© 2017 Joakim Sandberg
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基本情報
タイトル | Iconoclasts |
機種 | Steam/プレイステーション4/プレイステーションVita/Nintendo Switch |
販売/開発 | Bifrost Entertainment(Steam,OS4,PSVita版),DANGEN ENTERTAINMENT(Switch版)/Joakim Sandberg |
配信開始日 | 2018年1月23日(Steam,PS4,PSVita版)/2018年8月6日(Switch版) |
備考 | CEROレーティング:B(12歳以上対象)
(PlaystationPlus 2019年1月フリープレイ対象作品) |
作品概要
「Iconocrasts」(アイコノクラスト)はインディー開発者Joakim Sandberg氏が単身7年もの年月をかけて制作を行ったと言われる、渾身のゲーム作品。
タイトルだけではどのようなゲームなのかは想像し難いが、その内容はとてもさわり心地の良い2DACTアドベンチャーで、若干17歳でメカニックを志す少女ロビンの活劇を描いていく。
道中登場する複数名のサポートキャラクターと力を合わせながら、道中で手に入る複数の装備を駆使して随所のパズル要素を解きつつ進んでいく、インディーズ系ではお馴染みのジャンル「メトロイドヴァニアタイプ」のアクションゲームだ。
特筆すべき点はとにかく随所まで丁寧に仕上げられたゲームデザインにあり、手に馴染む操作感、洗練されたドットグラフィックは同じインディーズ系アクションと並べてみても高水準で、気合の入りようが窺える。
操作システム
本作を触ってみてまず好感を得た部分は、海外ゲーム基準となる×ボタンが決定、〇ボタンがキャンセルという操作方式ではなく、日本製ゲームに則った〇ボタン決定、×ボタンキャンセルであるという点。
(勿論海外版ではちゃんと×ボタン決定~ の方式を取っている。)
そしてゲーム内の操作チュートリアルも、プレイフィールドの要所ごとに設置されている看板(上画像)の近くに立つだけで表示され、その内容も操作毎に必要なボタン表記と絵による説明のみと非常にシンプル。
操作アクションが豊富な大半のゲームにおいてはプレイ中、テキストによる操作説明が随所で挿入される傾向にあるが、本作のようにマニュアルやTIPS要らずなさりげない解説と直接操作のみで確認ができるスタイルの方が個人的には気に入っていたりする。
上で挙げたような部分は細かな点ではあるが、こういうさりげない心配りを見るだけでもきっちり作られているのだなという開発側の優しさを感じられ、本作への好感度も高くなるというものだ。
ロビンのアクション
そして本作ではアクションゲーム部分も丁寧にまとまっており、それは主にプレイアブルキャラクターであるロビンの操作感の心地よさからもはっきりと見て取れる。
本作序盤のリプレイをベースに、以下でその代表的なものを紹介していこう。
まずは基本的なアクションであるジャンプと攻撃。
初期武器となるスタンガンは射程こそそこまで長くはないが、□ボタン一つ押しっぱなしにするだけで、前方正面、斜め頭上、斜め足元と比較的広範囲をカバーできるオートエイムが働き、非常に使い勝手が良い。
↑キー入力と組み合わせることで真上射撃も行えるため、上空の敵に対しても即カバーできるのは頼もしい限りだ。
続いてジャンプ。こちらの操作もヘンなクセは無く、キー操作やボタンの押し加減次第で高度や飛距離の微調整が可能。
また、ジャンプ先の足場にギリギリ届きそうな場合は崖に捕まることができる。
捕まった状態でのスタンガン攻撃も行えるため、状況次第で上手く利用すると良いだろう。
ジャンプ中は↓キー入力と攻撃ボタンを組み合わせることで、急降下からの踏み付け攻撃を繰り出す事ができる。
トゲを纏った敵など、一見で明らかに効果がなさそうと分かる一部の敵には通じないものの、起死回生のアクションの1つとして使う事ができる攻撃だ。
ロビンのスタンガンにはチャージショット機能が備わっている。
スタンガン射撃ボタンである□ボタンを押し続けることでチャージ。全身が赤く点滅し始めたら、頃合いを見て離せばチャージショット発射―
といった具合で同じタイプのアクションゲームを少しでも遊んでいれば、こちらも直観的に繰り出せるアクションだ。
攻撃以外にも特定の壁の破壊や瓦礫の除去に利用できる大技だが、発射後はしばらくオーバーヒート状態になり、頭上に表示されるゲージが空っぽになるまでの間スタンガンが使用できなくなる。(約5秒間)
チャージショット自体は主にボス戦などで使っていきたいタイプの攻撃手段だが、上記の問題もあるので気を付けながら使う必要があるだろう。
アイテム/工具について
道中に落ちているキーアイテムの上に乗ると、上画像のようにロビンの頭上に矢印が点灯。
上方向を指しているとおりに↑キーを入力することで足元のアイテムを担ぎ上げることができるが、パズル要素を含む一部のエリアでは必須の操作となって来る。
例えばこのカギ型のアイテムは画像のように錠がかかった箱を開ける為のカギで、担いだまま箱のところまで持っていく必要がある。
カギに限らず近くに拾えそうなものがあるならば、まずは上に乗っかってみる事で先に進むための切っ掛けとなりうるかもしれない。
箱の中には素材アイテム各種が入っているが、これらはロビンが使用する各工具のカスタムにおいて利用することになる。
比較的取りにくい場所に設置されていたり隠れているものもあるので、持てるアイテムを駆使して探し当ててみよう。
序盤のあるタイミングではレンチが手に入る。
メカニックであるロビンならではといった工具だが、本作でのレンチは武器としての性能を持ちつつ、特定のギミックにおいては移動にも利用できる便利アイテム。
レンチを使用するにはR2ボタンを使う。
前方に向かってレンチを突き出し回転させての殴打攻撃の他に、道中に点在するボルトに向かって使うことで引っ掛けて掴まったりそのままボルトを回すことが可能。
ボルトはギミック解除の代表的なオブジェクトの1つなので、見かけたらまずはレンチを使って回してみよう。
レンチは若干アクションが大振り気味で攻撃目的の使用においてはややクセがあるのが気になるところだが、先に進むためには新たに慣れておきたいアクションの1つだ。
体験版をプレイ ~ 第17地区まで
操作チュートリアルを兼ねた序盤のエリアを突破すると、やがて第17地区というエリアに到着。
17地区はロビンがメカニックとしての依頼を受け、修理を目的に度々やってくる場所だが、今回やって来たのも兄のエルロから依頼を受けてのこと。
しかし今回この地に足を運んだことにより、彼女の運命は大きく動くこととなる―
ここ17地区はワン・コンサーンという組織によって管理統制されている住居エリアで、罪をおかしたものは聖罰としてハウスごと始末されてしまう、という厳戒なシステムが成立しているようだ。
コンサーンによって下された聖罰により、今では瓦礫となり果てた第8ハウスには1組の夫婦が住んでいた。
ロビンは聖罰の犠牲となった妻を偲び、嘆き悲しむ夫アンドレスの姿を見てしまう。
コンサーンの統治によって、あまりに理不尽な暮らしを強いられている住人達に対し、彼女の胸中も複雑だ。
住人一人一人に挨拶を済ませ、その後帰宅したエルロの依頼を遂行するロビン。
しかし修理に当たる中、エルロ一家が交わす世間話から物語は思わぬ展開に―
突如現れたブラックと名乗る人物。
コンサーン的には非合法と見做す活動を行っているメカニックのロビンは排除すべき存在であり、彼女は以前からブラックによってマークされていたのだ。
たちどころにその身を拘束されていまい―
メカニックに修理を依頼したことで結果コンサーンの教えに背くと判断され、エルロ一家が住まう第4ハウスは聖罰の対象となってしまう。
その身を拘束され、聖罰の執行を指をくわえて見ているしかないロビンの胸中は…?
そして彼女の運命は?
体験版の感想
「Iconoclasts」の世界観はメカニック、工学といった機械要素こそ絡んではいるが、スチームパンク的な雰囲気は薄くどちらかといえば中世ファンタジー寄りでクセは少ない。そのため多くの方に取って親しみの湧き易い作風となっている。
やや洋テイストの効いたメインビジュアルが浮くほどにゲーム内のキャラたちはポップで可愛らしいデフォルメ度合いで、画面狭しと色々な表情を見せてくれるのも本作の魅力的なポイントの1つだ。
ストーリー序盤で一旦は絶望を味わうも海賊ミナを初め、道中様々な仲間との出会いと協力を経ることで苦境を乗り超えていく―
そんな主人公ロビンの姿勢は、プレイヤーが感情移入し易い、まさに正統派主人公たる立ち振る舞い。
上記のような点も踏まえて本作はあまり海外ゲーム作品という雰囲気はなく、和製ゲームに精通してるプレイヤーならば少し触れるだけですぐ馴染むことが出来るだろう。
ノスタルジック且つ良質な2Dアクションゲームを探しているならば、本作を遊ばない手はない。
2019年1月現在、PlaystaionPlusにてフリープレイ対象タイトルとなっているので、PS4ユーザーで少しでも気になっている方はこれを機に是非お試しあれ。