Agatha Christie – Hercule Poirot The First Cases - 感想と作品解説【レビュー】

スポンサーリンク

Agatha Christie – Hercule Poirot: The First Cases © 2021 Microids SA. All rights reserved. Developed by Blazing Griffin Limited. Published by Microids SA. All rights reserved. AGATHA CHRISTIE, POIROT, the Agatha Christie Signature and the AC Monogram logo are registered trademarks of Agatha Christie Limited in the UK and elsewhere. All rights reserved.

 

基本情報

 

タイトル Agatha Christie – Hercule Poirot The First Cases
対応機種 Steam/Nintendo Switch
販売 Microids
開発 Blazing Griffin
発売日 2021年9月28日(Steam版)/2021年9月30日(Switch版)
対応言語 日本語,英語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,韓国語,ロシア語,中国語 (簡体字),ポルトガル語,中国語 (繁体字),ポーランド語(Steam版)
備考 IARCレーティング:7+(暴力の暗示)

 

作品概要

 

「Agatha Christie – Hercule Poirot The First Cases」(「アガサ・クリスティ – エルキュール・ポアロ: 初事件」)は、スコットランド・グラスゴーを拠点とする開発スタジオBlazing Griffin製作によるゲーム作品。パブリッシングはフランスのMicroidsが担当。

表題通り、ミステリー文学の巨匠アガサ・クリスティ女史の人気シリーズ、名探偵エルキュール・ポワロシリーズ原作のアドベンチャーゲーム。同ディベロッパーが手掛ける「殺人ミステリーマシーン」でも見られる”マインドマップ”機能を活用した推理要素がゲームシステムの根幹に据えられている。

スポンサーリンク

Microidsパブリッシングで同じシリーズを題材としたゲームタイトルで「Agatha Christie – Hercule Poirot ABC Murders」が同プラットフォームでリリースされているが、こちらはフランスのArtefacts Studio製作と開発元が異なる作品である事に注意。

 

リンク:Blazing Griffin(Official Site)

リンク:Blazing Griffin(X(Twitter))

リンク:Microids(X(Twitter))

 

ストーリー

 

(※商品ページ内の紹介文より該当部分を引用)

 

探偵を始めたばかりの頃、エルキュール・ポアロは高い影響力を持つヴァン・デン・ボッシュ一族の祝賀会に招待された。

一族の娘の婚約を発表し、祝うための集まりだ。

 

しかし、吹雪が町を包み、邸宅内から動けなくなった招待客たちの間で緊張が高まっていく。

そして、招待客の一人が殺されたことで幸せな祝賀会は悲劇へと変わっていく…

 

適切な時に適切な場所にいたポワロは、すぐに捜査を開始する。

彼が解き明かすことになる、隠された秘密と危険な対立はいったい何なのか?

 

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
Lスティック 移動
上下左右ボタン 移動
Lボタン
ZLボタン 視点ズームアウト
-ボタン ポーズメニュー

 

JOY-CON(右)
Rスティック
Aボタン 決定、インタラクト
Bボタン キャンセル、戻る
Yボタン マインドマップ
Xボタン 人物プロフィール
Rボタン
ZRボタン 視点ズームイン
+ボタン ポーズメニュー

 

ゲームシステム

 

事件現場の探索

方向キー、Lスティックでポワロを操作して現場を移動しながら、関係者に話を聞いたり証拠品や痕跡といった事件の手がかりを見つけながら捜査を行って行く。

調査可能な対象の傍に立つと上画像のようにアイコンが表示されるので、Aボタンでインタラクトしてみよう。

 

マインドマップ

証言を集めたり、調査対象を調べていく毎に次第に多数の推理要素が集まっていく。

キリの良い段階になったら一度、Yボタンでマインドマップを開いて事件を整理してみよう。

 

「!」マークが付いたマークが未チェックの推理要素にあたり、人物アイコン以外の手がかりを示す2種類の各推理要素を線で組み合わせて紐づけを行って行く。

捜査に行き詰まった際にこの機能を活用して一度事件を整理することで、事件の新たな手掛かりへと辿り着くことが出来るかもしれない。

 

左上の鎖アイコンの数字が1以上の数字を示している場合、マインドマップ内に紐づけ可能な手がかりの組み合わせが存在する証。紐づけは何度失敗してもリスクは一切負わないので、片っ端から試して見つけ出していこう。

 

チャレンジ会話パート

証言を聞く際、一部の選択肢には赤い吹き出しマーク(上画像)が付いたものが出現することがある。これを選ぶと、チャレンジ会話へと展開する。

チャレンジ会話では事件関係者から新たな手掛かりを得るために、会話の端々に登場する2択の選択肢の内どちらかを選びながら舌戦を繰り広げていく。

 

選択次第では画面内に緑色や赤色のエフェクトが発生することがあり、これは主には対象人物が設問に対して抱いた心象を表す効果となっている。

ただし、場合によっては相手に対して好意的な態度を貫いていくことが必ずしも正解になるとは限らない。情報を引き出すためには心理による駆け引きが重要。

選択肢毎にポワロが吹き出し内に自身の考えを心の中で呟いていくのでこれを参考にしつつ、相手の反応を窺いながら臨機応変に対応していくように心がけよう。

 

基本的には失敗してもペナルティは一切なく会話の最初から何度でもやり直すことができる(※一部シーン除く)が、コレクション回収目的でプレイする場合、チャレンジ会話の解決はなるべく最後に取っておいた方がいいだろう。

 

プレイ後の感想

「「Agatha Christie – Hercule Poirot The First Cases」は表題にアガサ・クリスティ、及びエルキュール・ポワロの表記があるように古典海外ミステリーの名シリーズを題材としている。ただし、本作自体はストーリーや関連人物も含めてゲームオリジナルのストーリーとなっているとのこと。

全編に渡り、英語を中心とした3言語に対応のフルボイス+字幕演出により物語展開に没頭し易く、海外ミステリードラマのテイストが作中にしっかりと抑え込まれている。

 

「殺人ミステリーマシーン」でも見られたマインドマップ機能はSwitch版の場合ゲームコントローラーで操作する上での煩わしさは残っているものの、自由配置機能の排除や視認性の改善により使い勝手に一定の向上性が見られる。

手がかり同士を線で結び、紐づけて関連性を持たせるというこのゲーム要素は、本作では3回失敗すると正解の組み合わせが自動的に点灯する仕組みになっている。(※オプションでオンオフが可能) この仕様により、正解に辿り着くために片っ端から総当たりを…といった覚悟は必要なく、調査に行き詰まる心配もない。

 

物語は計9つのチャプターによって終始館の中で話が展開する。チュートリアルも含めたプロローグではポワロ視点による過去の事件が描かれるが、ここも本編へと繋がる重要な前振りとなるエピソードだ。

原作によれば、かつてはベルギーのブリュッセル警察に勤めていたとされるエルキュール・ポワロだが、”警官の制服を身にまとった”若かりし姿を拝めるのは作中ではこのタイミングだけとなっている。

 

本作は海外ミステリー作品原作のゲームとしては、コントローラープレイ上での操作性の面を除けばクセは少なくかなり遊び易い。

事件の真相追及まではほぼ迷うことなく進行可能となっているが、攻略上の注意点もある。終盤のとある場面ではプレイヤーの反応次第でエンディングが分岐すると同時に、一部コレクション獲得の有無にも関わって来たりと極めて重要度の高い選択を迫られる。

また、本作は全編オートセーブ方式であることに加えて、一度いずれかのエンディングに辿り着いてしまうとそれまでのセーブデータが初期化されてしまう。好きなチャプターを開始地点に選ぶことが出来ないという点も含め、未回収要素を手に入れるための二周目プレイが完全に二度手間となってしまう点は少々頂けない部分だ。

 

ボッシュ家の令嬢アンジェリンの招待状を受け、多様な人物達が一堂に会するヴァン・デン・ボッシュ邸の集いに招かれた名探偵エルキュール・ポワロ。

やがて邸内で巻き起こる惨劇に対し、彼は持ち前の灰色の脳細胞を駆使して事件をどのような結末へと導いていくのか?

 

仕上がり自体は全体的に高品質で、純然たる古き良きミステリーアドベンチャーを味わいたい、というプレイヤーにとってはしっかりと楽しめる作りになっている。

海外ミステリーゲームファンは本作「Agatha Christie – Hercule Poirot The First Cases」を是非お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) 8.0

 

良い点

  • 英語フルボイス&字幕により、本格的な海外ミステリーの雰囲気をゲーム化
  • デフォルメ設定のヒント機能により、捜査に行き詰まることがない(オプションでオンオフが可能)
  • テキストの翻訳が安定しており読みやすい(ただし、誤訳が見られるとの指摘の声も)

 

惜しい点

  • マインドマップでは一見繋がり難そうな2つの組み合わせが正解というパターンが多く、釈然としない場合も
  • 1つのパート内で必要分の捜査が終わると強制的に次のシーンへと移動する仕様により、対象にインタラクトする順番次第で調べ逃しが発生する事がある
  • エンディング後はセーブデータが初期化されてしまい、次回ゲームを開始する際はプロローグからのスタートとなってしまう

 

関連記事

Murder Mystery Machine ©2021 MICROIDS SA. Published by Microids SA. All rights reserved. Developed by Blazing Griffi[…]

 

 

スポンサーリンク