©高橋留美子/小学館・キティ・フジテレビ
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小学館プロダクション
(※2022年1月13日:記事一部修正。ページ最下に「おまけ:技、必殺技リスト」追加)
基本情報
タイトル | らんま1/2 爆烈乱闘篇 |
対応機種 | スーパーファミコン |
販売/開発 | 日本コンピュータシステム(メサイヤ)/アトリエドゥーブル |
発売日 | 1992年12月25日 |
備考 |
作品概要
高橋留美子原作の人気コミック「らんま1/2」を題材にした対戦格闘アクションゲーム。PCエンジン CD-ROM²においても同名原作のゲームをリリースしてきたメサイヤが贈る本作は、同社リリースの「らんま1/2 町内激闘篇」に続く「らんま」原作のスーパーファミコン用ゲーム第2弾。
内容の方は前作同様対戦格闘アクションとなるが、カートリッジの容量が増加するに伴って使用可能キャラクターも12人+隠しキャラ1人の計13人へと増量。2作目と言っても町内激闘篇のマイナーアップ版ではなくデザイン面から一新されており、前作を遊んだ事があるプレイヤーにとっては全く別物といった印象を受けると同時に、より完成度が高まっている事も実感できるだろう。
登場キャラクター
本作での使用可能キャラクターは以下の13人。
早乙女乱馬
早乙女らんま
天道あかね
シャンプー
ムース
久遠寺右京
早乙女玄馬
五寸釘光
博奕王キング
響良牙
パンスト太郎(変身前)
パンスト太郎(変身後)
八宝斎(※隠しキャラ)
前作「町内激闘篇」でも登場した早乙女乱馬/らんま、早乙女玄馬、響良牙、シャンプーに加えて今作では天道あかね、久遠寺右京、ムース、五寸釘光など原作でも準レギュラークラスの顔ぶれが新たな使用キャラとして追加。(※前作登場の久能帯刀、久能小太刀、風林館校長は今回は参戦なし)
原作において特定のエピソード限定の登場に留まった、博奕王キングやパンスト太郎など一部の新キャラは若干捻ったチョイスとなっているが、いずれのキャラも実際に使ってみると各自の特徴を捉えた技の数々で、強烈な個性を覗かせてくれる。
なお、前作では本来の姿で登場していた乱馬の父、早乙女玄馬は今回では変身後であるパンダの姿での登場。作中でお馴染みなセリフ入りの立て看板による攻撃を始めとした、コミカルな動きが見ていて楽しいキャラだ。
八宝斎はパンスト太郎でのシナリオモード最終ボスとして登場するが、対戦モードに限り裏技で使用可能。使用方法は以下の通り。
1:対戦モードのステージ選択画面でX、A、Rボタンを同時に押しデバッグモードに入る。
2:使用したいプレイヤー側のCHARACTER項目でHAPPOUSAIを選択。
対人戦においては最強格候補となるキャラクターだが、動きのコミカルさも含めてユニークなキャラなので是非触れてみよう。
操作方法
十字キー | 移動/(上入力)ジャンプ/(下入力)しゃがみ/(反対方向入力)ガード |
Yボタン | 小攻撃 |
Xボタン | ジャンプ(※初期設定時) |
Aボタン | |
Bボタン | 大攻撃 |
Lボタン | 防御 |
Rボタン | 防御 |
STARTボタン | ポーズ(一時停止) |
SELECTボタン | (未使用) |
キーアサインは初期状態のものでオプションモード内で十字キー、START、SELECTを除いた6つのボタンの範囲で自由に入れ替えが可能。
シナリオモード(1人用)
シナリオモードは他格闘ゲーム作品でもお馴染みの勝ち抜き型の1人プレイ専用ストーリーモード。10キャラの内から1人を選択し、計10戦を勝ち抜いていく形式だ。シナリオモード初回プレイではパンスト太郎(変身前)及び(変身後)は使用できないが、初期10キャラの何れかで一度シナリオモードをクリアする事で利用可能となる。
本作のシナリオモードの流れは半ばテンプレート的なスタイルになっており、陽気でハワイ感全快な風林館高校校長がオープニングで
「〇〇たちをぶっとばしてほしいのでース! HAHAHAHA」
といったノリで各登場人物たちになんやかんや理由や条件を付けて協力を仰いでくるというのが、大まかな流れ。
最終的に全員を倒す事で校長の本当の狙い(オチ)が明らかになる。(というか、うっかりボ口を出す、と言った方が正しいか…?)
シナリオモードでは対戦終了後に、この手の格闘ゲームではお馴染みの会話による掛け合いが挿入される。構成上どのキャラを選んでも全キャラクター総当たりとなる分、原作ではまず絡まないキャラクター同士の掛け合いもあり、原作ファンには見所の1つとなるだろう。
対戦/団体戦モード(2人用対戦)
対戦格闘ゲームということもあり、本作でも勿論人間プレイヤー同士の対戦モードが楽しめる。今作では任意のキャラクターを1キャラずつ選択して行うスタンダードな個人対戦と、5キャラクターを選択して行う、5vs5の団体戦モードの2種類を搭載。
個人対戦は2本先取制のスタンダードな1vs1の対戦モード。団体戦は両チーム側で先鋒、次鋒、中堅、副将、大将を1人ずつ決め、勝利者は負けるまで次戦を引き継いで戦う形式で、一方が合計三勝した時点で勝利となる。
各対戦モードは普通にプレイすると1Pと2Pの対人プレイになるが、キャラ選択画面でLとRボタンを同時に押しながらカーソルを動かす事で1P側のコントローラーで2P側のキャラ選択を行えるという裏技があり、これを活用することで簡易的なトレーニングモードとしての代用も可能だ。
通常技、必殺技について
本作の操作は、移動、小攻撃、大攻撃、ジャンプ、ガードが基本動作となり、十字キーに加え、X、Y、B、LorRのみと使用ボタン数は非常にコンパクトにまとめられている。(いずれもキーコンフィグで自由に変更可能)
大半の格闘ゲームではレバー上方向への入力によるジャンプがデフォルトだが、本作では町内激闘篇と同じく、デフォルトでのジャンプはXボタンで行う仕様。ただし、こちらもキーコンフィグで十字キーへの設定が可能なので、やり易いスタイルに設定すると良い。
必殺技の出し方は簡易なコマンド式で、主に
1:小or大攻撃ボタン連打
2:小攻撃と大攻撃同時押し、
3:大攻撃ボタン長押し後、離す瞬間に方向キー押し
といった3種類の操作に大別される。詳しくは記事最下段のおまけ:中技、必殺技リストを参照。
方向キー操作による複雑なコマンドはなく、少し練習すれば比較的誰にでも繰り出せる手軽さがウリだ。乱馬やシャンプーなど一部2段ジャンプが可能なキャラもいるので、該当キャラを使う場合はこちらも上手く戦略に組み込んでいこう。
プレイ後の感想
ゲーム内ではTVアニメ版同様のキャスティングによるボイスも収録されておりアニメ版ファンにとってもここは嬉しいポイント。更にキャラクターのデフォルメ具合から格闘ゲームとしてのデザインに至るまで、当時発売のスーパーファミコン製格闘ゲームという視点で見れば、非常に高い水準でまとまったキャラゲームに仕上がっている。
ダッシュ移動や超必殺技などの近代格闘ゲーム的要素は一切無い分迫力にはやや欠けるが反面、対戦においてはシンプルな駆け引きを楽しむことができる。煩雑なコマンド入力が不要な操作スタイルなので、プレイの敷居も低めでライトプレイヤーでも楽しむことができる格闘ゲームとして貴重な一本だ。
評価
個人的スコア | 8.5(10点満点中) |
良い点
- アニメ原作のゲームながら同ジャンルの幣作と比べてもオリジナリティが強い部分が見られ、1本の格闘ゲームとしての完成度も高い
- 操作系統がシンプルにまとめられ、一般的な対戦格闘ゲームにありがちな複雑なコマンド入力を必要としない
- メインを張るキャラから強烈な個性をもった脇役まで、ディープな原作ファンの期待に応えるキャラチョイス
惜しい点
- スコアシステムがない事も要因となり、格闘ゲーム的なインターフェースを期待する場合は使用キャラ名とライフゲージのみで構成された画面情報が少々寂しい印象を与える
- 1人用モードがストーリーモードのみで、少々物足りなさを覚える
- 隠しキャラクターである八宝斎の性能は特殊性も含めて極めて強力なため、対人戦においては使用自体が敬遠される場合も
コマンドリスト
(※コマンドはプレイヤーが右向きの時)
キャラクター | 技名:コマンド |
---|---|
早乙女乱馬/らんま | 回転キック(らんまは回転肘打ち):B溜め後に↓
ふみつけ:斜めジャンプ中にB+↓ 飛竜昇天破:Y+B 猛虎高飛車:B溜め後、離す時に←、→ 火中天津甘栗拳:YorB連打 |
響良牙 | カサ突き:B+→
飛びカサ突き:斜めジャンプ中にB+↓ 獅子咆哮弾:Y+B 爆砕点穴:B溜め後、離す時に↓ バンダナ投げ:B溜め後、離す時に←、→ |
シャンプー | かかと落とし:斜めジャンプ中にB+↓
龍牙烈昇脚:Y+B 猛撃突進破:B溜め後、離す時に←、→ |
天道あかね | 2段回し蹴り:B+→
昇魔空破拳:Y+B 疾風爆烈拳:B溜め後、離す時に←、→ |
早乙女玄馬(パンダ) | 父の怒り(おしおき編):敵の近くでY+B
父の怒り(体罰編):B溜め後、離す時に←、→ パンダ百烈拳:YorB連打 |
五寸釘光 | 大回転ワラ人形:Y+B
ワラ人形投げ:B溜め後、離す時に←、→ |
久遠寺右京 | 根性斬り:B+→
天カスかんしゃく玉ミックス:B溜め後、離す時に↓ 小ヘラ投げ(関西風):B溜め後、離す時に←、→ |
ムース | 刀:B+→
鶏卵拳:B溜め後、離す時に←、→ 百烈暗器:YorB連打 鷹爪拳:ジャンプ中に↓+B |
博奕王キング | 点BOW:B溜め後、離す時に←、→
ジョーカーシャワー:後方ジャンプ中に↓+B |
パンスト太郎 | スカシキック:ジャンプ中にB+↓
千歩堕:B+→ 一発逆転男蹴り:Y+B |
パンスト太郎(変身後) | 猛牛突進:B溜め後、離す時に←、→
ジェットアタック:ジャンプ中に↓+B |
八宝斉 | スライディング:相手の方向へキーを入力後にB
闘気:Y+B 八宝大華輪:B溜め後、離す時に↓(溜め時間によって3段階に派生) 気合い弾:B溜め後、離す時に←、→(溜め時間によって3段階に派生) |
裏技要素
(出典:ワンダーライフスペシャル らんま1/2爆烈乱闘篇 オフィシャルガイドブック(小学館刊 ’92))
デバッグモード
対戦モードのステージセレクト画面でコントローラー1側のX、A、Rボタンを同時に押す。
八宝斉はこのモードからのみ使用可能で、使いたい場合は「CHARACTER」項目で「HAPPOUSAI」を選択して対戦を開始しよう。
シナリオモードでパンスト太郎(変身前&変身後)を使用
タイトル画面で上、右、下、左、上、X、SELECTの順に押す。
対戦モードでCPU戦をプレイ
対戦モードのキャラ選択画面でLとRを押しながらカーソルを動かすと、2プレイヤー側のカーソルを選ぶ事ができる。
キャラを選んだ後、スタートボタンで決定することで、対戦モード上でCPU戦を行う事ができる。
ビジュアルシーン閲覧モード
タイトル画面でSELECT、X、上、左、下、右、上の順に押す。
コマンド入力後、画面中央に現れた項目を自由に選ぶことで、ゲーム中のビジュアルシーンを自由に見る事ができる。
一部のステージでスポットライト演出が追加
スーパーファミコンの電源投入後、メサイヤのロゴが消えるまでR、左、SELECT、Y、Aボタンを一度に押し続ける。
コマンド入力後に対戦モードで、サーカス小屋、もしくは校長の像のステージでゲームを開始するとスポットライトが追加された特殊演出で対戦を楽しむ事ができる。