A Plague Tale: Innocence - プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

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基本情報

 

タイトル A Plague Tale: Innocence(プレイグ テイル -イノセンス-)
ジャンル アクション・アドベンチャーゲーム
プラットフォーム Windows・PlayStation 4・PlayStation 5・Xbox One・Xbox Series X/S
メーカー Asobo Studio・Focus Entertainment・株式会社オーイズミ・アミュージオ
公式サイト プレイグ テイル -イノセンス-(公式)

 

 

ゲームについて

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疫病と戦争で荒廃した1384年のフランス王国を舞台としたステルス・アクション・アドベンチャーゲーム。

プレイヤーは主人公の『アミシア・デ・ルーン』を操作し、弟の『ユーゴ』をつけ狙う『宗教裁判』から逃避行することになる。

また、フランス各地で異常に増殖し、人間を襲い、疫病を広めるネズミの群れがアミシア達の旅路を困難なものとしている。

 

ストーリー

1384年のフランス王国。

地方領主の長女アミシアと父親のロベール、ペットのリオンが森へ狩りに出かけるシーンから物語は始まる。

 

美しい森の奥でごちそう(イノシシ)を見つけたアミシア達。

逃げるごちそう(イノシシ)を追って森の奥深くに進むと、美しい森から一転して倒れた木々、ぬかるんだ地面の陰鬱な森へと差し掛かる。

陰鬱な森を進むと肉を食い散らかされたイノシシの死体と傷つき下半身が穴にはまったリオンの姿が。

リオンに駆け寄るアミシアとロベール。その目の前で何者かによって穴の中に引きずり込まれるリオン。

 

探索隊を組織するため屋敷に戻ったアミシアとロベール。

そこへ二コラと宗教裁判の兵士たちが屋敷を襲撃、屋敷の使用人たちを殺戮しながら家探しを始める。

目的はアミシアの弟ユーゴだ。

 

アミシアの両親ロベールとベアトリスは我が身を犠牲にしてアリシアとユーゴを屋敷から逃がす。

アリシアはユーゴを連れ、ベアトリスの言いつけに従い医者のローレンシウスを探す旅に出るのであった。

 

キャラクター紹介

アミシアとその家族、ゲーム途中で加わる仲間、敵役を紹介する。

アミシア・デ・ルーン
本作の主人公。

活発な性格でペットの猟犬リオンと狩りをしたり、スリングを巧みに扱ったりと運動能力に優れている。
宗教裁判の襲撃後、弟ユーゴの治療と安全のため、医者のローレンシウスを探す旅に出る。
家族や仲間への愛情が深く、必要とあれば自らの危険を顧みない。
ユーゴ・デ・ルーン
アミシアの弟。

6歳と幼く、状況をわきまえない行動が多く、アリシアをよく困らせている。
ゲームでは小さい体を活かし、壁の穴を通って扉を開けるなどしてアリシアをサポートする。
疫病とは別の病気にかかっており、ユーゴの病気の原因は本作のストーリーに深く関わっている。
ロベール・デ・ルーン
アミシアとユーゴの父親。

優しさと勇敢さを兼ね備えた人物。領民にも慕われている良き領主でもある。
宗教裁判に捕まるも、ユーゴの居場所を答えなかったため、宗教裁判の長官二コラに殺害される。
ベアトリス・デ・ルーン
アミシアとユーゴの母親。
錬金術師でローレンシウスと共にユーゴの治療にあたる。
屋敷に侵入した宗教裁判の兵士を石で撲殺するなど勇敢なところもある。
アミシアとユーゴを館の外に逃がすも、二コラに殺害される。
ルカ
ローレンシウスの弟子で見習い錬金術師。

小柄な体格のため肉体労働は苦手だが、頭は良く錬金術でアリシアをサポートする。
ユーゴからは魔法使い思われて尊敬されている。
メリー
職業は泥棒。アチュールの双子の妹。

性格は過激で熱くなりやすいとことがある。
ルカから「アリシアは貴族の娘で実家は大金持ち」と聞いてアリシアの手助けをするようになる。
腕の良い泥棒だけあり、扉や宝箱の鍵開けでアリシアをサポートする。
アルチュール
職業は泥棒。メリーの双子の兄。
イギリス軍の砦からの脱出をこころみるアミシアを煙幕や爆薬でサポートするも、自分だけ捕まるなど運はあまり良くないようだ。
アリシアを襲う二コラの妨害をしたり、敵の捕虜になってる時に重要な情報を偶然手に入れるなど、出番は少ないが重要な役割を果たす。
ロドリック
職業は鍛冶屋。

勇敢でおおらかな性格。
父親も腕の良い鍛冶屋だったが宗教裁判に殺害されてしまう。
ゲームでは体格と腕っぷしの強さを活かし、鍵のかかった扉を体当たりで開いたり、敵兵の不意をついて気絶させるなどしてアリシアをサポートする。
陽気なキャラでユーゴともすぐに打ち解ける。
二コラ
宗教裁判の長官でヴィタリスの右腕。デ・ルーン姉弟にとっては両親の仇。

冷酷な性格だがヴィタリスへの忠誠心は厚い。
目的のためなら敵国のイギリス軍と取引をしたり、自らの体を傷つける戦法も躊躇なく行う。
ヴィタリス・ベネヴェント
宗教裁判のトップである大宗教裁判官。

ネズミによる疫病に感染するも、エピサングイスと呼ばれる物質と人間の血液による混合物を注射することで命を保っている。
デ・ルーンの血に隠された秘密を手に入れるため、ユーゴをつけ狙う。

 

 

システムについて

ゲームのシステムと操作についての説明。

ボタン操作の表記はXBOXコントローラー(PS4コントローラー)とする。

 

システム

サードパーソン形式のステルス・アクション・アドベンチャーゲーム。

プレイヤーは主人公である『アミシア・デ・ルーン』を操作し、ステージ内の目標を攻略しながらクリアを目指すことになる。

アミシアはスリング(投石紐)以外に武器を持たず接近戦や複数の敵との戦闘が不可能のため、草むらに隠れて移動したり、物音を立てて敵の注意をそらして移動するなどのステルス行動が中心となる。

また、本作では大量発生したネズミが人間への脅威となっており、人間がネズミの大軍に襲われると食い殺されてしまう。

ネズミは光を嫌うため、松明や投光器を使ってネズミを追い払い通路を確保する、スリングによる投石でランタンやかがり火を破壊して敵をネズミに襲わせるなどパズル要素を駆使して進める場面もある。

アップルグレード画面ではステージ途中に拾った革やコードなど消費してスリングと装備(ポケットや弾用バックなど)を強化できる。

仲間と一緒にいる場合、仲間に命令してアリシアでは対応できない状況を打破することができる。

ただし、ユーゴのみ命令を実行できる時間に制限があり、命令の実行に時間をかけすぎるとユーゴはパニックに陥って騒ぎだしてしまうので注意が必要だ。

 

基本操作

プレイヤーはサードパーソン形式の画面でアミシアを操作し、ステージ目標を目指してマップを探索する。

低い壁やアイテムなどプレイヤーからの働きかけが可能な対象に近づくと対応するコントローラーのボタンが表示される。

ステージ途中にいる敵に見つかると攻撃を受けるため、敵に見つからないように慎重に行動する必要がある。

敵はアミシアの存在を感じると敵の頭上に白色のマークが表示され、警戒して周囲を探索し始める。

敵に見つかる前に素早く隠れると頭上のマークは消滅し、敵は探索を止めて持ち場に戻る。

敵に見つかるとマークが頭上の赤色になりアリシアに攻撃を始める。

敵に見つかった場合、スリングで敵を倒す、敵の視覚外までダッシュで逃げる、敵がアリシアを見失うまで草むらを移動し続けるのいずれかで安全を確保しないといけない。

移動 左ステック 前後左右に移動する。
ダッシュ RTボタン(R2ボタン) を押しながら 左ステック ダッシュで前後左右に移動する。
カメラの調整 右ステック その場に立ち止まり、周囲を見渡す。
命令 上キー 仲間に命令を出す。
命令の内容は場面ごとに決まっている。
ジャンプ/登る Aボタン(×ボタン) 低い壁や倒木などの障害物を乗り越えることができる。
落とす Bボタン(○ボタン) 長押し 手に持っている松明を床に落とす。
しゃがむ Xボタン(□ボタン) しゃがみ込む。しゃがんでいると敵から見つかりにくくなる。
また、障害物の下を潜り抜けることができる。
しゃがんている最中にボタンを押すと立ち上がる。
アクション/拾う Yボタン(△ボタン) 松明に火をつける、扉を開ける、梯子に上るなどのアクションを行う。
目の前のアイテムを拾うことができる。
クラフトメニュー ビューボタン(SHAREボタン) クラフトメニューを開く。メニューには2つの機能がある。
アップグレード:スリングと装備を強化できる。
古写本:ゲームの途中で発見したコレクションを確認できる。
ポーズ メニューボタン(OPTIONSボタン) システムメニューを開く。

 

戦闘操作

敵との戦闘ではスリングを使って対処することになる。

スリングは射程距離が長く、遠くの目標に弾をぶつけることができるが、「狙いが定まるまでに時間がかる。」「投石時に大きな音を立てるため、近くの敵に発見される」の欠点がある。

スリングでランタンを叩き落してネズミに襲わせる、ネズミ寄せの物質をぶつけてネズミに襲わせるなどもできる。

スリングをアップグレードすることで石を敵の頭にぶつけ撲殺できるようになる。

近距離の標的にはスリングの代わりに、手投げで弾を投げることもできる。

手投げは射程距離こそ短いがスリングと違って音がしないため、敵への不意打ちや、物音を立てて敵の注意をそらすなどステルス行動時に有効である。

本作には体力などは存在せず、敵の攻撃を受けると即死するため、戦闘はなるべく避けることも重要だ。

スリング照準 RTボタン(R2ボタン)長押し スリングを構え、十字キーで標的に照準をあわせる。
スリングを構えると立ち上がり、標的に照準が合うとスリングを振り回し始めるので敵に発見されやすくなる。
手投げ照準 RBボタン(R1ボタン)長押し 手に弾や壺を持ち、十字キーで標的に照準をあわせる。
しゃがんだ状態で照準を合わせることができるため、ステルス行動を継続できる。
撃つ/投げる LTボタン(L2ボタン) スリング照準中の場合、スリングを発射する。
手投げ照準中の場合、手に持った弾や壺を投げる。
弾を選択 LBボタン(L1ボタン) スリング/手投げに使用する弾を選択する。
素材があると特殊な弾を作成できる。
避ける Bボタン(○ボタン) + 十字キー 回避行動をとり、敵の攻撃を避けることができる。

 

弾の種類

ショップなどのシステムは無いため、石・壺・素材(硫黄やアルコールなどの)はすべてステージ途中で拾って入手する。

弾の作成中は無防備になるため、余裕のあるタイミングで弾を作成しておく。石・硫黄・アルコール・硝石は持ちきれないほど手に入るため残数は気にしなくてもよい。

ソムナスとルミノーサは布地・革を材料とする。布地・革は取得できる数に余裕がないため、ゲームの攻略に詰まった場合を除いてソムナスとルミノーサは作成しない方がよい。

インペリウムは弾ではなく『ユーゴ』の特殊能力である。操作も特殊なので注意が必要だ。

ステージ途中で袋に入った石を拾うことで取得できる。 基本となる弾。
金属製品に当てて大きな音を出し、敵の注意を引くことができる。

スリングで敵の頭部にぶつけると敵を倒すことができる。
ランタンにぶつけて火を消す、鎖にぶつけて吊り下げられている檻などを地面に落とすこともできる。
ステージ途中で壺を拾うことで取得できる。 手投げ専用の弾。
地面に投げつけて大きな音を出し、敵の注意を引くことができる。
イグニファ― 石・硫黄・アルコールから生成する。 消えている松明やかがり火などにぶつけると、火をつけることができる。
ゲーム後半では体当たりを仕掛けてくるネズミの群れを追い払う野にも使用する。
人間にぶつけても発火させることはできない。
エクスティングイス 石・硝石・エピサングイスから生成する。 松明やかがり火など、投石では消せない火を消すことができる。
燃えている扉を消火したり、明かりを消してネズミの行動範囲を広げるなどが主な用途である。
松明を持っている人物にぶつけると松明の火を消すことができる。
オドリス 石・硫黄・エピサングイスから生成する。 投げつけた先にネズミの群れをおびき寄せることができる。
地面にぶつけてネズミの群れを移動させ通路を作る、敵にぶつけてネズミに襲わせることができる。
デヴォランティス 石・アルコール・硝石から生成する。 ヘルメットをかぶった敵はスリングの投石では倒せない。
ヘルメットをかぶった敵の頭部にデヴォランティスをぶつけると、敵はヘルメットを脱ぎ頭部が無防備な状態となる。
ルミノーサ 硫黄・アルコール・硝石・革から生成する。 強い光を発し、投げつけた先にいるネズミの群れを排除することができる。
材料を多く使い、作りすぎるとアップグレードに支障がでるため、切り札として使う。
ソムナス 硫黄・アルコール・硝石・布地から生成する。 敵を眠らすことができる。
背後から敵に近づき、Yボタンで使用する。
材料を多く使い、作りすぎるとアップグレードに支障がでるため、切り札として使う。
インペリウム ユーゴと一緒にいると使用できるようになる。 ネズミの群れを自由に動かし、敵を襲わせることができる。
明かりがある場所にネズミの群れは移動できないため、事前に明かりを消しておく必要がある。
また、敵を襲ったネズミの群れは死体から離れず操作できないため、敵が複数いる場合は敵の全滅が難しくなる。

 

アップグレード

ステージの途中にある作業場で素材(硫黄やアルコールなどの)を消費してスリングなどをアップグレードすることができる。

アップグレードは各項目3段階まで可能である。

イベントでアップグレードさせる「スリングーひも」の1段階目以外は必須のアップグレードは存在しないため、プレイスタイルに合わせてアップグレードできる。

始めは「装備-ポケット」と「装備-弾用バッグ」を優先的にアップグレードすることをお勧めしたい。

素材はステージの途中で拾うしか取得方法がないため、所持数を増やすことで素材の拾い残しを減らすことにつながるからだ。

スリング ひも ヘッドショットで敵を即時させる。 スリングを構える時間を短縮する。 スリングショットが無音となる。
ポーチ スリングの狙いが定まる時間を短縮する。 スリングのリロード時間を短縮する。 2連続のスリングショットが可能となる。
装備 ポケット 素材を最大12個持てるようになる。 素材を最大16個持てるようになる。 素材を最大22個持てるようになる。
弾用バッグ 弾を最大10個持てるようになる。 弾を最大14個持てるようになる。 弾を最大20個持てるようになる。
ツール 移動/避ける が静かになる。 作業場以外でもアップグレードできるようになる。 工具がなくてもアップグレードできるようになる。
錬金術 容器 オドリス/ルミノーサの効果時間を延ばす。 スリングでルミノーサを投擲できる。 スリングでソムナスを投擲できる。
器具 イグニファ―で敵の気をそらすことができる。 弾のクラフト時間を短縮する。 スリングショットでヘルメットを脱がさせる。

 

 

ゲームを遊んだ感想

美しいグラフィックとリアル志向のキャラクターたちが印象的なステルス・アクション・アドベンチャーゲームである。

ステルス・ゲームとしては難易度はやや低く、失敗しても直前の状態からリトライになるため繰り返しも苦にならない。

ゲーム中3回あるボス戦以外はアクションゲームとしての難易度も低いため、アクションゲームなどが苦手な人にもお勧めしたい。

仕掛けを動かして橋や船を動かしたり、松明や投光器を利用してネズミを通路から追い払ったりと、パズル要素もあり、ゲームが単調にならない工夫がみられる。

 

敵との戦闘はスリングを使った投石攻撃だけのため、敵との距離を取りつつ冷静に標的を狙う必要がある。

また、兜をかぶっている敵はスリングによる投石では倒せないため、先に兜を脱がせ無防備になったところを攻撃したり、ランタンを叩き落してネズミに襲わせたりと状況に応じた判断も必要だ。

 

本作は美しいグラフィックが特徴で難易度も低く遊びやすいゲームであるが、百年戦争中のフランスを舞台としたゲームのため、死体の転がる戦場後、宗教裁判で処刑された人々、疫病が蔓延した街、魔女狩りを行う人々、ネズミの群れに襲われる人間(イベントだけではなく、アミシアの攻撃でも発生する)など陰鬱なシーンもあるため、グロテスクなシーンが苦手な人には向かない。

また、リアル志向なためか登場人物は顔の汚れや傷跡が目立ち、人によっては違和感を感じることもある。

 

本作はネズミの大軍に襲われる人々、疫病と魔女狩り、宗教裁判などテーマが重く、人によっては不快に感じる内容のため万人向けとは言い難い。

しかしながら、グラフィックの美しさ、引き込まれるストーリー、遊びごたえはあっても難し過ぎない難易度とお勧め要素が多いため、ネズミや死体に対して苦手な人以外はぜひプレイして頂きたい作品だ。

 

 

評価

個人的スコア 8.5

 

良い点

・夕焼けの景色や森林などの美しい自然、疫病と戦争で荒廃した都市、ネズミの群れがうごめく不気味な地下道など、ゲームの臨場感を高める優れたグラフィック。

・主人公は非力なためステルスしながらの移動が基本のゲームだが、状況によっては戦闘などでも乗り切れるため試行錯誤しながら自分なりの攻略方法を見つけ出す楽しみがある。

・ネズミを松明や投光器で誘導したり、足場を動かして高い壁を乗り越えたりとパズル要素もありゲームが単調にならないような工夫を感じられる。

・ネズミの大軍や宗教裁判からの逃亡劇と主人公の弟『ユーゴ』の秘密を探ることの2つが絡み合ったストーリーで、ゲームを中断するタイミングが無いくらい引き込まれる内容である。

・ステージ序盤のチュートリアルはしっかりており、マニュアルを読まなくてもゲームをプレイすることができる。

・こまめにオートセーブされるため、失敗してもたいてい直前の状態からリトライでき、試行錯誤が負担にならない。

 

悪い点

・ネズミの群れと襲われた犠牲者、死体だらけの戦場など人によっては気分を悪くする描写がある。

・キャラクターデザインはリアル志向のため、好みが分かれるグラフィックである。

・字幕は文章途中で次のページに切り替わることが多く、読みにくい。

 

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