キングスナイト ~フォーメーションを駆使して戦うファンタジーテイストのトップビューシューティング

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©1986 SQUARE CO.LTD

PROGRAMMED BY WORKSS

 

 

基本情報

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タイトル キングスナイト(KING’S KNIGHT)
対応機種 ファミリーコンピュータ
販売/開発 スクウェア/WORKSS
発売日 1986年9月18日
備考 ファミリーコンピュータ版の販売後、「キングスナイト スペシャル」のタイトルでPC-8801 mkⅡSRやシャープX1などでもリリース。

 

作品概要

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「キングスナイト」は1986年にスクウェア(現スクウェア・エニックス)がリリースしたファミリーコンピュータ用タイトルで、ゲーム内容はファンタジーテイストの縦スクロール型のシューティングゲーム。(説明書では縦シューティングのフォーメーションロールプレイングと表現されている。)

騎士(ナイト)のレイジャック、魔術師(ウィザード)のカリバ、怪獣(モンスター)のバルーサ、盗賊(スィーフ)のトビーの4人の勇者の力を結集して、ドラゴンの打倒と攫われた王女クレア姫を救出することが本編の目的となる。

今やゲームメーカーとしては巨大な存在スクウェアエニックスの前身となるソフトメーカー”スクウェア”の作品で、ファミリーコンピュータ向けソフトとしては、後の大ヒットシリーズ作品「ファイナルファンタジー」よりも更に前、1986年のリリース作品だ。

 

操作方法

 

十字キー 移動
Aボタン ショット
Bボタン 勇者の魔法(※最終ステージのみ利用可能)
STARTボタン ゲーム開始/ポーズ(一時停止)
SELECTボタン コンティニュー(1~4ステージプレイ後にタイトル画面で入力)

 

(※Bボタンで利用できる勇者の魔法は使用条件が決まっており、詳しくは後述)

 

ゲームの特徴

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「キングスナイト」の基本ルールは撃って撃って撃ちまくる典型的なシューティングゲーム方式。画面上部のゲージは生命値を表しており、空っぽになるとプレイ中のキャラクターは死亡扱いとなって次のキャラクター&担当ステージへと切り替わる。

道中では樹、岩、外壁、崖など様々な形で障害物が出現するが、これらは全てショットで破壊することができる。島や崖は壁際にキーを倒し続けることで、その上へと飛び移ることが可能。地上が水辺などで動きづらい場合は、高台に飛び移る事で平地と同じ動きができるので、足場となりそうな障害物は無闇に破壊せずに残しておくのも戦略の1つとなる。

極一部を除いてありとあらゆるものを破壊できる本作のゲームシステムは爽快感にあふれており、撃ちすぎによるペナルティもない。安心して壊しまくろう。

 

パワーアップアイテム

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特定の箇所の障害物を壊すことで、プレイヤーキャラの能力にまつわる各アイテムが出現する。一部を除いてほぼ全種類が能力を強化するものなので可能な限り回収しておきたい。また、ラストステージで利用可能な”伝説の魔法”を使う為に必要となる4種類のパーツアイテムは各ステージに1箇所にしかないので特に貴重なアイテムとなる。発見したら確実に手に入れよう。

道中のアイテムの内、生命力が減少するf:id:stgk:20191226153340p:plainは唯一のペナルティ効果が発生するアイテム。出現してもうっかり触ってしまわないように要注意。

 

 

前半ステージ

ゲーム前半では4人の勇者がそれぞれ単独で担当を受け持つステージを攻略する形式で進行。ステージ順はレイジャック→カリバ→バルーサ→トビーで固定されていて一定区間まで進むことでゴールとなり、ドラゴンに挑む権利を得ることができる。

4キャラクター分のステージプレイを終えた結果、最終的に生存したメンバー全員でラストステージに挑むといった形式だ。当然ながら、一人も残れなかった場合はその時点でゲームオーバーとなってしまうので要注意。

 

以下では、各キャラクターごとのステージの特徴を簡単に紹介。スクリーンショット1枚ずつと簡素ではあるが、作中の雰囲気を掴む一助となれば幸いである。

レイジャックステージ(魔法の森)

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レイジャックのステージは岩山と緑の木々が中心の魔法の森が舞台となっている。ゲーム開始時にまっ先にプレイするステージとなるので、まずはこのステージを通して本作の仕組みを覚えていこう。

 

カリバステージ(ドラゴンに荒らされた街)

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カリバのステージはドラゴンに荒らされた街。白い建造物が目立つ中、転々と残された巨大な足跡が物々しさを放っている。

 

バルーサステージ(夜の森)

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バルーサのステージは夜の森が舞台。一面緑といった装いのステージだが、後半では水面に月が写る湖も登場。

 

トビーステージ(海と砂地)

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そしてトビーのステージは海と砂地が舞台。前半は広大な砂地が展開する一方で後半はラストまで一面海となっており、脚を取られ易く攻撃を交わしづらい。海上に点在する最寄りの島に飛び移って回避に利用するのもいいだろう。

 

ワープ世界

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前半それぞれ4ステージのどこかには階段が隠されており、これに触るとワープ世界へとステージが切り替わる。ワープ世界では地上に比べて障害物が少なく動きやすい反面、炎を吐く石像や蛇行しながら動き回るゴーストなどが出現するため油断は禁物だ。

 

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ワープ世界の全長は比較的短く、終点にはボスモンスターが待ち受けている。ボスのすぐ近くに出口用の階段が用意されているが、ボスを倒さない限りは外に出ることはできない。そこまで手強い相手ではないので、まずはボスの撃破に集中しよう。

 

ステージクリア

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各ステージクリア後に、担当キャラ毎の到達レベルと入手したパーツアイテムの確認を行うことができる。レベルは道中で回収したパワーアップアイテムの総数で決定され、全て回収していた場合はレベル20になる計算となっている。(JUMP、SPEEDがそれぞれ7段階、WEAPON、SHIELDがそれぞれ3段階)

マークが上述のパーツアイテムを獲得した数を表しているが、4つ揃っていない場合は取りこぼしがあるということになる。揃っていないと気になるという方は同じキャラで再チャレンジしてみよう。

 

最終ステージ

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4ステージ終了後は、生存したメンバー同士による最終ステージへの挑戦となる。最終ステージというだけあって敵の攻撃も激しく、そのためか道中の体感プレイ時間もこれまでの4ステージと比べてやや長めに感じやすい。

しかし最終ステージの最大の特徴は、生存メンバーが多ければ多いほど自機の判定が大きくなり、攻撃を躱しづらくなる点だ。取り分け、水面から平地に飛び上がる時などの大ジャンプで敵弾に接触し易いので、移動や位置調整については特に慎重に行いたいところ。

 

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最終ステージならではの道中アイテムとして標識のようなアイテムが所々に落ちているが、これは先頭のキャラを転換するためのアイテムで、左/右に90度回転するものと、ランダムで戦闘のキャラが決まるものの2種類がある。先頭キャラ変更時には一瞬無防備になるので、周囲の安全を確保してから回収するようにしたい。

ステージの攻撃が激しい分、咄嗟に狙い通りに入手して活用するのは難しいがこれを駆使しながら4人のキャラクターを上手く使い分けていこう。また、前半4ステージで回収したパーツで発動可能な”勇者の魔法”がこの最終ステージの突破の上で重要となってくる。使用する場面を見定めて使っていきたい。

 

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そして最後に現れるのはクレア姫を攫ったドラゴン。果たして4人はこの強大な敵を倒す事ができるのか―?

 

プレイ後の感想

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「キングスナイト」は1986年発のゲームソフトということで、当時は未だスコアアタック形式のゲームが主流で、ゲーム人口を増やす一端となったロールプレイングゲームというジャンルが定着するのはこのもう少し後のこととなる。そんな中、若干異色なゲームルールとはいえスクウェアがファンタジーRPGというジャンルに対し、この当時から意欲的だったのが窺える一作であるとも言えるだろうか。

各面で流れるステージBGMも勇壮で心地よい曲調で、ゲームのボリュームについても1プレイ辺りに耐える程よい長さで上手くまとまっている。特に最終ステージは少し難易度が高めだが、コンティニューシステムも用意されているので、容易に繰り返し挑むことができる。

ベースはシューティングゲームである分、一般的なJRPGとは少々毛色の異なる作風ではあるが、本作をプレイしてみることで近代まで連綿と続いているスクウェア産RPG各作品の思わぬルーツ発見の題材ともなるかもしれない。

 

評価

 

個人的スコア(10点満点中) .5

 

良い点

  • それまではSF要素が色濃かったトップビューシューティングにファンタジーな世界観、陣形を組み替えながら戦うフォーメーションシステムの導入など、革新的且つ意欲的なエッセンスが複数見られる
  • スクロールやキャラクターの挙動面など、スクウェアのファミコンデビュー作でありながらも、随所に高い技術力を覗かせる
  • 高速連射可能なショットを駆使して敵機だけでなく、地形をも破壊しながら進むことができる爽快感に溢れるゲームデザイン

惜しい点

  • 快適な連射が可能な一方で、どのキャラクターも攻撃内容は前方1WAYショットのみと、攻撃のバリエーションに欠ける
  • スピードアップを多数獲得して自機のスピードを上げ過ぎると、水中における制御が困難に(独特の慣性がかかって滑り易く)なる
  • 被弾直後に一定時間無敵といった補正が自機に一切かからないため、連続で攻撃を受け続けるとあっという間に力尽きてしまう

 

 

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