlayMedusa(GooglePlay版)
開発 同上
発売日 2022年2月24日(Switch版)、2020年10月7日(GooglePlay版)
対応言語 日本語,英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,中国語 (簡体字)
備考 IARCレーティング:12+(軽い暴力)
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作品概要

 

「狼男アメリカン」(「An American Werewolf in L.A.」)はAurita Gamesが開発、販売を手掛けるゲーム作品。

ゲーム内容はサイド方式の2Dスタイルベルトアクション。狼男のランディスを操作して、制限時間の2分間を人間を相手に身体一つで生き延びる。

全5面+αで構成された各ステージを爪と牙を駆使して切り抜け、ガールフレンドと一緒にロサンゼルスでのサーフィンを楽しもう。

 

同名邦題タイトルの1981年洋画作品「An American Werewolf in London」と近い設定でデザインされているが、直接の関連性は一切ない。

また、本作はコンシューマー版への移植に先駆けて、2020年にGooglePlay版が配信開始されている。

 

外部リンク:An American Werewolf in L.A.(Android版)

 

ストーリー

 

(※オープニングデモ、及び、公式の紹介ページ内あらすじから要約)

 

 

1984年。ヘルズ・クリーク。

この街で生まれた青年ランディスは、ロサンゼルスでプロのサーファーになる事を夢見て

愛車と共に故郷を離れようとしていた。

 

ランディスの話を聞いたガールフレンドのクレメンタインは、その後を追いかけようとするが

町の保安官である彼女の父親ナッシーが、これに猛反対。

 

「娘がランディスのような変わり者と一緒に、人生を無駄にすることは許さない」

街を守る者として、娘を持つ一人の父親として

彼は、ロサンゼルスへ向かう2人をあらゆる手段で止めようとするだろう…。

 

 

 

基本ルール

「狼男アメリカン」各ステージの基本ルールは、ライフゲージを維持したまま、2分間の制限時間を生き延びるといったもの。

敵の攻撃を何度も受け、ゲージを全て失った時点でゲームオーバーとなり、コンティニュー画面へ移行(コンティニューは3回まで使用可能)。

コンティニュー時は、制限時間が初期化された状態でステージの最初から再開となる。

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン 移動
Lスティック 同上
Lボタン
ZLボタン (ZRと同時押しで)メニュー呼び出し
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン ダッシュ、項目決定
Bボタン ジャンプ
Yボタン 攻撃
Xボタン ジャンプ
Rボタン
ZRボタン
+ボタン コントローラー設定呼び出し

 

ゲーム起動中、及びプレイ中好きなタイミングで+ボタンを押すと、コントローラー設定画面を瞬時に呼び出し、認証などの各設定を行うことができる。

本作はローカル2人同時プレイに対応しているので、途中参加プレイを行う場合はまずはこの機能を利用しよう。

なお、2人同時プレイ時の操作キャラクターは1プレイヤー側がD.Landis、2プレイヤー側がJ.Naughtonとなる。

 

プレイヤーのアクション

 

移動/ジャンプ

移動は方向キーまたはLスティック。ジャンプはBボタンでそれぞれ操作が可能。

移動速度はかなりある一方、ジャンプの高度はあまり高くないため、銃弾などの飛び道具を回避するのには不向き。

 

攻撃

Yボタンで攻撃アクションを発動。連続で押すことで、パンチや爪を振り上げたりと最大5つの技へと派生していく。(最後は噛み付き)

技派生の判定は比較的長く残るため、あまり間隔を開けずにボタンを押した場合、フィニッシュ技の噛み付きなどが暴発することもあるので注意。

 

ダッシュ

左右どちらかに入力中、Aボタンでダッシュ移動が発動。

ダメージ判定のあるものを無傷で通り抜けられるので、

 

防御

Aボタン長押し中、肘を折ったまま片腕を手前に突き出した、防御姿勢を取ることができる。

敵が放つ一撃辺りのダメージを大幅に軽減できると同時に、防御アクションからはすぐに攻撃に転じられるたりと、非常に強力な性能を持ち、使い勝手も良い。

警官から発射される銃弾でも咄嗟、且つ容易に防御が可能なので、攻撃が激しいと思える場面では正しく頼みの綱と呼べるアクションになるだろう。

 

再生

ボタン操作を一切行わずに約1秒放置していると、ランディスが身体を後ろに反るポーズを取り始める。

このポーズを取っている際、プレイヤーのライフゲージがわずかでも減少していた場合には、体力がゆっくりと自動で回復する”再生”状態となる。

ゲーム中盤以降は敵を倒して安全を確保しても、後から後から引っ切り無しに出現するため再生を使用できるタイミングは中々ないが、わずかの隙間でも有効的に活用していこう。

 

プレイ後の感想

以下では「狼男アメリカン」をプレイしての感想を記していく。

本作は初出がGooglePlayということもあり、元々がスマートフォンやタブレットでのプレイを想定したライトな内容のゲームであるといった印象を受けた。

ゲーム開始から最短10分でクリア可能というコンパクト且つ手軽な内容で、操作システムもシンプルな格闘アクションとなっていてとっつき易い。

 

演出面では攻撃ヒット時の「ポスッ、ポスッ」といった「カラテカ」風のヒット音が、ゲーム的なサウンドながらも心地良さを放っている。

また、80年代の洋画がモデルとなっていることに因んでなのか、ステージ1背後に建つ映画館には、名作洋画の各タイトルがモチーフらしきポスターがずらりと並んでいたりと、背景の小ネタも楽しい。

 

主人公ランディスの故郷、且つ本作のファーストステージの舞台でもある”ヘルズ・クリーク”という地名は、ステージマップを観たところ”アメリカのウィスコンシン州にある町”という設定のようだ。

しかし、ネットで検索してみても該当する地域名を見つけることができず、筆者の中では本作の舞台として用意された架空の地であるのだろうという認識でいる。

(現実においては同国モンタナ州に、近い名称を持つ”ヘル・クリーク類層”という恐竜の化石が出土されている地層が存在するが、モンタナ州はウィスコンシン州の西方に位置する州で、全く関連性はない模様)

 

難点としては、ステージの難度にかなりばらつきがあり、敵のリポップや、敵同士が重なって動くクセ、といった複数の要素がその要因として挙げられる。

そのため、一部のステージでは立ち回り方のコツを掴まないと、理不尽にハメられて倒されるといった憂き目に逢うことも少なくない。

 

ファーストプレイでは特に2面や4面が鬼門となりがちだが、立ち回り方のコツを掴めばグッと攻略を進めやすくなるので、本作を手に取った方は、下記のステージ紹介項目にも目を通しつつ是非全面クリアを目指してみて欲しい。

 

派手なアクションこそ用意されていないが全体的に操作性が良く、3画面分の広さに相当する各ステージを高い機動力で所せましと大暴れするのは中々の爽快感がある。

初期ゲームボーイ用タイトルのようなシンプルでコンパクトな内容は、10分程度の短時間で手軽にプレイするのにはもってこいなボリュームだ。

 

リスペクト元とされる映画作品「An American Werewolf in London」とは、登場人物、舞台、設定などの点で特に関連性は見られないが、本作と同時に偶然この映画タイトルを知ったという諸氏は、併せて観てみることで新たな発見があるかもしれない。

「スパルタンX」、「ビジランテ」といったクラシカルなベルトアクションに興味がある方は、本作「狼男アメリカン」を一度お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .5

 

良い点

  • パンチや爪などの打撃を中心にした連続攻撃で、行く手を妨害するエネミーを倒していく爽快感
  • ローカル2人同時プレイに対応
  • コンパクトなゲームボリュームのため、短時間で手軽にプレイが可能

 

惜しい点

  • ステージの難易度にばらつきがあり、最終面の難易度は比較的控え目
  • 敵のAIが余り練られていないのか、一部のステージでは特定のポイントに何匹も貯まったまま留まるといったパターンが見られる
  • ゲームモードや難易度の変更といった、ゲームプレイの幅を広げるようなシステムやオプションが搭載されていない

 

 

ステージ紹介

 

「狼男アメリカン」に登場する全ステージを簡単なワンポイントと共に、以下で簡単に紹介していこう。

 

Level 1

Hell’s Creek(ヘルズクリーク)

最初のステージはランディスの故郷ヘルズ・クリーク。

狼男に変身したランディスを巡り、深夜の映画館通りでストリートファイトが展開する。

 

爪や牙を伴う獣ならではの身体を駆使して、制限時間の2分間目一杯暴れてしまおう。

ファーストステージということで特に難しい場面はないが、制限時間後半からは敵が出現する頻度が増すので最後まで気を抜かないこと。

 

Level 2

Chicago(シカゴ)

ガールフレンドのクレメンタインと共に愛車でロサンゼルスへと向かう途中、エンジントラブルによってシカゴの路上で足止めを食らうランディス。

さらには前も後ろも警察車両に阻まれてしまい、絶体絶命に!?

 

遠くから拳銃でこちらを狙う警官はバリケードの反対側に陣取っており、近づくためには、ジャンプで飛び越える必要がある。

このステージで、最も脅威となるのがスキンヘッドの警官で、彼の繰り出すスタンガンは喰らうと一定時間身動きが取れなくなる厄介な武器だ。

感電中もダメージ判定が残るため、囲まれて一斉に攻撃を受けると一気に体力を奪われて窮地を迎えることも。

 

Level 3

Amarillo(アマリロ)

テキサス州の都市アマリロ。戦いの舞台は、街のガスステーションだ。

車にまつわるロケーションということもあってか、ここでは整備士が敵として襲ってくる。

ピンク服の整備士は火炎瓶を放ってくるので、なるべくこちらから優先的に倒していきたい。

 

緑の服の整備士はスパナで攻撃してくるが、このスパナはこちらのパンチよりもリーチが若干長く、耐久度が少し高いため1発の打撃で倒すことができない。

先手必勝とばかりに、相手がスパナを突き出すより速く攻撃を繰り出し、連続技で素早く仕留めよう。

 

Level 4

Grand Canyon(グランドキャニオン)

グランドキャニオンでは地面を潜行しながらスカウトが次々にプレイヤーの行く手を阻む。

ステージ両脇には狙撃兵が常にこちらに牙を剥けており、中央2箇所には大ダメージと共にプレイヤーの動きを暫くの間封じる脅威のトラップ、トラバサミが仕掛けられている。

 

全ステージの中でも屈指の難易度を誇る面だが、敵の数を少しでも減らそうと無闇にステージをウロウロしないのが攻略におけるポイント。

突然目の前で姿を現してナイフ攻撃を繰り出すスカウトは、しゃがみ状態からの爪攻撃が比較的有効だ。

 

Level 5

Los Angeles(ロサンゼルス)

ロスのランドマーク、ハリウッドサインをバックに、軍を相手に戦う。

上空からは、プレイヤーの頭上を狙ってナパーム弾が執拗に撃ち込まれ、着弾後は高い爆風が巻き起こる。

 

兵士の攻撃は機銃一辺倒で、近接攻撃を行ってくる敵は一人も登場しない。

ジャンプでかわしきるのは難しいので、移動も回避も基本的にはダッシュを駆使していこう。

 

Final

Kill the Sheriff!(保安官を倒せ!)

ロスのランドマーク、ハリウッドサインをバックに、本当の姿を現した保安官ナッシーとの一騎打ちとなる。

プレイヤーよりも一際体の大きいナッシーだが、近づかない限りはあまり積極的な攻撃は行ってこない。

 

反面、相手にダメージを与えるためにはこちらも接近戦を挑むしかないのだが、ナッシーの攻撃を繰り出す間隔はランダム性が高く、適当に攻め込むのは返って危険となる場合も。

ダッシュを駆使して近づき、少し攻撃を加えては離れる、といったヒット&アウェイを心がけながら、少しずつ相手の体力を削り取っていこう。

 

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