にゃんこの城(A Castle Full of Cats) - プレイ後の感想と作品解説【レビュー】

スポンサーリンク

©Maicon Benato. Licensed by Silesia Games Sp. z o.o.

 

基本情報

 

タイトル A Castle Full of Cats
対応機種 Nintendo Switch,PlayStation4|5,Xbox Series S|X,Steam,GOG.com
販売 Silesia Games Sp. z o.o.(各種コンソール版)
開発 DevCats(※Steamでは販売も兼任)
発売日 2022年11月10日(Steam版)、2023年8月17日(Switch版)、2023年8月16日(PS4|5版/XBS|X版)、2022年11月9日(GOG版)
対応言語 日本語, 英語, フランス語, イタリア語, ドイツ語, スペイン語, ポルトガル語, ロシア語, 韓国語, 中国語 (簡体字), 中国語 (繁体字)
備考 IARCレーティング:3+
スポンサーリンク

 

作品概要

 

「A Castle Full of Cats」(にゃんこの城)はDevCatsの製作によるゲーム作品。コンソール版の国内パブリッシングをポーランドのSilesia Games Sp. z o.o.が担当。

本作は猫探しが目的の発見型パズルゲーム。怪物ハンターを生業とする猫Lilyと共に猫だらけの城へと潜入し、幽閉された茶トラ猫Fofiñoの救出、そして城内に隠された秘密を暴くのが目的だ。

 

開発担当のDevCatsは、その名の通り猫が主役となるゲームのみを多数リリースし続ける稀有なディベロッパーチームで、今作のような猫発見型パズル作品を複数手掛けている他、様々なジャンルの猫ゲームを多数リリースしている。

オフィシャルサイトでは6名の保護猫がスタッフとしてその名を連ねており、里親探しや猫の保護活動への意識を高める事もチームの信条の一つとして製作活動を行っているようだ。

 

リンク:devcats(X(Twitter))

リンク:Silesia Games(X(Twitter))

 

操作方法

 

(※Nintendo Switch版)

JOY-CON(左)
上下左右ボタン カーソルの移動
Lスティック 同上
Lボタン
ZLボタン ズームアウト
-ボタン

 

JOY-CON(右)
Rスティック カメラの操作
Aボタン 決定
Bボタン 1つ前のエリアに戻る
Yボタン (マップ表示中)タイトル画面に戻る
Xボタン 水晶玉を使う(※水晶玉入手後)
Rボタン
ZRボタン ズームイン
+ボタン 城内マップの表示(※マップ入手後)

※携帯モードでプレイする場合は、上記に加えてタッチスクリーン操作にも対応。ピンチアウト操作でズームイン、ピンチイン操作でズームアウトが可能。

 

遊び方

 

以下では「A Castle Full of Cat」の基本的な遊び方やシステムについて紹介。

 

猫の探し方

ゲーム内の各エリアでは、塗り絵のような線画ベースで描かれた背景の色々なところに多数の猫が隠れている。

そのままでは遠景状態のため、視点が遠く細かい場所が分かり難い。まずはZRボタン(携帯モードプレイ時にはピンチイン操作でも可)を押してズーム。

猫と思しきポイントを見つけたら、カーソルを合わせてAボタン(または画面に直接タッチ)で調べてみよう。猫が隠れていた場合はそのシルエットが浮き上がり、発見と共に該当箇所に着色が成される。

 

隠された猫の数

画面左上にあるコウモリ型のウィンドウ上から、エリア内に隠れた猫の残り頭数の確認が可能。

左側の数字が普通の隠れ方をしたノーマル、右側は少し特殊な場所に隠れたシークレットといった形で分類される。

 

  

例えば最初のエリアに隠れている猫の場合は上画像の内、左がノーマル、右がシークレットのものに該当する。

このようにエリア毎に、タイプ別で二種類のカラーによって色分けされているので、発見後にどちらの属性の猫であるのかは一目瞭然だ。

 

なお、シークレットはそのままの状態では姿を視認できないような場所にいるパターンが多い。隠れていそうな場所がないか、隅から隅までカーソルを合わせてクリックしてみよう。

 

水晶玉について

城内のどこかで発見できる水晶玉は猫探しにおけるお助けアイテム。入手後、まだ猫が1匹以上隠れているエリアでXボタンを押すと、各エリア毎に一度だけ猫が隠れている場所を光のエフェクト(下画像)で明らかにしてくれる。

 

効果自体は”隠れている場所を明らかにしてくれる”のみとなっているので、発見には場所が判明した後にプレイヤー側で直接その場所を指定する必要がある点には注意が必要。

水晶玉は各エリア1度しか使用できないという特性上、”最後の1匹を発見する”という場面での使用が最も望ましいが、噂ではより強力な水晶玉が城の何処かに隠されているらしい…?

 

マップについて

マップ入手後、+ボタンを押すと城の全体図や所持しているアイテム、救出した猫を一括で確認することができるマップメニューを表示することができる。

地図上では初期状態で表示がアクティブになっている箇所が現在位置を示しており、一度でも訪れている部屋については黒く塗りつぶされた状態で表示される。各部屋にカーソルを置くことで一時的に表示がアクティブ状態となり、縮小サイズではあるが大まかな構造の確認が可能だ。

この機能自体はあくまで城の全容を確認できるだけのものでしかないが、ゲーム本編内で特定の条件を満たすとある特別な効果が備わるとか備わらないとか…。

 

???

一度ゲームでエンディングを迎えると、タイトル画面に上画像のようなポスターが貼り出される。

アーケードゲームマシンのようなデザインが描かれたこのポスターをクリックすると…?

 

プレイ後の感想

「A Castle Full of Cats」は、スマートフォンゲームアプリ「ねこあつめ」(Hit-Pointより配信中)のように隠れた猫を探すことが目的のゲームだ。複雑な操作を必要としない単純明快なゲームシステムも含め、猫好きの方にとっては特にたまらない内容となっている。

ゲーム内では緻密に描き込まれた城内の背景イラストの中から豆粒大のサイズのものが圧倒的比重を占める数百匹以上にも及ぶ猫を1匹1匹探し出す、という極めて地道な作業が最初から最後まで続いていく。

 

城内の発見対象となるビビッドカラーで彩られた数百匹以上もの猫達とは別に、主人公のLilyを含むネームドNPCとして登場する猫達が特に印象的だ。

作中ではリアルタッチのイラストで登場する上に台詞テキストが用意されているなど、本編においては俳優のような扱いを受けているこれら計6匹の猫達は、キービジュアルやPV上でもその姿を確認できると同時に、いずれもがディベロッパーにあたるDevCatsのスタッフの猫達と同じ名前となっている。おそらくは、ゲーム内に彼らを出演させる製作者側の計らいであるようだ。

 

Nintendo Switch版に関しては、コントローラーと画面タッチという2つの操作に対応しているので、プレイスタイルに合わせて臨機応変に変えることができるのも嬉しい。どちらかと言えばゲームの性質上、タッチスクリーン操作が可能な携帯モードの方が相性の良さを感じさせるところも。

ローカライズについては僅かながらもワードチョイスのセンスが効いており、ごく一部に若干おかしな箇所も見られたものの自動翻訳のような堅苦しさは感じさせない。

 

数少ない不満点― と言うよりもこれは出題側の配慮が足りないと思わせる問題点なのだが、プレイ中に極端な難所と感じられた場面を幾つか確認している。

それは探す対象となるネコが”画面の死角”となる場所に隠れているパターンで、より具体的には表示エリア内の画面端や四隅といったポイントに頭や尻尾の先しか視認できないような形で隠れている、といったかなり意地悪なもの。一部のワイド型モニターでプレイする場合、画面サイズ設定の調整次第で上述の箇所が画面から見切れてしまって明確に見えないといった諸問題が発生する。

上記のような状態で着色無しの線画で描かれた背景に同化するかのように巧妙に紛れており、水晶玉のヒント無しではまず見つける事が厳しい。そのままではざっと眺めているだけでは、普通に見落としてしまうどころか明確に見えないというのに等しいレベルっぷり。

 

ヒントアイテムとして利用可能な水晶玉の仕様も基本的に各エリア1回のみ、という制限があるため、ここぞという時のためにとっておきたい、と温存を考えるプレイヤーも多い事だろう。

ところが筆者のプレイ中に、対応ボタンであるXボタンを押していないにも関わらず、何かの拍子に機能が反応して予期せぬタイミングで勝手に使ってしまうといったケースが二、三度見られた。不具合であるものかどうかは不明だが、もし本作をコントローラーでプレイする際にはこうした現象が発生する可能性がある事を心に留めておいて頂きたい。

 

生憎と今作のようなゲームについて明確なジャンル名が分からないことから、筆者はここでは暫定的に”猫探し系ゲーム”と定義しているが、開発元であるDevCatsや他のインディー開発者により同じシステムを持った類似作品が多数リリースされている。

筆者的にはストアページでの紹介内容が同ジャンルの他作品に比べて印象深かった事が購入の決め手となった。その結果、ゲームプレイを通じて”アイテム探し”と言うこれまで触れずにいたジャンル開拓の切欠となった事は僥倖の一言に尽きる。

 

難易度や操作性の面で僅かに気になる点はあるものの、全体ボリュームも長過ぎず短過ぎない程良さで、控えめの価格設定も相まって非常にお手頃な内容となっている。

芋づる式に猫の隠れ場所を連続で探り当てたときの快感や、「こんなところにも隠れていたのか!」といった驚きも含めて、今作でのプレイ体験の全てが本ジャンルの面白さをそのまま表しているとも言える。一度始めると探す手を止められない。にゃんこ効果恐るべし、である。

 

猫好きの方、探し物パズルが好きという方は、本作「A Castle Full of Cats」を是非一度お試しあれ。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .5

 

良い点

  • 大量に隠れた猫をひたすら探すだけ、というシンプルなゲーム性
  • 城内中に様々なポーズをもって隠れている総頭数500匹以上の猫
  • 普通の冒険だけでは終わらない、城の奥深くに隠された秘密

 

惜しい点

  • (Nintendo Switch版)ヒント機能が予期せぬタイミングで暴発してしまうことがある
  • 猫の内の一部には、エリアの隅や角といった画面やエリアから見切れた場所に、姿を視認し辛い形で隠れていることがある
  • 自由にリトライ可能ながら、突破には運が絡むゲーム展開が終盤に登場する

 

関連記事

Sadi And Ayu   基本情報   タイトル Cat Warrior 対応機種 Steam,Nintendo Switch 販売 Sadi Makes G[…]

 

 

スポンサーリンク