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基本情報
タイトル | 7 Days to End with You |
対応機種 | Steam,Nintendo Switch,iOS,GooglePlay 他 |
販売 | Lizardry |
開発 | PLAYISM(※GooglePlay、iOS版はLizardry) |
発売日 | 2022年2月7日(Steam版),2023年1月26日(Switch版),2022年1月17日(GooglePlay版),2022年1月23日(iOS版) |
対応言語 | 日本語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,スペイン語,韓国語,ポルトガル語,ロシア語,中国語 (簡体字),中国語 (繁体字),英語 |
備考 | IARCレーティング:12+(軽い暴力) |
作品概要
「7 Days to End with You」はLizardry氏個人開発のゲーム作品。プラットフォームは多岐に渡り、Steam版及びNintendo Switch版のパブリッシャーをPLAYISMが担当している。
言語解読とコミュニケーションを前面に押し出したアドベンチャーゲームで、プレイヤーは7日間という限られた期間を使い、一人の人物と互いの理解を深めていく。
未知の言語によるコミュニケーションにスポットを当てた、独特なゲームシステムを持つ本作は、「言葉を自由に解釈する」というプレイヤー側の柔軟なスタイルが求められる作風が特徴だ。
操作方法
(※Nintendo Switch版)
JOY-CON(左) | |
上下左右ボタン | カーソルの移動 |
Lスティック | |
Lボタン | 視線を左に寄せる |
ZLボタン | |
-ボタン | ウィンドウ消去(アイコン表示時) |
JOY-CON(右) | |
Rスティック | |
Aボタン | 決定 |
Bボタン | 戻る |
Yボタン | |
Xボタン | Wordを開く |
Rボタン | 視線を右に寄せる |
ZRボタン | |
+ボタン | 設定メニュー |
ゲームの進め方
見知らぬ家で目を覚ました貴方。目の前には、貴方を介抱したと思しき一人の人物(女性)の姿がある。
プレイヤーは、名前も分からないこの人物(記事内では仮に「パートナー」、あるいは「彼女」と呼ぶことにする)との不思議な共同生活を通して、定められた7日間という限りある時間を過ごしていく。
ただし、物語の開始時点では彼女が発する言葉をプレイヤー側は一つも理解できない状態となっている。
その影響で、こちらも相手に思っていることを具体的に伝えることが難しい。
ゲーム内での実際のコミュニケーションは、上画像のようなテキスト表示によって展開していく。
パートナーが話す言語には特別な文法は無く、記号のような形状の見慣れない文字を組み合わせた単語が、1行につき2~3つ並ぶといったごくシンプルな構成だ。
彼女が何かを伝えたい時に、発する言葉を手がかりにしながら、一つ一つの単語を咀嚼してその意味を考え、覚えていく。この一連の工程が、本作ゲーム部分のメインとなっている。
視点を寄せる
家の中で終始展開していく本作では色々な部屋が登場するが、画面上に表示される枠内には全ての範囲が収まりきっておらず、そのままでは全体を調べることができない。
例えば上画像では、画面右側に本や薬品が載った棚のようなものが見えるが、手前にパートナーが立っており、まともに調べることができない状態だ。
そんな時はRボタンを押してみることで視点が少し右側に寄り、隠れて見えなかった範囲が顕わとなる。反対に一旦右に寄せた視点を元の位置に戻したい場合は、Lボタンを押せばOK。
二人で行動を共にする際、パートナーは常に画面右側に立つようになっているので、彼女の後ろに隠れている景色を調べたいという時には活用してみよう。
覚えた言葉の登録
Xボタンを押すと「Word」機能を使用することができる。
作中で目にし、耳にしてきた言葉を一覧で確認、及び管理が行える便利な機能だ。
プレイ中に登場した単語は、この「Word」画面へと自動で登録される仕様になっており、単語1つ毎に文字を入力して、プレイヤーが思う通りの自由なニュアンスで言葉の「意味」を付与することができる。
また本作では単語ごとに、ゲーム内で登場した場面を簡易的に観返す機能が搭載されている。
「見覚えがあるけど、どんな場面で登場した言葉だったのだろう?」といった風に、意味を探る上での大きなヒントとなるだろう。
各単語にはそれぞれ、イメージカラーを付け加えることも可能。5つの色から好きなのを選んでみよう。
ゲームを進める内に次第に単語が増え、リストの内容も充実していくが、あらかじめしっかりと色分けしておけば探し易くなるだろう。
単語に任意の意味を持たせて登録することで、実際の会話時に該当する単語の上にルビが振られるようになる。
なお、上画像は登録後の一例だが、これが正しい意味であるとは限らない。登場する単語一つ一つの意味をどのように解釈するかは、プレイヤー自身だ。
時間の経過について
本作では色んな部屋を往復して、家の中を調べている内に、少しずつ時間が経過していく。経過の判定については、部屋を移動したタイミングにのみ行われる。
ゲームプレイ内での具体的な時刻を確認することはできないが、プレイヤーが寝ていた部屋の窓から見える外の明るさ、リビングの壁にかけられた時計などである程度は検討を付けることが可能だ。
活動を続ける内にやがて、「流石に眠くなってきたな…」といったテキストが画面内に自動で表示されるようになると、一日の終わりが近い合図だ。
身振り手振り、もしくは覚えた言葉を使ってパートナーに就寝したいことを伝え、翌日の活動に備えよう。
プレイ後の感想
「7 Days to End with You」は基本的に、プレイヤー含むたった二人の登場人物によって紡がれる、素朴でささやかな物語だ。
会話中心に進行していく流れはノベルアドベンチャー的だが、ゲーム性としては散りばめられたヒントを頼りに、言葉の意味を探ってゆくパズルゲームに近い。
「ゲームの進め方」の項でも記した通り、作中でパートナーが口にする言語の構造は比較的シンプルなもので、文章としては一つ一つの単語を2つか3つ組み合わせただけのごく簡単な型となっている。
このシンプルな言語構造からプレイヤーは一つ一つの単語がどういう意味を持っているのかを探り当てながら、パートナーとコミュニケーションを交わしていくのだ。
最低限のゲーム進行の導線は随時日本語テキストで提示されるものの、それ以外の場面では徹底して本作独自の言語のみが登場する。
作中ではおよそ130程度の単語が登場するが、それらに対する知識を一切持たないゲーム開始直後の状態では、出会い頭に言葉をかけてくる彼女が一体何を喋っているのか、全く理解が及ばないだろう。(ただし、2周目以降では、前回登録した単語の状況をそのまま引き継ぐことができる)
ゲームプレイ上とはいえ、未知の言語を話す存在と出会った際の”不安”や”焦燥感”をプレイヤーは漏れなく味わうことになるが、この過程こそがまさに本作の特徴。
チュートリアルパートを経て、家の中に散らばる様々な手がかりを元に、パートナーが発する言葉の解読を手探りで挑むのは、本作における最大の醍醐味だ。
また、プレイヤーとパートナー二人の、数奇な運命を描いたストーリーも目が離せないポイントの1つ。
言葉に対する理解を進めつつ彼女との時間を過ごす内に、物語進行の機会はひっそりと自然な形で訪れる。
そもそも自分の身に一体何が起こったのか?
親身に自分に付き添ってくれる彼女は、一体何者なのだろうか?
真実に迫る手がかりは、この未知の言葉の奥に、もしかしたら眠っているのかもしれない―
昨年12月に配信された「INDIE Live Expo Winter 2022」において、新しいゲームの手法を発明したタイトルに贈られる”ルールズ・オブ・プレイ賞”を獲得した本作。
「対話による言語解読」という、ゲームジャンルに新たな切り口を拓いたその功績は、本作の強力な個性として輝きを放っている。
たった7日間という限られた短い時間を精一杯使った上で、プレイヤーは果たしてどんな結末に辿りつくことになるのか。
是非、実際のプレイを通して、本作の独特なゲーム性を自由な解釈でもって体験して頂きたい。
評価
個人的スコア(10点満点中) | 8.0 |
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良い点
- 言葉を自由に解釈し、時に伝えることで、パートナーとの関係を紡いでいく新感覚のコミュニケーションゲーム
- プレイヤーの傍で一途に献身を続ける作中ヒロインの魅力的なキャラクター性
- 取った行動によって変化するゲームボリューム
惜しい点
- 純然なバックログ機能が搭載されておらず、一旦送ってしまったページを自由に読み返すことができない
- 完全なオートセーブ形式につき、一度進めた箇所から自由に選んで再開、といった遊び方ができない
- ゲーム本編は終始家の中で進行していくため、舞台に関する広がりが見られない